オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし   作:ArAnEl

5 / 85
お気に入りしてくださった方ありがとうございます。

ご指摘して頂いた方もありがとうございます。

時々原作にないこと、矛盾することあるかもしれませんが、お許しください。できる限り善処します。

後数値の単位などはわかりやすくするため、我々の現実世界の単位を使用することもあります。


真の帝国民は退かない!

自衛官たちは夜通し待ったが、結局3回目の襲撃は来なかった。

 

予想していただけに、何かこう呆気に取られたかんじであった。

 

一応、念のためにある程度は警戒態勢を敷き、残りは休憩と作業などのローテーションを組むことにした。

 

アルヌスの丘を中心に四方八方が人、戦馬、亜人、翼竜(ワイバーン)、そしてかつてそれらであった何かによって埋め尽くされていた。

 

それを見ていた作業指揮官の幹部自衛官は大きなため息をついた。

 

「これ、どうするよ……」

 

***

 

さて、原作を読んだ読者の皆さんは知ってるが、本来なら3回目の襲撃が来るはずであったが、来なかった。

 

ことの原因は昨日のある出来事にある。

 

***

(約半日前)

 

アルヌスの丘から少し離れたところ、とはいえ徒歩で約半日はかかるところではあるが、20万を下らない兵力が進行していた。

 

兵種は騎兵、歩兵、戦象、さらに空中には翼竜竜騎兵までもがいた。投石機などの攻城兵器なども見られる。

 

よく観察してみれば、多種多様な部隊がいることが分かる。同じ兵種でも装備や見た目が異なり、人種や生物種も異なる。

 

多くの異なる旗を有するこの軍隊は、帝国の要請により招集され結成した連合諸王国軍である。

 

しかし多くの者は傷ついており、戦闘後であることが分かる。そう、彼らはアルヌスの丘の戦いの生存者であった。

 

比較的元気で無傷な者は増員兵であると思われる。

 

ただ、負傷者の多くも軽症であるが、恐らく重症の者は戦場に取り残されたのだろう。余裕がなかったのか、それともこの世界の常識なのかは分からない。

 

「全軍、止まれ!」

 

各指揮官の号令によって大軍は足を止めた。

 

この規模の軍があまり統制を乱さず止まれたのも、かなりの訓練を受けた者と感じられる。

 

「これより1時間の休憩を摂る。今回の作戦は夜襲であるため、各人はしっかり休息を摂れ。以上!」

 

指揮官の命令が終わり次第、兵士たちは各々の部隊ごとの休息テントを建て、休憩をし始めた。

 

早めの夕食を摂るもの、装備を手入れする者、談話する者などまちまちである。

 

「なあ、アルヌスの丘の兵士は強いって本当か?」

 

一人の若い兵士が老兵に聞いた。

 

「ああ、あれはもはや戦いというよりも魔法の嵐だね。何もできなかった。」

 

老兵の言葉を聞いた若者数人が不安な表情を見せ、お互いを横目で見ていた。

 

「だがな、これほどの兵力があれば次こそいけるとワシは思う。お前さんたちも大丈夫さ!」

 

それを聞いた若者たちは少しの表情が和らぎ、士気も上がった。

 

「よっしゃ!帝国をこの手で守ってやるぞ!」

 

「そうだ、あんな卑怯な魔法しか使えない奴なんぞ一捻りだ!」

 

兵士たちが鼓舞し、士気を上げていたときだ。

 

グオーン........

 

何か遠吠えのようなものが遠くからかすれるように聞こえた。

馬、象、犬など動物、そして翼竜までもが不安そうにソワソワしていた。

 

一部は暴れ、それを数人の兵士がなだめようとする。

 

辺りは動物の鳴き声以外は一瞬で静かになり、誰一人声を出そうとした者はいなかった。

 

そしてようやく誰かが口を開くと、

 

「何だ、今のは……」

 

「なんか嫌な予感がする……」

 

「悪い予兆じゃ!」

 

次々と不安を煽るようや言葉があちこちから生じ、より一層皆を不安にさせた。

 

「静粛に!静粛に!」

 

指揮官が大声で喝を入れる。

そこにいた全員が今度は指揮官の方を向いた。

 

「今のは何でもない!ただ野生の翼竜が我々の動きに驚いただけだ!」

 

すると多くの兵士が安堵した様子でまた囁きあった。

 

「なんだ、翼竜か、驚かせやがって」

 

「もしかして発情期で俺たちの翼竜に反応したか?ガハハハ!」

 

「いや、俺たちに怯えて行ったんだよ!腰抜けめ!」

 

兵士たちがまたジョークなどをとばすようになり、また先ほどの雰囲気に戻ってきた。

 

一部を除いて。

 

先の老兵もその一人だ。彼は険しい顔をしていた。

 

(違う、あれは翼竜の声じゃない。それに距離に対するあれほどの大きさの声……並大抵の大きさじゃない)

 

彼の長年の経験が何か不吉な予感をさせた。

 

「おいおいじーさん、まさかびびっちまったのか?それともちびったか?」

 

近くにいた兵士が仲間と酒を飲みながら笑っていた。

 

しかし老兵は考えを止めなかった。

 

(恐らく大きさは全長が最低でも30m、大きくても50mか。しかし、この大きさはありえん。この大きさは、まだ目覚めるはずのない炎りゅ……)

 

彼は正しかった。しかし彼は最後に自分の経験を過信し、その経験の枠でしか考えられなかったことが最後に大きな過ちを犯した。

 

彼は目の前のものを見たとき思考が文字通り停止した。

見たことも聞いたこともない何かが空を舞っていたのだから。

 

グギャァァァァァア゛ア゛ア゛ン!!!

 

敢えて文字で表したが、こんなもので表現できるような生易しい声ではなかった。大地が震えるほどの大きさと頭を割るような甲高さ、想像を絶する音であった。

 

「なんなのだ、あれは!?」

 

さすがの指揮官も驚きを隠せなかった。

 

「隊長、一体何が見えたのですか!?」

 

周りの動物たちも手をつけられないほど暴れている。翼竜も自分の背の騎手を放り解こうとして暴れている。

 

刹那、上から何かが落ちてきた。

 

正確に言えば降りてきたが正しいが、その降り方があまりにも速く降りてきたため、大きな地響きと砂煙が舞い上がるほどであるため、落ちてきたも正しいかもしれない。

 

「龍だ!龍だ!」

 

「皆の者、戦闘用意!」

 

大きな岩の上に降りてきたのは炎龍でも水龍でも翼竜でもなく、真っ赤な目と赤みのかかった漆黒の鱗に覆われた龍であった。

 

休息中の不意を突かれ、多くの兵士はパニックであったが、ベテランの者は不測の事態にも想定できるよう準備していた者もいた。

 

彼らは素早く陣形を組み、戦闘態勢に移る。準備できていない者も後方に回り、素早く装備を整えていた。

 

流石は正規兵、非常時の対応は十分にできていた。ただ自衛隊は相手が悪過ぎただけである。今回も同様だが。

 

(ふむ、スカイリムの帝国兵士に似ておるな。しかし練度はこちらの方が上だな)

 

アルドゥインは『オーラの囁き(生命探知シャウト)』によって大規模な生命を感知したのでたまたま通りかかっただけなのだが、この世界の文明レベル、兵力、魔力の種類の調査にちょうど良いと考え訪れてみたのだ。

 

ぶっちゃけると腕慣らし。

 

「真の帝国臣民は退かない!」

 

「皇帝陛下のために!」

 

さて、下で喚いている定命の者どもはどうするか思案中であったアルドゥインは手っ取り早くことを済ませることにし、大きなシャウトを空に放った。

 

雷のような音ともに魔力か空気の塊のようなものが空の雲の中へと消えていった。

 

***

 

「助けてくれー!」

 

「殺さないでくれー!」

 

「降参する!」

 

「誰かどうにかしてくれ!」

 

「……」

 

なんとまあ呆気ない結果であった。

アルドゥインの戦闘時間約15分。連合諸王国軍の損害は約15万。

 

実に平均して毎分1万の損害である。まさにオーバーキルである。

 

アルドゥイン自身も少し驚いていた。以前と比べて相当強化されていた。

 

それよりも驚いたのはこちらの方世界の兵士の打たれ弱さであるが……

 

弱過ぎる。

 

個人個人の強さはそこまで変わらないかもしれないが、少し損害を受けただけですぐ逃げようとしたのだ。

 

これならまだスカイリムにいた定命共のほうが勇敢である、と思った。

 

伝聞だが、部下のドラゴンが調子に乗って小さな村落を襲った際、村中の老若男女が抵抗してきたとのことだ。

 

武器はあるものなら箒でも、無い者は素手で殴りかかる始末だったという。

 

事実、その部下は命ながらに帰ってきたことを思い出した。

 

まあ、単に向こうの世界の定命の(AI)は勇敢ではなく馬鹿なだけかもしれないが。

 

「ふむ、想像以上に我の身体は強化されているようだ。

そしとだいたいこの世界の文明、言語、科学技術、魔法についても理解できた。あとは多種多様な生態ぐらいだな。あとは……」

 

アルドゥインの口から雷のような音と共に『オーラの囁き(生命探知シャウト)』が吐き出さた。

 

そう、彼は過去の過ちから学んだのだ。

 

前の世界(スカイリム)では生き残りの一人が後のドヴァキンであることが判明し、そして自分を滅ぼす存在となった。

 

今思えば念入りに皆殺しにしておけばよかったとつくづく思うのであった。

 

探知の結果、特に後の脅威となる強力な個体はおらず、ほとんどが瀕死か並程度の存在であった。

 

「杞憂か、まあ少し多く残しすぎたが、野原に逃げ込んだスキーヴァー(ドブネズミ)を探すような真似は非効率だ。今回はこの程度で良いだろう」

 

静かにつぶやくと、その巨体に似合わない軽やかさで羽ばたいて空の向こうへと消えっていった。

 

約1万程度の生存者は歩けるものは蜘蛛の子を散らすようにあちこちへとにげてしまった。

 

しかし、動けないものは……

 

「ちくしょう、ちくしょう……こんな死に方ってねえよぉぉぉお!!」

 

一人の瀕死の男が最後に見たのは自ら従えていたはずの翼竜の大きく開けられた口だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちょくちょくスカイリムネタが入ります。
何個あったかな?

戦闘描写がない?
後の回想に出す予定です。

今後もよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。