第二話
初めは、ちょっとした憧れだった。
僕を助けてくれた人。僕と少女をネイバーから守ってくれた人。
あの日、僕と少女は今も名前の分からないボーダーの人に助けてもらった。
その人は僕に、『男なんだからもっとシャキッとしてろ。』と言った。
格好良かった。
そして、その瞬間、僕は心に決めた。
『ボーダーに入ってこの人のようになる!』と。
しかし、僕は父と母を亡くした。涙を枯らすほど泣いた。
ただ、僕はボーダーに入って強くなるために頑張ろうと思えた。
中学校までは体をつくりたかった。僕は背は低くないものの、体が細かった。
筋トレや体幹トレーニングで体をきたえ、ご飯もたくさん食べるようにした。
高校生になり、仮入隊の日。
前日からワクワクしていた僕は、あの日助けてくれた人がいないか探していた。
結局見つけられなかったけど、ボーダーには強い人がたくさんいた。
その人たちを見て、よりボーダー隊員になりたい気持ちが強くなった。
そして、現在、僕はボーダーの正式隊員となった。
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今日は月曜日。高校生の僕は、普通に学校に行く。
厳しい父の教えで、僕は小学生の頃から勉強をかなりさせられ、ニュースも毎日見ていた。その結果、僕は勉強は苦手ではない。むしろ得意なほうだ。
まぁ、あまり好きではないのだけど。
いつも通り登校する。が、何やら視線を感じる。
何だろうと思いながら、教室に入る。と、
「おい、聞いたぞ!人見!お前、ボーダー隊員になったんだってな。」
「そんなこと俺たち知らなかったからよ、初めて聞いたときびっくりしちゃって。」
「ボーダー隊員になるんなら、教えてくれてればよかったのに。お祝いするのにさ。」
「え!?」
矢継ぎ早に声をかけられ、驚く。情報がまわるの、早すぎやしないか??
そんな、誰かに言って自慢したわけでもないのに。
とりあえず、自分の席へ行く。
途端に周りを囲まれる。
「なぁ!何で教えてくれなかったんだよ~!」
「そうだよ、同じクラスにボーダー隊員候補がいるなんて思ってなかったぜ!」
「いや、そんな、自分の口から言うことでもないし...。だって僕、目立たない方だから...。」
「そんな、目立たないやつがボーダー隊員になれるかよ!w」
「実際、人見、運動神経良いよな。なんか球技やってたの?」
「いや、球技はやってなかったよ。運動神経も僕よりいい人はいっぱいいるでしょ...。」
「なんでもそつなくこなす感じだよな~人見は。」
「そうそう。勉強もできるしさ。」
「ところでさ、ボーダーの試験ってどういうことするんだ?興味あるんだけど。」
「えっ、それは...。」
あまりに相手が多く、困ってしまう。あぁ~、予鈴鳴らないかなぁ~。
それからも、一躍クラスの人気者となった僕は、質問攻めにあう。
休み時間から昼休み、そして、放課後まで。
噂を聞きつけた他クラスの人たちまで来て、それはそれは大変だった。
「じゃあな!操志!また明日!」
「うん。また明日。」
やっと帰れるのか。時計は6時25分。今日は本部に行って4000ポイントに到達させようと思っていたのに。計画が狂ってしまった。
この感じは、今日の様子を見る限り、もう少し続きそうだ。
当分、本部にはいけなさそうだな...。残念。
帰りながら、周りのリアクションについて考える。
あまりにも急変していた。あまりにも。
あげく、早速下の名前で呼ぶ人もいた。これについては、驚きを隠せない。
そんなに親しかったわけでもないのに、ここまであからさまに変わられると、むしろ清々しいと感心してしまう。
別に、人と仲良くすることが嫌いとかではないのだが...。
釈然としないまま、僕は家に着いた。
まぁ、のんびりいこう。気にしすぎてもしょうがないしな。
翌日。
思っていたとおり、周りの熱は冷めなかった。
話しかけてくれるのは、なんだかんだ嬉しいことではある。なのだが、彼らの中には面倒くさいお願いをしてくる者までいた。
それは、トリガーを見せてほしい、とか、『トリガーオン』してほしい、とかいうものだ。
言い方は悪いが、一般人にトリガーを見せるわけにはいかない。
また、『トリガーオン』も、そんな気軽にやっていいものではない。
だから断るのだが、そうすると今度は、『本当はボーダー隊員じゃないのではないか』ということを言ってくる人もいる。
さらに、ほかにも厄介なものがあった。それは...嫉妬の視線である。
それから僕は、一つの方法を発見した。
僕によってくる人には、『あまり話したくないからやめてくれ』という目を向けた。
嫉妬を浴びせてくる人には、「羨ましいならもっと頑張れ。それと、あまりこっち見るな。」という思いを込めてその人を見るようにした。
すると自然と、僕を特異的な目で見てくる人はだんだんと減っていった。
『目は口ほどにものを言う』という言葉があるが、それはどうやら本当のようだ。
そして、金曜日。
少しうんざりしたような心もちで学校へと向かう。
通学路には、最近見かけていた男子の三人組が見当たらない。今日は遅いのだろうか。何はともあれ、ラッキーだ。
教室へと入る。
いつも話しかけてくるメンバーが集まって何やら話をしていたらしく、なんだか少しそわそわしているように思う。
ここでも僕は話しかけられることはなかった。
今、僕は本部へと向かっている。
朝以降も、話しかけられることはほぼ無く、結果として、ボーダー本部に行く時間ができた。
皆はもう飽きたのだろうか。
とりあえず、今日は、時間を食われなかったことが何よりもうれしい。
とはいえ、自分の心に嘘はつけないようで、気になっているのはクラスメートのことばかり。
何かしたか?
話しかけるなオーラを出したからか?
それでも気にせず話しかけてきていたから、ほかに何か理由が?
「ああ、だめだ。わかんねえ...。」
これはもう、思いっきり戦ってスッキリするしかない。そう思って、本部に足を踏み入れた。
周りの様子が何やらおかしい?
僕が仮想訓練施設に来てから、明らかにざわついているように思える。
まぁ、気のせいだと思うことにし、対戦相手を選ぶ。
しかし...
どうしてだ?
僕の対戦の申しこみは、ことごとくキャンセルされていた。
前回勝ちっぱなしだったことが原因なのだろうか。
それでも、それが皆に伝わるなんてことがあるのか?
とにかく、このままここにいても居心地が悪い。今日は諦めて帰るか。
そう考えた僕が、施設から出ようとしたその時。
「っっ!!!!!」 「わぁぁ!!!!!」
突然入ってきた人とぶつかりそうになる。
その子は、小さかった。女子だったのだが、自分の胸と同じくらいの高さの身長だった。
「ごめん。大丈夫だった?」と声をかけると、
その子は、僕の方を見て、いきなり尋ねてきた。
「もしかして、あなたが噂の人見さんですか?」
はい?噂の?どういうことですか?と聞きたくなった衝動をこらえ、ひとまず首を縦に振る。
それを見た少女の顔が輝く。
「そうでしたか!あ、いきなりすみません。私、堺田天珠っていいます。初めてあなたの噂を聞いた時からあなたに興味があって、是非一度お会いしたいなって思ってたんですよ!」
そこまで一気にまくしたてられる。
「僕の、噂?」
「はい!そうです!ってこんなお話してる場合じゃなかった!ということで、今から少し戦いませんか?」
「え?君も隊員なの?」
「失敬な!ちゃんと隊服着てるじゃないですか!」
「それよりも、戦う?僕と君が?」
「はい!ってことで、行きましょう、はやく!」
「う、うん。」
いきなりの個人戦のお誘い。しかも、こんな小さい女の子から。噂がどうとか言ってたし...。
「ほら、はやく~!人見さ~ん!」
向こうから手を振って呼んでいる。
まぁ、ここは、ひとまず戦うか。詳しい話はそれからだな。
そうして、僕はブースへと入ったのだった。
「(堺田天珠ちゃんか...。なんか、どっかで見た気するんだけど...気のせいかな。)」
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はい!ということで第二話でした!いかがでしたか?
設定上の話ですが、大規模侵攻の時期は、操志が中一の、冬頃です。
え~、あと、新キャラ堺田天珠(さかいだてんじゅ)は、操志の一つ下です!
詳しいプロフィール等は、後ほどということでご了承いただければと思います。
感想のほう、どんなものでもいいのでお待ちしています!
では、ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回:あなたってもしかして...!!!
お楽しみに~笑