オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし 作:ArAnEl
それは、美少女がまだ登場してなかったからだったんだな……
ということで美少女出します。
これからもよろしくです。
てかやっと原作の主人公登場かよ……
幾万もの死体が四方八方を埋め尽くす光景は、我々の世界の過去の大戦を思い起こさせる。
死体は互いに重なり合うように倒れる者もいれば、身体が欠損している者、バラバラの者、ひどいときにはそもそも原型がなんだったのか識別不可能なほどの何かになってしまった肉塊まである。
その死体から漂う凄まじい腐敗臭、腐敗臭によって生じるねっとりとした生暖かい空気、これらに群がるハエ、ウジ、その他生物、肉塊を頬張る野犬、狼や人喰鬼(グール)。
まさにこの世の地獄と表現するのが適当であろう。死体の金目のものを漁りに来るものすら近づこうとしなかった。
しかし、そんな地獄のど真ん中に、一人の少女が立っていた。
ゴシックロリータのような服、長い漆黒の髪、13、14歳と思わせるような顔立ち、そして彼女の倍ほどの大きさのハルバードを地面に刺してしっかりと保持していた。
「……」
彼女は特に何かをするわけでもなく、遠くを見つめ、静かに立っているだけであった。強いて言うなら表情が少し暗く、余裕がなさそうに見える。
「おかしいわ、本当におかしいわ。こんなにたくさんの魂がエムロイの元へ召されたのなら、私が気づかないはずがないわ」
少女は静かに目を閉じるが、解決策は無いと理解し、目を開けて歩み始めた。
これに感づいた近くの野犬やグールは逃げるようにその場を退いた。
「ごめんないね、あなた方の魂、必ずなんとかしてみせるわ」
そういってゆっくりとその場を後にした。
***
「空があおいねぇ。さすが異世界」
彼は伊丹耀司2等陸尉(33歳)。特地の情報偵察のために編成された6個の部隊のうちの一つ、第3偵察隊の指揮官である。
実は彼、あの『銀座事件』でかなり活躍したらおかげで多くの人命が助かり、つい最近3等陸尉から2等陸尉になったのだ。詳細については割愛する。
彼の歳で2尉はちょっと遅すぎる、と思ったのは内緒である(ふつう1尉ぐらい、優秀なら3佐になれるはず。どんだけ勤務成績が……)。
「俺はドラゴンがいたり妖精が飛びかっているトコを想像していたんですけどねぇ。これまで通ってきた集落で生活しているのは人間ばっかしだし、家畜も牛とか羊にそっくりでガックリっす」
と隣の運転席で
彼らの乗る高機動車の前には73式小型トラック、後方には
「……」
後席の窓から双眼鏡である一点を眺めていた齢50のベテラン自衛官、桑原陸曹長は地図を確認すると伊丹の肩を軽く叩いた。
「ん?」
伊丹は振り向いて後席に振り向くと、桑原曹長は伊丹の耳元に囁いた。
「伊丹2尉、迂回を意見具申します。この先はかなり足場が悪い状況が考えられます」
桑原曹長の真剣な表情を察した伊丹は自分の双眼鏡で前方付近を確認すると、その意味がよく理解できた。
「そうだな。おやっさん、ありがとう」
伊丹は通信機のマイクをとると、
「あー、みんな進路変更する。この先かなり道が悪い状況らしいので、安全優先で迂回する」
「あれー、伊丹2尉。なんかあったんですか?」
伊丹は少し考えるとまた伝達した。
「どうやらぬかるみがひどい湿地地帯らしいんだよな。ま、みんな俺のカンを信じてくれ」
無線の向こうから何やら呆れたような反応があったが、結局皆が賛成してくれたようである。
迂回ルートをたどり始めた車列の中、伊丹はふと思った。
(あの光景は、嫌なことを思い出させるな……おやっさんならともかく、倉田たちにはまだ見るのは早いかもな)
彼の脳裏には数年前の東日本の惨状が浮かんでいた。
「おやっさん、感謝します」
伊丹は小声でお礼を言うと、桑原曹長は軽く頷いた。
「あの光景を見るのはまだ我々で十分ですからな」
車列は迂回点をどんどん離れていった。
迂回点から少し離れたところにあったのは漆黒の龍がこの地の人間と初めて接触した場所であることは、彼らはまだ知らない。
え、これだけ?
書いてて自分でも思いました。
短いですが許してください。
え?美少女?
やだなー、冒頭で美少女(仮)でたじゃないですかー