これは、運命に逆らいし者の物語……




※読み切り版です。作者のやる気がでたら連載版を書くかもしれません。

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運命を変えし者

一見優しそうな黒い紳士のおじさんは、俺にしか見えなかった。

俺が小学一年生の頃、俺は交通事故にあった。両親と車で妹を迎えに行く途中だった、信号無視をした車に交差点でぶつかった。気がついた時は、病院であった。近くにいた看護師に三日間寝ていたことを伝えられた。俺は、看護師に両親のことを聞くとまだ目を覚ましていないと言われた。俺は、そこまで重症では無かったらしく何かにつかまりならがらなら歩けそうだった。両親の病室を聞くと隣りの病室だと言われた。後で、両親のもとへ行こうと俺は考えた。

十分、二十分と時間が過ぎて三十分たった時、ふと両親の様子を見に行こうと隣りの病室に向かった。アレが現れたとは、そのときであった。まるで友人を訪ねるかのように自然に親しげに彼はそこにいた。身なりは綺麗で優しげなな雰囲気な男性、俺は第一印象でその人は良い人だと感じでいた。

少なくともその時の印象はそうだった……。

その優しそうな黒い紳士は、両親に

「今晩、お迎えにあがります」

とだけ言った。

すると窓から風が吹き俺は目をつぶった、目をあけるとそこに黒い紳士は居なかった。近くに看護師がいたので、手伝ってもらい両親のもとまでいった。二人とも酷い怪我は無く大丈夫そうだったため俺は安心した。自分の病室に戻るときも看護師に手伝ってもらった。自分の病室に戻り自分のベッドの上で横になると、ふとあの黒い紳士は一体何者なのか不思議に思ったが考えても答えは出ず気のせいだったのだろうと思った。

その晩、両親は息をひきとった。

次の日、俺は目をさますと見知らぬ男性がいた。

「君のお父さんとは兄弟でね、お母さんとは同級生だった、高町健志だよ」

と男性は言った。俺は何故ここにいるのか聞いてみると

「辛いかもしれないが聞いてくれ……君のお父さんとお母さんは昨日の夜に死んでしまった……泣きたければ胸を貸そう、我慢しなくていいんだ」

と健志さんは言った。俺は健志さんの胸の中で思いっきり泣いた。大好きな両親が亡くなったことの悲しみの涙を……。暫く泣き、俺が落ち着いた所で健志さんは

「君の妹は今私の家で私の妻と娘が面倒を見ている。それと君達、姫崎翼と姫崎桜をひきとることにした。分かりやすく言えば、私達は家族になるんだ」

そう健志さんは言った。それからというもの健志さん……いや、義父はちょくちょく様子を見に来るようになった。桜を連れて来ることもあった。事故から十六日たってようやく明日退院できるようになった。

次の日、退院した俺は義父の車で妹がいる義父の家へ向かった。車に揺られること40分ほどたった。義父の家に着いたようだ。俺は自分の荷物を持ち玄関に向かった。玄関のドアを開けると

「お兄ちゃん、おかえりなさい」

と桜が出迎えてくれた。桜の背後から二人ほどこちらに来た。

「あなたが翼ね。私はあなたの義母になる高町凛音よ。隣りにいるこの子が義姉になる高町桃華よ、これから仲良くするのよ」

と義母が言った。俺はこのとき、俺達兄妹は高町家と血がつながっていなくても本当の家族の様になれる気がした。

それから一年、二年と時間がたち、俺と桜が中学二年生となった年にあんな事が起こるとは誰にも分からなかった。課外活動の一環で片田舎に泊まりで行った時に怨霊の事件に巻き込まれたときだった。その村の子供達が原因不明の熱病にうなされ数人が死亡したという事件があった。熱病に侵されている子供達に共通して服に血のようなものがついているという話があったのだが、友達がこの血のようなものがつけられ、熱病に侵されたのだ。友達の様子を見に行った時に黒い紳士は友達にむかって

「七十五時間後にお迎えにあがります」

とだけ言ってスーと消えていった。このとき俺はどのような存在なのか分からなかったが分かることもある。魂を死後の世界に連れて行く死神のような存在だと……。このままだと友達が死んでしまうということで、授業そっちのけで原因を調べた事があった。幸いなことに熱で課外に桜が来なくてよかったと思いつつ、早くしないと友達が死んでしまうと焦りつつなんとか原因を発見した。子供が好きだった女性の怨霊が子供達を手に入れようとした結果こうなったようだ。解決方法には退治することしかなく、退治する方法を調べてなんとか退治することができたけど頑張りも意味を成せず退治するのが間に合わずそいつは死んでしまった。

その後泊まり込みで行う課外活動は無くなったという話を聞いた。

あれから月日が過ぎた。俺と桜は、高校一年生になっていた、もも姉ちゃんは、高校二年生になっていた。今日は、ゴールデンウィークの前日であった。学校の休み時間友達と弁当を教室で食べながら話していると、少し焦った様子で教室に入ってきて俺のもとにきて

「君の妹がたおれた。今、保健室にいるがじきに救急車がくる。君も救急車に乗ってもらうからそのことを伝えにきた」

と言った。それを聞いた俺は、急いで保健室にむかった。このときなにか嫌な予感がした、桜が遠くに行ってしまうような感じだ……そんなはずはないと思いたい。だがそれは、保健室に入ったときに無慈悲にも壊れてしまうのだった……なぜならば奴が妹の近くにからだ。自分以外には見えず、声も聞こえない、そして死を告げる黒い紳士が……。黒い紳士は

「七日後の晩、お迎えにあがります」

と言いスーと消えていった。目の前が真っ暗になった。ゆういつの血のつながった家族が死んでしまうと知ったためだ。気がついたら保健室のベッドの上だった。桜のことを聞くと、もう病院に行ってしまったようだ。俺は、保健室に入り桜を見た途端たおれたそうだ。時計を見るともう少しで6時間目が終わるところだった。ふと、女子生徒の間で噂になっていたことを思い出す。隣り町にある白天王山にある今は廃れた神社の神に会うと何でも願いが叶うと。俺は何でも願いが叶うなら妹の……桜の死の運命を変えることができるのではないかと考えた。普通なら誰も本気で信じないだろう、だが中学の時に怨霊の呪いを解呪するために怨霊を退治したことがあるのだ、もしかしたら神もいるのではないかと思い、明日その神社に行くことにした。

次の日、俺は隣り町に行き白天王山にある神社を目指した。前日に図書室で白天王山にある神社、白天狐神社は山頂にあったことを知った。それならば山頂を目指せばいつかは着くと思い山頂を目指して歩き始めた。途中、白い毛をした狐が罠にかかり動けないでいた。俺は白狐を罠から助けてあげた。そんなこともありつつ山を登り始めて三時間たった。すると、石でできた階段が見えてきておりこれが神社へむかう階段だと思い階段を登った、少しして神社が見えてきた。噂であったとうりに、廃れてボロボロになっておらず綺麗に整備してあった。神社から巫女服を着ており尻尾と狐耳をした人物が現れた。彼女が神様なんだろうかとうりに思い話しかけた。

「もしかして神様ですか?」

巫女服を着た女性はこう答えた。

「そうじゃ、私はこの神社の神じゃ」

予想どうりこの人?は神様だった。俺は神様に

「妹の死の運命を変えて下さい。ここに来て神様に会えば願いが叶うと聞いてきたのです。どうか、どうかお願いします」

と頭を深々と下げてお願いした。神様は

「妹の死の運命とな。少しぬしの記憶を見せてもらうぞ……………ふむ、良いじゃろう。願いを叶える手段をやろう。その対価を払ってもらおうと言いたいとこじゃがもうその対価は払っている。私の眷属を助けたことじゃ、ではその手段をやろう」

と言い、手を俺の頭の上に置いた。頭に激痛がはしる、気が失いそうになるような痛みだ。一分、二分、何分たったか自分では、分からないだがなにか変わったところでもあるのだろうかと不思議に思っていると神様は

「ぬしが持っていた力を覚醒させるのと奴の撃退方法を頭に叩き込んだ。痛みはその影響だろうな、どんな力なのかいうと『死を司る能力』じゃよ。今は、目が発動の起点となっているから『死の神眼』と言うあたりかの、能力のことも頭に送ってあるはずじゃからだんだん理解できるじゃろうよ」

と言った。俺は神様に

「ありがとうございます」

とだけ言って神社を去って行った。

時は過ぎ黒い紳士が桜に死を宣告した日となった。日は落ち月が空へのぼる、星もキラキラと輝いている。二十一時、二十二時と時は過ぎ二十三時になった時、コツン、コツンという足音が聞こえた。昨年の部屋にむかっている様だ、桜の部屋は二階にある。階段をのぼりきった途端、奴の死の点を突くもし駄目でも日が昇る頃まで耐えれば運命は変わる。奴がのぼりきるまで、あと三歩ときた時能力を発動した。『死を司る能力』、死が関わることなら自分の力量によるが何でもできる能力、『死』を点として見ることなどもできる。後二歩、ナイフを持つ右手に力がはいる。後一歩、ナイフを構え死の点を突くことが出来る様に準備する。そして奴は、階段をのぼりきった。念のためにナイフに不死の力を付与しておいた。これでナイフは壊れることはない。奴の死の点を突いた。奴は床で倒れている。だがまだ死んでいないと俺の能力が告げている。奴は、起き上がってきた……死の点を突き死んだはずなのに。不思議に思っていると奴は

「いやはや死ぬとは思っていませんでした、魂のストックが一つ減ってしまいましたよ。それと私のことを見える人間とは、始めて見ました。もしかして、今から向かえに行く高町桜のもとに行かせないためですか?」

と言った。

「そうだ、桜のもとに行かせはしない」

と俺は言いナイフを構えた。

「ふむ、面白い。契約を結ぶなら見逃しても良い」

と奴は言った。

「それはどんな契約だ」

と俺は聞いた。

「それは死後、彼岸の者になることですよ。寂しくないように使徒契約が出来る様にしてあげましょう。どうですか、契約を結びますか?結びませんか?」

と奴は言った。契約の中に分からないものがあったので奴に

「使徒契約とはどんなものだ」

と聞いてみた。奴は少し考えた後

「ああ、そうでしたね。あなたの頭に情報を送ります。少し痛いですが我慢してください」

そう奴は言うと右手を俺にむけた。すると頭痛が少ししたが使徒契約について理解できた。これなら契約を結んでも良いと思う。

「ああ、契約を結ぼう、桜が助けられるならな」

と俺は言った。奴は……黒い紳士は

「これで契約は結ばれました。ですが、そう遠くないうちに彼岸の者が桜さんのもとへくることでしょう。これを回避する方法ですが、使徒契約を桜さんと結んで下さい。結ばなければもし回避できても、また時間が経ってから桜さんのもとに向かうことを桜さんが死ぬまで繰り返すことでしょう。あなたの死後、彼岸の者になりその使徒となることの対価としてそのことを全て回避する事ができますがどうしますか?」

と黒い紳士は言った。俺は少し考えた後

「……………………分かった。そうするからさくらを…死の運命から助けてくれ」

と答えた。桜と契約を結ぶため桜のもとにむかった。時計を見ると四時五十八分だった。契約の方法はキスをすること、俺が契約を結ぶつもりがなければ結ばれることはない。俺は、桜にキスをして契約を結んだ。俺は桜の部屋から出て、部屋の前で待っていた黒い紳士に

「これでいいだろ」

と言った。黒い紳士は

「ええ、これで大丈夫です。おや、5時になりました、これで運命は変わるでしょう。人の一生は、閃光のように一瞬で儚い、悔いが残らないように生きなさい。では、また運命が交差する時にお会いしましょう」

と言って光にとける様に消えていった。

 

これで死の運命を背負いし少女の物語は終わった。終わりは始まり、また別の運命を変えるため彼は努力することになるだろう。なぜならば彼は運命を変えし者なのだから……。

 


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