オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

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某ゲームアプリから『ピニャ姫クエスト』、『ピニャ姫スイーツ』とかも考えましたけどね。ハミルトン、ノーマ、グレイが蹴られことしか想像できなかったもんで……

あと炎龍倒せるのはいつやら……

炎龍「あたいまた倒されるの!?」


ピニャ様のタワーディフェンス

説明しよう!

まずイタリカとはどんな街か。

 

簡単に言うと首都ではないが物流や交易の流れが比較的多いため、そこからお城が建って城壁が建って街ができた感じ。だから商人とかもよく集まってくる。

 

日本で例えるなら大阪みたいなもんやと思うで。

 

某世界(スカイリム)ならホワイトランという場所に相当するかと思われる。

 

帝国貴族のフォルマル伯爵の領地であり、先代(コルト)の末娘のミュイが現当主である。

 

第三女でしかもまだ11歳のミュイが当主なのは訳がある。

 

先代が急逝した際、長女と次女の権力争が小規模な紛争にまでに発展し、その結果裁判の判決待ちで運悪くも双方の夫がアルヌスの戦いにて戦死したため、裁判どころではないということになり今に至る。詳細は割愛する。

 

幼いミュイに統率力などあるはずもなく、流浪の盗賊や敗残兵の増加により街の内外における治安も悪化。そしてそれが悪循環して盗賊も増えて軍隊規模になったものが今まさに街を落とそうとしていた。つまりピンチなう。

 

 

「はぁ、はぁ……」

 

 

ピニャはそのイタリカの城壁にて何度目かの襲撃をしのいだところである。

 

彼女自身に怪我はないものの、周りの兵士には傷ついているもの、重症で倒れているもの、そして既に冷たくなっているもので一杯だった。

 

 

「ハミルトン!ノーマ!大丈夫か?」

 

「ぜいぜい、ハイ……何とか……生きてます、ぜいぜい」

 

 

2人とも極度疲労状態で、ノーマは剣を杖にやっと立てる程度。ハミルトンは尻もちついて剣まで放り出している状態である。

 

 

「姫様、小官の名前がないとは、あまりにも薄情と申すモノ」

 

「グレイっ!貴様は無事に決まってるであろう!だからあえて問わなかったまでだ」

 

「それは喜んで宜しいのでしょうか?はたまた悲しんだ方が良いのでしょうかな?」

 

 

グレイと呼ばれる齢40過ぎの堅太りのタフそうな男は、一兵卒からのたたき上げのベテランである。そして数少ない騎士(士官)となった実力者である。

 

それを示すかのように彼の剣には敵の血で染まっているが、返り血はおろか、息切れもしてなかった。あちらの世界(スカイリム)でも英雄(主人公)は返り血浴びまくりなのにね。

 

 

「姫様、何で私たち、こんなところで盗賊相手しているんですか?」

 

「仕方ないだろう!異世界の軍がイタリカ攻略を企てていると思ったんだから!お前達も賛同したではないか?」

 

 

ハミルトンの愚痴に対してピニャも負けじと言い返す。

 

アルヌス周辺の調査を終えていよいよアルヌスの丘へ乗り込もうとしたところ、イタリカが大規模武装集団に包囲され、襲われそうであるという噂を聞いたピニャはてっきり異世界の軍が攻めて来たと思ってしまったのだ。

 

それに加えて初陣は地味な偵察より華々しい野戦の方が良い、といかにも戦争を経験したことのない英雄に憧れるお嬢様思考である。

 

ところがどっこい、蓋を開けてみれば敵は大規模な盗賊集団。その過半数は元は連合諸王国軍の正規兵、つまり敗残兵。

 

対してイタリカ側の現当主は11歳のミュイ。そのため、イタリカ側の兵の士気は最低で、多くは敗走した模様。

 

しかしピニャはこの状況を見過ごす訳にはいかなく、援軍の到着まで総指揮を執ることとなった。

 

一時は城門を突破されたが、住民が民兵として死力を尽くしたため何とか第一日目はしのいだ。正直、あと少しで負けそうなところであった。

 

このため、少ない兵力はさらに少なくなり、士気もどん底まで下がってしまった。流通も止まっているので武器、食料もなくなりかけていた。

 

 

「妾の初陣がこんなものだとは……」

 

 

ピニャが想像していた華々しさなど欠片もないのが本当の戦争である。

 

タワーディフェンスゲームがリアルではいかに難しいかご理解いただけたであろうか。

 

 

***

 

 

イタリカ内の老若男女、職種も問わず文字どおり全ての者が次の戦闘に向けて何らかの作業をしていた。

 

鎮火、手当、武器装具の手入れ、遺体処理……

 

戦争でドンパチすると実際裏ではこういう作業が必然的に生じる。

 

鎮火しなければインフラ、人員に損害が生じる。

 

手当をしなければ人員を確保できない。

 

手入れをしなければ効果的に戦闘を行えない。

 

遺体処理をしなければ疫病などが流行る可能性もある。

 

これら一つひとつが実は重要だったりする。

 

 

「姫様……あの、少し、少しでよいのです。休ませてもらえませんか?」

 

 

住民代表の老人がピニャに申し訳なさそうに話しかける。

 

確かに、半日かけた戦闘後から休む間もなく皆作業を続けていた。

 

確かに、休めるべき合理性もあるが、時期が悪かった。

 

今もし休ませて作業が遅れ、それが敗北の原因となれば元も子もない。

 

優しさが身を滅ぼすこともあることを十分に理解している。そのため、ピニャは厳しい命令を下すしかなかった。

 

 

「盗賊共はまだ諦めていない。態勢を立て直したら、すぐに攻めて来よう。その時に壊れた城門と、崩れた柵で防げるというなら、休んでも良いぞ……」

 

 

老人にはピニャが理不尽を強いる暴君に見えたかもしれない。

 

しかしこれは立場も異なり、一般市民と異なり軍事教育を受けたことのあるピニャだから全体を把握できたのだろう。伊達に薔薇騎士団の団長を務めているわけではない。

 

 

「私はお前に頼み事をしているわけではないぞ」

 

 

つまりこれは命令である。それを察した老人はそれ以上何も言わずに作業に戻った。

 

ピニャは他にも修復状況、壊れた門の閉鎖、外への警戒、そして皆への食料の配給を確認した後フォルマル伯爵家の館へと向かった。

 

出迎えたの老執事と老いたメイド長だけであった。他は炊き出しなどの作業で忙しいらしい。

 

 

「ピニャ殿下、お帰りなさいませ。どうやら守り切ることができたようですな」

 

「まだだ。奴ら、まだすぐ戻って来る」

 

「連中と戦わずに済ますことはできないでしょうか?話し合いで何とか」

 

「争いを避けるのは簡単だ。城門を開け放って、街の住民も財貨も食べ物も何もかも、連中の手に委ねてしまえばよいのだ。

 

しかしそうすれば全てを奪われ、男は殺されるだろう。若い女こどもは必ず陵辱されるだろう。

 

妾も例外でない。1人2人ならなんとかなるかもしれないが、50人100人を相手にして正気を保つ自信はない。

 

時に、ミュイ伯爵令嬢はどうかな?」

 

 

ピニャはホントに理解して言ってるのかは多少気になるとこらである。逸物の形状すら知らぬ乙女のはずだが、恐らく俗にいう『くっころ』を書物等で知ったのだろうか。そこ、変なこと想像しない。

 

 

「み、ミュイ様はまだ11歳ですぞ」

 

 

家臣は戸惑う。

 

 

「そういう幼い少女が好きな変態はいるかもしれないぞ。いや、絶対いる。必ずいるな」

 

 

(そこ、ミュイ様のくっころなんて不埒なこと想像してはならんぞ)

 

「だから戦うのだ。平和のために、相手の言いなりになるのも一つの道だが、それは滅びの道だ。

 

戦いは忌むべきものだが、それを避けることばかり考えると結局のところ全てを失うのだ。ならば戦うしかない」

 

 

ピニャは軽く食事を摂ると仮眠をとることにした。

 

「では客間にてしばし休ませて貰う。もし緊急を知らせる伝令が来たら、そのまま部屋へ通すよう」

 

「仰せのままに。ではおやすみなさいませ」

 

 

メイド長はそう答えると、ピニャは一つ質問した。

 

 

「もし妾が起きることを拒んだならどうする?」

 

「水を頭からぶっかけて叩き起こして差し上げますとも」

 

 

実に豪快な答えだが、聞くところによると彼女はかつて同じような戦闘を経験済みという。道理でメイドたちの指示が的確である。

 

 

「ふふ、そうだな。妾もせいぜい水を被らないよう注意せねばな」

 

 

そう言って床に着く。

 

 

***

 

 

「ぐっ!?貴様!妾に何するつもりだ!」

 

 

ピニャは後ろで両腕に手錠をされて膝を地に着かされていた。周りには多くの男がいる。

 

 

「ほう、これは姫殿下ではございませんか。姫様はなぜわざわざこんな陥落寸前の街へとわざわざ来たのですかな?」

 

 

1人の男が笑いながら言った。

 

 

「ふん、何のことかな。妾は今やただの哀れな乙女かもしれぬが指一本触れてみろ。必ず後悔するぞ」

 

「おお、怖い怖い。さすがは姫殿下。細く整った足、すらっとした体、そして美しいご尊顔。いい女だ」

 

「くっ!?そのような目で私を見るな!いっそ殺せ!」

 

「恐れることはありませんぞ、姫殿。我々と楽しんでいただければいいのですから」

 

「貴様ら!妾は皇女だ!こんなこと神々も許すわけがない!妾にはまだやるべきことがあるのだ」

 

「やるべきこと?では姫様、我々の功績を労って頂きますか。

我々の槍を磨け」

 

「何だこれは!?大きすぎるぞ!それにこんな数無理だ!」

 

「姫様、時間はたっぷりとあります。たっぷりとね」

 

 

ピニャは勢いよく起きた。何だ、夢か、と胸を撫で下ろす。

 

 

「しかし、あの槍は一体なんだったのだ?まあ良い、もう一眠りするか」

 

 

(夢オチとかサイテー、とか言わない)

 

 

***

 

 

ピニャを起こしたのは冷たい水であった。さすが期待を裏切らないあたりメインヒロインの1人と言えよう。

 

 

「きゃあ!?何があった!敵か?」

 

 

ピニャとは対照的に、報告に来たグレイは落ち着いていた。

 

 

「はたして、敵なのか味方なのか、見たところ判りかねますな。とにもかくもおいでくだされ」

 

 

グレイに案内されてピニャが城門の上から見たのは奇妙な箱のような荷車3台であった。

 




もちろんピニャ様やミュイ令嬢の不埒なこと(くっころとかあんなことこんなこと)想像した奴なんて紳士淑女諸君なんていないよな?

私?

紳士淑女ではないから……(汗)

あとピニャ様の夢の元ネタはアルドゥインの故郷に薄い本として実在します。マジで。
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