力と耐久ないけどダンジョンにいるのは間違っているだろうか? 作:血濡れの人形
「ゲフッ、ゴホッ、ゴフッ・・・まったく、やっぱり僕はとことん戦闘に向いてないね」
「お姉ちゃん!だから私の後ろに下がってって言ったのに!なんで私をかばったのさ!」
「そうは言ったって、体が勝手に動いたんだから仕方なくない?
というより、普通に考えて他のメンバーを連れてきておいたほうがよかったよね?
元ロキファミリア団長に高レベルメンバー三人とか・・・
他の何人かが別のところに行ってくれて助かったというべきか、
救援が来なさそうだと嘆くべきか・・・」
そんな風に言いながら正面を向くナレッジの前には、武器を構えているフィンの姿があった。
最初の奇襲は確かにうまくいったのだ。そのあとの追撃も。
しかし、そもそもの問題として、彼自身がそれほど強くはないのだ。
たしかにスキルを使えばその限りではないが、もしそれを行う場合、
体のどこかを犠牲にする必要がある。正確にいうなれば、
過去の存在に体を入れ替えるため、自身の体に異物を入れるようなものなのだが。
そうなった場合、急に体の一部だけ強靭になるゆえに、それに耐えきれず、
体が壊れてしまうことがあるらしい。一番最悪なのが、心臓。
俺や私に聞いたところ、心臓が送る血液の量に耐えられず血管が破裂するらしい。
「さて、こっちの事情で悪いと思うけど、これ以上無駄な抵抗はやめてもらえるかな?」
そういってくるフィン。当然といえば当然だろう。すでに両腕に力は入らないし、
立ち上がるにも先手を打って潰してくるだろう。
というより、実はかばった時に内臓がぼろぼろになったらしく、
まともに呼吸ができていなかったりする。
「そういわれて、まさかあきらめたりしないですよね?マスターさん?」
「本当よ。折角ベートを殺してきたのに、ここであなたが死んで全滅とか、
落ちとしては残念どころの騒ぎじゃないわよ?」
「まぁ、リヴェリアは逃がされちゃったけどね」
そういって、僕の横に移動してくるアリスたち。
「緑色の髪のおねぇさんは、お城の方に飛ばされてたよ」
背後に水奈が立ち、こちらに向かってそういってくる。
「あー、実はもう動けないんだけど・・・ゴボッ」
血を吐きつつそういう僕に、周辺の皆は苦笑する。
「まぁ、せっかくだから最低限、何人か道ずれにでもしましょうか」
「その間、別に寝ててもいいわよ?
今のあなただと、その場で倒れている方が守りやすいもの」
「もっと簡単に言えばいいじゃないですかぁ、
これ以上あなたが痛がってるところを見たくないって」
「まぁ、これ以上お姉ちゃんが傷付いてるのを見ると泣きそうになっちゃうので、
本当に休んでもらっていた方が助かるのですが」
「それに、それ以上チキたちをボロボロにされると、作った側としても微妙だしねぇ」
僕は、薄れゆく意識の中、彼女たちがそれぞれの武器を構えて、
フィン達に向かって走っていく光景を見たのだった。
これにて完結!ちなみに書いてる横で笑ってはいけないが流れてて色々駄目でしたね。気力続かないん・・・ついでに主人公たちのスペック的に負かすのが難易度高くなったんで舞台裏でナレッジ君にはボロボロになってもらいました。まぁ、この世界は踏み台扱いなので是非もないネ!