力と耐久ないけどダンジョンにいるのは間違っているだろうか? 作:血濡れの人形
~ダンジョン 18F~
どうも、ナレッジです。僕は今、
「それで、涼華さんは元いた世界を全壊させて、
別の世界であるこの世界に引っ越してきた、と」
「そうなるわね」
ファンタジードレスショップの店員さんこと、涼華さんから話を聞いています。
ちなみに、他の皆は涼華さんを警戒するように武器を片手にこの話を聞いています。
「それで、その世界で殺したはずの神様と同じ匂いをさせている僕が、
神を殺したと聞いてここまでやってきた、と」
そこまで言っておきながら、自分の頬が引き攣っているのがなんとなくわかる。
「えぇ、三人いた神様のうちの一人と全く同じにおいがするものだから、
少し気になってはいたけれど、『貴方は転生者か何か?』
なんて聞くわけにはいかないから、どうしようかと考えていたらこんなことがおきて、
今がちょうどいいタイミングなのでは?って思ってココに来たのよ」
まぁたしかに、唐突にあなた転生者?なんて聞かれたら答えないだろうな。
と言うよりも、なぜ転生者だと思ったのだろう。
絆様みたいに姿を少し変えて地上に降りてきているかもしれないのに、
転生者に限定して聞いた理由はなんだ?
そんな風に考えていると、アリスが涼華に話しかけていた。
「それで、それを聞くだけなのかしら?私にはまだ何かあるように見えるのだけれど」
「まあ否定はしないわね。特に重要でもないから、あとで聞こうと思っていただけで」
「そう、それで、何を聞こうとしていたのかしら?
私たちの前で話せない、なんてことはないわよね?」
「そりゃどこで話しても平気だけれど、
質問は一つずつの方が分かりやすいでしょう?」
楽しそうな笑みを浮かべた彼女は、僕の方を向いてくる。
「その前に一つだけ聞かせてくれ」
「なにかしら?」
「なぜ僕が転生者だと思ったんだ?
こんな世界だ、神が姿を変えて降りてきたとしてもおかしくはない」
「あぁ、それに関しては簡単なことよ。貴方に魂が三つ存在していたから。
神は一つの魂のみしか持たない。例えどれ程他の神を殺し権能・・・
対象の力を振るえるようになったとしても、魂が大きくなるだけで、
複数の魂を共存させることができないの」
なるほど、つまるところ、僕の魂が一つじゃないのを見抜いていた、と。
一体どんな目を持ってるのかが気になりますが、
気にしても無駄だと思い思考の中から放り出す。
「まあいいかな。うん、僕は転生者だよ。聞いた話によると、
僕は合計して三回ほど転生を繰り返しているらしい」
「聞いた話?自分で体験したことなのに、貴方は覚えていないの?」
それを言われると痛いが、別にごまかすことでもない。
そう思い、僕は説明することにした。
「簡単に言うなら、僕じゃなくって、僕の中にある、
貴方のいうところの他の二つの魂がその記憶を持ってるんだよ。
だから、詳しいことは僕にはわからないってこと。貴女が来る直前に、
ステイタスを更新・・・更新?してから、少しずつ分かるようになってきたけど、
それも記憶というよりは、絵と文字で説明されている記録みたいな感じだしね」
「なるほど。それであんな言い方をしたのね」
どうにか納得してくれたようだ。というか、納得してもらわなければ困るのだが。
なにせ、これ以上話せることがない。これ以上この話を続けることもできないので、
話を別のことにうつすことにする。
「それで、もう一つの質問は何かな?」
彼女が言っていた質問、最初の一つに答えたが、もう一つあると先ほど言っていた。
それを聞くために、僕は改めて彼女を見る。
「え?あぁ、もう一つね。なら聞かせてもらうけど」
貴方、神が憎くない?
彼女は薄く笑みを浮かべながら、こちらがぞっとするような声でそういった。
次回は冒険者(ロキファミリアの誰か)視点で書こうかと思います。