力と耐久ないけどダンジョンにいるのは間違っているだろうか? 作:血濡れの人形
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~オラリオ 大通り~
どうも、ナレッジです。僕は今、服を見るために買い物に来ています。
予算はさっき水奈さんから聞いた限りでは三十万だそうだ。
ちなみに、目的地は、前に行ったことのある、ファンタジードレスショップです。
「お姉ちゃん、確かこの方向って・・・」
明が思い出したように僕に話しかけてくる。
「うん、もうそろそろつくはずだよ」
とりあえず、明にはこういえば、目的地もわかるだろう。
それはそうとして、何で水奈さんは不思議そうにしてるんだろう?
あの店を知らないのかな?
と言っている間に、目的の店であるファンタジードレスショップについた。
あ、水奈さんが驚いてる。この店、そんなにみんなに知られてないのかな?
そんなことを考えながらも、とりあえず店の中に入っていく。
「あら、いらっしゃい。それにしても、また来れるなんて運がいいわね。
それで、今度はどんなものをお求めですか?」
前に来た時と同じ女性がそういってくる。
「とりあえず全部見てみようと思います。他の皆もそれでいいかな?」
僕がそういいながら後ろを向くと、全員が頷く。
それを確認した僕は、他の皆が動き始めた時に、
周りには聞こえない声で女性に話しかける。
「ちなみに、ここって男性用の服ってありますか?」
ないのであれば他の場所も見て回らなければならない。
「もちろんありますよ?サイズなどに関しても、言ってくだされば調整します」
どうやらあるらしいので、他の皆とは別行動で見せてもらうことにした。
場所もどうやら店の二階にあるらしい。ていうか、二階なんてあったのかここ。
そんなことを考えつつ、二階に行った僕は、女性がいなくなったタイミングでスキルを使い、
自分の性別を変えてみる。
やはり身長が高くなっている。とはいっても、あまり変わらない気もするが。
服を見ていくと、本当にいろいろなものがあるのがわかる。
単純に布で作られたもの、所々金属の装飾がついているもの、
冬用なのか、もこもことした素材でできているものなどがある。
襦袢(じゅばん)などがあったことには驚いた。ここ、和服とかも扱ってたんだね・・・
とりあえず、あまり軽すぎず、かといって重くもなさそうで、動きやすそうなものを探す。
具体的に言うと、いま来ている服と同じか、それよりも少し重いくらいがいい。
というか、この服よりも重くしたい。この服って結構軽いから、
それよりも重くした方が筋肉付きそう。来てる気がしない軽さはまずいと思うよね。
そうなると、装飾品がついたのもいくつか買いたいところ・・・
ここら辺っていくらくらいなのかな?
そう思いながら、金額の書いてありそうなものを探していく。
・・・書かれてない。そういえば、前に来た時に、
値段はその時によって変わる、みたいなこと言ってたよね。
ということは、聞かなければならないのか・・・
とりあえず、気になったものを見ていこう。
色は・・・いっぱいありすぎじゃない?黒と白から選ぼう。
色別で置かれてるから、結構確認しやすい。
しかしこうしてみると、本当に同じものがないな。見事に全部ばらばらだ。
黒いマント・・・かっこいい。あ、コートもある。
ふむふむ、黒いマントなら汚れても目立たなそうだし、かなりしっかりしてるみたい。
サイズ的にも問題はなさそうだ。とりあえずこれは買いたいな。
あとは、とりあえず白い服も買っておこうかな?
でも、黒で統一させるのもあり・・・いや、それはそれとして、
黒マントとそれのシリーズは買いたいな。
手袋もあるけど、これに関してはチキがあるからいらないな。
でも、街中歩くときはあった方がいいのか・・・
他の人は知らないにしても、常に剣を抜きながら歩いているようなものだし。
それって、もれなく危険人物扱いされますよね。
よし、これも買っておこう。お金は水奈さん払いだけど。
それじゃあ、この黒い服一式と、それとは別に白い服も買っておこうかな?
う~む、白い服もまたいろいろとあるなぁ・・・
うん、これにしよう。灰色に近いズボンに、青系の色が混じっているコート、
その下には白い長袖の服。ズボンに巻き付いてる銀色に近い色の布?
も、いい感じである。いや、これ金属だわ。正確に言うなら金属糸で作られてるっぽい。
絶対これ高いでしょ。防御性能もかなり高そうだし。
とりあえず金額にもよるけどこれも買ってもらおうかな?
よし、そうと決まれば下に降りよう。と、スキルを使い性別を再び変更する。
「あら、やっと降りてきたのね」
アリスがそういいながらこちらを見てくる。その方向を見て、僕は思わず固まった。
「・・・えっと、その服はどうしたの?」
僕から漏れたのはそんな一言、普通に考えるならば、
試着か何かをしたのであろうことに気が付くが、
そんな思考が一時的にできなくなる程度には驚いている。
なぜか全員が着物を着ていたのだ。
明は黒に近い紫に星のように所々白い斑点があり、
満月を模したであろう白い大きな丸が目立つ着物を。
アリスはレモン色にトランプや紫色の猫の書かれている着物を。
クロワッサンは深縹(こきはなだ)の布地のみという落ち着いたものであるが、
よく見てみると魚のような柄がうっすらと見える着物を。
水奈は海の波を模したような柄をした着物を。
その全てが、それぞれのイメージにぴったりと重なり、
はっきり言ってしまえばとても魅力的に見える。
「どうしてって、試着させてもらったのよ」
そういいながら、アリスは僕の方を見ながら、
「それで、あなたはこの中で誰が一番にあってると思うかしら?」
と尋ねてくる。
「・・・え?それ、答えないとダメ・・・?」
この手の質問をされるのは困ってしまう。はっきり言ってしまうのならば、
誰がいいではなく、全員が自分に合っている服を着ているため、
全員にあっているというのが僕の解答なのだ。
「えぇ、答えてほしいわね」
アリスのその一言に、全員がこちらを見てくる。
ふと目をそらすと、店長である女性の姿が見えた。
先ほど案内したときは来ていなかったのに、
いつの間にかこちらも着物を着ている。
灰色の髪と銀色の目をした女性が着ている着物は、
柄が一切ないながらも、どこか惹かれるものがあった。
色は白、帯はみ空色という組み合わせ。布がかなり質の良いものなのか、
それとも着ている服に負けないほどに本人の存在感があるのか。
だが、そのどちらでもないんだと思う。
本人が自分に合うものを着て、それぞれがそれぞれを高め合っているからこそだと。
「え、えぇっと、店長さんが一番似合ってるんじゃないかな~、なんて」
僕以外の全員が驚いたように目を丸くしている。
というか、あの女性が驚いたことに僕も驚いているのだが。
だって、このくらいのことなら驚かないかななんて思ってたし。
「まあ、みんなよくにあってると思うけどね。
それぞれの個性がよくわかるし、色もみんなのイメージに合ってると思うし」
「・・・なら、どうしてここの店長さんが一番って言ったんですか?」
明が私不機嫌ですと言わんがばかりのオーラを出しながら聞いてくる。
「うぅん、うまく説明しづらいんだけど、一番雰囲気にあっていたからかな?
こう、互いが互いを高め合っているというか、そんな感じだよ。
他の皆だと、どこか人の方が主張が大きく感じちゃったんだよね」
とりあえず、僕が言ったことに納得したのだろう。
明達は僕をジーっと見るだけで、それ以上は聞いてこなかった。
だがしかし、空気が重く感じる。
まあ、普通に考えるなら四人の中から選ぶべきものを、
店長なんて答えた時点で、この空気は約束された結末のようなものだろう。
だれか、この空気を何とかしてください。本当に。←原因
「そう言えば、結局その服は買って行くのかしら?」
店長さんがそう聞いてくる。
そう言えば、服を買うのが目的だったね。うっかり忘れてたよ。
僕自身も服持ってるのにね。忘れるとか本当にどうなのさ・・・
「僕はそうですけど、他の皆は・・・その着物買っていくの?
というか、合計いくらくらいなのかな?これ」
「私たちはこれじゃなくて、普通の服を買いますよ?」
そういって、明たちはそれぞれ服を取り出す。とりあえず聞きたい。
「買うのが決まってるなら、何で着物を着てたんだろう・・・」
小さくつぶやいたので、他の人には聞こえなかったが、
とりあえずそのことがとても気になったのだった。
「あ、ちなみにうちの店、とある物を置いてみたのですが、
ぜひそちらも見ていってください。それと、服の方の代金は五万になります」
・・・あいかわらず安い値段設定ありがとうございます!
しかし、とある物ってなんだろう・・・?
次回へ続きます。