オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

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まだスカイリム中心です。

しかし原作とは全く異なる展開から始まります。

次はゲートの方も出したい。

皆様今後ともよろしくお願いします。


もう一つ門

何かが囁くような音がした。

 

声、というよりも何かこう、体全体に響くものを感じた。

 

このように外部からの刺激が最後あったのはいつだろうか。

 

もうかなり時間が経っていると思うが、もう既に時間という概念すら忘れかけていた。

 

そもそも『自分』という実体がまず無いので、聞こうにも耳が無く、見ようにも目がない。

 

しかし音のような刺激は続く。

 

何をどうすれば良いのか分からなかった。しかし身体を持たぬ『自分』は特に意識もせず、むしろ意識を解放することで意思、という感覚が戻った。

 

周りは満天の星空のような空間であったが、上下左右前後全て星空であり、どれが地面で空なのかは分からなかった。

 

音はない。静寂そのものであったが、全身に伝わる鼓動のようなものは感じる。

 

周りの様子を伺っていると、目の前が少し煙が揺らめくように空間が歪み、空間の渦が生じる音がした。これで聴覚のようなものも確認できた。

 

その空間の歪みから『何か』が出てきた。

 

『何か』と表現したのは、これまでの生物、無生物などに思い当たる節の全くない未知の存在であったからだ。

 

しかし人のことは言えない。『自分』もその『何か』と同じ姿なのだから。

 

その『何か』はゆっくりと近づいた。

 

しばらくの沈黙の後、最初に語りかけたのは『何か』であった。

 

「よくぞ来た、アカトッシュの子よ。」

 

声は女性的であるが、男性のように威厳と落ち着きのある声でもあった。

 

アカトッシュ、懐かしい名前だ。

 

忘れかけていたが、すぐに思い出した。

 

「いや、むしろもう一人のアカトッシュと表現した方がよいか。それとも、アルドゥインと呼んだ方が良いか、世界を喰らいし者(ワールドイーター)よ」

 

アルドゥイン、世界を喰らいし者(ワールドイーター)、自分ことか。そんなことがどうでもよくなるほど長い年月が過ぎたのか、と感じた。

 

「沈黙か。まあそれも良いだろう」

 

『何か』はそのまま続ける。

 

そもそも、答えたくてもどう伝えれば良いのか分からないが、正直どうでも良い、というのもある。

 

「ふむ、なるほどな。確かにその姿では答えにくいか。それに私の姿もこんなものでは語りづらいだろうな」

 

これは驚きだ。心を読んでくるとは。まあ、知られたところでどうにもないが。

 

ただ、恐ろしいほどに今自分が物事に無関心なのは実感している。まあどうでも良いが。

 

すると周りの空間がまた歪み、一瞬の閃光が走ると周りの景色が一変した。

 

今度は白い、純白の空間。『何か』と『自分』を除いて本当に何もない空間であった。

 

その『何か』と『自分』も姿が変わり、『何か』は漆黒の禍々しい鎧を全身にまとっていた。その鎧はどこか龍や悪魔を連想させるような見た目に、所々紅い光が光ったり消えたりしている。

 

顔までは分からないが、声、姿から想像するに女だろう。変な趣味をした男性でない限り……

 

「デイドラか……」

 

そう言葉にして初めて自分が今実体を持っていることに気づく。

 

「ふふ、ご名答。貴方の身体もそちらの方がやはりお似合いね」

 

そう、今の自分の姿はかつて世界を恐怖に陥れた漆黒の龍の姿であった。

 

目の前のデイドラの女の鎧とどこか似ている。

 

「我に何の用だ。」

 

低く、ゆっくりとした重みのある声が自分の口から吐き出された。

 

「ふふ、やはりお見通しか。話が早くて助かるわ」

 

デイドラの女はアルドゥインの肩に乗り、耳元に囁いた。

 

「私の主神のお手伝いをして欲しいの」

 

その魅惑的な声は人間などの種族であれば一瞬で精神を乗っ取られてしまうほど強力な幻惑魔力を帯びていた。

 

しかしアルドゥインはあらゆる種族の頂点に立つとされる龍種、さらにその種の頂点に立つ存在である。しかも九神(エイドラ)の主神アカトッシュの最初で最後の傑作と言われ、一説によればアカトッシュの分身またはそのものとも言われている。

 

まあおそらく一部噂、伝説の類であろうが。

 

そんな彼がこの程度効くはずもない。

むしろ魔法であることすら気づいてない。

 

「宗教勧誘なら他所でやってくれないか?我はそんなものには興味ない」

 

「いいえ、別に傘下に入れとは言ってないわ。あくまでもお手伝いよ」

 

「断る。これ以上やれば我を愚弄したとみなす」

 

アルドゥインは白く輝く眼で睨みつけた。しかしデイドラの女はとくに怯えた様子もない。

 

「貴方、思ったよりあたま悪いのね」

 

「なに?」

 

アルドゥインの頭に血が上り、口から龍語(スーム)が漏れるとこだった。遥か彼方は吹っ飛ばすところだった、危ない危ない。

 

「あなたここがどこか考えたことある?あなたは九神(エイドラ)によって作られたら、肉体が滅べば創造主のもとに召されるはずでしょう?」

 

言われてみれば……ここは我の知っている場所ではない。

 

「そして私たちデイドラは九神(エイドラ)に作られた存在ではない、また別の存在。なぜ私がここにいるか考えもしなかったのか?」

 

そう、九神(エイドラ)とデイドラはタムリエルでは双方とも信仰の対象だ。しかしそれぞれの系列は全く異なる。実在する宗教で例えるなら仏教とキリスト教ぐらい異なるかもしれない。

 

となれば現在の状況を分かりやすく例えると死んだ仏教徒がなぜかキリスト教の死後の世界にいる、ということである。

 

「まさか……ここは……」

 

悪い予感ではない、悪い確信が脳内に浮かび上がった。

 

「ご名答」

 

デイドラの女は一呼吸置くと、周りの白い空間が一瞬で消え、真紅の空、血と黒煙が混ざったような雲。これは紛れもなく……

 

「ようこそ、オブリビオンへ」

 

オブリビオン

 

デイドラが主に住処とする異次元的な世界である。その見た目、居住生物により、我々から見たらまさに地獄、といった感じだが、実際は人が住める場所もあるという。十分にタフであれば、であるが。

 

アルドゥインは周りを見渡すが、出口のようなものはもちろんない。

 

そりゃキリスト教の死後の世界に来てしまった仏教徒が本来行くべき場所変える方法なぞ知るわけがない。そもそもどうしてこうなった、という心境である。

 

まさにアルドゥインも現在どうしてこうなった、と思っている。

 

しかしさすがは龍の頂点に立つ者。この程度では臆さなかった。

 

だから物凄い、物凄い勢いで怒った。

 

Dur Hi Dovahkiin!!!(ドヴァキンめー!!)

 

ビビるような器ではないが、冷静である器でも無かったようだ。

 

龍語(スーム)は普通の言葉とは概念が違う。彼の声はオブリビオンの隅々まで響いたという。

 

「で、我は何をすればここから出してもらえるのだ?」

 

少し落ち着いた漆黒の龍はデイドラの女に質問する。

その眼は怒りに燃えていた。

 

「お手伝いして頂ければいいわ」

 

デイドラの女は見えない笑みを浮かべた。

 

QUEST START: ANOTHER GATE(クエスト開始: もう一つの門)

 

 

 

 




前置き長えよ!

てか門まだかよ!

ごめんなさい。
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