″個性″という『呪縛』   作:kwhr2069

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序章ーvol.4

第四話

 

 これは、昔の話。

 

 

 僕がまだ小学校に入る前。

 

 家が近くて、よく一緒に遊んでいた同学年の女の子と、一つ下の女の子、男の子がいた。

 

 僕らはそれぞれ、ソウくん、ナギちゃん、天ちゃん、ユウくんと呼び合っていた。

 

 僕たち四人は、家の近くの公園でよく遊んでいた。

 遊具遊び、鬼ごっこ、かけっこ等。とにかく楽しかった。

 

 

 ある日、一つ下の男の子、ユウくんが引っ越していった。

 理由は、父親の転勤とかだったと思う。

 

 ユウくんは、引っ越すことを僕たちに言わなかった。

 

 僕はそれを、引っ越す当日に知った。

 

 家の前にある二台のトラック。そこに荷物を入れている人たち。

 

 

 信じられなかった。

 

 引っ越すことがではない。

 

 

 

 何も言ってこなかったことが、だ。

 

 

 でもまだ幼かった僕は、問い詰めるなんてことはできず、ただただ黙って引っ越していくのを見送った。

 

 

 そこから、僕たち四人で一緒に遊ぶ機会はもちろん減ってしまった。

 

 小学生になり、二年生になった初日。

 

 

 同級生の女の子、ナギちゃんが春休み中に引っ越していたことを知った。

 

 

 

 僕は、友達というものが信じられなくなった。

 

 

 そんな時、唯一近くに残った小学生になったばかりの天ちゃんが僕を助けてくれた。

 

 僕を慕ってくれたその女の子は、僕にとってのヒーローみたいなものだったように思う。

 

 

 小三の冬。

 

 

 今度は、僕が引っ越すことになった。

 

 

 いざ伝える番になって分かった、別れを告げる側のつらさ。

 

 僕は、何も言わずに去っていったあの二人の気持ちがようやく分かった。

 

 

 結局、伝えられずに迎えた引越しの前日。

 

 

 天ちゃんに、『明日、遊ぼうね!』と言われた。

 

 

 

 引っ越しのことなんて、言えるはずがなかった。

 

 

 そして、引っ越し当日。

 

 何かを察したのか、朝早くから女の子が家に来た。

 

 伝えるしかなかった。

 

 今日引っ越すことになった、と。

 

 

 

 女の子は泣いていた。僕が泣かせてしまった。

 

 

 

 結局、あの三人は今どうしてるか、なんて僕は知らない。

 

 しかも、あだ名で呼び合っていたから本名も分からない。

 

 

 もし会えるのならば、一度だけでもいいから、またあの頃のように四人で仲良く遊びたいと思う。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 僕は、ただただ驚いていた。

 

 まさか、天珠ちゃんが、あの『天ちゃん』だったなんて。

 

 今さら発覚するなんて、気づくのが遅すぎたなと思う。

 

 

 しかも、こんなところでナギちゃんに会うなんて...。

 

 

 僕ら三人は店を出て、思い出話、皆と離れた後どうしていたかという話をしている。

 

 

 その中で驚くべきことを聞いた。

 

 

 なんと、ナギちゃんもボーダー隊員らしい。

 

 しかも、B級13位、柿崎隊のメンバーだそうだ。

 

 

 そして、ナギちゃんは自身の話を始めた。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 私が引っ越したのは、両親の離婚が原因だった。

 

 私は、お母さんの方についていって、それからは毎日、普通に過ごしていた。

 

 

 私が中学生になって少し経った頃のある日、ボーダー隊員の人が、広報とかでこっちの街に来た。

 

 格好良かった。憧れた。

 

 私と同じくらいの年齢なのに、私の何倍もちゃんとしてて、すごく大人だった。

 

 

 それで、私はボーダーに入ろうと思った。

 

 親には反対された。

 

 でも、私の決意は揺るがなかった。

 

 何とか説得して、独り暮らしを始めて、ボーダーに入った。

 

 

 私がまだC級隊員だった頃、学校にトリオン兵があらわれた。

 

 もうだめかもって思った時、最初に助けに来てくれた人が、柿崎さんだった。

 

 その時、柿崎隊に入ることを決めた。

 

 正隊員になって、何とかお願いして入れてもらったのは私が中三になったばかりの頃。

 

 

 これが、私のこれまでの話。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 僕たちは黙って話を聞いていた。

 

 ボーダー隊員になるために、独りでこっちに来る。

 

 相当な覚悟が必要だったはずだ。

 

 聞き終えた僕たちは感心するばかり。

 

 

 ただ、一つ気になることが...。

 

「ナギちゃんはさ、攻撃手?それとも狙撃手?はたまた銃手?」

 

 それだ。全く同じことを考えていたのか、僕と天ちゃんは。

 

 

「・・・万能手だよ。」

 

 

 少しの間の後、そう答えるナギちゃん。

 

 

「「え~!!万能手!!??」」

 

「いや、そういう反応はやめてよ~。全然弱いんだし...。」

 

 

 謙遜するナギちゃん。

 

 万能手は弱いっていうようなポジションじゃないでしょ!、と突っ込みたくなる。

 

 

 ナギちゃんにもっと詳しい事情を聞こうとした、その刹那。

 

 

 

 何かの気配を感じた。すると、

 

「ぎゃ~~!!!!」

 

 

 少し遠くから、叫び声が聞こえた。

 

 

「何だろう?」

 と、天ちゃん。

 

「分からないけど、とりあえず行ってみよう!」

 と言い、走り出そうとしたその時。

 

 

「待って!少し遠いし、トリオン兵だと思うから、トリガーオンしてから行った方がいいかも!」

 と言ったのは、ナギちゃんだ。

 

 

 すると、

 

 

『●●町に、トリオン兵が出現しました。』

 という連絡が入った。

 

 

 ナギちゃんが、なんで分かったのかは分かんないけど、今はとにかく、

 

「「「トリガーオン!!!」」」

 

 

 出現したのはバムスターで、少なかったから、三人でやっつけられそうだった。

 

 が、しかし、中学生くらいの男女二人組がいた。

 

「まずは、あの二人を助けないとな。僕が行ってくるから、その間、よろしくね!」

 二人に声をかける。

 

「「了解!!」」

 

 なんと頼もしいことだろうか。

 

 

 二人を安全なところへ連れていき、その後、無事に撃破。

 

 

「お疲れ。二人のおかげで、中学生二人の保護?に専念できたよ。」

 

 

 さっきの戦いを軽く振り返っていると、

 

 

「あの、ボーダーの人ですよね?」

 

 声をかけられた。

 

 見ると、さっきの中学生二人だ。

 

「助けてくれてありがとうございました!あの、格好良かったです!」

 と、女の子。

 

「俺、ボーダー隊員目指してるんですよ!」

 と、男の方が言った。

 

 

 感謝されると、こちらとしても嬉しい。

 

 

 男の方、見覚えある気がするけど、気のせいだよな...。

 

 

「え?もしかして、ユウくん?」

 

 聞き覚えのある呼び名を口にしたのは、天ちゃんだった。

 

 

「うん...?って、え?まさか、天ちゃん、ナギちゃん、ソウくん?」

 

 

 まさかの再会だった。

 

 

 このタイミングで、ユウくんにも会うとは。

 

 

 僕は、運命なんてあるはずないって思ってたけど、もしかしたら本当はあるのかもとか思ってしまう。

 

 

 それにしても、幼き頃の四人でまたこうやってそろうなんて...。

 

 正直、嬉しすぎる。

 

 奇跡だと思う。

 

 

 また、いつか、四人で―――。

 

 

 そんな期待を胸に、僕は眠りについた。




ひとまずこれで、序章は終わりとなりました。

主要キャラは全員出してから本編?の方に行きたいと思っていたので、こういう形になりました。

自分の目から見ても、展開のこじつけ感がすごいような気がするのですが...。
そこは...大目に見てください。

さて、次話からは第一章です。

これからどうなっていくのか...楽しみに待っていただけると幸いです!

あと、第一章最初は、番外編として、登場人物のプロフィールを書いておこうと思います。


ただ、BBF参照のトリガーセット、パラメーターについては、諸般の都合上、第一章が終わってからになってしまいます。
そこはご了承ください。

後書きが長くなってしまいました。

読んでくださってありがとうございました!
感想、待ってます!

P.S.原作キャラ登場第一号は誰なのか...それは誰にもわからない...
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