サキュバスの少年。の次が出るかもわからないくらい不定期でw
とある不死の少年がいました。
その少年はサキュバスの末裔で、人からの愛を栄養として、生き続けていました。
少年は他に類を見ないほどの美貌を持ち、愛が絶やされることはありませんでした。
でも、少年は人を愛したことがありませんでした。
みな、自分の美貌に惹かれているだけだとわかっていたからです。
少年は、
こんな人生はもう終わりにしたい。早く死んで、次は普通の人間に生まれ変わりたい。
そんなことをずっと思っていました。
その時、ある少女に出会います。
その少女は闇夜の雪のように、黒く、冷たく、透き通るように白い。美しい少女でした。
少年は一目惚れをします。
その少女に、自分だけを見てほしいという気持ち一心で。
すぐ、二人は仲良くなり。とてもいい関係になりました。
少年が、「そろそろ告白してもいいのではないか?」と思うほどの仲までいった時、ある悩みがありました。
自分の正体を言わなければいけないという事実です。
少女と付き合った際、自分だけが歳を取らないままだと、不自然で、絶対に後で知られるからです。
でも不安で不安でしかたありません。
「自分が人間じゃないと知ったら少女はどう思うんだろう。嫌われるんじゃないのか」と
ただ、いつかしられること、それまで偽るよりは、最悪、ふられた方がマシだと自分に言い聞かせ、告白を誓います。
ついにその時がきて、少年は全てを少女に告げます。
自分はサキュバスの末裔あること。
ずっと人の愛をもらい続けていきてきたこと。
少女に出会うまでは、人生を終わらせたいと思っていたこと。
少女はそれをきき、涙を流しながら無言で、その場から立ち去ってゆきました。
その事を境に、少女は少年を避けるようになったばかりか、あることないことを付け加え、少年の秘密を周りに言いふらし始めたのです。
少年は悲しみました。
人間じゃないことは、そんなにも悪いことなのか。
そんなにも、忌み嫌われるものなのか、と。
少女が流した噂は世界中に広まり、少年は、誰からも好かれることが無くなりました。
そして少女が死んだ後、神からの助言を受け、サキュバスという悪魔から人類を守った聖女として、語り継がれることとなりました。
そのころ少年は、愛がもらえず、最初の頃とは似ても似つかぬほど愚かで汚らしい老人の姿になっていました。
少年は、自分の事を誰も愛してくれない、それどころか嫌われている。そんな世界がいやでいやで、ずっと、誰にも知られないところで、細々と、その生涯を終えたのです。
少年は最後まで悲しみ続けました。
少女が
「あの人を愛しているから、あの人の人生を終わらせてあげなければいけない。」
そう言っていたことも、知らずに。
解説
少女が少年を嫌った─フリをしていた─理由は
「このまま両方が望むとおりに、一緒になったとして、あの人が唯一愛した私が死んだ後、あの人は今まで以上の生き地獄を味わうことになる。だったら、その選択肢は本当に最善なのか」
という少女の疑問からです。
告白のすぐあとから態度が急変したのも愛情をなるべく見せない─心の傷が深くならない─うちに、なるべく早く突き放そう。というおもいからです。