賢者な英霊(仮)はとにかくヤりたい(真顔)   作:おき太さんかわゆい

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明けましておめでとうございます(遅すぎる挨拶)
お待たせして申し訳ございません(焼き土下座)

そして、ただいま

今回ぐだ子視点だけだから真面目に汚くないので期待していた方は申し訳ない
分割せざるを得ないくらい長くなっちゃったんだ……


現在と過去、賢者と愚者

 アレクサンドリアに向かっている()()で、何故か救援対象のエミヤ一行と合流することになった。

 

 

「あ、あれ? エミヤ? アレクサンドリアで危機的状況だったんじゃ。……もしかして、もう?」

 

「ああ、察しの通り賢者の仕業だ。……助かったのは確かだが、奴は色々無茶苦茶が過ぎるぞ。君もマスターなら奴の手綱をもう少し握れるようにすべきじゃないかね?」

 

 

 なんか出会い頭に説教かまされたんだけど。

 ぐぬぬ。助けに向かってる真っ最中だったのにその救援を求めてきた相手に開幕文句を言われるなんて、ちょっと解せぬ。

 

 詳しく訊けば隠者さんが監獄搭で破裂(パーン)した時と同じかそれ以上の勢いで破裂(パーン)したらしく、中から唐突に現れた賢者さんが一人で全部解決してしまったらしい。

 いやドクターから通信で賢者さんが単独で向かったのは聞いてたから、もしかしたらそうなる可能性を考えてなかった訳じゃないんだけどさ。

 話を聞いて思ったのは二つ。

 

 

 

 隠者さんマジ不憫。

 賢者さんマジ万能。

 

 

 

 隠者さんって監獄搭で初めて出会ったけど、賢者さんからの扱いが極めて雑というかなんというか、酷い目にばかり合ってるよね?

 監獄搭の時も内側から突き破られるし、このアメリカでは初出が球状な上、賢者さんに上空まで蹴り飛ばされてたし、エミヤ一行の応援として戦ってくれてた最中に、また腹の内側から突き破られたみたいだし……。

 

 あ、そういえば賢者さんって元々女性には優しいけど、男性の扱いはぞんざいだったっけ?

 いやいや! それにしたって隠者さんの扱いは特に理不尽な気が……。

 隠者さんは確か賢者さんの分身みたいな存在だったはず。だから、なのかな?

 

 でも、それはそれで心配……。

 つまり賢者さんは自分自身のことを、平気で切り捨てられるような自己犠牲の精神に溢れてるってことだよね?

 そういえばついさっきも特異点から消滅を選んでたっけ……エミヤに言われた手綱を握れって言葉、間違いじゃないかも。少し気を付けようそうしよう。

 

 

 というかやっぱり賢者さん、無事帰ってきてくれたよ!

 

 

 それどころか私達よりも一足先にエミヤ達の応援に向かった挙げ句、敵サーヴァントを一人で即座に撤退に追い込むなんて凄すぎない?

 あの時消滅を選んだのは一刻も早く救援に向かうためだったなんて、ね。

 ジェロニモさんやもう一人の仲間だったサーヴァントを救出できなかったのは少し悲しいなぁ。

 言っちゃあれかもだけど、ジェロニモさんって見た目によらず凄い良識的でいい人だったのに……。

 でもくよくよ落ち込んでもいられない、か。

 

 彼らの犠牲を無駄にしない為にも、しっかりしなくちゃ! 私は人類最後のマスターなんだから!

 

 縁は結べたのだから、きっとまた会える。

 そんな言葉が無意識に思考を過ったのを再認識。

 ロンドンにいた時よりは、前向きになれてる気がした。

 

 それもこれも賢者さんがいてくれたからなんだ。

 ロンドンで心が挫けそうになったあの時、彼は黒幕(仮)相手に一歩も退かず向かっていった。

 そんな勇気ある行動と、彼が振るう力が私をここまで成長させてくれたんだ。

 

 今や彼が味方にいてくれるだけで安心感が段違い……あの人がいれば何があっても大丈夫だってそう思える。

 それに色々至らない点の多いマスターである私を、いつだって助けてくれる彼に、少しでも報いたいって思ったから、私は昔の私以上にこれまで諦めずに頑張ってこれてるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 そんな件の賢者さんが少し遅れて、なんか紫を基調とした全身タイツのお姉さんと一緒に現れた。

 え、誰? どなた?

 あのお姉さんの槍、どこかで……? いやあのお姉さん自体にもなんか見覚えがあるような無いような……何処かで会ったことあったっけ?

 

 

「にしてもあの時の小僧がここまで力を付けているとは、時間の流れは早いのう」

 

「…………比較対象がスカサハじゃ馬鹿にされてるようにしか聞こえねぇよ。アンタなんかその気になれば特異点の一つや二つ、全力の槍捌きで屠れるだろうに」

 

「確かに変わり果てた馬鹿弟子を見て、この特異点ごと一刺絶断を考えもしたが、人理修復は英霊が独りで解決して良い問題ではない。やはり今を生きる人間がやらねばな。……あとババ臭いと思っただろう貴様?」

 

「気のせいだ。……マスター、すまない。今戻った」

 

 

 えっと旧知の仲、なのかな? 凄く互いに気安いような気が……。私と賢者さんも最初に比べればそれなりには仲良くできてるとは思うんだけど、あんな感じのやり取りまでは、その。なんか見ててもやもやする、かも。この気持ち、何?

 

 

「う、うん。お帰りなさい賢者さん」

 

「…………」

 

「どうしたの?」

 

「……いや、思ったより淡白な反応だな、と」

 

「そりゃ賢者さんのこと信じてたからね」

 

「そう、か」

 

 

 もう最近は賢者さんのやること成すことに驚かなくなってきたのも仕方ないと思うんだ。

 単独で苦戦していたサーヴァントを殴り飛ばし、ケルト兵の残党を一瞬で蹴散らす。

 賢者さんならそれくらい朝飯前だって納得できてしまうくらいには、活躍を目にしてきたから。

 ……今までの彼の戦いを間近で見てれば、誰でもこんな感じに達観した認識になると思うんだ私。

 

 何故か心なしか少し落ち込んでるように見えるのは、気のせいなんだろうか?

 

 

 

 

 …………それにしても。

 

 

「賢者さんってば相変わらず流石だね。もう全部賢者さん一人で良いんじゃないかな?」

 

「……そこまで我は強くない。独りでできることなど高が知れている」

 

「えぇ……? 賢者さんがそれ言っちゃうの?」

 

 

 思わず口に出ちゃったけど、何も間違ってないよね?

 

 

「貴様、嫌味かそれは? 私たちが四騎で手こずっていたフェルグスを途中乱入の不意討ちとはいえ、一人で片付けた男が何を戯れ言抜かしている?」

 

「賢者さん……流石にわたしも擁護しかねます。出会って間もない人理焼却の首謀者相手に、単身で挑んで翻弄し挑発するなんてことを普通のサーヴァントはしません」

 

「余も同意見だ。ベオウルフの時もフィン・マックールの時も、結局最後は一人で決着(ケリ)をつけていたしな」

 

 

 ほらー! 案の定の総ツッコミだよ!

 

 

「…………じ、事実を述べただけなんだが?」

 

 

 お? なんか珍しい! たじたじな感じで賢者さんがちょっと動揺してるなんて。

 

 

『賢者くん? やっぱり霊基が消滅してカルデアへ戻ってくる際に、不具合が生じてる感じなのかな? 特に頭の』

 

「あー、そうだな。一度根こそぎ空っぽにするべきかもな。……ドクターの首から上を」

 

『ちょっ! やめようね!? 君の発言冗談に聞こえないから!』

 

 

 あ、ドクターがいらないこと口にするから、いつもの賢者さんに戻っちゃったよ。

 本音を言えばもう少し見てたかったけど、何はともあれ無事戻って来てくれて良かったぁ。

 

 

 

 

 こうして漸くケルト軍へ対抗する為のサーヴァント達が集結したんだ。

 良かったー……これで何とかこの特異点を修正できるかもしれない。どちらの軍勢も敵だった可能性の方が高かった状況から、ここまで持って来れたのはみんなのおかげ。

 私一人じゃどうしようもなかった。

 これはやっと掴めた未来への第一歩だ。

 

 でもそれは、つまり最終決戦の幕開けを意味する。

 紛れもない大陸間を横断する程の、大規模な殺し合いがまもなく始まるんだ。

 

 自覚した途端、私の両肩は重く────いや。

 

 

 

「……()()()()()よ。大丈夫。私は大丈夫」

 

 

 

 ()()()の口癖を真似て、わざわざ口にして自分自身を奮い立たせる。

 それが動機になるのなら嘘でも構わない。

 私はここで折れる訳にはいかないんだから。

 それに実際これが最後の戦いなんだから、この戦いさえ乗り切ればこの特異点の人理は修復できるんだ。

 もっとポジティブに考えなきゃね。

 

 …………明日、本格的に作戦を練って早ければ明日中に進軍する予定だし、今日はゆっくり休もっと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう意気込んで少し早めに休ませてもらったんだけど、何故か浅くしか眠れず夜中に目が覚めてしまった。

 

 ……いや、『何故』かなんて自分を誤魔化すのは止そう。不安なんだ私は。

 

 この特異点最後の戦いが始まろうとしてる。

 それも今までとは規模の違う二つの大勢力による全面戦争。

 他の特異点でも一つの勢力に加わって戦ったことはあるけど、アメリカを横断するような規模の本格的な正真正銘の『全面戦争』は初めてなのだ。

 それなのに、私は戦力の割り振りを任されてしまった。ド素人の凡人でしかない私が、人類最後のマスターだからと編成を任されたのだ。

 

 最初はサーヴァントを従えるだけでも正直重荷だった。けど、これまで特異点を巡り培ってきた経験と、ロンドンから同行した賢者さんとの旅で、サーヴァントとの接し方や人理修復を成すための意志は今ならある。

 

 でも……やっぱり初めてのことは、特に大勢の命を左右する選択を委ねられると、不安にもなるし悩むことは悩む。

 特異点で起きたことは実際の時代には関係ない、なんて割り切れれば良いんだけどさ……。

 

 そんな心情を抱えたまま気分転換も兼ねて夜中に徘徊していると、

 

 

「──こんな夜中に散歩ですか?」

 

 

 婦長に遭遇した。

 この特異点で出会ったサーヴァントの中では、最も長い付き合いとなった彼女。

 バーサーカー特有の狂化の影響で、言葉は交わせても会話が成り立ってなかったり、飛躍した発言と行動で場を掻き乱すことも多々あった。

 けど、深夜に出会った彼女は何だかすごく穏やかで──そんなナイチンゲールさんが気遣ってくれたんだ。

 大陸を渡り歩く道中ではバーサーカーらしく、無茶苦茶な行動や理不尽な言動も多々あったのに、狂化の影響にあろうとやっぱり彼女は看護師の英霊なんだって実感したね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナイチンゲールさんのおかげで少し気が楽になったのと、まだ目が冴えてるのでちょっと体を動かそっかなー。

 他ごとに熱中してると、頭も解れて唐突に最適な編成が浮かんだりするかもしんないし。

 それに適度な運動をすればぐっすり眠れるかもだし。

 そんな訳でカルデア戦闘服にちゃちゃっと着替えると、エジソンが開発したバーチャル戦闘シミュレータを使わせてもらうとしよっと。

 ……あれ? 先客がいる?

 

 

「って、マシュじゃん」

 

「え、先輩? な、何故こんな時間にここへ?」

 

 

 どうやらマシュも寝付けなかったみたいで、トレーニングに来てたみたい。

 うーん、流石は私の最高に可愛い後輩にして唯一無二のパートナー、マシュ。考えることは一緒みたいだね。

 

 

「よーし! 二人で特訓しよっか! 状況に応じた連携とかできるようにしておきたいし!」

 

「……そうですね。この先、わたしと先輩だけで乗り切らなきゃいけない戦いも出てくるかもしれません。マシュ・キリエライト、先輩の一番のサーヴァントとして精一杯頑張ります!」

 

「その意気だよマシュ!」

 

 

「ほう。なかなかに骨がありそうだな。その特訓とやら、私も付き合おう」

 

 

 えっ。……今の声ってまさか。

 おそるおそる振り向けばそこには!

 

 

「ス、スカサハさん……?」

 

「なんなら私自ら修行の相手を務めても構わんぞ? さぁ、お主らの実力、特と見せてもらおうか」

 

 

 あっれー? なんか急に特訓の難易度がはねあがった気がするんだけど!?

 瞬時にマシュとアイコンタクトを交わしたが、なし崩し的にスカサハさんと修行をすることになってしまった。

 前にカルデアの兄貴が言ってたことを思い出したよ。

 

 師匠からは逃げられないって、ね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、これがバーチャル訓練で良かった、と何度安堵したことだろうか? ってくらいには殺されかけたりしたけど、何とかバーチャル戦闘訓練を私達はやり遂げたのだった。

 

 

「はぁぁぁ……つっかれたー! スカサハさんの扱き容赦無さすぎだよー」

 

「……とは言いつつ、なんだかんだ食らいついてたな。流石は人類最後のマスターといったところか?」

 

「はい! 先輩はわたしの自慢のマスターですから!」

 

 

 そんな大それたマスターじゃないんだけどなぁ……。自分がやれることを必死こいてやってるだけだし。

 

 

「マシュ……ありがと。というか元気そうだね?」

 

「疲れてはいますよ。けれど、それ以上に先輩との連携が上手くいったのが嬉しくて!」

 

「ああ、あれは不意を突かれた。私が魔境の智慧で千里眼を発揮させていなかったとはいえ、一撃もらうとはな。やるじゃないか」

 

 

 おおっ!? まさか褒められるとは!

 熟練の戦士にそんな風に言われると、熱心に作戦練ったり連携を考えた甲斐があってやっぱり嬉しいもんだね!

 

 

「えへへ、師匠に褒められたよマシュ。やったね! ほら! ハイタッチハイタッチ。イエーイ!」

 

「えっと、はい。い、いえーい!」

 

 

 パシンッ! と、私の手とマシュの手を合わせれば小気味良い音が響く。

 相変わらずこういう行為は固いんだよねマシュって。まあ、そんなすれてない感じが好きなんだけどさー。

 やはり私の後輩は可愛い。

 

 

「だがあの手は同じ相手に二度は通じん。他の手も用意しておかなければ、直ぐに足許を掬われることを肝に銘じておけ」

 

「はーい」

 

「気をつけます」

 

「さて、休養も大事なことだ。少しでも良いからしっかり休むのだぞ。ではな」

 

 

 背を向けてこの場から去ろうとするスカサハ師匠。

 そんな彼女を。

 

 

「ちょっと待って師匠!」

「少し待って下さいスカサハさん!」

 

 

 私とマシュが同時に引き留めた。

 ……って、あれ? マシュも?

 互いに顔を見合わせる。

 もしかして考えてることは一緒……?

 

 

「なんだ?」

 

「えーっと、ですね」

 

「その、賢者さんと旧知の仲に見えたので……」

 

「ああ、なるほど。奴の話を聞かせて欲しいのか。あの小僧は馬鹿弟子と違って、訊かれたとしても己のことを語ろうとしないだろうしな」

 

「……察しが早くて助かります」

 

 

 それも本音だけど、スカサハさんの方が賢者さんのことを理解してそうで、なんかモヤッとする。

 言わないけどね。

 

 

「じゃあ、話を訊いても大丈夫でしょうか?」

 

「──ふむ……構わぬよ。まあ実際あやつはアレだが、その本質が外側の鍍金で歪んでおるだけ。ならばお主らのような存在は奴には得難い存在のはず。ある程度は話しておいてどちらにも損は無かろう」

 

「は、はぁ……?」

 

 

 スカサハさんって昔から生きてるからか、平凡な日本人の私からしたらよくわからないことも言うんだよね……。

 いや、マシュも疑問符浮かべてるねこれ。

 時代の違いなのか人生経験の差なのか。

 ……それとも賢者さんのことをたくさん知ってるからこそ言えるセリフなのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで? 愚者、いや今は賢者だったか。あやつの何を訊きたいのだお主らは?」

 

 

 腰をおろしてゆっくり話を聞ける場所に移動し、スカサハさんを正面に私はマシュと隣同士で座っていた。

 私とマシュはお互いに顔を見合わせて頷くと、スカサハさんに恐る恐る質問を投げ掛ける。

 

 

「あ、あのっ……! スカサハさんと賢者さんって」

 

「い、いったいどんな関係なんですか……!?」

 

 

 賢者さんから直接訊きたいことではあったんだけど、たぶん話逸らされる気がするからね。

 まずはこの質問から、徐々に賢者さんについて訊ければ良いなーって思っていたんだ。

 

 

「む? どんな関係……強いて言うなら、不法侵入者兼ストーカーとその被害者兼狩人な女王ってところか」

 

「へぇ…………えっ」

 

 

 えっ。……………………えっ? なんて?

 

 

「はい? な、なんか物騒なワードが飛び出したような気が。ふほう……なんですって?」

 

「不法侵入者兼ストーカーのことか?」

 

「聞き間違いじゃなかった!?」

 

 

 どういうこと! どういうことなの!?

 二人の間柄を訊いただけなのに、何故か賢者さんの知られざる犯罪歴みたいなのが赤裸々になってるのこれ!?

 

 

「ご、誤解じゃないんですか? あの賢者さんがそんなことをするとはとても……」

 

 

 そうだよ! 賢者さんがそんな変態みたいな犯罪する訳ないじゃん! きっとマシュの言う通り──

 

 

「…………いやそういえば賢者さんって、敵対勢力などには手段選ばない感じでしたね」

 

 

 ──ちょ、マシュゥゥううううう!? でもなんだろう。賢者さんの戦いぶりを見てるとあながち否定できない……。本当に明確な敵には容赦ないもんなー賢者さん。

 

 

「……フォーフォウ。フォウキュウ(特別意訳:……やれやれ、日頃の行いが祟ったね盟友。残念ながらボロが出ても助けてあげられないよボクは)」

 

 

 うん? 今の鳴き声って……あ!

 

 

「あれ? フォウくんいたの? どっから出てきたし」

 

「フォウさんは基本自由ですから」

 

「いっつも神出鬼没だもんねって、言ったそばからなんか首を横に振りながら去ってちゃったよ」

 

「どうしたんでしょうね」

 

「へぇー、マシュでもフォウくんが何言ってるかわからない時あるんだね~」

 

「せ、先輩? 何か勘違いしてませんか? わたし別にフォウさんと話せる訳じゃないですよ?」

 

「えっ!? マシュってフォウくんの通訳係じゃないの!?」

 

「いや先輩。何となくニュアンスや動きからわかる時もありますが、通訳なんて言えるほどでは」

 

 

 

「オホン!」

 

 

 

「「あっ」」

 

「……他に訊きたいことが無いならもう行くが?」

 

「い、いえ是非訊かせて下さい」

 

「話を脱線させてごめんなさい! まずは賢者さんとの出会いについて詳しくお願いします!」

 

 

 今はスカサハさんに賢者さんのことを訊いてたんだった! ちゃんと聞かないと! まず失礼だし、それに私自身もっと賢者さんのことを知りたいし!

 

 

「馬鹿弟子と別れてから長い時間が流れたが、その間に趣味で竜やら巨人やら怪異やらを退治していたことがあった」

 

「流石ケルトの女性は強いというかなんというか……でもそれが賢者さんに何の関係が?」

 

「しかしめぼしい獲物もあらかた退治し終え、色々と暇をもて余していた時期があったのだ。そんな時だ。突如我が『影の国』にあの阿呆が現れたのは。正確には我が寝室に土足で不法侵入してきたのだがな、夜中に」

 

「……今の賢者さんからはとても考えられないような非常識さですね。いや今も非常識なことはよくしますけど、女性にそんなことをするとはとても思えません」

 

 

 女性とか子供には基本的に紳士だからね賢者さん。

 男性には時折ぞんざいだけど。

 でも昔の賢者さんってば何してんの。

 

 

「女王の寝室に無断で侵入してきた賊の命だ。殺されても文句は言えまい?」

 

「それは確かに……」

 

「実際、『影の国』に私の許可なく勝手に侵入しておいて、平然としているのだから強さは折り紙付きだ。そんな輩が寝室に、それも夜中に侵入してきたのだぞ? ならば私を殺しに来た勇士だと思うではないか」

 

 

 まあ、夜中に女王の寝室に勝手に侵入するなんて、夜襲とか暗殺って考えるのが普通だよね。

 

 

「しかし、出会い頭に奴はこう言ったのだ」

 

「なんて?」

 

「『どうも。アンタ、この異界の女王スカサハだよな? 早速で悪いんだけど、アンタが扱う原初のルーンの使い方を教えてくれないか?』だぞ。正直急に現れた挙げ句、何を言ってるのかと我が耳を疑ったものだ」

 

 

 そりゃ疑うわ。

 私だって自分の家に、それも夜中ベッドの上で眠ってるところに、いきなり知らない男の人が侵入してきて、そんなこと頼んできたら、まず固まって次に叫んで冷静なら通報するし。

 

 

「思わず私も殺す気が削がれたものさ。同時に興味も湧いた。しかし奴に何故? と問えば『とある目的のため』の一点張りで事情の一つも話はしない」

 

 

 生前の頃から秘密主義だったんだ賢者さんって。

 サーヴァントになってからだと思ってた。

 真名がバレるとよっぽどまずい弱点が露出しちゃうからだと考えてたんだけど、違うのかな?

 

 

「私と戦い私を満足させたら教えてやってもいいと提案もしたのだが、『なら勝手に解析するんで結構でーす。面倒事はごめんだし』とにべもなく断られた時は、その場が寝室なことも忘れて複数本の魔槍をぶつけてやったものだ。おかげで我が城が半壊したりしたのだが……懐かしいな」

 

「……ず、随分と過激な出会い方をしたんですね」

 

 

 賢者さんも賢者さんだけど、スカサハさんも何してんの!? いくら気に障る態度だったとはいえ、自分の住居をそれもお城を半壊させるのはやり過ぎでしょ!

 マシュもちょっと引いちゃってんじゃん!

 

 

「案ずるな。ルーンで直ぐに修復したさ」

 

「いやそういう問題じゃなくて」

 

「若気の至りというやつだ」

 

「いやいや兄貴と別れて随分経ってる時期っぽいのに若いってのは少し無理がない?」

 

「お主……無自覚に失礼なとこは賢者と似てるようだな。流石あやつのマスターなだけはあるか」

 

「それ本当……!?」

 

 

 私、賢者さんに似てる部分あるんだ! だから縁が結ばれたのかな? だとしたらちょっと嬉しい。

 

 

「……今のは褒めてないんだがな。まあ良い。その日を境に賢者と私の、追って追いかけられの関係が始まったのだ」

 

「追って追いかけられとは……?」

 

「奴が私にしつこく付きまとうようになったのだ。私が扱うルーンを自力で解析するためにな」

 

「ああ、だから不法侵入者兼ストーカーなんですね」

 

 

 なんて不名誉な呼び名。

 でも賢者さん……それはちょっと強引すぎるし、駄目だと思うよ。私もそれは困るし嫌だなぁ。

 流石に擁護できないや。

 

 

「最初の頃の賢者は、姿や気配を隠蔽して近付き解析を実行してきていたのだが、何せ私が相手だ。多少は誤魔化せても私なら奴の視線に気付く。だからその場合は立場が逆転し、私が追いかける側になる訳だ」

 

「えっ」

 

「言ったであろう? 追って追いかけられの関係だと。奴は私のルーンを解析したい。私は私を殺せそうな強者と戦いたい。つまり私が奴の隠蔽を見破ると同時に、奴は追われる側の獲物に、私は狩人となるのさ。アイツは戦うことを拒否して逃げ回るからな」

 

 

 被害者兼狩人な女王ってそういうこと!?

 

 

「とにかく変な男だった。常に飄々としていて、口を開けば次々と軽口を叩く道化のような輩だった。しかし己の本心や目的の真意はまるで語ろうとしない」

 

 

 次々と軽口? 道化?

 賢者さんは基本無口だし、ペラペラと軽口叩くタイプでもないし。となるとスカサハさんが会ったのは、やっぱり今の賢者さんじゃ無さそうだなぁ。

 

 

「道化を演じながらも己の目的、願いとやらは一切表に出さない男。だから私は当時の賢者を『禁欲の愚者』と呼んでいた」

 

「禁欲の愚者、ですか」

 

「ルーンの教えを私に乞いておきながら目的も話さず、断られたり条件を出されれば、頼み込む気概すら見せず、自分で勝手に調べるという方針に切り替えるような男だぞ? これを愚者と呼ばずなんと呼ぶ?」

 

 

 それはまあ、目的を全部とは言わないまでも話したりして、協力を取り付けたりした方が良い気はするね。

 それができない事情でもあったんじゃないかな?

 

 

「当然己のみで調べる方が、正解に辿り着くまでに時間がかかる。そうすれば『影の国』に私の許可なく居座る時間も多くなり、私を無断でつけ回すという選択だ。それは私と敵対することと同義。ほらな? デメリットの方が多いだろう? だがそれをわかった上で奴は実行しているから質が悪い」

 

「だから禁欲の愚者……楽な方から遠ざかっても目的は話さない愚か者」

 

 

 ……今の賢者さんとも共通する部分あるかも。秘密主義だし基本的に何でも一人でやっちゃうし。

 

 

「そういうことだ。最初から誰かに積極的に頼ろうという考えが、頭に無いのだろうなあやつは」

 

 

 それってなんだか悲しいなぁ。

 今の賢者さんを私は頼りにしてても、逆が来ることはないって証明みたいで……。

 

 

「そんな追って追いかけられな関係を数年間続けた。最後の方はお互いに根負けし妥協、実戦の中でルーンを教えるというものに落ち着いたが。ま、それだけの関係だ」

 

 

 ……内心ホッとした。

 何でかはよくわからないけど、ホッとした。

 なんか賢者さんと親しげだったからさ。もっと深い関係なんじゃないかなって。

 でもそれは杞憂だったみたいだし良かった良かっ

 

 

 

「…………いや、一度興が乗って奴の目的とやらの達成の手助けをするために、抱かれてやろうとしたことがあったか」

 

「「エェッ!!??」」

 

 

 

 図らず私とマシュの驚愕を示す叫びがハモった。

 ちょ、ちょっと待ってちょっと待って。

 いや確かにケルト勢は性に奔放って話はよく聞くけど、スカサハさんもそうなの!?

 格好は、その、エッチな、気がするけどさ……。

 と、というか!

 

 

「賢者さんの目的になんで、その抱くとか抱かないとかの話が関係するの!?」

 

「大規模小規模を問わず、性行為を利用した魔術や儀式は別に珍しくないぞ? 魔力供給に使われる手段でもある。……そういうのはお主よりマシュの方が詳しいか」

 

「そ、そうなのマシュ?」

 

「えっと、はい。カルデアは電気を魔力に変換する機構が整っているので賄えていますが、先輩個人の場合はお世辞にも魔力の供給量は多くありません」

 

「うっ」

 

 

 さらっと酷いこと言うねマシュ。

 そりゃ私、真面目に一般人で魔術のまの字も知らない平々凡々なマスターだから仕方ないけども。

 

 

「す、すいません! 別に先輩を傷付けようとした訳では!」

 

「わかってるよ。大丈夫」

 

「…………説明を続けますけど、先輩のように魔力が足りない相手に魔力供給をする場合、一番効率よくて効果が高いのは粘膜接触と言われています。体液を提供できればそれで問題はないんですが、その中でも一般的な方法が、その……」

 

()()()()()()をすることな訳ね。説明ありがとマシュ。わざわざこんな話させちゃってごめん」

 

 

 魔術についての知識も技術も足りて無さすぎて、ダメダメだな私。隙間時間を活用してでも、魔術の知識を付ける時間設けなきゃダメだねこれは。

 

 

「い、いえ! 先輩が謝ることではありません」

 

「それでスカサハさん、どうしてそれを賢者さんに迫ろうとしたの? 賢者さんの目的達成の手助けってどういう意味?」

 

「そう恐い顔をするな。当時の賢者は相変わらず目的は話さないが、様々な魔術を組み合わせて得たいの知れない術式。それも大掛かりな儀式をするための術式を構築しようとしていることは、あやつを見ていて推測できた」

 

 

 儀式? それが賢者さんの目的に必要な手段? だからスカサハさんのルーンも必要だった?

 

 

「術式の詳細までは見れていなかったが、組み合わせた魔術の数と範囲だけで、その術式を起動するにはあの阿呆の魔力だけでは賄えないことは一目で理解できたのでな」

 

「……だから迫った、と」

 

「取り付く島もなく即答で断られたが」

 

「「へっ?」」

 

 

 断られた……断られた!? スカサハさんが!?

 こんな美人に迫られておいて悩む様子すらなく断るって、どういうことなの?

 もしかして既に賢者さんには相手がいる……?

 

 

()()の儀式を行えば魔力が足りず自分が消滅する。それをわかっていながら、奴は自分一人で何とかできるようにと、改良に改良を重ね実験を繰り返していた。つくづく遠回りが好きな男だよ奴は」

 

「昔から誰かに頼ろうとはしない人だったんですね」

 

「昔から……なるほどな。今もなのか。根っこは変わらんな。あの時も女っ気など皆無なのだから、目的達成のために悪い話では無かっただろうに」

 

 

 ……セーフ! いや何がセーフなの!?

 よくよく考えてみれば生前に相手がいるいないとか関係ないよね? 賢者さんがいくつで亡くなったのかもわからないんだし。英霊は全盛期の姿で召喚されることの方が多いんだしさ。

 

 けど、スカサハさんも心なしか不満そうだ。そりゃ彼女から誘ったのに、迷いなく断られたんだとしたらねぇ。

 ………………スカサハさんで駄目なら私は眼中になんかないのかな、やっぱ。

 

 

「じゃあ、どうして賢者さんはスカサハさんの誘いを断ったんでしょう……?」

 

「ちょっ」

 

 

 丸見えな地雷原に特大の爆弾投げ入れた!?

 マシュってば普段ならしないようなミスを!

 

 

「どうして? ……確か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『未だ目的は読めんが、お前は充分に力を私に示してくれた。目的達成の助力として私が抱かれてやっても構わんぞ?』

『クンカクンカ。非処女な香りとBBAの香りがする。目的に合わないから却下で』

『────即刻死ぬがよい』

『うへっ!? 危なっ!? 異空間に戦略的撤退!』

『ちっ……次儂の前に顔を出した時、貴様の心臓は抉られた後だ。覚悟しておくがよい』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ミシミシミシッ! と槍の持ち手部分から聞こえちゃいけないような音が鳴ってる気がするのは気のせいなんだよね? 気のせいだと言ってよ!

 隣のマシュにアイコンタクトを送ってるんだけど、青ざめるばっかりで全然伝わってないや……。

 というかいつその槍取り出したんですかスカサハさん。そして攻撃に使う槍を純粋な握力だけで、それもへし折る勢いで握るのはどうかと思うんですが。思うんですが!

 うわーん! 恐くて震え止まらないんだけど! 戦場の恐さとは別の変な汗出てきたよこれ!

 

 

「(あやつ後日平然と儂の前に顔を出しおって)…………いや、すまない。いらないことまで思い出して、つい手に力が入ってしまった」

 

「ソ、ソウナン、デスカ」

 

 

 思わず片言になっちゃったよ。

 というかどう考えても賢者さんが関わってるよね? 過去の賢者さんってばいったい何したの!?

 スカサハさん怒り心頭だったよ? 思い出してぶちギレ寸前ってどれだけ失礼なことをしたらそうなるの!

 

 ……前言撤回だねこれは。賢者さんが何したってもう驚かないつもりだったのになー。

 

 いつもいつも予想を超えていくんだから。

 良い意味でも。悪い意味でも、ね。

 

 

 

 

 それからわりと直ぐに、時間も遅いしスカサハさんが恐いので話はお開きとなった。

 

 

 

 

 結局過去の賢者さんの目的はなんだったのか? それは今の賢者さんの目的と同じなのか? とか、そもそも賢者さんって何者なの? とかの謎は未だに解けないままでモヤモヤを抱えたままだけど、次の機会に訊けば良いかと割り切ることにする。

 

 

 

 

 

 

『サーヴァント・アヴェンジャー。召喚に応じ参上した。我は世界への復讐者。捨てたくても捨てられなかった、憐れな独りの男だよ』

 

 

 

 

 

 

 召喚直後の賢者さんが言っていた。

 

 “捨てたくても捨てられなかった”

 

 これが鍵?

 

 賢者さんの目的に私は力になれるんだろうか。

 

 

 

 

 

 そんなことを考えている途中で、意識が落ちていくのを感じながら最後に私はこう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 賢者さん、あなたは今何を考えて、何が目的で私に力を貸してくれているのかな?

 

 

 

 

 

 




(※この時の賢者、宛がわれた部屋で白濁化身(ザーメンズ)生成のためナニを握りオナニーの真っ最中)



長文病が治る兆しが無いのでまさかの三分割()

とはいえこれ以上お待たせするのも忍びないので、投稿させていただいた次第です
……この長さで三分割? とか言わないでね? 内容まとめるのが下手くそ過ぎて泣きそうだから!


三分割のため次回は恐らく明日投稿


今回の話を読んで汚さが無さすぎて不安に思ったのなら、あなたも立派な汚染済み読者です!(全く嬉しくない)

新年一発目なんでわりと綺麗に仕上げました(建前)
※まさか賢者視点を排除するだけでここまでになるとは大誤算。賢者ってやっぱ有害だわ

ストーリーの展開上仕方ないとはいえ、次次回辺りで汚い成分は補給してくだ……汚いのってまだ需要あるんですかね?(唐突な疑問)
まあ、そこ気にしても今更路線変更できないくらいストーリー固めちゃってるんで突き進みますが()



……ここまで更新が遅くなった理由?
一言でまとめるなら

「リアルアクシデントは面倒臭い」です

次に更新が極端に遅くなりそうな時は、あらすじや最新話の前書きにでも追記で生存報告することにします
まだ若干リアルでゴタゴタしてるんで、この先どうなるかわかりませんし
……もう、徹夜は嫌だよー(私の要領が悪いだけ)

そんな訳(?)で幸先の悪いスタートでしたが、何はともあれ今年もよろしくお願い致します!









ビュルルル!! ビュルルル!! ドピュッ!! ドピュッ!!
ビュルルル!! ビュルルル!! ドピュッ!! ドピュッ!!



[汚物警報発令、汚物警報発令。ここから先は汚染耐性の無い方は速やかにブラウザバック推奨]



ビュルルル!! ビュルルル!! ドピュッ!! ドピュッ!!
ビュルルル!! ビュルルル!! ドピュッ!! ドピュッ!!













賢者「あけオメコとよろ! 遅れてすマンコ! へんたいお待たせいえき! 今年もよろしクンニ!」

帰って(切実)
今回出番が無かったからって現れないで()
というより本編では大ピンチの真っ最中のはずなのに、平然と出てこないで(困惑)

賢者「そんなことよりとある島国の正月は良いぞ! 女の子の胸部のお餅と臀部のお餅を、雑煮と称して姫初めや書き初めもとい筆下ろしで好き放題できるし!(※無いです) 挨拶前に頂くお屠蘇をワカメ酒や谷間酒としていただけば合法的に女体をペロペロできるんだからな!(黙れ)」

お願いだから帰ってくれ(懇願)

賢者「つーかクリトリスマスから日が空きすぎなんだが!? 正月もだけど、合法的に鬼のお豆(意味深)にブッカケしたり、お豆(意味深)を口に含んだり、俺の恵方巻(意味深)を咥えさせたりできる節分! 女子達からチ○コをプレゼントされるバレンタイン! ……リア充爆発イベなんでこれ以上語ることはない。処女を散らす寿司とか、ハマングリなお吸い物、菱餅=オッパイまたは尻、ひな(祭りに)あられ(もない姿)、白(濁)酒をいただくひな祭り! そんな数々のイベントをまるっと素通りしてんじゃん! どうなってんだよ!?」

…………今年も拙作の主人公はこんな調子ですが、どうぞよろしくしてやって下さい(白目)






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