賢者な英霊(仮)はとにかくヤりたい(真顔)   作:おき太さんかわゆい

18 / 24
|壁|д・) ソォーッ…


|壁|キョロ^(・д・。)(。・д・)^キョロ


|壁|д・)⊃[18話]ポトッ


ガクッへ(_ _;ヘ)|壁|

力尽きた





[茶番劇開演]
※冒頭から最低な下ネタ茶番劇なので終演まで読み飛ばしていただいて結構です。投稿した日付で内容はお察し







…………そーっと投稿(この時間なら気付かれまい)
サンタ的にするならこれくらいの時間に投稿するのが妥当だよね?(出来上がったのがこの時間なだけです)


賢者「童貞のみんな~!(決め付け) めり()()()()()! ペロペロしてるかぁ? あっ、ごっめーん! 無理だよね? 童貞だもんね?(おまいう) ()()()()()をペロペロとか相手いないしこの先も可能性無いよねぇ? クリボッチなら経験済みかもしんないけどさ!(やかましいわ) 諸君らはイヴも当日もジングルベルならぬシングルヘルな、冥界のメリークルシミマスでシコシコなDTライフをいつも通りお過ごし、または予定だと思う(失礼極まりない)」

※特大ブーメランが頭に何本も刺さってます

賢者「安心しろって。かく言う私も童貞でね(周知の事実) そんな寂しい俺含むお前らのために、作者が小説をクリスマスプレゼントしてくれることになったぞ。感謝しろよ?」

※ただ更新が遅れてここまでズレ込んだだけです

賢者「…………えっ? クリスマスを機にリア充になった奴らもいる? ……ハッハッハッ! まっさか~? クリスマスにリア充になった奴がこんな汚話(おはなし)読む訳ないじゃん! ……冗談だろ? なぁ、オイ。……そういう輩は祝福してヤるぜ! 俺は憧れはしても嫉妬はしない質だからな! …………独り身の方がいっぱいいるだって? あっ(察し) 俺の同胞として歓迎すんぜ! ほら差別はしないさ! プレゼント受けとれーい!(過去最高に輝いた笑顔)」

※普通に本編の続きのためクリスマスとはまるで関係ありません。つまり名ばかりのプレゼント


リアルはしんどい、だが捨てられない
……ん? 捨てられない? リアル=童貞?
捨てたくても捨てられない……そうか、リアルと童貞は同一のものだったんだ(暴論)
だからこの世に童貞は溢れ返ってるんだな(茶番を挟まないと死んじゃう病)




[茶番劇終演]





えー、そんな訳で(?)ご無沙汰しております
リアルのノルマがなかなか片付かない+唐突に病気になった愛犬の看病もとい世話がリアルの忙しさに拍車をかけるダブルコンボで更新遅くなりました、申し訳ないm(_ _)m
徹夜続きだったんで大目に見て下され……

読者の皆様、よくぞこんな汚い拙作の更新をお待ちいただきました
どうもありがとうございます(*- -)(*_ _)ペコリ


恐らく忘却の彼方なので一応前回のあらすじ
賢者、リリィの修行がてら記憶整理。その過程で新技を修得からのお披露目。股間が爆散。特異点を退場。しかしカルデアにて復活+大惨事性徴←今回ここから


さて、今回は急転直下です
これをやりたいが為にここまで賢者を二重の意味で変態的に強化したまである
冒頭の茶番を読んだ人は少しスカッとできるかも……?

前回までの展開的に、今回は汚さ控えめです
(※あくまで『前回より』ですのでご注意を。最近更新ができなかったので、汚さの耐性が低下してると感じる方はウォームアップをオススメします)
お望みの品ではないかもしれませんがご容赦を
あと、いつもの如く長文です(諦め)


さぁ、隠者よ。咽び泣け(同情)
そして────


ご出産おめでとうございます(強制)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 人理継続保障機関フィニス・カルデア。

 

 

 そこに所属するカルデアスタッフ一同はいつも以上にてんてこまいとしていた。

 

 

「マスターのメンタル数値、急速に変動。安定しません!」

 

「同時に賢者のアヴェンジャー、第5特異点よりロストを確認。……信じ難い話ですが呆気なく消滅した模様です」

 

 

 何せモニタリングをしていた人類最後のマスター・藤丸立香の精神状態が、非常に不安定な状態になっていたからだ。

 特異点という「現実でありイフの世界」で彼女の実在を常に証明し続けなければ、レイシフトから藤丸立香が二度と戻ってくることはできなくなる。

 彼女のメンタルの振れ幅がどう影響を及ぼすかは未知数だ。

 こちらがどれだけ彼女の存在を観測し証明しても、彼女自身が己の存在を否定してしまえば、意味消失してしまう可能性は否めない。

 

 それ以前にメンタル面が疎かになった彼女が、敵から不意の襲撃を受けて特異点で死んでしまえば、霊子筐体(コフィン)に保存されている彼女の肉体に、疑似霊子化して特異点に存在する彼女が戻ってこれる可能性は0に等しい。

 だからボクは所長代理として、カルデア医療部門トップとして通信越しでも彼女のメンタルケアを怠る訳にはいかなかった。

 

 原因もわかっている。

 賢者のアヴェンジャーが特異点より霊基消失したからだ。

 

 賢者のアヴェンジャーのことはカルデア職員のほぼ全員で解析を進めているが、未だ真名不明どころか英雄、反英雄、守護者。はたまた架空の人物や概念、現象。果てには疑似サーヴァントの可能性すらある。

 調べても調べても、決定打となる情報が出てこない。

 まるで……人為的に抹消されたが如く。

 

 サーヴァントには知名度補正というものがある。

 その土地や世界でどれだけ認知されているか、どんなイメージを持たれているかで、サーヴァントの性能や能力、外見が変貌するのだ。

 しかし、情報がまるで出てこないにもかかわらず、サーヴァントとしては強すぎるのだ彼は。

 生前の英雄としての逸話や伝説に左右されない程に元々強い英霊だったとしても、サーヴァントで召喚された以上、本来の力よりは劣るのが普通だ。

 そのはずなのに、あの強さは反則染みている。

 特異点での戦いの記録を順番に確認するとよくわかるが、どんどん強くなっているように感じてしまう。

 それも霊基再臨が原因ではなく、ただの英霊としては普通はありえない、戦いの中で()()しているようにしか思えなかった。

 

 

 だから今のところ賢者のアヴェンジャーの正体に関する最有力の仮説は『本来の意味は歴史上の闇に葬られたが、現在も名前そのものは概念として残り、世界中で認知されている存在────が何処かの人間を依り代にして現界した疑似サーヴァント』ではないか、というのが現状の情報をもとにカルデア職員全員で導き出した1つの結論だった。

 

 

 つまり結局はよくわからない、というのが答え。

 何とも情けない話ではあるものの、適当にでっち上げる訳にもいかないのだから仕方がない。

 彼が何者なのかを一刻も早く明かしてくれれば良いんだけどね……。

 たとえどれだけ正体が恐ろしい存在だとしても、知っているのと知らないのでは、心構えも安心感も随分と変わってくるものだし。

 今までは立香ちゃんに彼は協力的だったが、何かの拍子に逆鱗に触れて敵に回ったり、元々の性質上裏切ることが決まっているサーヴァントだった場合、情報が皆無では対処法がまるで提示できないのだから。

 

 

 そう、問題は立香ちゃんのメンタル状態だけではない。

 

 

 あの賢者くんがやられてしまったのだ。

 彼はカルデアに登録されたサーヴァントだから、やられても再召喚を可能とするはずだが、問題はそこじゃない。

 復活したとして、賢者くんは今まで通りにマスターの味方として戦ってくれる保証がないんだ。

 彼の情報が足り無さすぎて、どういった行動に出るのかとても予測し辛い。

 立香ちゃんは真名不明経歴不明な彼に全幅の信頼を置いているようだけど、ボクはそこまで彼を信頼できていない。

 

 確かに今までの彼のことは味方として信用はしていたけれど、今回の消滅を引き金に敵に回らない可能性が無いとは、所長代理として言い切ることは難しかった。

 

 それでも彼の存在は現状において必要不可欠。

 マスターとマシュにとって、賢者くんが心の支えになっているのは間違いない。

 あまり依存させるのはよくないとわかっていながら、ボクは忙しさにかまけてそこを疎かにしてしまった。

 ……いや、現状を維持する為に、何一つ決断せず観察に徹してしまっていたんだ。

 所長の代理を務めている身にもかかわらず、気付いていながら見逃していた。見過ごしていた。

 つまりこれはボクが招いた失態でしかない。

 ならばボクなりの手段でこの状況を解決する他ない。

 所詮、今のボクは凡人だ。

 一つずつ対処していくくらいしかできない。

 

 

「わかった。みんなは引き続きモニターを続けてくれ。レオナルド! 彼がカルデアに戻ってきているかの確認を大至急頼む」

 

「ほいきた。ロマニは確認が終わるまで彼女達のメンタルケア任せたよ」

 

「言われるまでもないさ。それが本業だからね。……よし、立香ちゃんに繋いでくれ」

 

 

 情けないことに自信はあまりない。

 ボクはどうしたって悲観的に物事を捉えてしまう。

 賢者くんの消滅がどう転ぶのかがわからない以上、最悪の事態を考えない訳がないからね。

 メンタルケアは精一杯するつもりだけど、彼の状態によって大きく左右されるだろうし。

 

 

『ド、ドクターですか!? 大変です! 大変なんです! 賢者さんが……賢者さんが』

 

「一度落ち着くんだマシュ」

 

 

 まずは立香ちゃんのメンタルケアを、と思っていたんだがマシュもやはり動揺を隠せないみたいだね。

 

 

「こちらでも賢者くんの消滅は確認している。でも彼はサーヴァントなんだ。その場の戦力が減ったのは痛いかもしれないけど、霊基がカルデアに登録されてる以上、君達が帰ってきたらまた会えるさ。今、レオナルドに帰還しているかどうかを確認してもらっている。だから落ち着くんだ」

 

『……っ……はい、その、すみません。取り乱しました。賢者さんが倒されるなんて想像もしていなかったので……』

 

 

 実際マシュの言う通り、ボクも賢者くんが死ぬ可能性を想定まではしていても、想像ができていなかった。

 あのソロモン相手に一人で善戦していた彼が、そうそう死ぬとは思えなかったからだ。

 だからどんな強敵が現れたところで、敗北する可能性はあっても、なんだかんだで生き延びるものだと思っていた。

 ボクですらこうなんだ。

 一緒に戦ってきた立香ちゃんとマシュにとって、彼の消滅は相当な衝撃だっただろう。

 

 

『ドクターの言う通りだよマシュ』

 

 

 だからこそ驚いた。

 

 

『賢者さんなら大丈夫! さっき動けなくなってた時だって無事だったんだから。私達があんまり動揺してたら、賢者さんに笑われちゃうよ』

 

 

 立香ちゃんがこの短時間で完全に立ち直ったことに。

 その証拠に彼女の精神状態は数値上、デフォルトまで戻り安定していた。

 自分自身よりも表向き狼狽しているマシュを見て、冷静になったのかもしれないね。

 でも念のため訊いておこうか。

 

 

「立香ちゃん、キミは大丈夫なのかい?」

 

『はい。慌てても事態は好転しないって思い直したんで。それに……』

 

「それに?」

 

『たぶん賢者さんには何か考えがあって消滅を選んだんだと思うんだ。だったらマスターの私は彼を信じて、今自分がやるべきことをやるだけだよ』

 

「……そうか。こちらで賢者くんを確認でき次第、また連絡させてもらうよ」

 

『お願いします! こっちは予定通りエミヤの応援に向かいます』

 

 

 あちら側への映像と音声の送信を一時切る。

 無論受信は継続し、マスターの実在を証明するモニタリング作業は怠らない。

 

 ……さて、前向きになってくれたことは良い。

 けれど同時に、賢者くんに対して妄信気味になっているのを、このまま放置するのは非常にまずい気がする。

 しかし特異点に出向いている状況でそれを修正するのは、リスクが大き過ぎる。

 せっかく持ち直してもらったのに、余計な刺激で取り乱させるのは愚の骨頂。

 となると特異点より帰還してもらってからでないと難しそうだ。

 …………いや、また現状維持のため傍観に徹すれば、それこそ最悪の事態を免れられないんじゃないのか?

 二の舞を避けるなら決断するべきじゃないのか?

 

 

「ロマニ、賢者くんがカルデアに戻ってきているのは確認できたよ」

 

 

 ボクが数秒思索にふけっていると、レオナルドから声をかけられた。

 近未来観測レンズ・シバにはカルデア内のほぼ全域を監視し、写し出すモニターとしての機能も搭載されている。

 それを利用して探してもらっていたのだ。

 

 

「良かった。これで立香ちゃん達にも無事を伝えられる」

 

「うん。……ただね、様子がどうも若干変なのと、どうやらここに向かってきているみたいなんだ」

 

「なんだって?」

 

 

 どういうことなんだ?

 もしや、ボクが想定していた悪い予想が的中してしまったのか!?

 そんな折り、タイミングが良いのか悪いのか管制室のスライドドアが開いた。

 

 

「……ドクターロマン」

 

「賢者くん……!」

 

 

 振り向けば案の定現れたのは、賢者のアヴェンジャーだった。

 パッと見これといって外見に変化は無かった。

 だが醸し出す雰囲気がいつに無く、闘志がみなぎっているように感じられたんだ。

 普段は寡黙で無愛想な彼にしては、やたらと何かを成そうとしている気概まで感じる。

 

 

「……心配をかけた。無事だとマスターには伝えてくれ」

 

「あ、ああ」

 

「あと、一足先にアレクサンドリアで待ってるとも」

 

「えっ、なっ!?」

 

 

 そう、一方的に言い残したかと思えば急に賢者くんの姿がぶれいなくなっていた。

 まるで最初からその場に誰もいなかったが如く。

 って、消えた……!?

 

 

「……ロマニ、どうやら彼。自力で特異点に舞い戻ったみたいだよ」

 

「は!?」

 

「いやー、非常識なことするよねぇ。この天才でもしないようなことを平然と実行するんだからさ」

 

「いやいやいやいや」

 

 

 おかしいから!

 普通のサーヴァントは自力だけで、それもそんな瞬時に特異点に跳んだりしないから!

 っと、狼狽えてる場合じゃない。

 

 

「職員諸君! アレクサンドリアに直接転移したと思われる、賢者くんの動向を観測可能範囲で探ってくれ! ボクも解析作業を続けながら、彼の安否と言付けを早急に立香ちゃんへ知らせ現場に向かわせる。随時状況報告を怠らないように気を付けて! 連携が大事だからね」

 

「「「────了解!」」」

 

 

 賢者くん、頼むから予測しやすい行動を心掛けてくれないかな! 後手に回るしかないボクらにとってキミの行動はイレギュラーが過ぎてフォローが大変なんだぞ!?

 もしもキミが本当は敵なんだとしたら、あっぱれとしか言いようがない翻弄っぷりだよ……。

 けれどこれでこの先、真名も何もかも判明した上でキミが味方なんだとしたら、少し覚悟はしておいてくれ。

 スタッフ総出で文句の嵐を叩き付けるからさっ!

 

 そんなことを考えながらも送信を再開させつつ、賢者くんの魔力反応があるかどうかサーチする作業も同時にこなす。

 

 

「立香ちゃん、聞こえるかい? 賢者くんについてなんだが────」

 

「報告! アレクサンドリアにて賢者のアヴェンジャーの反応が何故か二つ……!?」

 

「失礼! たった今一つ消失しました!」

 

 

 ああ、忙しいなぁもう! 助けてマギ☆マリ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方。

 賢者が頭のおかしい進化を遂げる少し前。

 

 

 アレクサンドリアでは────否、()アレクサンドリアでは。

 

 

 五騎のサーヴァントが入り乱れながらも連携し、たった一騎のサーヴァントと、彼が率いるケルト兵百余名を相手に激闘を繰り広げていた。

 

 セイバーが率先して敵セイバーと斬り結び、そのサポートとして紅のアーチャーが状況に応じて双剣で白兵戦を、投影宝具を弓に番え矢として放つ。

 

 百余名ものケルト兵はランサーが竜骨槍や自分の尻尾を使って時に地上から、時に竜の翼で空中から薙ぎ倒し、その撃ち漏らしを派手な彼女に隠れながら、緑のアーチャーが的確に毒矢を射て仕留める。

 

 そして助っ人として現れた黒いアヴェンジャーはというと。

 

 

 

 

 

 大の字になって地面に転がっていた。

 

 別にボコボコにされた訳じゃない。

 単純にさっきまで接近戦を仕掛け続けて疲労したから、サボっているに過ぎない。

 ……どっちもどっちじゃないか? というツッコミをする無粋な奴は幸いこの場にはいなかった。

 

 何せ好色さがあまりにも露骨と化している敵セイバーの偉丈夫(仮)が、仲間のセイバーとランサーを隙あらば(性的に)食おうとするのを阻止したり。

 それがダメならと、もう男で構わんと言わんばかりに。仲間のダブルアーチャーを(性的に)食おうとするのを無視しようとしたら、その件の二人に前衛なんだから頼むと盾代わりにされたり。

 

 紅いのには「お前も前衛だろ」と抗議したが「私はアーチャーだぞ?」の一点張りでにべもなくスルーされた。

 双剣で前衛をこなしてたのはいったい何だったのか。

 

 果てには偉丈夫(仮)が彼らの盾になっている自分に向かって「もうお前でも構わん。お前の穴を掘らせてもらう!」とか言い出す始末。

 そしてトドメは本体から流れてくる謎電波。

 

 

(……滅入るわー。こっちが真面目に(穴を死守するため)死闘を繰り広げてる真っ最中に、いくら吾が同一存在だからってアイツの脳内トーク内容が頭に流れてくるとか、勘弁してくれ。どうしてそんな修行内容になった! だとか。漸く第一宝具の真名やら色々思い出したみたいだけど記憶喪失のままのが良かったんじゃね? だとか。ツッコミどころ満載過ぎて……戦闘に集中し辛いんですけどー)

 

 

 現状、寝転がっているだけだと説得力皆無だが、ここまでの経緯を知っていれば少し休むくらいは許されるだろう。

 

 

 偉丈夫(仮)が宝具の真名すら解放していない剣を乱雑に振り抜くだけで、放たれし剣光が大地を容易く三分割にし、地形を粉々に砕く。

 それを数度繰り返した結果、アレクサンドリアは跡形も残らず滅んだ。

 町並みどころか廃墟の面影すら無く、この地に町があった形跡なぞまるで存在しない。

 あるのは破壊の跡とたくさんのクレーターくらいだ。

 

 

「……まあ、本体は吾の心の声が聞こえていようとガン無視だろうけどなっ。ネロ、エミヤ下がれ!」

 

 

 隠者は文句を垂れつつゆらりと起き上がると、身に纏うどす黒いオーラから複数の弾丸を生成し撃ち出した。

 陰鬱な神気(メランコリー・オーラ)より繰り出す遠距離技、鬱憤の弾丸(グラッジ・ブレット)が件の偉丈夫(仮)もとい異丈夫と化した英雄────フェルグスの叔父貴へと猛威を振るう。

 しかしこれはあくまで牽制。

 

 無論フェルグスも螺旋を描く刀身を持つ巨大な愛剣で、その黒き複数の弾丸を的確に叩き落とす。

 

 その間に隠者は邪拳『転癌トレット(TENガントレット)』を振りかぶりフェルグスへと迫る。

 接近戦に持ち込めれば、邪拳で殴った対象に発生する魔力汚染がえげつない効力を発揮でき、有利になるからだ。

 

 それを知ってか知らずか、隠者が近付こうとするとフェルグスは愛剣を使って地形をぶち壊し、接近を許そうとはしてくれなかった。

 隠者自身先程も試したばかりなのでこの対応はわかっていた。

 リーチが短いので間合いを広げてくる相手には当て辛い。だが、今回の狙いは隙を作ること。

 フェルグスの意識を隠者の邪拳に集中させるのが狙いだ。

 

 だからこそ隠者は今回、彼自身の行動全てを牽制として行使した。即ち本命は彼の攻撃に非ず。

 隠者は体が傷付くことさえ厭わず接近し、無理矢理アッパーカットを繰り出した。

 

 

「ぬおっ!」

 

「ちっ……グプッ!」

 

 

 隠者の邪拳が鼻先をかすめかけたものの、フェルグスは仰け反ることでギリギリ回避し、その体勢のまま横薙ぎに振るわれた愛剣によって隠者は無慈悲にぶっ飛ばされる。

 陰鬱な神気(メランコリー・オーラ)を纏っているにもかかわらず鈍い音がした。

 それ即ち生身で受けていれば骨が粉々になっていたどころか、上下に両断されていたかもしれない程の威力が秘められていたことを意味する。

 だが隠者は血反吐を吐きながらも笑う。

 彼は役目は終えていた。

 顔を上に向けるような隙のデカイ体勢に持ち込めさえすれば、後は彼が射るだけなのだから。

 

 

 

「そこだ! 偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)!」

 

 

 

 後退して既に準備を終えていたエミヤが、フェルグスの胸部目掛けて遠距離から狙い射った。

 

 やがてその矢は()()()着弾し爆発する。

 当たった箇所は大きな穴ができる程だ。

 サーヴァントであろうと、心臓部にて爆発すれば一溜まりもなかっただろう。

 

 

 

「我が愛剣の贋作にしては見事な威力であった。だが────」

 

 

 

 そう、虚しくも空を切ったのだ。

 何せフェルグスは仰け反った体勢のまま、そこから無理に体勢を整えはせず、仰向けに地面に倒れ込む選択を取ったのだから。

 心眼(真)がAランクの彼に、そんな小細工は通用しなかった。

 通常のフェルグスと違って好色さが極振りな彼相手だったからこそ、洞察力が衰えてる可能性を見越しての作戦だったのだが、どうやら読みは外れたらしい。

 

 

 

「────だからこそいくら改造を施そうとも、本物を扱う使い手には及ばないことを知れ!!」

 

 

 

 倒れた時の勢いを利用して瞬時に起き上がると、フェルグスは地面に宝具を突き立てた。

 

 虹霓剣(カラドボルグ)

 

 容赦なく地形を破壊する問答無用の広範囲攻撃。

 先程の矢の爆発が小規模に思える程の破壊っぷり。

 空を飛べても、低空飛行程度じゃ巻き込まれるレベルの天災に匹敵する人災。

 

 五騎のサーヴァントも有効範囲外へと逃れるように行動しつつ、当然の如く退避しながら遠距離攻撃をかますが、螺旋虹霓(こうげい)剣の力は伊達ではなく、フェルグスに届く前に力の余波で尽く霧散。

 

 ちなみに彼にとって仲間のはずのケルト兵は、今回の宝具使用によって生まれた地割れに巻き込まれ、3割程まとめて絶命していた。

 しかももう既に二回目である。

 

 

「くっ、私の矢でもダメか……!」

 

「ちょっとアンタ達、ちゃんとアイツ抑えててよ! 巻き添え食らいそうになったじゃない!」

 

「これでも余達は精一杯やっておるわ! あやつがでたらめなだけなのだ!」

 

「てか、また仲間もろともかよ……ちょいと無茶苦茶過ぎませんかね? オタク、助っ人として来たんだからなんか名案ないわけ?」

 

「安易な期待……滅入るわー。言っとくけど、吾は本体に無理矢理送られてきただけだからな? そんな期待を寄せられても困るぜ」

 

 

 安全圏に離脱したからか、だらけきった様子で投げやり気味に隠者は話を続ける。

 

 

「つーか名案あるならとっくに使ってるって。実際吾らが知ってるフェルグスと随分違うだろアレ? 対処法なんざぶっちゃけわからんよ。つまり打つ手なーし」

 

「何よそれ。もう少しやる気見せなさいよ」

 

「…………つってもなー────!!??」

 

 

 チラッと視線を向けた先で、隠者が驚愕を浮かべた表情のまま唐突に固まった。

 それは視線の先にいるフェルグスの行動と、繋がっている本体が特異点から消滅したのを知ったのが、ほぼ同時だったことに起因する。

 当然仲間の四騎はそんな裏事情知るよしもない。

 だが尋常じゃない何かが視線の先で起きていることは察することができた。

 

 四騎は隠者の視線の先を目で追う。

 それよりも先にフェルグスは動いていた。

 

 

 しかし。

 

 

 

「『カレドヴ────」

 

「────させるかッ!!」

 

 

 

 そんなフェルグスよりさらに早く隠者はフェルグスがやろうとしていた全力全開の宝具使用の妨害に全霊を尽くすため、地面に右拳を叩き付けていた。

 陰鬱な神気(メランコリー・オーラ)からの派生技────どす黒い瘴気を纏った拳を叩き付けた地面を起点に目標地点から間欠泉の如く邪悪な奔流を真下から浴びせる────鬱屈の噴出(グルーム・ガイザー)を発動したのだ。

 

 

「────ルっぐお!? ほう、やるではないか」

 

「油断も隙もねぇ……マジ滅入る」

 

 

 ほぼ同時に起きた緊急事態に動揺したのは一瞬だけ。

 隠者は瞬時に優先順位を算出し、本体の特異点からの消滅を意識外に追い出すと、フェルグスの妨害に移っていたのだ。

 

 

 

 その選択は決して間違っていなかった。

 フェルグスの全力宝具が解放されれば、この場のサーヴァントは全滅していた可能性が高かったのだから。

 

 

 

 ただし隠者個人としては、彼自身が生き残りたかったのであれば、フェルグスを優先するべきではなかった。

 

 

 

 

 ピシッ。

 

 

 

 

 突如、隠者の体に亀裂が走った。

 

 

 

 

 

 

「む」

 

「えっ」

 

「は?」

 

「なっ」

 

「あー……そうくるよねー。その方が手っ取り早いし。はぁ、にしたって吾の役回り────」

 

 

 

 

 

 

 

 メキメキメキメキッ! 監獄搭の時よりもさらに荒々しく、隠者の全身にヒビが走り抜け、そして。

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ガチ滅入る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 刹那、隠者の腹が勢いよく砕け、その中から白濁のローブを身に纏う男が現れた。

 それも白濁の光の尾を引きながら。

 

 気付いた時にはもう遅い。

 

 フェルグスは懐にその男の侵入を許してしまった。

 横薙ぎに振るわれた鞭のようにしなり伸びる剣を、カラドボルグで防ぐまでが精一杯だった。

 

 

 

 残像が見えた直後に走る腹部への激痛。

 地面から遠ざかる視界。

 

 

 

 

 そこでフェルグスの意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 特異点帰還!

 

 隠者の内側からダイナミック帝王切開!(テラ理不尽)

 

 隠者の腹からこんにちはー! 賢者だよー!

 おっと悠長に挨拶かましてる場合じゃねぇな!

 

 瞬時に視認したネロとエリサベードを使って見イキし、白濁光に即変換(コイツプロだわ)

 俺は白濁光ジェットでケルトの性豪フェルグス目掛けて突撃を敢行した。

 右手に某ブランド性具を構え、白濁の刀身を展開。

 

 初見殺し、伸縮自在性剣を横薙ぎに振るう。

 

 剣で防ぎつつもたたらを踏んだフェルグスに、俺は容赦しなかった。

 さらに白濁ジェットで急加速して奴の懐に飛び込む。

 そして、

 

 

 

 

 

 フェルグス・マッシロイになって出直して来やがれ!!(ショタになったら食う気だぞコイツ)

 

 

 

 

 

 その想いを乗せた、左拳に一点集中させた性欲の炎による灼熱の拳骨を、アッパーカットの要領で躊躇なくフェルグスの土手っ腹にぶちかました(安定のド屑)

 股間? いやー股間は同じ経験をした者として、ちょっと思うところがね。……ベオウルフさん申し訳ない。

 うっわ、俺ってばマジ優しくね? 男の急所狙わないとかマジ俺優しいわぁ(※ブーメランが怖いだけです)

 

 

 

 さて、あの筋肉モリモリ性欲ムラムラなガチムチマッチョマンを、復活記念に景気よくぶっ飛ばしたのは良いが、ありゃ殺しきれなかったな。

 ただ空へぶっ飛ばしただけになっちまったぜ。

 失敗失敗……でも仕方ないよね?

 なんか本能的に貞操の危機を訴えて来るんだもんフェルグスって。

 

 隠者経由で見てたけど、特にこの特異点のフェルグスはカルデア在住より、なんか性欲マシマシな感じでちょっと引くわー(即ち同族嫌悪)

 

 だから直接手で触れるのも嫌なレベルだったんで、燃えたぎる熱き性欲(ブレイジングリビドー)発動して殴る拳に炎纏わせたんよ。

 汚物は清めの炎で消毒ってなァ(その炎の方が不浄なんですがそれは)

 

 

 ま、何でもいいや。

 また次会ったらぶちのめしゃ良いだろ(楽観)

 

 そんなことより!

 今は美少女二人が無事なことの方が重要だ!

 そのためにはまずケルト兵の残党をちゃっちゃか片付けないとな☆

 

 

 歴代の童 帝 神(ザ・ヴァージニティ)が受け継いできた童貞の神の御技・童 帝 神 技(ドウテイシンギ)

 それを改良し、性能面を下げる代わりに効果対象を増やすに至ったDTS。

 悲しいことにDTSには反動もあって扱え切れなかった。

 だがその反動も復活と同時に、トイレに流す排泄物のように綺麗さっぱり無くなった(何故その表現を選んだ)

 

 肉体を最適化したのだ。

 まるで女の子の穴を開発して己の息子の形に作り替えるかの如く(最低な比喩)

 

 は? 女の子の穴としか言ってないんですけど?

 鼻の穴とか耳の穴のことかもしれないだろ! いい加減にしろ!(それはそれでヤバい発言)

 

 なーにを想像したんですかねー? 息子って言葉に息子以外の意味があるのかなー?(すっとぼけ)

 

 女の子の鼻の穴とか耳の穴とかを、自分の息子の鼻の穴とか耳の穴と同じ形にするって意味だと捉えられないもんかね(それはどうなんだ)

 

 やだわー、最近の童貞は純真さってものが無いのかい? 汚い発想はやめたまえよ(おまいう)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやまあ、穴はマンだし息子はチンでどちらも語尾にコが付く意味で使ってたんだけどさ(何の捻りもなく変態を公言)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ま、そんなのは些細な話だよね?

 そんじゃ、いっちょヤりますか!

 驚愕でこの場の空気が固まってる内に、ケルトの残党をまとめて料理してやんよっ!

 

 

 

 ネロちゃまとエリちゃんを再び視界に一瞬だけおさめると、十八番の見イキを連発し、白濁ジェットを点火し瞬時にケルト兵達が集まる中心地へとひとっ飛びした。

 俺の見抜き並みの速度だったので、常人どころか特別な眼を持つサーヴァントでもない限り、直接転移したようにしか見えなかったことだろう。

 

 さぁ肉体スペックを更新し、万全の状態で使えるようになった新技の餌食になってもらおうか!

 イクぞ。手始めにこれだ!

 

 

 

 

 パチンッ!!

 

 

 

 

 DTS──No.2

 

 指弾術・Clara_Stand-up!!

 

 

 

 フィンガースナップ────謂わば指パッチンを行使したのだ。

 もちろん()()()ではない。

 その音波が周囲のケルト兵に伝わる。

 

 すると、どうなるのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 一斉にケルト兵のオッサン共が意思に反して勃起するのだ(うわぁ)

 

 

 

 

 

 

 相手がサーヴァントならそう簡単に上手くはいかないが、ケルト兵程度ならこの技で自由自在に勃起を操れるんだよね(Oh……)

 

 

 

 

 さぁ、こっから畳み掛けるぜ!

 虚空に手を添えるだけ。

 後は何もない空間を軽く握り、神速で往復運動を繰り返すだけの簡単なお仕事だ。

 

 

 俺のテク、おあがりよ!

 

 

 

 

 

 

 DTS──No.3

 

 手淫・神速疑似手コキ(ハンドソニック_Ver.P)

 

 

 

 

 Ver.PのPは当然ピストンのPだ、断じてポルチオのPではない!(ツッコミどころが多すぎる件)

 断じてポルチオのPではない!(連呼すんな)

 

 語るまでもないだろうが、勃起させた敵の息子共をまとめて一瞬で手コキし射精させる技だ(うわキモ)

 詳しく言うなら、生命力の源である精液を強制的に全部排出させ絞り殺す効果を有するのさ(何気にむごい)

 

 

 

 

 ケルト兵共(テメェら)のはお粗末!(失礼な断言)

 マラ、粗末な息子(つまらぬモノ)をイカせてしまった(上手いこと言ったつもりか)

 

 ケルト兵共は全員絶頂の末、恍惚な表情を浮かべながら昇天していったぜ。

 はい、一掃完了!

 

 だがつまらぬモノを間接的にとはいえ複数握っちまった! なにこれきたない(真顔)

 なんでこんな新技開発しちまったんだ……!(ホントだよ)

 

 

「いったい何が起きたのだ……!?」

 

「えっ? えっ!? 黒いのから白いのが出てきたと思ったら、えっ?」

 

「あんだけオレらが苦戦してた野郎とその部下まとめて葬りやがった……オイ、コイツが本体の賢者とやらな訳? 赤いの」

 

「……そうだ。あのデタラメさこそ、あの男の象徴みたいなところがあるからな。間違いなく奴が賢者のアヴェンジャーだよ」

 

「散々な言われようだな。……まあ、それよりも」

 

「えっ? な、何よ?」

 

 

 エリザベート=バートリーの目の前に即座に移動する。

 彼女は未だ動揺を隠せないようだ。

 ならば今がチャンス!

 

 エリちゃんの全体的にピンクな格好を一目見て、俺はどうしてもやりたいことがあったんだ。

 いや、正確には彼女の服装の一つである帽子。

 もっと正確に言えば帽子の上の人形を注視していた。

 

 シルクハットの上に飾られる子ブタと子リスの人形だ。

 

 この二つの人形の意味と欠けたパーツ。

 

 ブタ=萌えブタな男を意味するのは確定だろう(いやいや)

 であればリスは?

 リスには欠けたパーツが存在する。これでは本来の意味は発揮できないのだ。

 だから俺は、宝具『2Dシェルター』によって今もなお維持されている異空間に接続し、第5特異点に出向く前に作っていた料理の数々の中、余らせていた食材の一部から目的の物を取り出す。

 そして、リスの隣に()()を乗っけた。

 

 

「な、何よアンタ! なんか帽子の上に今乗っけなかった?」

 

「……なに、気にすることはない」

 

「いや気にするわよ! 何したのよ!」

 

 

 ナニをしたかだって!?

 馬鹿な! そんな挙動は見せてなかったはずだ!(そっちじゃねーよ)

 確かに特異点に帰還してから、君達で既に見イキ五十回以上は済ませたけども(まだ数分でこの所業)

 

 まあ、リスの隣に並べるならやっぱ栗だろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()

 

 

 

()()()()()

 

 

 

()()()()

 

 

 

()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 うっ! …………ふぅ。

 

 4回も連呼したら4回も出しちゃったぜ(案の定まったくブレがない)

 そんでナニもわかってなさそうな処女臭たっぷりな未通エリちゃんを見てさらに一発!(死ね)

 ついでに隣のネロちゃまを見てもう一発!(自重しろよ)

 さらに隣のロビンフッドを見て一発!(オイ)

 最後にエミヤを見てとどめの一発!(見境無しか)

 

 これが見イキの極致さ……DTSを扱える完全体へと至った証拠だね☆

 

 

 

 

 

 そんなことをしながらも、サーヴァント四騎にマスターと合流するためデンバーに向かうことを伝える俺。

 趣味に興じながらもきっちり仕事はこなす。

 流石は有能な変態だぜ!(自分で言うのか)

 エミヤに先導させ殿をつとめることにする俺。

 

 あ? 殿をつとめる理由?

 好き放題にネロやエリザベートの後ろ姿を舐め回すように視姦して見イキするためですが何か?(もしもし警察ですか)

 

 

 

 連続で見イキをする。

 それは短い時間とはいえ、無防備な賢者モードを何回も晒すことを意味する。

 表面上は秘蔵の封印のおかげで基本的にはわからない。

 だからそれについては問題ない。

 しかし賢者モード中は冷静な反面、落ち着き過ぎて逆に不意を突かれやすかったりするのだ。

 

 

 

 

 

「────やはりお主か、()()よ」

 

「────────────────ッ!?」

 

 

 

 

 

 こんな風に。

 まるで気配なんて無かった。

 出現の予兆すら読み取れなかった。

 だが背後から聞こえたその声だけで、ただ者ではないと本能が理解した。

 だから俺は考えるよりも早く背後へ振り向きながら、距離を取る為に跳ぶ。

 そして、振り向き様には咄嗟の判断で何の予備動作もなく放っていた。

 

 

 

 

 

 

 秘技・『真の変態は眼でイカす(ス コ ー プ エ ク ス タ シ ー)』!

 

 

 

 

 

 

 

「んぅ……! くぅ、見事だ。敵か味方かわからないからこその牽制か。腕は鈍ってないようだ」

 

 

 究極の視姦攻撃。

 それはちゃんと標的に直撃していた。

 にもかかわらず当たった本人は倒れていない。

 それどころか頬を少しばかり紅潮させてはいるものの、楽しげな雰囲気を保ちながら獰猛な笑みを浮かべていた。

 

 

「久しいな、()()()()()(ウー)よ」

 

 

 俺が振り向き視姦した先には、二本の槍を携えた全身タイツの女傑が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺の股間も勃っていた。あと白いのが出た(汚い)

 

 

 何故ここに? だとか、愚者って俺のこと? だとか、そんな色んな疑問を一瞬だけ訪れる賢者モード特有の冷静な思考で噛み砕く。

 

 

 そんな最中俺は、今の秘技で勃起したと思われる彼女のお胸のポッチをガン見するのだった(目玉くり貫こ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら? フェルグス、酷いやられようね。先程の轟音、あなたの仕業かしら?」

 

「うむ、その通りだ。すまないなメイヴ。アレクサンドリアからここまで吹き飛ばされてこのザマよ」

 

「アレクサンドリアから、ですって? あなた……誰にやられたの?」

 

「それが……正確にはわからんのだ。いきなり割り込んできてこの俺を殴り飛ばした。白いローブの……男だったとは思うんだが」

 

「ああ。だとしたら賢者のアヴェンジャーとやらね、きっと。報告にあったわ」

 

「む? 直前まで戦っていた相手が黒いローブを纏い、隠者のアヴェンジャーと名乗っていたのだが、何かその賢者とやらと関係があるのか?」

 

「隠者のアヴェンジャー? 絶対無関係じゃないわねそれ。……にしてもあなたを殴り飛ばす、か。これは()()おくべきかしら。あまり気乗りはしなかったのだけど」

 

 

「……あ? 何を見るって?」

 

 

「ああ、クーちゃん。なんかヤバそうなのがこの世界を修正する側にいるみたいだから、念のために未来を視ておこうかなって話」

 

「ハッ、どうでもいい。どうせやることは変わらねえ」

 

「まあ、クーちゃんはそう言うでしょうね。でも視ておくわ。ここで視ないといけない気がするの」

 

「ふむ、女の勘というやつか。馬鹿にはできんな」

 

「違うわ女王としての勘よ。ですから──『愛しき人の未来視(コンホヴォル・マイ・ラブ)』早速()()()わね」

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………ちょっと、そこの兵士」

 

「はっ」

 

「兵を集めて大至急よ。集まり次第、軍を北軍と南軍の二つに分けて出陣するわ。サーヴァントへの伝達はこちらでやっておきます。行きなさい!」

 

「はっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……何が視えた?」

 

「いいえ、クーちゃん。視えたけど、視えなかったの」

 

「それはいったいどういう?」

 

「あなたは視えなかったわフェルグス。なのにベオウルフは視えた。そして白いローブのサーヴァントも一切視えなかった……この意味がわかる?」

 

「ベオウルフだと? 確か既に敗れて存在しないはず……それにあの白い奴が影も形もない? そんなことはありえんこの俺を容易く殴り飛ばした男だぞ」

 

「そう、ありえない。つまり本来であれば、私が視た未来になるはずだった。結末まで視れる程の力じゃないわ。借り物だもの。けど、あなたが既にやられていて、賢者のアヴェンジャーがまるで視えないのはおかしいの」

 

「それはつまり?」

 

「この状況はイレギュラーで、賢者のアヴェンジャーが関係している可能性が高いってこと。そしてこの先未来視は意味を成さないってことよ。だから行動に移ることにしたの」

 

「……くだらん。所詮オレがやることは、ただそのイレギュラーもろともブチ殺すだけだ。だが──」

 

「何?」

 

「──メイヴ、“全力”を投入する準備はしておけ。油断して負けること程バカらしいことはねぇからな」

 

「……! わ、分かったわ」

 

「南軍は()()()()に指揮を任せて、オレは手当たり次第にサーヴァントを蹴散らすとする。アンタは北軍を指揮しろ」

 

「承知した! 今度は()()()()()()()()()()()()ことにしよう。それではこれにて失礼!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クーちゃん……」

 

「誰が相手だろうと関係ねえ。オレはただ殺戮する。この国を死ぬまでに無人の荒野に変える機構だ。イレギュラーがどうした。オレはこれまで通り全てを殺し尽くす。それだけだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、今は流浪の賢者(ブイ)を名乗っているんだったか?」

 

「…………賢者のアヴェンジャーだ」

 

 

 突如現れたのは、クー・フーリンの師匠。

 魔境にして異境『影の国』の主・スカサハだった。

 

 えっ!? おっぱいタイツ師匠なんで!?

 もしかしてその素晴らしいドスケベボディで俺の見イキを手伝ってくれるんですか!? あざーす!!(ねーよ絶対にねーよ)

 

 …………絶対ねーよとか断言しなくたって良いじゃない! 現実逃避くらい察して欲しいわ! 長い付き合いなんだから。うわーん!(しち面倒臭い)

 

 

「ふむ、なるほどな」

 

 

 何がなるほどなんですかスカサハさん。

 というか俺のこと知ってるっぽいよね? いやわかってたけどさ。何故か俺は会ったことが無いはずなのに断片だけど師匠の記憶あったし。

 どうせ過去の俺が会ってるんだろ?

 でも過去の俺の時点で秘蔵の封印は持ってた。

 つーことは俺の秘密がバレてるとは考えにくいな、うん。

 自分から暴露する程馬鹿じゃ

 

 

 

 

「それでお主、()()は済んだのか?」

 

 

 

 

 ファッ!?

 前提条件が跡形もなく消し飛んだんですけど!?

 何してんの? ねぇ過去の俺何してんの? 何してんの!? 馬鹿なの? 死ぬの? 俺が社会的に死ぬの?

 いやいや待て待て待て待て!!

 どーまん! せーまん! どーまん! せーまん!

 落ち着け落ち着け落ち着け落ち着け!

 ここはひとまず見イキして落ち着くのじゃ!

 それが良いそうシよう!

 うむ、目の前にちょうどよくドスケベ衣装に身を包む痴女がいるし使わせ──って、件のスカサハさんやないかい!?(落ち着けよマジで)

 

 うっ! …………ふぅ。

 一服もとい一射したら落ち着いたわ(余裕あるなコイツ)

 

 は!? ちょっ、この人どこまで知ってるんだ?

 もしやカマかけか?

 いや焦るな。ここは二次元シミュレーションで……ちっ! リアルに二千年も生き続けている女性の思考なんざ読み切れねーよクソッ!

 ……こうなりゃ無難に、惚けるか。

 

 

「…………なんのことだ?」

 

「やはり、お主。……()()()()()()()()()()

 

 

 ………………………………………………えっ?

 

 

「以前のお主なら『見りゃわかんでしょ? 済んでたら我はまずこの世にいない。その時点で会える訳ないんだからさ。つーか何度目よこの会話?』と、こう返ってくるのがお決まりだったのだがな」

 

 

 は~ん!? 何その会話!? わかる訳ないやんけ!

 その台詞絞り出さなきゃ駄目なカマかけとか勘弁してくれよマジで!

 襤褸(ぼろ)が出ちまったじゃねーか! ついでに下も思わず精液(ボロ)が出ちまったじゃねーか!(いや出すなよ)

 

 

「案ずるな。一目でほぼわかっておったわ。先程の問いはあくまで保険的な確認だ」

 

 

 え"!

 

 

「何せそれ以前に愚者時代のお主と、今のお主では見たからに正反対なのだぞ? 道化を演じていたから前のお主はやたら明るかった。それだけで無愛想な今のお主とはあまりにも違い過ぎるわ」

 

 

 そんなオチかよォォォおおおおお!?

 過去の俺は敢えてピエロを演じて本性を隠すタイプだったのか! 今の俺とはまるで逆の手段じゃねーか!

 どうしてこうなった? 記憶が無かろうと似たような行動に出るのが普通じゃねぇのそこ!

 

 

「フッ……それでも本質は変わってなさそうだ」

 

 

 何? なんなの? 俺の何を知ってるの? ……まさかナニも知ってるの!?(そこに行き着くのはおかしい)

 流石はおっぱいタイツ師匠……二千歳を超える年の功は伊達じゃね────ッ!!!???

 

 

「あー……スマンスマン。手が滑った。いやー何やら失礼な気配を感じ取ったものでな。つい、な」

 

 

 つい、じゃねぇぇっすよ!?

 何を死そのもの的な槍を軽い感じで投擲してんの師匠!? 頬掠めたよ? ねぇ? 今の反応できなかったよ? 一つ間違えば串刺しだよ?

 おかげでチビったよ黄色いの! ダバダバだよ! オムツ履いてて良かったよ!(おもらし癖付くぞ)

 こういう役割は弟子の青タイツにしてくれよ。

 つーか、俺より約千歳も年上なのに大人げないとは思わないのかまったく!

 あなたが年齢的にはオバサン……いやオバアサンな現実は変えようがないんだから受け入れなさいよ。

 別に見た目はピチピチタイツでドスケベ最高!! なんだし誰も気にしませんって!

 

 

「……やはり本質は変わっとらんなお主。さらっと失礼なとことかは同じと見た」

 

「気のせいだ。それで我に何の用だ影の国の女王」

 

「なに、懐かしい顔を見かけたので声をかけたまでよ。……で、流せたと思ったか? んー?」

 

 

 今度は槍を二本構えて素振りするのはやめてくださいお願いします(懇願)

 てか心読めるんですか? 秘蔵の封印機能してないのこれ? ロンドンの時のモーさんでもこんな感じのことあった気がするけど、女の勘恐すぎるんじゃが!?

 

 だから俺は精一杯の抵抗で、然り気無く胸ポチであることを指摘してやったのだ。

 さぁ! 羞恥に顔を歪めるが良い!

 

 

「クララ立ってるぞ」

 

「は?」

 

「……なんでもない」

 

 

 そんな冷たい視線で見ないで!?

 感じちゃう! ビュクッ! ビュクッ!

 チクショーめ! 何故か伝わらなかったでござる(もう突っ込む気力もねぇ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────まあ、そんなこんなでスカサハさんをも味方に加え、途中マスター達とも合流を果たし、そのままアメリカ西部合衆国が拠点とするデンバーに赴き、改めて特異点を修正する為の仲間として集結した。

 

 何? 話を飛ばしすぎ? 良いんですーこれでー。別に省いたって支障無いしー(拗ねんなよ)

 す、拗ねてねぇし! 別にマスターとの感動の再会を夢見てたのに、マスター達が俺のことを信頼し過ぎで、無事だったことが当たり前みたいな感じにまるで驚かなくなっちゃったから、拗ねてる訳じゃねーし!(語るに落ちてんぞ)

 

 

 

 …………デンバーに辿り着いたのは夜。

 全員で集まり協議した結果、一度ちゃんと休息を取り朝になったら再度作戦を立てることになった。

 まあ、ずっと活動してたしな。

 大きな戦いを前に倒れられたら大変だ。

 マスターはサーヴァント同士の戦いにおいては要だ。無理のさせ過ぎは良くない。

 今日は気を張りすぎていたはずだ。マスターはもちろんのことだが特にマシュ。

 マスターや動けない俺を守る為に、気を張りっぱなしだったのは想像に難くない。

 彼女はデミ・サーヴァント。サーヴァントではあってもやはり元の素体は人間の彼女だ。精神が磨り減ってても何らおかしくない。

 だから二人にはきっちり休んでもらった。

 休息も仕事のうちってことでな(変態のくせにまともなこと言ってる)

 ん? 俺?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宛がわれた部屋で一晩中オナニーに興じてましたが?(いつも通りで安心した)

 

 

 失礼な言い種だなオイ。

 ただただ精液をオムツに吐き出してたとお思いか?

 それは断じてノーだ!

 今回は性欲魔神(エンドレスブート)の派生技で兵士を増やしてたのさ!(えっ)

 

 

 

 

 その名も白濁化身(ザーメンズ)!(うわ)

 

 

 

 

 死した童貞である『内側』の連中の意識を利用して自立行動を可能とした、粘性を残した白濁光で形成する人型精液生命体だ(大惨事不可避)

 

 コイツらを北軍と南軍に振り分けるのだ。

 そうすりゃケルトの兵力なんざどうということはない! あっという間に覆せるぜ!

 それに今の俺はDTSも自由自在!

 記憶をある程度取り戻した結果、宝具の使い方もだいたいマスターしたんだ。

 ケルト勢力とか楽勝楽勝! ハッハッハッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう本気で思っていたんだ。

 彼女と対峙する翌日までは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 こちらが攻めるよりも圧倒的に早くに奴らは進軍してきた。

 だから俺は自軍の準備が整うまで一人で足止めしに、みんなの制止も聞かず飛び出してしまった。

 

 

 

 

 

 これが最初の失敗だった。

 

 

 

 

 

 声を聞いた瞬間ヤバいと思った。

 その意思に従うべきだった。

 そこで撤退を選択するべきだったんだ。

 

 それなのに、これまでなんだかんだ強敵を撃破してきた実績が後押しして生まれた自信が、今回もどうにかなると俺をその場に縛り付けた。

 

 それと勝手ながら俺が思っていた『卒業候補は庇護対象』という意識により生まれた、俺が守らなきゃというメサイアコンプレックスに似た症状がその場に俺を縫い付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 まさしく致命的な失敗だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 大将を先に潰せば烏合の衆に成り果てる可能性が高いし、クー・フーリン・オルタ即刻片付けてやんよ!

 先制攻撃! 宝具『性欲魔神(エンドレスブート)』!

 

 

「何これ! お肌つやつやになったわ! もっとちょうだい! もっと!」

 

 

 は? あの女に無効果された……!?

 クソッ! だ、だったらクー・フーリン・オルタより先にあの女を無力化してやる!

 童 帝 神 技(ドウテイシンギ)で!

 

 秘技・『真の変態は眼でイカす(ス コ ー プ エ ク ス タ シ ー)』!

 

 

「ああんっ♡ 何これ気持ちいいし、力がみなぎって来るわ! 素敵ねあなたの技!」

 

 

 …………スカサハさんも耐えてたし、この女もそのレベルってことか。

 ならコンボ技を以てまとめて仕留めてやる!

 

 

 

 宝具『金玉杓子の白濁銀河(メタ・タドポールギャラクシー)』!

 

 +

 

 DTS──No.4

 疑似口内蹂躙・即堕ち眩草(イラマクララ)

 

 

 

 片や全身に粘りの残った白濁の光を纏った、その身に黄金の光を宿す大量の巨大オタマジャクシの大量放出(またそれか)

 

 片や対象の口の中に「歯立て尺八からのケフィア(意味深)をごっくんしたら発情不可避になる性棒」もとい「絶対快楽堕ちんぽ」を疑似的に突っ込むDTS(最低過ぎる……)

 

 外側と内側からの二重封殺攻撃!(何気に強力)

 耐えられるもんなら耐えてみやがれ!

 

 

「うっふ! あっはは! あなた最高! もしかして私にとってあなたは最高の相性なんじゃないかしら?」

 

 

 じょ、冗談だろ(震え声)

 無傷どころかパワーアップしてないか?

 いやそんなことはありえない。

 何か、何かあるはずだ。

 くっ! なら今度は二次元シミュレーションと洞察を組み合わせて確実な撃破プランを割り出してやる。

 そのためには時間稼ぎだ! 行け白濁化身(ザーメンズ)

 

 

「あら? 良いの? こーんなにもらっちゃって♡ あなた良いわね。計画変更!」

 

 

 そ、んな……!?

 白濁化身(ザーメンズ)を支配下に置いただと!?

 しかもあんな一瞬で?

 デタラメだそんなの!(ブーメラン)

 頭おかしいんじゃないのか!?(ブーメラン二つ目)

 このままじゃ……ダメだ。

 やるしかない、あのDTSなら倒しきれずとも足止めくらいにはなるはず。

 妊娠したら責任は取るから!

 

 

 

 DTS──No.1

 

 絶招・『着床无二射(ちゃくしょうにのうちいらず)』!!

 

 

 

 この時の俺はいつも以上に冷静じゃなかった。

 この技を女性に使うなんて、童貞を卒業する前に女性を妊娠させるなんて。

 そんなことをしたいはずが無かったのに。

 放ってから青ざめたもんだよ。

 

 

 

 だが結果的にメイヴが、俺が思っていたような妊娠をすることは無かった。

 ただし安堵したのもつかの間。

 俺はさらに青ざめて、土気色にまで至る光景がそこにはあった。

 

 

「もう! うふふ、短時間でこんなにたくさんのプレゼントを一人の男に貰ったのは初めてよ。なら直ぐに使ってあげなきゃね♡ ……そしてあなた、私のモノにおなりなさい?」

 

 

 この時の俺はまだ知らなかったが、彼女には『戦士から取り込んだ遺伝情報を体内で複製し、名も無き兵士として製造する』という能力を持っていた。

 しかも聖杯のバックアップを受けた状態。

 

 よって俺の精液という名の遺伝情報によって、とんでもない怪物が生まれてしまった。

 他ならぬ俺のせいで。

 

 敵側に俺が用意した兵力の半分程を奪われた挙げ句、とんでもない怪物が敵の戦力に加わるという最悪な戦況へと変えてしまったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 驕っていたんだ俺は。

 

 

 

『つーか、やっぱりケルト兵か……! それとコイツらみんなオッサンの外見なのになんで女の匂いが染み付いてんだ? しかも全員同じ女の匂い……スキル・二次元シミュレーション演算開始────完了』

 

 

 

 だから忘れていた。

 

 

 

『ははーん? コイツら全員一人の女に生み出された量産型か。そしてその女ってのは恐らく十中八九サーヴァント』

 

 

 

 自分が心の中で言っていたにもかかわらず。

 

 

 

『…………この匂いを漂わす女のサーヴァント。

 もしや俺が警戒する天敵の()()()()()()()()の可能性が出てきたぞ。

 予測が外れてくれると助かるんだが、な!』

 

 

 この女がそのエクストラクラスだったんだ!(いやライダーだよね?)

 そうだよ女王メイヴは。

 

 

 

 

 俺の()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 淫蕩女のサーヴァント『ビッチ』。

(※そんなクラスは存在しません)

 

 

 

 

 目の前にいる女はまさにそれだ。

 今更気付いたところでもう遅い。

 俺が童貞な限りビッチのサーヴァントに最初から勝てる見込みは0に等しい。

 証拠に尽く宝具も童 帝 神 技(ドウテイシンギ)も、新たに獲得したDTSさえ無力化どころか、強化を促すだけでしかなかった。

 打開策なんざそう簡単には思い付かねぇ。

 

 

 

 ……こんなもん!

 こんなもん、どうすりゃ良いんだよ……!

 

 

 

 迷宮入りと化した渦巻く思考。

 そんな状態であろうと彼女は容赦してくれなかった。

 

 地に片膝を着いたままの俺に、メイヴ(ビッチ)は黄金色の液体の奔流を迸らせながら、微笑みつつこう告げたのだ。

 

 

「どうぞ」

 

 

 途端にその黄金色の液体から俺は目を離せなくなった。

 最大限の警鐘が脳内に鳴り響いている。

 それを口にしてはダメだと頭ではわかっているのに、体が本能が勝手に近付いてしまう。

 

 

「……ダメだ。勝て、ない」

 

 

 ────秘蔵の封印で己の心を隠しているにもかかわらず、思わず漏れ出たセリフは、俺の本音に他ならない。

 

 

 

 絶望は直ぐそこまで迫っていた。

 

 

 

 

 そして。

 

 

 

 

 こんな危機的状況でもメイヴで見イキが止まらないことに対して、俺は絶望した(オイコラ)

 

 

 

 

 

 

 




────いつから大惨事(性徴)の被害が賢者には降りかからないものだと錯覚していた?(愉悦)


賢者はかつてない窮地に追い詰められ絶望
ただし、読者からするとギャグに見える不具合
※あくまで賢者からすればシリアスです


さて、今回の絶望へ追い込む為のデカイ落差を作りたかったが故に、第5特異点中盤は特に酷い汚話(おはなし)を提供してた訳です。……いつも酷いだろ? ソンナコトナイヨー
主人公に挫折は付き物ですし……いやまあ単純に私が賢者のメンタルボコボコにしたかっただけですけどね?(歪んだ愛情)

ちなみに現状の力関係は
淫蕩女(ビッチ)>超越童貞>ただのビッチ≧童貞
余談だが、逆に淫蕩女(ビッチ)と超越童貞が味方同士なら恐るべきシナジー効果を生んだりします

隠者くんは監獄塔以来の二度目の出産でござる(白目)
ただし隠者くんの受難はまだまだ続く……!


真面目な話、待ってくれてる読者さん達のために早く投稿したいって気持ちと、下ネタ作品だからと言って手を抜きたくないって気持ちがあり、限られた時間での執筆には骨が折れました



冷静に考えると、よくここまで下ネタ一辺倒で突っ走れたな私……(賢者モード)
ただし残念ながら、主人公が一度絶望しようと、この先も汚い話は続くのじゃ()
…………下ネタがまだまだ尽きないことに、作者は連載を続けられる喜びと同時に己へ絶望した(血涙)

まあそれ以前にまずは元の執筆ペース……いや、せめて一月は経つ前に投稿できるくらいに戻さないとなぁ(切望)
作者、リアルに負けない決意を固める(死亡フラグ)
けどもう眠い、流石に限界……寝ます

※第一部完走までは走り切る気満々ですのでまた気長にお待ち下さい





↓ここから本編とは無関係↓




セイレムについて

ラヴィニアちゃん可愛くない? 私は好き(最重要)
ずっと立ち絵しか無かったエレちゃんが実装されたんだ……遠い未来ラヴィニアちゃんが実装される可能性だって微レ存?(ただの幻霊のため望みは薄い)
いや、その前に円卓のアッくんや剣豪の村正爺のがまだ可能性高いか

賢者「男はノーサンキュー!」

……お前の意見は聞いて無い(腹パン)



追伸
冥界のメリークリスマスについて

バビロニアだからと、ジャガーマン・サンタ・リリィ(即ち弟子ゼロ号サンタ)が来ることを、密かに期待していたのはたぶん私だけでしょうねw


次回が12月中に投稿できるとは思えないので、ここで言っておきます
皆様、良いお年を!

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