オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし 作:ArAnEl
城壁に掲げられたのは炎龍ではなくて巨龍ですけど。ドウシテコウナッタ
「もう無理ぽ。伊丹の野郎は任務の準備があるとか言って巨龍頭骨捜索逃げやがるわ、俺に火の粉は降りかかるわ……」
「カトー教官、今暇?」
レレイがドアを開けて部屋に入ってきた。
「やあレレイさん、何用で?」
「これ、読み終わった」
そして日本語の本何冊かを机に置く。
『小学生でも分かる理科』
『中学生でも分かる理科』
『高校生でも分かる科学基本・応用』
『大学理数学の基本』
「えっ、もう!?」
「そしてこっちは読んでない」
そして漫画の束を置く。
『魔法少女ま○かマ○カ』
『魔法少女リ○カルな○は』
『魔法少女プ○ティベル』
『Fate/kaleid liner プ○ズマイ○ヤ』
などなど
「お気に召さなかった?」
「興味ない」
「そりゃ残念。伊丹が好みの魔法少女の参考になると思ったが……」
「やっぱり読んでみる」
「どうぞー」
「あとしばらく離れるから色々とまた借りたい」
「科学の本?」
レレイはコクンと頷く。
「分かった、ちょっと待って」
加藤引き出しからタブレットを出す。
「これは?」
「タブレットと言ってパソコンの小型版と思って貰えばいい。タッチすることで色々操作できるし、パソコン使い慣れてるレレイなら大丈夫でしょう。写真撮れるし、音楽聴けるし、動画も見れる。そして書物も場合によっては100冊分は入りますよ」
説明を聞いてレレイの目が子供のようにキラキラと輝いた。
「でもそれ私の私物なんで失くさないようにね。データが入ってないんで後でまた取りに来てください」
レレイはそれを聞いて嬉しそうに退室する。
「……ああいうの天才って言うんだろうなあ」
そしてパソコンからデータをタブレットに移行させる作業に入る。
***
「うぬぅ、やはり何の手掛かりもないか……」
アルドゥインは自らが瞑想していた山頂、そして巨龍を復活させた場所にやっとついた。
そしてしばらく瞑想したが答えは見つからなかった。
つまり、これからどうしたら良いのか分からなかった。
「我を持ってしても解決策が浮かばないとはな……こんな時パーザナックスがいれば……いやいや、裏切り者などアテにしてどうする」
そしてアルドゥインは彼らしくもなく溜息をつく。
頭の中を整理した。
とある最終目標のために、まずこの世界を制する必要がある。
龍を頂点とした絶対龍王制の世界。もちろんその王とは自分である。
龍が絶対であり、それ以外は全て下僕。
忠誠を誓うならちょっとぐらい上位にしてやっても良い。逆ならば無論滅ぼすが。
しかし、そのためにも障害がいくつかある。
一つ、あの緑の服の異世界人共だ。
文明レベルが異様に高い。下僕の下等竜(ワイバーン)がほとんどやられてしまった。本気を出せばイチコロだとは思うが、今後に備えて温存をしなければならない。
二つ、この世界の龍たちだ。
ヨルイナール、アンヘルを始め、知能が高く、忠誠を誓う龍は今のところ我の軍門に下っている。
しかし巨龍のように意思疎通の難しい者もいたし、まだ我に従わない者も今後いるかもしれない。それに、ヨルイナールたちが裏切らないという保証はない。
三つ、この世界の
ニルンにおけるエイドラのように干渉してくる可能性はなきにしもあらず、だが警戒はしておくべきだろう。幸い、その
四つめ、デイドラたち。
現状、デイドラは我に好き勝手やるように言っておるが、それもやつらが愉しむまでの間。興味を失くしたり、我の行動がやつらの気にくわないことが起これば我の力を奪われるか、下手すれば消されるかもしれん。早急に手を打つ必要があるな。
そして五つ目にして最重要懸念事項。
ドヴァキンらしき者。
奴は滅ぼさなければならない。絶対に。さもなくば絶対に龍は滅ぼされる。
そう考えつつも、例の者がドヴァキンとしか思えない。しかし、それを受け入られない自分もいる。
「どう考えても、奴はドヴァキンだ。しかし、奴は我の知るドヴァキンではない。もしや、新たなドヴァキンなのか……?」
アルドゥインは背筋がゾッとした。いや、氷で刺されたような気分だ。例えるなら氷結の呪詛付きのデイドラ製の短剣でバックスタッブ食らったようなものか。バックスタッブなど食らったことないが。
「デイドラの戯れか、アカトッシュの刺客か……はたまた自然発生か。いや、最後はありえんな。そもそもドヴァキンはアカトッシュの加護ありきの存在だ」
考えれば考えるほど頭の中が複雑になってきた。
今のところ思い浮かぶ解決策は従来通り龍を復活させたり、生きている龍などを配下にして戦力を蓄えること。
しかしこれは所詮人類相手にしか解決にならない。
アンヘルを除き、今までの龍は魔法耐性をほぼ感じられなかった。
デイドラ、エイドラ相手だと部が悪い。良くてアンヘルしか戦力として期待できない。
それに数だけ増やしてもドヴァキン(仮)にエサを与えているようなもんである。
できれば短期で戦力を大幅に増強したいものである。
自身同等の魔力を扱えればもしかしてスゥームを扱うこともできるかもしれない。
「……待てよ、アンヘルはどうだ?」
アルドゥインは一度は自身を敗北に追い込みかけた下僕を思い出す。
「そうだ、奴にスゥームを扱えれるようになれば、かなり有利になる。倍の速度で戦力を増強できるかもしれん」
忌々しいことだが、たかが
「うむ、グズグズしてはおられん。すぐに帰るとしよう」
そう言って山頂からダイブして滑空する。
当初、そのまますぐ帰る予定であった。
しかし、出発地点からそう遠くないところ、彼の興味を引くものがあった。
「なんなのだ、あれは?」
見ると雪山の真っ白なに斜面を血の色で染めていた巨大な何かがいた。
巨大と言っても人間観点なので、アルドゥインからしたら普通サイズだが。
そいつは大きな腕で獲物を抑えつけながら大きな牙が揃った大きな顎で豪快に貪り食べていた。
あまりの豪快さに、その咀嚼音が離れているアルドゥインにも聞こえるほどであった。
そしてある程度近づいたところで、そいつは貪るのをやめてこちらに向いた。
「なんだ、こいつは……」
アルドゥインはべつに驚いてはいない。
どちらかと言えば落胆したのかもしれない。
そいつは龍であることは分かる。
しかし、アルドゥインからしたら
大きさは自身と同じ程度。
黄土色に青色が少しついている。
そこまでは良い。
見ると太い腕と爪を有しているが、翼が無い。
いや、あると言えばあるが、腕と同化して退化している模様。
そして大きな頭と大きな口。
正直アルドゥインの美の観点からすれば、不細工の部類である。正直ドヴァっぽくない。
しかも頭も悪そうである。
「新たなドヴァを発見したと思えばこんなやつか……これでは巨大なトカゲと変わらぬではないか」
アルドゥインはひどく落ち込んだ様子だ。
そしてそいつは威嚇するように顎を鳴らす。
「ほら見たことか。やはり知能も低いだろいな、我を見て畏れぬところみると」
ますます落胆する。
「そうだ、このような者でも良い魂はあるだろうな。すまんが我のために死んでくれ」
そしてアルドゥインはその龍の命を奪おうとした。
***
「『化学応用』、『物理応用』、『生物学応用』、その他大学論文何個か入れときゃいいだろう」
そしてデータ移行が終わり、切断しようとしたがその手が止まる。
「……これも入れとくか」
『原子の構造と核融合・核分裂反応』
加藤は資料を追加で加えた。
そしてそれを持って部屋を出るとちょうどレレイが近くにいたので渡す。
「お仕事お疲れさん。伊丹にもよろしく」
「教官、感謝する」
レレイはペコリとお辞儀して去る。
「伊丹も罪な男だねー。俺もあんな可愛い女の子が周りにいたら……」
「あ、加藤さんじゃないですか」
加藤は後ろからの女性の声に魂が凍った気がした。
「さあ、行きますよ」
「ど、どこに……」
「決まってるじゃないですか。道場に!」
***
「くそっ!何故だ!なぜだぁぁあ!?」
アルドゥインは咆哮を上げながら攻撃を避ける。
大きな岩が紙一重で躱される。
「なぜだ、なぜ
否、効いてないわけではない。
ただ、魔力で飛行を補っているアルドゥインのような魔法種とは異なる龍であるためだ。そしてもう一つ別の理由。
魔力では押さえつけられないほどの圧倒的な筋力を有していた。
そして確かに翼は退化して飛ぶのは苦手である。
しかし、跳べないわけではない。
現にその筋力で跳躍し、空から滑空してアルドゥインを上から襲いかかってた。
この自然の厳しさによって幾度も淘汰されて古代からあまり形を変えずに生き延びた龍が別世界にはいる。
人々は畏怖の念からこう呼ぶ。
『絶対強者』
通称、轟竜、ティガレックス。
補足独自設定
アルドゥイン様のような魔法龍は飛行を魔法で補うため、ドラゴンレンドによってその魔法を遮断し、かつ押さえつけるという設定です。
あとやっとモンハン側の出したい龍出しましたよ。