果たしてどのチームが勝利を手にするのか?
そして、第一章は無事にこの話で完結するのか...!!
更新が遅れ、すみませんでした...
B級ランク戦『人見隊VS柿崎隊VS那須隊』②、スタート!!
第十二話
★瑠璃川渚 side
那須さんと熊谷さん。
私の目の前には今、この二人がいる。
さっきまで追いかけていたはずの天ちゃんには逃げられてしまった。まあ、個性を使われたし仕方ないと思うけど。
その天ちゃんと、ユウくんが見当たらない。ソウくんの援護に向かったのだろうか。
確認してもいいけど、今の状況で眼を使えるほど私に余裕はない。
それよりも、まずはこの二人を倒す必要がある!
「アステロイド + アステロイド = ギムレット!!」
早めに攻撃を仕掛ける。
熊谷さんが盾となり、後ろの那須さんから弾撃が。
シールドでガードするも、那須さんが撃ったのはバイパーで、前後左右から撃ち込まれ、少し削られる。
一回射線をきって落ち着くため、建物の陰に隠れる。
そこから、バイパーを放った。
* * * * * * * *
★那須玲
瑠璃川さんが一回建物の陰に隠れた。
攻撃もできるが、できるだけ外すのは避けたい。
正確な位置を知る必要がある。
そこで、相手が攻撃してきたらそこにくまちゃんが突っ込み、正確な位置を割り出すことに。
「っ!!来たね。」
「よろしくね。私もできるだけ早く援護するから。」
「小夜子ちゃん。瑠璃川さんの位置は?」
その時、私は警戒を怠っていた。
普通に考えて、攻撃が一度だけなんておかしいはずなのに。
私の頭上から迫る弾に、私は、あてられるまで気付けなかった。
「っ!!」
まずい。このままではベイルアウトしてしまう。
そう思い、最後の力を振り絞って、小夜子ちゃんの情報をもとにして。
「バイパー + メテオラ = トマホーク!!!」
そして、それを撃ったのとほぼ同時に、私はベイルアウトした。
* * * * * * * *
★熊谷夕子 side
私は、瑠璃川との距離を一気に詰め、近接戦に持ち込んだ。
瑠璃川は万能手。当然攻撃手用トリガーを持っている。
でも、弧月の扱いでなら、負ける気はしない!
戦いの最中に、玲がベイルアウトしていった。
それと同時に玲が放ったと思われるトマホークが瑠璃川を正確にとらえる。
ここぞとばかりに攻め込もうとしたその時。
「っ!!」
突然、天珠ちゃんがどこからともなく現れ、私に剣を振るってきた。
それを、とっさの判断で守り、素早く振りかぶって天珠ちゃんを斬った。
天珠ちゃんはスコーピオンで対応したけど、耐久力のないスコーピオン、そして、パワーの差でその守りをあえなく破り、天珠ちゃんを倒した。
この間、玲のトマホークによって手負いを受けた瑠璃川は、私から距離を取り、中距離戦に持ち込もうという構えを見せていた。
そうはさせまいと距離を詰めたその瞬間。
私たちはどこからか撃たれたトマホークにより。
二人とも、ベイルアウトすることになってしまった。
* * * * * * * *
★源優星 side
「よっしゃあ!!やったぜ!!」
俺は二人を倒したことに雄たけびをあげていた。
俺がトマホークを撃てた訳。
それはいたってシンプル。
俺が、那須さんのすぐ近くにいて、彼女がトマホークを撃つところを見ていたからだ。
それができた理由もいたってシンプル。
俺は、オプショントリガーである『カメレオン』をトリガーにセットしていた。
天珠が俺に持ってきてくれた案。
『ナギちゃんと那須さんたちを戦わせてトマホークを撃つところを見る』
俺は、早い段階で那須さんと遭遇してしまい、身を消す暇などなかった。
しかも不幸なことに、その時にトマホークを拝むことはできていなかった。
しかし、天珠がナギちゃんを俺たちのいたところへと誘導してくれたおかげで、『カメレオン』を使う状況を作ることができた。
そもそも、俺がこの『カメレオン』をセットしたのはいろんな人の技を、自分の姿を消して見て、模倣するためだった。
こんな自分勝手なことをしているのが操志くんや天珠に伝わっては嫌だと思ったから、教えなかったのに、まさかマリーちゃんがばらすとは。
まあでも、おかげでトマホークも使えたし、良かったってことで。
操志くんがまだ戦ってるみたいだけど、俺の出る幕ではないだろう。
そう思い、援護にはいかず、生存点をもらうことにして、俺はそこで、疲れを取る意味も含めて地べたに寝転がった。
* * * * * * * *
★人見操志 side
さて、どうしたもんかな...。
第一に、絶対に『洗脳』は使いたくない。
二対一は...かなりやりにくいだろう。
まあ、とりあえず、耐えまくって時間切れが妥当かな。
やっぱり、二対一はかなりきつかった。
近接戦は、自分にも一応弧月があるからいいものの、柿崎さんと照屋さんは銃手用トリガーもあり、それが二方向から撃ち込まれれば、守るほかに手段がない。
シールドも、無限にできるわけではない。
少し考えた俺は、一つの案を思いついた。
これなら使うことにはなるが許容範囲内ということにして、それを実行する。
照屋さんと目を合わせる。
「(瑠璃川渚の援護に行け。)」
そう指示して、柿崎さんに向き直る。
直後。おそらく内部通信しているのだろう。
柿崎さんの顔が困惑する。
しかし結局、有無を言わさず照屋さんは渚ちゃんの援護へと向かった。
よし。これでひとまず一対一になった。
あとは、『洗脳』してしまわないように気を付けながら、柿崎さんと戦おう。
* * * * * * * *
★柿崎国治 side
困惑。
いきなり、照屋が瑠璃川の援護に向かうと言い出し、俺の意見も聞かずに向かってしまった。
もう少しで人見を倒せそうだったのに、このタイミングでいきなりどうしたんだろうか。
まあ、それは後で尋ねるとして、とにかく人見を倒さなければならない。
柿崎隊隊長として、負けられない!
人見は弧月を抜き、攻撃手の間合いを探る。
対して俺は、
人見には弧月のオプショントリガー『旋空』もあるので、その斬撃にも注意する。
人見の『旋空』。俺はそれをシールドで対応。
もう一度斬撃が来る。シールドを固め、突撃銃で攻撃する。
一対一は、拮抗した戦いになっていた。
「(このまま続けば、時間切れになりそうだな...。)」
そう思っていたのだが。
人見が突然、下に飛び降りた。
慌てて俺もそれを追いかける。
しかし、そこで待っていたのは。
手にライトニングを持った人見だった。
まずい!とシールドを張った俺。
狙撃銃で最も弾速が早いライトニングにシールドは通用せず、俺の右腕が吹っ飛ぶ。
地面に降り立ったが、手負いの俺。
「(こうなったら相打ち覚悟だな...)」
そう思い、最後の力を振り絞る。
「(最後は弧月で終わらせようとするはず...その時に突撃銃をぶっ放せば...。)」
俺は、手に弧月を持ち替えた。
予想通り、距離を詰めてくる人見。
俺の方からも距離を詰める。
同時に剣を振った二人...と思われたが、俺はすぐに突撃銃に持ち替えて最期の攻撃。
そこで俺はベイルアウトした。
その後まもなく人見もベイルアウトしたと知り、安堵した俺だった。
* * * * * * * *
★照屋文香 side
おかしい。
私は、柿崎さんと戦っていたのに、どうして突然、渚の援護に来たのだろう。
さっきまでは、普通に戦っていたはずなのに。
謎は解決しないまま、渚が戦っていたところ付近に来た。
私がここに来るまでに、ベイルアウトした人が二人いる。
誰が残っているのか整理していた時、新たに二人、ほぼ同時にベイルアウトしていった。
急いでそこに駆けつけると、ただ一人残っていたのは...源くんだった。
「(嘘...!渚、やられたの...?)」
源くんは、勝った喜びを踏みしめているようだった。
突然彼は、地べたに寝転がった。
「(...!?これって...チャンス...だよね...。)」
冷静に源くんを倒す。
「・・・。」
いや、え?どうなってるの?
柿崎さんと人見さんが倒れたことで、残ったのは私一人になり、ランク戦は終わった。
「お疲れ~、文香。」
「うん。・・渚は、本当に源くんにやられたの?」
「多分、そうだと思うよ。」
釈然としないなあ。
「そうだ、照屋。なんで突然、瑠璃川の援護に行くなんて言い出したんだ?」
「・・それが、私にもわからないんです。」
「?分からないって、どういうことだよ。」
「その...何というか突然、そういう気持ちになって...操られてる感覚でした。」
私の言葉に、はっとする渚。
「渚?何か知ってるの?」
少しの沈黙の後、渚が言ったこと。
柿崎隊のメンバーは、耳を少し疑った。
『人見くんの″個性″で、そういうふうに指示された。』
その言葉の真実性を確かめるため、私たちは人見くんから直接話を聞くことにした。
* * * * * * * *
★日浦茜 side
私たち那須隊は、今回のランク戦で最下位。獲得ポイントも少なかったから、順位は下がってしまった。
「ごめんなさいっ!私が早々と負けちゃったせいで二人にも迷惑かけちゃって...。」
ランク戦の反省中、私は最初にそう言った。
「茜は今回、二人の攻撃手の近くに転送されてたんだし、運が悪かったんだよ。」
「そうそう。私たち二人も、結局一点しか取れなかったし、今回の負けも皆の責任よ。」
二人の先輩に慰められる私。
情けない。
そして話題は相手チームの人に。
「今回はさ、源にやられた気がするな~。」
「そうね。まさか、あんなに強いなんて思ってなくて、倒せなかったもんね。」
「最後もさ、どこからか現れてトマホーク撃ってきたじゃん?ホント、何者?って感じだよね。」
「そうですよね!私も見てて、何か強くない?って思いました!」
「・・・。そのことなんだけどね。」
ここで、とある推測を話した那須先輩。
『源くんには、何か特殊な能力が秘められている』
その内容は、本当にありえないようなことなのに、妙に説得力があった。
だから、直接本人に聞こうということになって、その翌日。
実際に話を聞いた私たちは、あ然としてしまった。
だって、″個性″なんて、夢の世界の話って思ってたんだから!
そんな、まさか、本当にいるなんて思ってもいなかった。
* * * * * * * *
★人見操志 side
無事にランク戦も終わり、俺たちの結果は二位ということになった。
優星がやられてなければ一位だったのに...。
でもまあ、今回も優星が一番点を取ったし、何よりもトマホークができたらしいし。
チャラということにしておこう。
かくいう俺は今、渚ちゃんと一緒に柿崎隊の作戦室へと向かっている。
突然、話がしたいと言われ、呼び出された。
何となく、話の内容は予想できる。
僕はランク戦で、照屋さんを『洗脳』して、渚ちゃんがいる方へ向かわせた。
今日の話は、そのことに関してだろう。
能力のことを話すのはあまり好ましくないが、使った以上、説明する必要はあると思う。
柿崎隊の作戦室についた。
「柿崎さん、ソウく...、人見くん連れてきました~。」
「失礼します。」
「おう、来たか。瑠璃川、あだ名が呼びやすいならそっちでいいぞ。」
「っ!大丈夫です!」
「ハハッ、そうか。んじゃあ、人見、そこら辺に腰かけてくれ。」
そう言いながら、中央あたりのソファーを指さす。
今、この部屋には、他に照屋さんがいて、巴とオペレーターの人はいないようだ。
さて、とさっそく話を始める柿崎さん。
「今日、呼んだ意味は...分かるか?」
「まあ、大体はわかってるつもりです。」
「じゃあ、率直に聞こう。人見、お前はこの間の試合で、なにをしたんだ?」
嘘をつく必要もないと思い、ありのままを話すことにする。
僕が、『洗脳』という″個性″を持っていること。
その使い方やどれくらいの効果があるのかなど。
また、個人的にはこの能力を極力使いたくはないということ。
自分自身の愚痴も含めて、聞いてもらった。
「・・なるほど、分かった。」
僕が話し終わると、そう言う柿崎さん。
「一つ、いいか?」
「何ですか?」
「お前はこの″個性″のことを、『呪縛』と表現したな。」
そうだ。僕にとってみれば、この能力は僕を縛り付けている呪いのようだと思う。
「今後、どうしても使わなければならない状況が来たら、お前は使うのか?その、『呪縛』を。」
「・・・。それは、場合によると思います。」
少し悩んだ後、そう答える。
柿崎さんは、何か言いたそうな顔だ。
しかし、表情をいつものに戻すと、
「俺たち柿崎隊は、今回の試合で『洗脳』を使われたことに関して、感謝してるんだ。」
と、突然わけのわからないことを言い出した。
「お前の指示のおかげで、照屋が源の隙をついて倒せたからな。そのおかげで、一位をとれた。」
「って、こんなことを言いたいんじゃなくて。いいか、人見。ランク戦は、『戦い』なんだ。つまらない情けは、かけたところでだれも幸せにはならない。」
「・・・。」
「でも、『洗脳』を使ったということは、少なからず本気で戦っていたという証明にもなるんだ。」
「!!」
「だから、俺たちはありがたかった、と思ってる。そしてこれからも、そういう『本気の戦い』がしたい。」
「身勝手かもしれないが、俺たちの意見はこれだ。・・どう思った?」
言葉を探す。
まさか、『使ってくれてむしろうれしい』なんて言われると思ってなくて、びっくりした。
僕は、『洗脳』なんてセコすぎる、とか言われたくなくて、使わないようにしていた。
でもそれは同時に、全力を出されていなくて満足できない、ということにもつながるんだ。
「僕は...怖かったんです。『洗脳』を使ったら、周りから人がどんどん離れていくんじゃないかって。」
「そんなふうに言ってくれるなんて...思ってなかったので...。」
「・・人見。俺は能力を持ってないが、憧れはもちろんある。」
「なにか特別なものを持つ奴に、目が集まるのは、しかたないんじゃないのか?」
「って、偉そうなこと言いすぎだな、俺。・・とにかく、自分の持ってる力を全部出す方が、皆幸せになるとは思わないか?」
柿崎さんの言葉一つ一つに強い思いを感じる。
僕のことをしっかりと考えてくれているんだと思い、嬉しくなる。
「人見のその能力がすごく大事になる時が、絶対にあるはずだ。その時は、人見にしかないその『呪縛』で、皆を救うヒーローになるんだ。」
・・・。皆を救うヒーローか。
そんな日が、いつか来るのだろうか。
僕の″個性″は、『洗脳』。
相手と目を合わせるだけで、自分の思うように操ることができる。
こんなもの、絶対にいらないって思ってたけど。
″個性″なんて、ただの『呪縛』だって思ってたけど。
僕はこの『呪縛』を、皆が傷つかないように、そして、大切な人を守るために使っていきたい。
第一章、完結!!
いかがでしたか?楽しんでいただけたでしょうか?
上手く、各キャラ描けていたでしょうか?
そして、気付いた時には文字数が6000近くなっていました。
各話、3000文字くらいでまとめる感じだったのに、結局多くなるという...。
次の投稿内容は、BBF参照の能力値等の公開になります。
その後は、第二章へと突入していきます。
ちなみに、対アフトクラトル編の予定です。
今後とも、お付き合いのほど、よろしくお願いします!!
読んでいただき、ありがとうございました!!