力と耐久ないけどダンジョンにいるのは間違っているだろうか? 作:血濡れの人形
プロローグ
~???~
暗く、何もない空間で、少年は目を覚ます。
ナレッジ、それが少年の名だ。
ナレッジは、どこが上かもわからない空間で、ゆっくりと起き上がろうとする。
すると、辺りが急に明るくなり、少年は目を細めた。
そして、目の前に現れたのは、一人の女性と、執事服を着た男だった。
「あの、ここはどこですか?」
ナレッジは不思議そうにそう言う。
それも当然だ。ナレッジは先ほどまで、
・・・・・
たった一人の友人と家に帰っている途中だったからだ。
すると、女性が頭を下げ、
「すみません、本当は思い出させたく無いのですが、
状況が状況なので、手短に説明させていただきます」
と切り出す。
「落ち着いて聞いてくれると嬉しいです・・・
あなたは死んでしまいました。
それも、あなたが友人だと信じていた存在によって」
ナレッジの思考が一瞬止まる。
頭のなかで整理しているのだろう。
(なんで、なんであいつが俺を?だっておかしいだろう?
あんなに笑顔で話していたのに、なんで?
それに、ならここはどこなんだ?)
事実、ナレッジの頭の中には、様々な気持ちが渦巻いていた。
だがしかし、ナレッジは情報が足りないと思ったのか、
女性に向けて話しかける。
「なぁ、ならなんで俺は生きてるんだ?こんな風に肉体を持って。
それに、ここはどこなんだ?教えてくれ」
ナレッジがそう言う事を予想していたのか、女性はゆっくりと話し始める。
「まず先に、あなたは肉体を持っているわけではありません。
まぁ、いつもより軽いから、流石に分かると思ったのですが。
次に、ここを簡単に説明するなら、そうですね、転生の間とでもいいましょうか」
ナレッジは耳を疑った。
なにせ、目の前の女性は、転生の間と言ったのだ。
「転生?まさか、また俺に人生をやり直せとか言うんじゃないだろうな?」
すると、女性は顔を横にふる。
「いいえ、それはあなたの意思によります。
あなたがしたくないと言えば、しなくて済みます。
しかし、そうすれば、あなたはもしかしたら後悔するかもしれませんよ?
因みに、ここに来た魂は、必ず前世、
あなたがいま持っている記憶は持っていくことになります。
転生しても、しなくても、です」
女性はそう言うと、近くにいた男になにかを持ってくるように指示する。
男はそれを聞くとお辞儀し、いつのまにかあった扉を開ける。
「ちなみに、転生するなら、あなたに特典をつけましょう。
幸せに過ごしたいでも、結婚したいでも、友を作りたいでも、
どれかひとつだけですが」
女性が言い終わると同時に、なにかを取りに行った男が戻ってくる。
手にはひとつの箱のようなものを持っていた。
「転生するなら取ってください。それがあなたのいく世界、
あなたが新たに作る、本来とは別の物語」
それを聞き、ナレッジは立ち上がり、箱を持っている男の方に歩きだす。
男は箱を持ったまま、ナレッジの方に歩く。
ナレッジは止まると、男の持っている箱から、一枚の紙を取り出す。
そこには、
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』
と書かれていた。
「うん、君にぴったりの世界じゃないか。
さあ次だ、特典はなにがいい?別の世界の魔法かい?
絶対的な力かい?すべてに立ち向かえる勇気かい?
全てを守れる盾かい?全てを覚える知識かい?
幸せな生活かい?」
女性は楽しそうにそう言う。
しかし、ナレッジは首をふる。
「そんなのは、自分で掴むものだ。
だから・・・そうだね、うん、君の、君とこの人の名前を教えてくれるかい?」
女性は驚いたような顔をすると、にっこりと笑みを浮かべ、
「そのくらいで本当に良いのなら!私の名前は包合 絆!
本当の名前は星野 絆だよ!」
という。
すると、男が初めて喋る。
「まったく、不思議なやつもいたものだな。
名を聞くためだけに、わざわざ転生を選ぶとは。
俺の名はドールだ、次会うときは、絆の女神の導きに感謝するとしよう」
若干、ドールの顔にも笑みがあった。
「あぁ!そのときはまた、ここと違う美しき場所で!」
ナレッジはそう言うと、光に包まれ、姿を消すのだった。
その後の二人
「ドールが笑うなんて珍しい、一体どうしたのさ」
「いや、かなり興味深い人物だったのでな。そう言う絆こそ、
いつもは呼ばないのに、なぜ転生させようと思ったんだ?」
「いや、あの子を幸せにしてあげたいなった思ってね。
まぁ、特典は別だし、あのこが幸せに生きていけることを祈るだけだけどね」
「ほう?そのわりには、あいつから絆の力を感じたのだかなぁ」
「そ、それはあのこが死んだときの保険だって!
あれは私の個人的なプレゼントだから関係ないし!」
「おまえ・・・まあいいや、あいつの履歴は見たしな」
そんな会話があったとか。
次回はファミリアを決めるところまで行けたらいいな。
それではまた!