賢者な英霊(仮)はとにかくヤりたい(真顔)   作:おき太さんかわゆい

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にゅるっと投稿

色々と遅くなった理由はかなり長いので後書きに書きます
でも一言だけ言わせて下さい


「久々に現実で地獄を見た(絶望)」


さて、第5特異点『イ・プルーリバス・ウナム』編始まり……ません!
『監獄塔に復讐鬼は哭く』の内容だけでも一万字超えちゃいまして……(前回アバンでさらっとみたいなこと書いた気がするけど気のせい)
ですので次回から第5特異点が始まります!

※一応監獄塔イベをやれてない方でネタバレを気にする人の為に、内容後半はざっくりにしたためそこまでネタバレではないと思われます(震え声)

病み上がりなのであまりクオリティは期待しないで下さいね!


誰でも使える脱魂方法(絶頂)

 第4特異点『ロンドン』から無事に帰還できた。

 

 そう思えたのもつかの間。

 

 

 

 

 

 

 監獄塔シャトー・ディフ。

 

 ソロモンの邪視の影響で肉体はカルデアにありながら、魂だけがイフ塔へと縛られてしまったカルデア最後のマスター・藤丸立香。

 

 そこで出会ったのは賢者ではない、ただのアヴェンジャーだった。

 

 

 

 エクストラクラス・アヴェンジャー。

 

 

 

 ポークパイハットを被った色白の肌をした青年だった。

 

 

 

 

 七つの『裁きの間』を超えねば脱出できない。

 カルデアにいる仲間達に助けを求めることもできなければ、カルデアからこの場に声が届くことも断じてない。救援は期待するだけ無駄。

 裁きの間で殺されれば死ぬし、何もせず七日間を過ごした場合も死ぬ。

 

 

 裁きの間にて待つ監獄塔の番人は七騎。

 

 

 人の罪と闇の化身にしてサーヴァントの皮をかぶった妄念の集合体────それこそが番人。

 

 

 

 それら全てを打倒しなければ生きて帰れない。

 

 

 

 そんな状況に陥った藤丸立香は、監獄のアヴェンジャーと仮契約を交わし、脱出を試みる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺はただ久々に料理がしたくなっただけなんだ。

 

 

 

 1人飯をしたかっただけなんだ。

 

 

 

 

 

 

 500年以上を童貞かつボッチで過ごしてきた俺は、料理も我流ではあるもののそれなりにできる。

 

 どれくらいの自信があるかって言うと、1日に俺がオナって出す量を100%とするなら、その85%くらいの量分が料理における技量だと思ってくれ(例え話が汚いし意味不明)

 

 だから所謂男飯というヤツではあるものの、味は保証できるくらいには料理の腕前に自信がある。

 

 

 まあ、それでもエミヤ(オカン)の方が料理の腕前は段違いなんだけどな!

 

 

 いやもうなんというかクラス間違えて召喚されたんじゃないの彼? エクストラクラス・コックとかバトラーで良かったんじゃないかな?

 

 

 

 

 

 そんな訳で深夜に空いてる厨房を借りることにした訳だが、食材の数々は自力で特異点を巡り調達してきたものだから問題ない。

 もちろん、カルデアにある食材を勝手に使うなんて暴挙は犯さないぜ。

 あ! もちろん女性も無理矢理は犯さないぜ? 俺は紳士だからな。和姦な上、どうせなら愛のあるセクロスを展開したい!(童帝神のくせに高望みが過ぎる)

 

 今日は何だか肉料理メインでガッツリ食い荒らしたい気分だったのだ。

 …………女の子も食い荒らし……ばっ馬鹿かオメェ! 俺はヤリチンになる気なんか無いんだからね!? あ、ハーレムは歓迎しますが何か?(どちらにしろ現状体質的に無理)

 

 

 

 

 

 料理をする前に、肉については解体作業な訳だが、もう特異点で終わらせてきてるからこれについても問題ない。

 事細かに説明すると、某赤い暴君のドムス・アウレア(グロテスクの意)一直線なんで割愛な!

 

 まあ、オブラートかつ簡単に説明するならあれだ。

 

 

 挿入(意味深)して体液(意味深)を取り除く。

 火遊び(ダイレクト)

 お風呂に浸からせ綺麗にする。

 解体聖母(マリア・ザ・リッパー)

 

 

 ってとこだな。

 これ以上の説明は拒否するぜ。

 

 

 

 

 さて、こっからが料理な訳だがまずやることがある。

 

 

 

 

 狩ってきた新鮮な肉を食べる上でやらねばならない下準備。

 

 

 肉の種類や作る料理によっては、スパンキング(肉を叩いて薄くする意)、スジの処理(意味深)、くぱぁ(開くの意)などをする必要がある。

 

 

 

 採取してきた野菜を食べる上でやらねばならない下準備。

 

 

 よく濡らして(水で洗う意)から皮剥き(意味深)、中から種を取り除く(意味深)などをする必要がある。

 

 

 

 

 後は焦らしプレイ(時間経過の意)が必要な料理については我が異空間である住居宝具にある冷蔵庫と、カルデアの厨房にある冷蔵庫を一時的に連結(意味深)させ、短縮することにした。

 俺の住処って外界と時間の流れが違うんだよね。

 独自の時間軸というかなんというか……俺の都合で早くも遅くもできるから、こういう工程を踏む料理する時はマジ便利。

 

 

 

 

 さて 下準備(前戯)を済ませたら、本番(意味深)だ。

 

 

 

 今回は肉料理祭り。

 

 

 定番のシンプルな焼き肉に、豚カツ、ハムカツ、メンチカツみたいなカツ尽くし。コロッケや鶏の唐揚げ、ターキーに手羽先も捨てがたい。串焼き系も乙ってもんじゃね? 肉の串焼きと言えば定番なBBQでお馴染みだし、特に焼き鳥なんか酒との相性は抜群だしよ。生料理のユッケやら馬刺もありだな。

 

 ハンバーグは……ハンバーガーにしちまうか。ジャンクな料理もたまには乙なもんだし。

 どうせならチーズも作っちゃうか。豪勢なチーズバーガー食いたい。チーズも作るならどうせならピザも作っちまうかね。

 

 そういえばワイバーンやらの竜種の肉も狩ってきてたんだったっけ? ドラゴンステーキもやるとするか。

 でも肉固そうだし独特の臭みありそうなんだよなー……シャリアピンステーキ風にしてみよ。冷蔵庫にぶちこんでっと。はい短縮ぅ。……おし! もう玉ねぎと馴染んだな。

 

 そういや狼? なのか犬? なのか定かじゃないがそれの類いも狩ったな、襲ってきたから。

 うーん……このまま捨てるのは流石にもったいないし、タンコギってことにして、ポシンタンを基本として、残りはスユクとかトゥルチギにすっかね。

 

 あとの肉料理は順当にスペアリブ……豚の角煮……ロールキャベツ……すき焼き……ミートパイ……猪鍋……ケバブ……しゃぶしゃぶ……燻製……麻婆豆腐……ビーフシチュー……バンバンジー……タンドリーチキン……回鍋肉……シャトーブリアン……シュラスコ……ジンキスカン……うん、いくらでも思い付くな。

 

 あー、でもいくら肉祭りだからって肉尽くしだけだと最後らへんキツいし、後味だけでもよくすっか。

 スイーツ系も用意しよう。 

 

 エミヤ(オカン)が便利な調理器具、色々と作っといてくれるおかげで捗りそうだぜ!

 一気には食べきれなくても、2Dシェルター内に時間経過をかなり遅くして保存しておけば良いし、ちゃっちゃとやる気あるうちに作るとすっか!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう意気込んで作ってたんですけどね……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴方は料理も作れたのですね! 大変美味です! あ、おかわりお願いします」

 

「もっきゅもっきゅ……賢者、このハンバーガーをあと20個追加だ」

 

「ジャンクフードは言わずもがなですが、英国料理もなかなか……特にこのローストビーフは最高です」

 

「うむ、ターキーがあれば何でもいい。そこからここまでのターキーを私に寄越せ」

 

「どれも最高……! 特にこのロールキャベツと串焼きは絶品です。この串焼きなんかは海の家に出すことをオススメします!」

 

「ドネルケバブ、美味しいです! スイーツもクレープやお汁粉と充実していて素晴らしい……し、仕方ないですね。今日はこの料理に免じてこの場のアルトリア種を屠るのは控えましょう」

 

「クリーム餡蜜……これはいいものです。肉料理がメインみたいだったので帰ろうかと思いましたが、エックスさんとお邪魔して正解です。きな粉とわらび餅の組み合わせは王道。……白玉ぜんざいもいただきます。できるなら大福やういろうも下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルトリア種に俺が手塩にかけて調理(光 源 氏 計 画)した料理(レディ)たちを食われた(寝取られた)件について。

 

 

 

 ちょっとー!? 呼んでない! 今回はこれっぽっちも呼んでない!

 女の子が単純に俺に会いに来るのは正直大歓迎!

 だが飯に釣られてやって来たとなると、話は別!

 

 ………いやまあ、女の子達が大勢で俺の元に押し掛けてきたから、期待で嬉ションならぬ嬉ドピュ7連射もしちゃったけどさ(いつも通り)

 

 深夜だよ? 食堂と厨房の扉は閉めてたし、一応精子(魔力)も用いて防音対策もしてたんだぞ!? 

 なのにいったい何故!?

 

 

「……キミ達は何故こんな時間にこの場所に?」

 

『ご飯の匂いに誘われて』

 

「そ、そうか」

 

 

 まさか……微かに部屋から漏れ出たであろう匂いを辿ってきたって言うのか!?

 アンタらの部屋って全員ここの厨房とそんなに近い訳でもないよね? 廊下を隔てる自動ドアだってあるはずだろうし、それなのに料理の香りを感知してやってきたと?

 犬並みの嗅覚かよ…………いや、俺が女の子の残り香をクンカクンカしただけで居場所と誰なのかを割り出すのと似たようなもんか(高度な変態)

 

 てか、女の子達とはいっても、みんなアルトリアだから実質一人……いや厳密には違うか特にエックス二人は同一人物って訳じゃないし。

 けど腹ペコさん達がこんなに集まってくるとは……夜中だからって理由で油断してたわ。

 

 クソッ! にしてもスタンドアップハードソリッドしたまま料理すんの難しい! 今、料理中で手放せないからベストポジションにも動かすに動かせないしよー。あ? なんのことって……ナニの話に決まってんだろ? 直立バキバキビンビン丸してっから大変なんだよ察しろよ(即ちフル勃起)

 

 宝具(オムツ)の中も7発分連続で撃っちまったから処理に時間かかってて、大惨事だし!

 

 様々な料理の匂いのおかげで、子種汁の臭いがかき消されてるのが唯一の救いか。

 

 って、うん? なんかやたらと近距離から視線を感じるような……ッ!?

 

 

「……何か我に用か? ランサーアルトリア・オルタ」

 

 

 乳上ェェェえええええええええええええ!? 食堂にいたはずがなんで厨房に入って来てるんですかね!?

 

 あ、流石にラムレイとかいう馬に跨がっては来なかったか……それくらいの常識は持ち合わせてたようで安心した。

 ラムレイの代わりと言っちゃなんだが、跨がるなら俺のチンゴミニアドに跨がってみないかい?(切除不可避)

 

 

「貴方からはやはり懐かしい薫りがする。……ブリテンに住んでいたことは本当に無いのですね?」

 

「何度も言うがない。ましてやキミがいた時代の英霊でもない。キミの勘違いか、たまたま似ていただけだろう」

 

 

 何度も言うけど物理的な香りですか?

 まさか第4特異点で流し込んだ白濁の光の粒子を霊基に貯めたまま、座に帰っちゃった感じですかね?

 そのせいで座に一緒に登録されちゃったんじゃ……。

 霊基全体を俺の息子から迸る白濁の元で染め上げちゃった的な!

 

 

 あれ? 知らんうちに孕ませちゃったってこと?

 

 

 い、いや下のお口に直接出してないどころか、流し込んだものは厳密には子種そのものではないですし? 白濁の光の粒子に変換してるから別物ですし?(震え声)

 

 やだよー、童貞なまま子供できたとかどんな展開だよ!

 …………うん? いやでも生前のアルトリアって処女のままモーさんが生まれてるんだっけ。

 まあ、アルトリアが産んだ訳じゃないけども……ん?

 

 

 ………………ヤバい、全力で目を逸らしたい現実に直面しそう。

 いや待てって俺! そっちに意識を向けるな! 世の中には気付かない方が良い事実だってあるんだ!(お前の正体とか本性とかな)

 気付くな! マジで気付いたらアカン! あっもうだめぽ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルトリアさん処女でも非童貞やん。つまり俺の先を行く者やん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 うあああああああああああああああああ!!

 気付きたくなかった!!

 

 童貞を捨てた男がたくさんいるのはわかってる。

 でも、女性にもかかわらず、俺より先に童貞捨ててる人に出会うことになるなんて!

 魔術なんて神秘のある世界だ。

 疑似性転換だって存在する可能性は考えてなかった訳じゃない。

 だが、実際にそれで童貞卒業してる人物とリアルに邂逅を果たすなんて想像もしてなかった。

 

 何せ俺、ずっとボッチだったし!

 

 なのに何の因果か俺はサーヴァントとして召喚されちまった。

 だからこういう可能性もあることを考慮しておくべきだったんだ。

 

 

 それなら俺がこんなにも精神ダメージ受けることなんて無かったかもしれないのにorz

 

 

 ハハッ! しかも何が酷いって生前の彼女が処女は守ってたことだよ。

 あの王の話大好きお花畑夢魔が言ってたから間違いない。

 

 価値の高い処女を保ちながら童貞は卒業してるとか、もうなんというかね……俺の負け犬感パナイよね。

 なんつーの? 男のプライドズタボロだぜ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、いっか(立ち直り早っ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あ~あ、もうこれはお詫びにナニかしてもらわないと釣り合い取れないよなー(都合よくこじつける屑の鑑)

 

 ここはラムレイに騎乗せず俺の上に騎乗してもらってズボズボさせて欲しいわぁ(ゲス顔)

 

 

「……後ろからパンパンしたい」

 

「えっ……後ろ? ……パン?」

 

「ッ!! い、いや、我の後ろからパン粉を取って欲しくてな。今、手が放せないんだ。頼んで良いか?」

 

「ああ、そういうことなら料理を食べさてもらってる身だ。それくらいは容易い……これか?」

 

「ああ、助かる」

 

 

 あ、危ねェェェえええええええええええええ!?

 ボソッと小声だったとはいえ、本音口走った!!

 

 思わず自分の発言に驚いて……というかバレたかと思ってゾクゾクして下の蛇口から白いの垂れ流しちゃったわ!(まごうことなき変態)

 

 つーか心の声も本音じゃん! 建前どこ行ったし!?

 

 ヤバい、気が緩んでんのか? 秘蔵の封印が上手く機能してないぞオイ!(下の蛇口も緩んでんじゃねーか)

 カルデアの面々ってだけで情報を秘匿する拒絶感が薄れてきてやがるのか……?

 

 

 気を許し過ぎだ馬鹿……!

 

 

 …………気を引き締め直さねぇとな。俺の卒業計画を完遂するためには本性を隠し通す必要がある。

 本性を知られれば、全てオジャンだ。体質を治す治さない以前の問題だぜ……。

 前以上に発言や行動に気を付けなければ!

 

 

 

 

 新たな覚悟を胸に、俺は受け取ったパン粉を使って数々のフライを追加で揚げていくのであった。

 

 

 

 

 

 にしてもこうやって乳上と並んで厨房に立ってると、俺達夫婦みたいじゃね?(円卓の騎士全員にケンカを売っていくスタイル)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あん? 作った料理の約8割は無くなりましたが何か?

 腹ペコ王(アルトリア)があれだけ揃ってて2割残っただけでも奇跡だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 そんで残った約2割のうちから、お裾分けってことでマスターの部屋に持っていった。

 立香ちゃん喜んでくれるかなー、なんて軽い気持ちで向かったこの時の俺をぶん殴りたくなるような事態に、マスターが陥ってることに気付きもせず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 訪れてほぼ直ぐに、俺は()()()から脱魂した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結果を言えば藤丸立香の魂は、無事カルデアにある自分の体に戻ることができる。

 

 

 

 

 七つの大罪に擬えられた番人達を全て倒しきったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 第一の扉の番人。

 嫉妬の具現────ファントムを戸惑いながらも撃破。

 

 

 

 

 

「それにしても賢者さん以外のアヴェンジャーには初めて会ったよ」

 

「……賢者? ハハ、そいつはもしや賢者のアヴェンジャーのことか!? そうだな、カルデアのマスター?」

 

「えっ? 賢者さんのこと知ってるの!?」

 

「実際に会ったこともなければ大したことは知らん。ただ小耳に挟んだ程度だ」

 

 

 

 

 

 記憶喪失の美女────メルセデス(監獄のアヴェンジャーが付けた仮名)と出会い、成り行きで一緒に行動を共にした。

 

 

 

 

 

 第二の扉の番人。

 色欲の具現────フェルグス……本人ではないとわかっていながら、メルセデスのことは抱く気満々なのに、自分は少しも女扱いされず殺す宣言をされたことに、マスターは多少のショックを受けながらも何とか撃破。

 

 

 

 

「……………………私、女としての魅力ないのかなぁ」

 

「そ、そんなことは無いと思いますよ?」

 

「美女な上、迫られてたメルセデスさんに言われてもなー……別にフェルグスさんにあんな風に迫られたいとかは思ってないけど……だからって、おまえはいらん邪魔するな殺すって……女としての自信無くすよ……うぅ」

 

「……見事に塞ぎ混んでるな」

 

「…………賢者さんも私のこと子供っぽいとか思ってるのかなー、はぁ」

 

 

 

 

 そして、第三の扉の番人。

 怠惰の具現────ジル(キャスター)も何とか撃破した後に異変は起こった。

 監獄のアヴェンジャーですら把握できなかった異常が。

 

 

 

 あれは、怠惰の具現を倒して、間もないことだった。

 

 

 

 まだ『裁きの間』からマスターと監獄のアヴェンジャーが立ち去っていないタイミング。

 

 

 

 

 

 怠惰の具現から()()()()ようにして『何か』が現界を果たそうとしていた。

 

 

 

 

 

「今回も何とか勝てた……え? あれ何?」

 

「待て! 不用意に近付くな仮初めのマスター! ……これは、どういうことだ? 怠惰の具現を媒介にしている? まさか()()()()()()の皮を被って現界しようとしているのか!?」

 

「内包された罪? って、ちょっと待って! まだ今日の戦いは終わってないの!? 第三の扉の番人のジルは倒したはずなのに!」

 

「この事態はオレも想定外だが、構えろ仮初めのマスター。この禍々しい気配、連戦になる可能性は濃厚だぞ」

 

 

 

 

 

 そして『奴』は現界した。

 

 

 

 

 

「……吾は怠惰より外れし者。憂鬱の具現なり」

 

 

 

 

 

 姿を現したのは醜悪極まりないドス黒い瘴気のようなものを全身から発するサーヴァントだった。

 

 

 外見は艶のある白髪に、黒目の部分である虹彩が白く、逆に白目の部分である強膜が黒い特徴的な瞳。

 ところどころに銀色の刺繍が施された、全体的に黒光りしたボロボロの外套(元はローブだったのかもしれない)を身に纏った非常に生気のない顔立ちをした褐色肌の青年。

 

 

 

 初めて見るはずの人物なのに、マスターにはその外見に見覚えがあった。

 

 

 

 ただ全ての色を真逆な感じにすればいい。

 

 

 

 その場合に彼女の頭に浮かび上がったのは、淀んだ黒髪黒目で、ところどころに金色の刺繍が施された全体的に白く濁った如何にも賢者然としたローブを纏った青年だった。

 

 

 

 

「えっ…………賢者、さん?」

 

「なに? あれが賢者のアヴェンジャーだと? ……確かに我が怨念の黒炎に並び立てる程の禍々しい魔力を纏っているところを見るに、復讐者には相応しい。……だがおまえが嬉々として語っていた賢者とは随分と雰囲気が違うな」

 

「き、嬉々として語ってなんかないよ!? いやなんか賢者さんそっくりではあるんだけど、色違いというか……」 

 

 

 

 そう、言うなれば賢者のアヴェンジャーの外見のカラーを反転させたような存在。

 

 

 

「ああ、間違ってはいない。吾は賢者のアヴェンジャーの一面にして本質の一端だ」

 

「クハハハハ! 怠惰から憂鬱を無理矢理引き出し、憂鬱の具現として現界するとはな! ……だが憂鬱か。おまえはアヴェンジャーではあっても在り方がオレとは違うようだな」

 

「……当然だ。吾は復讐による逸話がある訳でも、生前に過度に虐げられた経験を持ちそれによる憎悪、すなわち復讐心を持つ者でもない。吾は世界への復讐者だ。吾に()()()()()()()()()()()()()()へのな。故に吾は()()()()()()()()()()()。アヴェンジャーとしては異端だろうよ」

 

 

 何処か他人事のような雰囲気でそう語る憂鬱の具現。

 

 

「えっと、あの、賢者、さん? ともやっぱり戦わなきゃダメなの?」

 

「……安心しろ嬢ちゃん。吾は別に戦いに来た訳じゃない。それと厳密には吾は賢者そのものって訳でもない。……そうだな、隠者とでも呼ぶがいいさ」

 

「は、はぁ? じゃあ隠者さんで……」

 

 

 憂鬱の具現改め隠者は、何をするでもなくその場に座り込んだ。

 戦意はまるでなく、今までの番人のように襲いかかってくる訳でもなかった。

 

 

「貴様! 憂鬱の具現として現界までしておいて、いったいここに何をしに来た?」

 

「……もう少し待て。吾の役目は『奴』が直接ここに乗り込んで来るための仕込みなんでな」

 

「奴だと?」

 

 

 隠者の発言に監獄のアヴェンジャーが眉をひそめる。

 この時、監獄のアヴェンジャーには多少の先入観が存在した。

 この場所に直接的な干渉はできない。だからカルデアから助けが来るなんてことはできない、と。

 それに助けが来たところで生きて帰れるのは『たった一人』だけ。

 だからこの事態を彼は想定していなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分間、ぐだぐだしていた隠者の体が唐突に裂けたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

「えっ?」

 

「……うわー、アイツ容赦ないわ。マジ滅入るんだが。これでも一応片割れみたいな存在の吾を躊躇なく────」

 

 

 

 

 

 

 

 バキバキバキバキッ!!

 隠者の体のあちこちに亀裂が走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「────ホントヒデ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それが隠者の最期の言葉だった。

 全身が裂けてお陀仏する様は、まさに凄惨の一言。

 

 残ったのは人一人分の大きさの黒い残骸。

 

 そしていきなり何の前触れもなくそんな無惨な姿に変わり果てた隠者を見て、藤丸立香は当然の如くパニックに陥った。

 

 

「えっ……えっ!? な、なにがどうなって? え、私、何もしてないよね!? どうして急に……」

 

「落ち着けマスター! あの残骸から何か出てくるぞ」

 

 

 黒い残骸は未だピシパシと、亀裂が生じる音を響かせていた。

 そして、残骸の中から突如『人間の手』が飛び出す。

 

 

「…………よもやこんな非常識なことをする者とは……かの魔術王を貶めたという噂を聞いた時点で、想定しておくべきだったか」

 

「なんか手が出てきた!? ……ってあれ?」

 

「お待ちかねの人物のようだぞ仮初めのマスター。おまえは随分ととんでもないサーヴァントを召喚したようだな」

 

 

 亀裂音を響かせながら、黒い残骸の中から無理矢理こじ開けるようにして一人の青年が姿を現した。

 

 

「……即興だったが上手くいったな」

 

「………………うそ」

 

 

 藤丸立香は呆然と、黒い残骸から出現した白濁のローブに身を包む青年を見つめる。

 

 

「貴様自身がここに乗り込むための触媒として、憂鬱の具現を送り込んだのか」

 

「……ご名答」

 

「クハハハハハハハ! 噂以上に面白い策を考え付くな賢者のアヴェンジャー!」

 

 

 七つの大罪の席に割り込むようにして現界する場合、それは監獄塔のルールに従わざるを得なくなる。

 そうなれば本来の現界とは程遠い本物の皮を被った偽者として、マスターとやりあわねばならない。

 それでは本末転倒だ。

 何せマスターを助けたいのに殺し合いをするはめになれば、まるで意味がない。

 

 であれば、どうするのが最適か。

 七つの大罪とは元々八つの枢要罪だった。

 嫉妬という罪は無く、代わりに虚飾と憂鬱が存在していた。

 だが時代と共に虚飾は傲慢に、憂鬱は怠惰に統合され、嫉妬が追加されたことで七つの大罪となったのだ。

 

 だから賢者のアヴェンジャーはその起源を逆手に取った。

 

 怠惰という罪の中に憂鬱は含まれている。

 そして、賢者のアヴェンジャーには憂鬱を司るに相応しい一面を、自身から分離して外側に吐き出す手段があった。

 であれば利用しない手はない。

 分離した一面である隠者を、本来存在しない憂鬱の具現という無理矢理な器で現界させることで、マスターと殺し合うという状況を回避した。

 

 後は簡単だ。

 隠者という存在は分離したとしても、賢者の一部。

 これ程の触媒はまずないだろう。

 後は辿って触媒と化した隠者を使い潰し、彼自身が現界を果たせば良い。

 もちろん生きて帰れるのは『たった一人』だけだが、彼は藤丸立香の『武器』というカテゴリーとして現界するという、これまた無茶な方法を取ったのだ。

 確かにサーヴァントとは最強の使い魔であり、兵器とも言えるから間違いではないがかなり強引なのは否めない。

 

 だが彼は押し通した。

 彼らが知るよしもないが、伊達に神の名を冠している訳ではないのだ。

 権能をも一部行使して抜け穴を最大限に利用して、この監獄塔にやってきた。

 

 何の為に? そんなものは決まっている。

 

 

「迎えに来たぞ、マスター」

 

「……ッ! 賢者さんっ!!」

 

 

 カルデアのマスターは第三の扉の番人を撃破した後、レートから外れた強力すぎる『武器』を手に入れた。

 

 

 

 斯くして藤丸立香は、想定よりも容易く怒濤の勢いで監獄塔より脱出を果たすことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 割れ目(意味深)からコンニチハ! 賢者だよ!

 隠者の疑似霊器を中から無理矢理こじ開けたぜ! 潤滑油(意味深)も用意しておけば中で動くの楽だったんだけど、下準備(前戯)を丁寧にやってる暇がなかったからね仕方ないね!

 隠者も一応俺だし、これもある意味自己犠牲の精神って奴かな(事故犠牲の間違いだろ)

 

 でも成功(性交に非ず)して良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 俺は少し前、マスターの部屋にお裾分けに向かった。

 だがマスターはいなかった。

 いや正確には違う。

 体はあるのだが中身が無かった。

 

 

 その様子を見て最初に俺が思ったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この状態の彼女を(性的に)襲った場合、睡姦になるのか催眠姦になるのか、はたまたダッチワイフプレイになるのか、それが問題だ(……もう殺そうぜコイツ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まあ、俺は紳士だからそんなことしないけどな(建前)

 つーかエッチを仕掛けて何の反応もないってのは、正直萌えない(本音)

 

 

 やっぱり羞恥に震える姿とか! 快感で身悶えながら蕩けちゃう姿の方が見たいじゃんか!!

 

 

 いや、体だけ反応しちゃってる姿を見るのもそそるっちゃそそるけどね?(手の平返しはえーよ)

 まあ、俺の性的嗜好はどうでもええねん。

 俺は魂のないマスターを見て、持ってきた料理を即刻我が異空間に返還し、直ぐ様スキル・二次元シミュレーションを行使して何故こんなことになっているかを演算した。

 

 

 

 算出結果────

 

 

 

 

 

 極太大量生産女体破壊変態露出魔快楽殺人小便王

 

 

 

 

 

 ────即ち、偽ソロモンもといソロチン……いや『モロチン』の仕業だったことが判明した。

 

 うん、これからはアイツのこと内心ではモロチンって呼ぶか(迫真)

 

 魔神柱(チンコ)を盛大に露出してたしピッタリな呼び名じゃね?(ソロモンは怒っていい)

 

 

 てかモロチンの野郎、猪口才な真似してくれるじゃねえか……。

 

 

 マスターを送り込んだ先も、一応モロチンの手先ということで動いてるであろうサーヴァントも目星が付いた。

 

 …………あのヘンテコ特異点のこれまた奇妙なマンションで事件起こしてた黒幕だよな? 場所が場所だし。

 

 居場所も特定完了。

 

 どうでも良いけど、監獄にマスターが囚われたって結論が出た時、エロい展開しか浮かばなかった俺って男として正常だよね? ね?(同意を求めるな)

 

 

 

 

 

 

 そんな訳で俺は早速努力の成果を試すことにした。

 

 ()()()

 

 精神と肉棒、その二つを急速に冷めさせることで、いつもとは真逆のマイナステンションに至る技術だ。

 そこにさらなる応用技で分離させた『隠者』を、マスターが囚われた『監獄塔』の抜け穴を最大限利用して顕現させた。

 

 

 

 そこに抜け穴がある。

 

 

 

 穴があったら挿入(意味深)したくなるのが男ってもんだろ?(何故卑猥な表現しかできないのかこのアホは)

 

 

 

 

 そして、萎えた心と体を直ぐ様、熱を取り戻す為に乳上の胸の感触をオカズとして鮮明に思い出すことで性欲を解放し、昇天する勢いで射出。

 強制的に脱魂を果たし、触媒にした隠者を経由して俺の魂だけを『監獄塔』に飛ばすことができた。

 

 あ! 安心してくれ! 出したオタマジャクシは飛ばしてないから! いつもの宝具(オムツ)が受け止めてるから!(安心ってナニ?)

 

 

 

 

 で、おれのマスター・藤丸立香ちゃんを迎えに行った訳だが……うん。

 感極まったのか、やっぱり怖かったのか瞳に涙を浮かべながらマスターから抱きついてきたんだぜ!!(感激)

 

 

 ただし、魂だけで来てなかったら、体質的に全弾発射からの空射ちで即死だった(そこは世の為に死んどけよ)

 

 

 …………なんかさっきから辛辣な声が聞こえてきてる気がするのは気のせいかな?(気のせいだよ)

 まあ、良いか。

 

 

 

 

 

 後は合流したマスターの『武器』としてモロチンの手先もとい監獄のアヴェンジャーと共に戦い、番人を順番に薙ぎ倒した。

 …………改めて思うが、モロチンの手先て……ひっでー役職名だなオイ。マジ同情するわ(おまいう)

 

 

 

 最後は案の定、監獄のアヴェンジャーと戦うはめになったがね。

 にしてもアイツ、マスターに対して彼氏面っぽい態度どうにかならんかね? ちょっとイラッと来たので常にマスターと監獄のアヴェンジャーの間を陣取って行動してたわ。

 

 別に俺はマスターの彼氏って訳じゃねーけど? 仮にもアイツよりも前から、契約を結んでるサーヴァントだろ俺? しかもアイツみたいに仮契約じゃなくて正式に契約してるし。

 

 どこの馬の骨とも知らない、しかもモロチンと裏で繋がってる(意味深)奴を相手に牽制をきかせるくらい良いよな?

 

 

 つーか、立香ちゃんとお前みたいな復讐を掲げるダークヒーロー系で実は人間大好きイケメンがお近付きになるなんて許しませんよ!? ウチの娘は渡さん!(ダメ親父並感) ウチの立香は大きくなったらお義父さんと結婚するって言ってたんだからな!(一言も言ってない)

 

 

 それとあのテンションのアップダウンの激しさもどうなってんだ!? 情緒不安定かよ! いやまあ、あんな監獄暮らしなんだから精神病んでても仕方ないけども!

 

 アイツみたいな精神障害者と紳士な俺なら、俺の方が断然マシだろ?(空いた口が塞がらない程の戯れ言)

 

 

 

 まあ、その腹いせもあって監獄のアヴェンジャーとやりあった時は少しガチで戦ったんだが、不幸な事故で性剣『天我裸ティン(TENガラティーン)』が、その……アイツのケツにもろ刺さったりしちゃったりしたけども(ナニをしてるんですかね)

 

 

 

 あの、言い訳させて! 故意にアッー! な展開狙った訳じゃねーから!

 

 いやだってアイツ、かっこつけてるのか何なのか知らんけど、戦ってる時の基本姿勢が後ろ向きだもんだからさー、思い切って白濁光で加速ブーストしながら瞬時に急接近して全力の突きを繰り出したもんだから……うん。

 

 

 

 

 悪い、監獄のアヴェンジャー……肛門ブレイクがトドメになっちゃって本当にすまない(不憫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 無事カルデアに戻ってこれて良かった。

 

 カルデアのみんなには心配かけちゃったから、後でお礼言っとかなきゃなー。

 

 あ、お礼と言えば……またいつか監獄塔の彼とも会えるかな。

 その、最後に気の毒な退場の仕方になっちゃったから、少し気まずくなっちゃってちゃんとしたお礼も言えなかったし。

 

 凄まじい攻防の末のアレだったから仕方ないとは思うんだけど……賢者さん、流石にアレは酷いよ……。

 まあ、表情ほとんど変わらない賢者さんがちょっと青ざめた顔色で「すまない、わざとじゃないんだ」って言ってたから本当に事故だったんだとは思うけど。

 

 …………うん、というか賢者さんはあの時、私の『武器』って立場だった上「今だ! 全力で突撃!」って指示を出したのも私だった訳で……つまり私のせいじゃん。

 本当に、もしまた会えたらちゃんと謝ろ!

 

 

 

 そ、それにしても賢者さんが私を迎えに来てくれたんだよね……不可能なはずのあの場所に一人で。

 

 それで思わず私、抱きついちゃって……は、恥ずかしい!

 はしたない娘って思われちゃったかな!?

 

 で、でも賢者さんが悪いと思うんだよね。

 だって助けなんか期待できないあの不気味な監獄で、味方として本当に信じていいかもわからない監獄塔の彼と行動し、脱出する為に色々と覚悟はしてたんだよ?

 不安は拭えないけど、必ず帰ってみせるって!

 

 そんな折りに無茶な手段まで用いて登場するんだもん、色々と賢者さんはずるいよ。……すっごく嬉しかったけどね。

 

 

 

 ………………そういえば賢者さんが現れる前に、隠者さんが言ってたことってなんだったのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 実は隠者が内側から弾ける直前、現界してぐだぐだしていた時に、彼は藤丸立香に告げていたことがあった。

 

 

 

『……そうだ。良い機会だし嬢ちゃんには吾の本体の欠陥について話しておくか』

 

『欠陥? 賢者さんの?』

 

『ああ。奴は気付いてるはずなのに、気付けるはずなのに、気付かない振りをして目を逸らしている事実がある。その事実に、奴が目を向けて受け入れれば徐々に本来の力を取り戻せるはずなんだ』

 

『えっ……? 本来の力を取り戻す……ってまだ賢者さん全力じゃないの!?』

 

『あんな程度じゃないさ。奇しくも今回、アイツは吾を解き放った。ある意味で封印していた自分の一端をさらけ出したと同義とも取れる。……それだけアイツが嬢ちゃんには気を赦してる証拠だな』

 

『ふぇ!? そ、それは嬉しいなー』

 

『フッ……だから今回のは引き金になる。たぶん遠くないうちに嬢ちゃんも見ることになるはずだ。恐らく見られたことに奴も気付く。けど、どうかいつも通りに接してやってくれ』

 

『見るって何を……?』

 

『……嬢ちゃんが何を思うかはわからんが、正直気が滅入るかもしれん。それでもアイツのことをキミのサーヴァントとして信じてくれるのなら────』

 

 

 

 

 そこで言葉を切った陰鬱な雰囲気を纏っていた青年は、ぐだぐだしていた体勢から居住まいを正す。

 そして、今まで虚ろな感じだったその白と黒が反転した奇妙な瞳に、理性の光を灯して口を再び開いた。

 

 

 

 

『────アイツを頼む』

 

 

 

 その言葉の直後、隠者の体は裂け黒い残骸と化したのだ。

 

 

 

 

 

 

 隠者の語った内容の真意を藤丸立香は理解できていない。

 

 当然、賢者のアヴェンジャーもこんなやり取りがあったことを知らない。

 

 

 

 

 

 

 だが彼らが知らずとも、これは『規定よりずれた道筋を、賢者と歩む物語』。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 つまりシリアスは直ぐ死ぬ。

 

 それだけは彼らも記憶や意識にはなくとも、何となく第六感的に察しているかもしれなかった。




今回は随分と綺麗でしたね(第4特異点の話に比べて)
まあ溜め回なんで、次回から飛ばしてイケるように頑張ります


さて前書きで書いたように投稿が遅くなった理由についてご説明しましょうか
※愚痴のような感じかつ長文にもなってるので読み飛ばしていただいて構いません


扁桃腺による高熱(最大39.8℃)と医者から処方された薬の副作用による水下痢三昧(30回前後)のダブルパンチを現実でもろにくらったのです

夏な上、高熱だから部屋も体も冷やしたいのに、体が冷えると(特に下半身から腹辺り)腹に激痛が走りトイレ直行頻度が激増する(冷えてなかろうと水下痢だが)という一種の板挟みのような苦行……軽く地獄を見ました
水下痢の原因となった薬は当然直ぐにやめた上、整腸剤を飲んだりもしてましたがそう簡単には和らがない。丸2日+半日かかりました

トイレに籠り腹を痛めながら咄嗟に思ったのは「これが無限の下痢(アンリミテッドダイアリーアワークス)か」でした(馬鹿なことに思考割いてないとやってられなかった)

……今は熱は下がってる上、激しい腹痛には襲われてませんが、代わりに元凶の薬をやめた影響で喉に激痛が走るようになりましたがね……常に痛いし唾を飲み込んだだけで激痛という悪夢……その痛みと共に出続ける唾液、飲み込むと痛いので吐き出すけど、常に口の中に唾液があって喋れない……これが二度目の地獄

おかげで会話はスマホに文字入力して直接見せる感じで会話してました

あまりにも痛いので、違う病院で新しく処方してもらった痛み止めを飲んだんですけど、そしたら今度は全身に副作用で発疹が出る始末……かと思いきや、薬疹ではなくまさかの『はしか』を発症(踏んだり蹴ったりでもう嫌)

弱ってる最中にもらったのか、最初から麻疹だったのかはわかりませんが……ワクチン接種してるので恐らく前者だとは思うんですけど、なんつーか不幸でした

元凶の薬より若干弱い薬を飲むことで少しずつ改善できてると思いたいんですけど、何かを飲み込むことに拒否反応が出てくるくらいに喉に痛みが走るので、えずきそうになることもしばしば(こりごり)
舌もペンキ塗ったのかってくらい真っ白……いやこれこそ白濁って感じになってしまい、味覚がほぼ死ぬという事態(どうしてこうなった)

今はようやっとそれらの症状も全身の発疹以外はだいぶ治まってきた感じです(だから投稿できた)

そんな訳で、元々書き終わりそうだなー、と予定していた日よりもさらに遅れての投稿になってしまいました
申し訳ないm(_ _)m


読者の皆さん、くれぐれも夏風邪には気を付けて下さいね……

特に夏風邪にかかってしまって病院で薬をもらう場合は、新薬ではなく、今までに飲んだことのある薬で代用が可能ならなるべくそうすることをオススメします
でないと、私みたいになりかねませんので(汗)





汚話(おはなし)を蒸し返しますが、あの下痢の苦行はもしや下ネタの範囲をそっち方面にも広げろというお告げ……?(絶対違う)


投稿がだいぶ遅れた理由については上記の理由が大半
あとは

スマホの機種変をしたため使い勝手が変わり、入力ミスが増えたため執筆ペースダウン(まあ、常に充電してないと100%を切った瞬間電源が落ちて0になるクソスマホだったので変えなきゃやってられなかったんですけどねw)

下ネタの神を降ろすのに時間がかかった(肉体、精神ともに疲弊していたため)

ちなみに作者も監獄塔はイベやったことがありません(えっ
FGO始めたの自体が遅いんで(作者名でお察し)
なるべくネタバレをしないようにしつつこんな感じで良かったのかなー、とか思考錯誤してたのも時間がかかった理由の一つですね(苦笑)


続きは完全復活したら元の執筆ペースに戻せると良いなー、って感じですんで気長にお待ち頂けると幸いです
長文失礼しました

次回から第5特異点『イ・プルーリバス・ウナム』編始まります

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