オブリビオンゲート 異世界龍 彼の地にて 斯く集えし 作:ArAnEl
もう作者もわからないぐらいにカオスになってます。一応まとめるとこんな感じ。
・門開通(日本)
・日本:やられたらやり返す。100倍返しだ!
・オブリビオン門開通、アルドゥイン様ログイン、大虐殺
・炎龍死す(蘇る)、アルドゥイン様勢力拡大
・イタリカ支援(アルドゥイン様による妨害あり)
・日本でテロ発生、日本の衛兵膝に矢を受ける(表沙汰にならず)
・ラオじいちゃんログイン、そしてログアウト
・自衛隊?一部偽装戦死
・龍討伐するぜ!でも返り討ち、だけど謎のキャラにより撤退させる。アルドゥイン様涙目
・自衛隊資源調査開始。アルドゥイン様勢力拡大、修行に明け暮れる。あと水面下工作
・謎の部隊、決起、特地独立宣言、日本国際非難。アメリカ参戦
・アルドゥイン様、邪魔者排除中
結論、申し訳ありません。
「ファッーク!」
帝都進軍中の米軍は奇襲を受けた。
最初に受けたのは迫撃砲の洗礼。
アメリカみたいに数で押してはこなかったが、恐ろしい精度で砲撃してきた。
「ガッデム!戦車の後ろに隠れろ!」
「機関銃兵やられました!」
「シィィト!まだ
「くそ、油断した……」
指揮官の1人がつぶやく。たかが中世に現代兵士数名つけた程度と侮り、ベテラン兵士が少なかったことを後悔する。
「しかしアフガン、イラクに比べればまだマシよ!全員進め!」
指揮官が鼓舞して兵士が動く。戦車を先頭に歩兵が追従する。
「さすがだな。世界最強の国だけはある」
SAWの指揮官が双眼鏡を覗きながら呟く。
実は既に帝国相手とは比べものにならないほどの損害を米兵との戦闘で受ける。
「伍長、この銃使えなくなったよ!」
亜人の1人がカラシニコフ銃を持ってくる。
「……うん、もうそれは使えないな。接近戦の準備しろ」
「よし来た!あたいらの十八番だね」
亜人が去ってからその銃を見る。
「隊長、あんたホントに勝つ気あんのかい……?」
伍長は静かにつぶやく。
銃には薄く『東京マ◯イ』と書いてあった。
「まあいい。特殊工兵、迫撃砲を特殊形態、及び特殊弾の使用準備しろ」
「もう終わってるで、伍長」
「よし。接近戦の支援をする。目標、
「伍長、こんなので本当に倒せますかね?」
「
「自分、隊長の評価どんどん落ちてるっす」
少し離れたところでも接近戦の準備をしていた。
「やはりロンデルで急ごしらえで調合させた火薬じゃまだ威力不足か……」
塹壕内で
「しかもヴォーリアバニーは耳良すぎで炸裂音に弱いから威力落としてるから散弾式筒しか使えねえ。早くレレイの爆裂魔法を応用させた銃を作らないと大変だな。無音とかならなお良し」
「まあ、ほとんどエアガンの時点でうちら勝てる気がしないけどな。威力上げて猟銃エアガン並にしてるとはいえ」
「まあ、どっち道俺たちは生きては帰れまい」
そして突撃の準備が整う。
「おいお前ら、異世界の戦い方をよく見ておけ。そしてこれが、人間の強さの秘密だ」
2人は後ろで控えてる亜人たちに言う。
そして突撃の合図として信号銃が空高く打ち上げられる。
「「バンザァァァァイ!」」
2人は塹壕から出ると敵陣に向けて猛ダッシュする。
亜人たちは何が起きたのか、ポカーンとする。
一瞬ではあるが、それはアメリカもだった。
そして双方我に返ると、亜人たちは突撃、アメリカも応戦する。
「シット!ジャップのバンザイアタックだ!死んだじーさんから聞いたことあるぜ!」
「ガッデム、奴らクレイジーだぜ!」
しかし米軍もそこまで動揺はしていなかった。彼らが聞く万歳突撃は第二次世界大戦のもの。確かに、死を決して突撃してくるのはある意味恐怖かもしれない。
しかし、彼らからしたらバカな行為でしかない。しかもそれが第二次世界大戦と同じならなおさらである。
しかしながら、彼らは忘れていた。
異世界であるということを。
「野郎、武器に頼りすぎるニホン人にしては勇気あるじゃねえか!」
と獣人の一人が奮い立つ。
「嫌いじゃないぜ、そういうの」
ともう一人。
「獣人の喜ばし方分かってるじゃねえか!」
「ヒト種に遅れるな!獣人の恥だぞ!」
と周りの亜人たちも一気に突撃する。
「落ち着け、落ち着いて奴らをミンチにしろ!」
戦車、装甲車が照準を合わせる。
しかし、彼らはここで問題に気づく。
「ファック!奴ら人間よりも明らかに速いぜ!」
人間では到底できないような機動力でじくざくに走る者、滑空するもの、跳ぶ者、突っ込んでくる者と多様であった。
「ちっ、狙うな!斉射でとりあえず撃て!」
米兵の指揮官が適切な命令を下す。
『『『バンザァァァァアイ!』』』
先頭の元日本人たちを真似て雄叫びを上げる。
「ファイア!」
戦車砲からキャニスター弾(弾のでかい散弾)の発射を筆頭に、第二次世界大戦のような制圧射撃が放たれる。
「ぎゃー!」
「うぐっ!?」
「ぶっ!」
「きゅっぷい」
ほとんど声を上げることもできずに倒れる者が大半だった。
「嘘だろ、ジエイタイよりも攻撃規模がでかいなんて……」
亜人たちは一気に戦意喪失する。
しかしそれでも
もちろん、無事ではない。
数発弾丸が体を切り裂いたにもかかわらず、彼らは勢いを止めなかった。
(バカな、たかが人間がここまでタフなわけが……狂ったか?)
近くにいたワーウルフの男がその様子を見ていた。
狂気か?
(違う……奴らの目は……覚悟か!?)
そして立ち上がる。
「お前らに策がらあるのだな!?ならばこの俺の命も貴様らに預けてやる!野郎ども、あの二人を守れー!」
戦意喪失しかけていた亜人たちはまた一気に戦意を取り戻す。
「そう来ないとな、人間なんかに負けるじゃねえぞ」
しかしそれを言い終えた瞬間、Yは地面に思い切り顔をぶつけた。
「脚の感覚が……?」
右脚の脛の下半分が皮一枚で繋がっている状態だった。
しかしそんなことどうでもよかった。
すぐに視線を
足を止めて助けるようなことはせず、そのまま前に走っていった。
「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!だからよ、止まるんじゃねぇぞ・・・」
聞こえないはずの相方の背中にそう言うと、力尽きた。
「あとは任せろ。今の世代の若造たちに、特別に先の大戦での恐怖を見せてやる」
「そうだな、お前たちの国で過去何があったか知らんが、その戦い方気に入ったぜ」
Zは静かに呟いたはずだが、追いついたワーウルフたちがしっかり聞いた。
「……今の厨二セリフ忘れてください」
「チュウニ?」
「いいから!見たかったらもう撤退しろよ!危ないよ!」
「え、でも大丈夫なのか、まだ敵陣まで少しあるぞ?」
「いいから!危ないから撤退しろー!」
「わ、分かったから怒るなよ……」
亜人たちは呆然としながら撤退する。
「ハッハッハッ、やはり亜人は動物と変わんねえや」
ほとんどが撤退したのを見て米兵は笑う。
「一人だけ突っ込んで来ます!」
「ホワッツ!?」
双眼鏡で確認するとなるほど、一人現代装備で何か抱えた者が突っ込んで来た。
「クレージージャップ!」
「カミカゼ!」
一部の米兵がパニックに陥る。
「シャラップ!早く奴を倒せ!」
戦車が照準を定めようと動いた。
刹那、高速の飛翔体が戦車をかすめた。
「な、なんだ!?」
「対戦車砲!10時の方向、距離1500メートル!」
「損傷は!?」
「外れたのでありません!」
しかし既に第二弾は放たれており、今度は直撃した。
世界最強と言われるM1主力戦車の硬い正面装甲に金属の物体が食い込んでいた。
「APFSDS(※現代戦車の主要対戦車弾。とにかく物理的威力を特化させたもの)だと!?」
「損傷軽微!貫通はしていません!」
そして対戦車砲では逆に焦っていた。
「畜生、隊長のばかやろー!ぜんぜん効いてねえぞ!迫撃砲と対戦車砲兼ねること自体が無理だったんだ!」
よく見ると今まで使っていた自転車迫撃砲を組み変えて対戦車砲にしていた。
「アイデアは悪くないんだがな……ライフリングが無い分APFSDSが使えるとはいえ、M1相手は威力不足か……」
伍長は双眼鏡を片手に冷静に分析する。
「敵の損傷は認められない。こちらの状況は!?」
「二発撃っただけで砲身がダメになりました」
「仕方がない。撤退、対戦車砲は破棄せよ。破壊措置はせずに直ぐに退避!」
隊員はすぐにその場を離れる。破壊する暇などない。そして直後に洗車から放たれた榴弾が直撃する。
対戦車砲は木っ端微塵に破壊される。
「対戦車砲の隊員、撤退します!」
「となると
「了解!」
「よし、そろそろ……え?」
忘れていた。
米軍の一、指揮官として先ほどの状況を。
そして、米軍として、追い込まれた敵がどこまで凶暴になるのかを。
手の届きそうなところにまで入り込んで来た目の前の敵が、その現実を突きつける。
「俺たちは
そしてその周辺がまばゆい光と高熱に包まれる。
(なるほどな、そりゃ普通の弾丸程度では倒れないわけよ……)
***
「よし、一応は作戦成功か?」
伍長が肩で息をしながら確認する。
「失うものは大きいですがね。敵さんもしばらくは迂闊に動けないでしょう」
「よし、すぐに後方の部隊たちと合流……」
突如背後から
同時に、SAW隊員全員が倒れる。
「貴様ら……」
特殊防弾防護服にケプラー製ヘルメット。顔は覆面で覆われて各種ハイテク装備を身につけていた。
ただ普通の軍隊と違い、所属、階級章など一切ついていなかった。
「なんだ、お前たちか……
伍長は苦しげに笑う。
そして彼らは見えない表情を一切変えず引き金を引いた。
彼らが、米軍の新型
***
一方、
「おのれ!」
アルドゥインは毒々しい言葉を吐き出す。
完全に予想外であった。
明らかに、戦力に差があり過ぎた。
今のアルドゥインでもかつての宿敵、彼を滅ぼした、
だが目の前の変化自在のドヴァキンはドヴァキンであってドヴァキンじゃない。
限界を超えたドヴァキン。
何を言ってるのか自分でも分からなかったが、とにかくそういうことだと自分に言い聞かせる。
もはや性別すらわからぬ。男になったり女になったり、どちらともいえない存在になり、オーク、アルゴ二アン、インペリアル、ノルド、カジートにブレトン、さらに見たこともない種族になりと多種多様で不安定であった。
「貴様、本当に何者だ!?」
「さあ……自分でも元々何かだったか忘れたよ。そりゃね、世界を何周も、帝国側についたり、反乱軍についたり、両方ともぶっ壊したり、善人として、悪人として、世界を救ったりぶっ壊したりしたら、そりゃ分からなくなるよ」
異形のドヴァキンは黒檀の装具を身につけ、華麗に、されど雷の如く速くて強く武器を振る。
互いにスゥームは使わなかった。
なぜならそれが無駄なことだと双方は理解していたから。
時間を早めても相手もそれができる。
ドラゴンレンドで不死を解いても霊体化で防げる。
攻撃力を上げてもドラゴンアスペクトによって防げる。
つまりいたちごっこであり、拉致があかない。
かと言って双方はがむしゃらに動いているわけではない。
スゥームを使えば戦況を打開できるかもしれないが、失敗すれば相手のスゥームにやられることとなる。強力なスゥームほど
相手が疲れ果てるか、読みを間違えるか、それを冷静に見定めるため、双方は激しい攻撃を繰り広げる。
「おいテメエ、俺のこと忘れてないか?」
気絶から覚めたネルギガンテが突如ドヴァキンの背後を取る。
(しめた!)
アルドゥインはこことばかりにスゥームを唱えようとする。
ネルギガンテは渾身の一撃を拳に込めて放った。
がしかし、避けられてしまう。
「遅いね、遅いn......」
しかし、その叩きつけた拳の周りに付いていた棘がドヴァキンを襲う。
流石にこれは予想外だったようで、避けようにも数本身体で受けてしまう。
「……面白いね、異世界の龍は」
不敵な笑みを浮かべるが、ネルギガンテは間髪入れず二撃目、三撃目と攻撃を加える。
それはスゥームを唱える暇を与えないほど。
(しめた、我の勝ちよ!)
アルドゥインは手始めに
「はっ!?アルドゥイン様」
ヨルイナールは眠りから覚めたような反応だった。
「全く……お主は何度死ねば気が済むのだ」
「申し訳ありません……」
「と言われても主よ、我らはお主のように不死身ではないからのう」
アンヘルは口を尖らせる。
「で、
「いいや、奴よりも遥かに
と言った矢先、ネルギガンテがアルドゥインの背中に目掛けて吹っ飛んで来た。否、吹っ飛ばされた。
「どこが片付く、ですか!?もっとヤバい状況じゃないですか!?」
「え……?」
ヨルイナールの言葉に後ろを振り向く。
そこにはダサいおぞましい姿の装備に身を纏った奴がいた。
ドラゴンプレート装備
「うむ、もしかしたら我々龍と人間の感性は異なるとは思うが、もう少し、こう、何とかならなかったのかの?」
アンヘルが遠慮気味に言う。
「うん、なんか凄いオーラ出てるけど、見た目で全部台無しになったような気が……」
ヨルイナールも控えめに同意する。
「そうか?俺は色んな装備見たことあるから別に気にならんが。少なくとも下着同然の装備なのにダメージが入らないとか見たことあるしな」
なぜかしれっとネルギガンテが会話に参加している。
「……」
アルドゥインは言葉にすらできなかったようだ。しかしようやく重い口を開く。
「おのれ……よくも我が
周りも同情する。彼の同胞多く犠牲になったのだ、と。
「そんなダサい装備に変えたなー!」
「「「そこ!?」」」
アルドゥインもその装備がダサいことを認めた。同胞の犠牲よりもダサい装備に変えられたことに怒り狂った。
「酷いな、僕がせっかく作った装備なのに。でもダサいことは認めるよ……」
作成者本人も認めてしまった。
「でもね、性能は恐ろしく強くしているよ。究極の超錬金によってね」
「へえ、ドラゴンでできてんだろう?食わせろや」
空気読まず、ネルギガンテがいつのまにか背後を取った。
そして渾身の叩きつけを行った。
「ほらね?」
しかしドヴァキンは無傷であった。それどころか、ネルギガンテが全身から血を吹いた。
「攻撃反射スキルだよ。一割の確率でしか発動しないけど、僕はアークメイジでもあってね、長年の研究で任意発動ができるようになったんだ。でも、こんなもんじゃない」
ドヴァキンは龍の骨でできた剣を抜くと一撃を加えた。
瞬間、ネルギガンテはボロボロになり、崩れ落ちた。
否、ネルギガンテのみが真実を知った。
一撃ではない。
猛スピードで三撃の攻撃だったと。
一撃目で尻尾の切断と
二撃目で右の角を粉砕され、裂傷と出血。
三撃目で左の角を粉砕され、魂縛。
そして薄れる意識と肉体が崩壊する中、彼の頭に走馬灯が走る。
そう言えば、こんな噂が流行っていたっけ?
何でも、恐ろしく強い
どれくらい強いかというとどんな強いやつ、極限状態だろうが歴戦の猛者だろうが、三発以内に仕留めちゃう悪魔のような
彼はこんなくだらないことを思い出す、最期に一言発した。
「お前のような
なんとも残念で悲しい最期の言葉になってしまった。そして、骨のみになる。
「アイルー?僕は今カジートなんだけどな」
彼はすっとぼけた。
「まあいいや。最終ラウンドと行こうか、
(真の世界を喰らう者、だと?)
アルドゥインは彼が何を言ってるのか理解できなかった。
***
「畜生!こんなの勝てるか!」
ジパング勢は一気に後退し始めた。
逆にアメリカ側は一気に攻勢を仕掛ける。
(狙う……撃つ……命中、そして目標ダウン……)
(狙う……撃つ……命中、そして目標ダウン……)
士官などを狙撃し、相手の戦意喪失や指揮系統混乱を狙うが、あまり効果は無かった。
規模に対して狙撃兵一人の負担が大きすぎた。
それに米軍はバックアップがしっかりしているため、指揮系統が乱れることもなかった。
(狙う……撃つ……命中、行動不能……にならない)
戦車や装甲車の車輪の破壊を狙ったが、さすがはアメリカ製。車輪の一本二本壊れたところで行動不能にはならなかった。
(狙う……撃つ……命中、狙う……撃……)
まるで機械のように動いていたBの引き金を引く指が止まった。
スコープ越しの戦車の砲塔がこちらを向いていた。
そして空から空を切る音がした。
そして微かに視界の片隅に捉えた。
「
そして静かに目を閉じる。
「隊長、やはり俺も、最後は人間なんだなと自覚しました」
そしてあたり一面ナパーム弾によって火の海となる。
もちろん亜人たちも多数被害を被る。
「ギャー!」
「火、火、火っ!尻尾に火がついたにゃ!」
「空から火の海が降って来やがった!」
米軍が完全に機能を取り戻した。
そしてこのまま敵を蹂躙し、帝都を占領して終わる。はずだった。
「こちらホッグ1。ナパーム弾投下完了。このまま攻撃支援を続ける」
そして機銃掃射にはいろうとした。が、隣から只ならぬ気配がした。
そう、この大空の下、レーダに何も映らなかった。何もいるはずがない。
なのにそいつはいた。並走していた。
「糞っ!ドラゴンだ!」
A-10の編隊はすぐに離脱を試みる。
しかし彼らは甘く見ていた。
「ふぁっ!?距離が離れないだと!?馬鹿な、日本側の資料によればドラゴンは旧式の戦闘機に追いつけない速度のはずだ!」
「落ち着け、ホッグ2!今F- 18の編隊がすぐ側まで来てる。そこまで誘導するんだ。了解、ふあ!?」
追いつけないどころか恐ろしいほどの速度と機動力で先回りされていた。
「い、いつの間に〜!?」
このままだと衝突コース。咄嗟の判断で上手く回避する。
しかしまた目の前に現れる。
「こいつ……遊んでやがる!」
恐怖が怒りに変わった瞬間、パイロットは冷静さを失った。
「ホッグ3、よせ!」
しかし命令を無視し、パイロットは機関砲のトリガーを引く。
A-10に搭載されたGAU-8(30mm 機関砲)が毎分約4000発、毎秒にして60発以上の鋼鉄の劣化ウラン弾の雨を降らせる。
しかし、それらが当たることもなく、気がつくと背後を取られる。
「嘘だろ……現代ジェット戦闘機並みの機動力じゃねぇかァァァア!!」
そして怒りが絶望に変わる。
「諦めるな!援軍が来たぞ!」
レーダに友軍のF-18の編隊(3機)確認した。
その絶望も希望に変わった。
が、さらなる絶望のどん底に落とされるとは誰も気づくわけなかった。
もう絶望という言葉では生温い。
人間には到底超えられない『壁』と言うものを見せられた。
戦闘機よりも戦闘機らしいドラゴン。
誰がこの世にそんなものが存在することができたであろうか。
「
これが管制塔の隊員が聞いた最後の通信だった。
この様子を、遥か遠くから悲しそうに見守る白いドレスの少女がいた。
「部外者は消えて……」
そう静かに呟いた。
「あと
余談だが、陸上部隊は壊滅的な被害を被り、撤退を余儀なくされた。
生存者によれば、戦闘機みたいな龍に制空権奪われた上、爆撃機みたいな龍に爆弾らしきものを撒き散らされたあげく、緑のティラノサウルスみたいなやつに多く喰われたのだとか。
駄作者は何がしたいのかって?
今のところ人間VSドラゴンで人間のプライドを潰すことですかね。
仕事の都合により、亀執筆になります。申し訳ありません。
これからもよろしくお願いいたします。