東方白狐録√B【準備中】   作:白狐さぐじ

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第四話 「過ぎ行く時間と風景」

 

 スサノオは我が家に一晩泊まった。

 昨日の夜は、私と村との関係や今までどんな風に暮らしてきたかを話した。スサノオは、此処まで来た経緯を話してくれた。

 スサノオは空の雲より上の方から来たと言っていた。

 

 

 目が覚めた。

 欠伸を一つして、起き上がった。立ち上がって、寝床を簡単に整えておく。

 とくに寝間着とかは無いので、そのまま洞窟を出て近くの川に顔を洗いに向かった。

 眠い目を擦りながら、川に向かっていると後ろから声を掛けられた。

「体験したことのない事が出来て良かったぞ」

 

 体験?

 何のことだろうか。

 

「?」

 

「ああ、気にしないでくれ。コッチの勝手な感想を言っただけだ」

 

 気にしなくていいならいいや。

 

「…うん」

 

 私がそれとなく返事をしてもその返答は返ってこなかった。

 いつの間にかスサノオは、川の中に足を突っ込んで立っていた。

と、突然素早く動くと、右手に魚を鷲掴みにしていた。

 

「さてと、朝飯が出来たぞ!」

 

 どうやら、頼んでないのに朝飯を捕まえてくれたらしい。

 

 

 

 洞窟に帰ってきて火を出して、魚を適当な棒に刺して焼いといた。

 火は狐火で出したが、スサノオはそのことにさえ驚いていた。

 魚は美味しかった。

 

 

 

 その日は、スサノオと村を回った。

 村の人達はスサノオに怯えていたけど、私が説明して私と一緒に行動することを伝えると、安心したのか話しかけてくるようになった。

 スサノオは私が神に成った事を説明していた。

 村の人達は何故か納得した顔をして聞いていた。

 その後の事は知らないけど、村の人達とスサノオは話し合っていたみたいで、私の神社を建てる準備を勝手にしていた。

 

 

 次の日、また村に来たら何かを建築中で近くに居た人に聞いたら、私の神社なのだと言ったのだ。

 その事をスサノオに聞いたら、「ん?ああ、お前に話すのを忘れておったな」と謝りもせず答えたので。

 まあ、怒る事でも無いのでそのまま私の神社は建てられた。

 

 

 私の神社は『御倉神社(みくらじんじゃ)』という名になった。

 これは私の名前が元になっている。

 神社を建てたおかげか、神力が前より増していた。

 その増えた神力の使い方・使い道をスサノオに教えてもらった。

 能力の使い方は「自分で調べろ」と言われてしまった。まあ、それは私が持ってる能力だから、スサノオには分からない事なのだろ。

 

 村に妖怪から守る為の結界を張った。

 これで村の人達も安心できるだろう。

 

 

 

 

 私の能力についてよく考えていた。

 片方の能力『ありとあらゆる理を操る程度の能力』については、なんとなくだけど分かってきた。

 もう一つの『自然を司る能力』は、その名の通り自然を操る事が出来た。

 植物の生長を早めたり、雨を降らす事も雷を落とす事も、逆に日を照らし続けることも出来る。

 また、人類が『自然は永遠にあるモノ』という信念を無意識に抱いているため、私は死ぬことはない。だから私が死なない限り自然は滅びない、逆も然り。

 死なないという事は嬉しいが、周りの人達が去って行ってしまうのは悲しい。

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 あれから3000年くらい経った。正しくは違うと思うけど…。

 そこから考えると私の歳は4000を超えた事になる。

 歳をとるにつれて、私は神通力(じんりきつう)なるものを使えるようになった。

 気付いたのはつい1000年前で、いつの間に使っていた。

 

 でも最近はそういった力を使うことが少なくなってきている。

 理由は村の人達が年々減ってきているからだ。

 減っている原因は、少し遠いが巨大な都市ができたから。

そこは暮らしやすく、妖怪すら恐れる頑丈な壁で守られている。

 私の村よりは安心できるのだろう。それもそれで何か悲しくなるが、しかたないのかもしれない。

 最近、妖怪たちが活発に活動している。

 そのことで怯える人間が多いのだ。

 

 此処の村の人達が全員移ったら、私も此処の土地を離れようかと考えている。

 行く場所は勿論、その都市だ。その都市にはスサノオが住んでいるらしい。

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 この村にはもう人間は居ない。皆、此処を離れてしまった。

 残っているモノと言えば誰も居ない住居や使われなくなった畑、それに私の社。

 何だか胸の奥がキュッとして、涙が出てきた。

 長年住んでいた土地を離れるのは寂しい。

 

 私の神社は、あの都市に新しく建てられている。

 村の人達が造ってくれたのだ。此処から離れたくないけど、行かないといけない。

 

「……そろそろ、出ないと日が暮れてしまう。明日は()()()()の偉い方々に会わないといけないし、それに皆が待ってるからね。ふふふ、私を育ててくれた此処の土地よ『ありがとう』」

 

 

 

 

 

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