スサノオは我が家に一晩泊まった。
昨日の夜は、私と村との関係や今までどんな風に暮らしてきたかを話した。スサノオは、此処まで来た経緯を話してくれた。
スサノオは空の雲より上の方から来たと言っていた。
◇
目が覚めた。
欠伸を一つして、起き上がった。立ち上がって、寝床を簡単に整えておく。
とくに寝間着とかは無いので、そのまま洞窟を出て近くの川に顔を洗いに向かった。
眠い目を擦りながら、川に向かっていると後ろから声を掛けられた。
「体験したことのない事が出来て良かったぞ」
体験?
何のことだろうか。
「?」
「ああ、気にしないでくれ。コッチの勝手な感想を言っただけだ」
気にしなくていいならいいや。
「…うん」
私がそれとなく返事をしてもその返答は返ってこなかった。
いつの間にかスサノオは、川の中に足を突っ込んで立っていた。
と、突然素早く動くと、右手に魚を鷲掴みにしていた。
「さてと、朝飯が出来たぞ!」
どうやら、頼んでないのに朝飯を捕まえてくれたらしい。
◇
洞窟に帰ってきて火を出して、魚を適当な棒に刺して焼いといた。
火は狐火で出したが、スサノオはそのことにさえ驚いていた。
魚は美味しかった。
◇
その日は、スサノオと村を回った。
村の人達はスサノオに怯えていたけど、私が説明して私と一緒に行動することを伝えると、安心したのか話しかけてくるようになった。
スサノオは私が神に成った事を説明していた。
村の人達は何故か納得した顔をして聞いていた。
その後の事は知らないけど、村の人達とスサノオは話し合っていたみたいで、私の神社を建てる準備を勝手にしていた。
次の日、また村に来たら何かを建築中で近くに居た人に聞いたら、私の神社なのだと言ったのだ。
その事をスサノオに聞いたら、「ん?ああ、お前に話すのを忘れておったな」と謝りもせず答えたので。
まあ、怒る事でも無いのでそのまま私の神社は建てられた。
◇
私の神社は『
これは私の名前が元になっている。
神社を建てたおかげか、神力が前より増していた。
その増えた神力の使い方・使い道をスサノオに教えてもらった。
能力の使い方は「自分で調べろ」と言われてしまった。まあ、それは私が持ってる能力だから、スサノオには分からない事なのだろ。
村に妖怪から守る為の結界を張った。
これで村の人達も安心できるだろう。
◆
私の能力についてよく考えていた。
片方の能力『ありとあらゆる理を操る程度の能力』については、なんとなくだけど分かってきた。
もう一つの『自然を司る能力』は、その名の通り自然を操る事が出来た。
植物の生長を早めたり、雨を降らす事も雷を落とす事も、逆に日を照らし続けることも出来る。
また、人類が『自然は永遠にあるモノ』という信念を無意識に抱いているため、私は死ぬことはない。だから私が死なない限り自然は滅びない、逆も然り。
死なないという事は嬉しいが、周りの人達が去って行ってしまうのは悲しい。
◆◇◆◇◆
あれから3000年くらい経った。正しくは違うと思うけど…。
そこから考えると私の歳は4000を超えた事になる。
歳をとるにつれて、私は
気付いたのはつい1000年前で、いつの間に使っていた。
でも最近はそういった力を使うことが少なくなってきている。
理由は村の人達が年々減ってきているからだ。
減っている原因は、少し遠いが巨大な都市ができたから。
そこは暮らしやすく、妖怪すら恐れる頑丈な壁で守られている。
私の村よりは安心できるのだろう。それもそれで何か悲しくなるが、しかたないのかもしれない。
最近、妖怪たちが活発に活動している。
そのことで怯える人間が多いのだ。
此処の村の人達が全員移ったら、私も此処の土地を離れようかと考えている。
行く場所は勿論、その都市だ。その都市にはスサノオが住んでいるらしい。
◆◇◆
この村にはもう人間は居ない。皆、此処を離れてしまった。
残っているモノと言えば誰も居ない住居や使われなくなった畑、それに私の社。
何だか胸の奥がキュッとして、涙が出てきた。
長年住んでいた土地を離れるのは寂しい。
私の神社は、あの都市に新しく建てられている。
村の人達が造ってくれたのだ。此処から離れたくないけど、行かないといけない。
「……そろそろ、出ないと日が暮れてしまう。明日は