「明日死ぬかのように生きよ。 永遠に生きるかのように学べ」
~マハトマ・ガンジー~
その日はピアーズに町を色々案内して貰い、これから住む家まで送ってもらった。いかにも南部と言った感じの、フレンチテイストな白い家だ。
聞くと彼は22だとか。
若くてハンサムな彼だが、乗っているネイビーブルーのフリーランダーも中々にカッコいい。やっぱりSUVにはごついパイプのフロントバンパーが栄えるよね。
「今日はとても楽しかったよ、本当にありがとう!」
「気にするなよ、『相棒』だろ?」
「それ気に入ったの?」
空港で会ったあたりは冗談めかしていたらしく、すぐ名前呼びになっていた。
しかし、途中で寄った射撃場で簡単なスリーガン(ショットガン、オートマチックライフル、ハンドガンの三種類を使った、普通の競技射撃よりも実践的な競技。9.11以降アメリカではかなりの人気を博している)コースをやってみせると目の色を変えていた。
特に銃の安全チェックがきちんとできていたり、体格に合った10ゲージ、M&P22やMarline Model60を使ったことが高評価だったようだ。
それ以降はまた『相棒』になっていた。
「かなりね!・・・いったい誰が十歳と大人のコンピがいるなんて想像するよ?」
「いないだろうねぇ~」
「まるでDCコミックスだ!ロビンだってもうちょっと年取ってるぜ!」
HAHAHAと大笑いするピアーズ。お前をバットマンというには、銃の扱いに長け過ぎな気がするけどねと僕は思った。
せっかくだし試しに撃ってもらったが、反動による跳ね上がりがほとんどなかった。
お遊びという事もあり、五メートルほど先のターゲットにAR15を撃ってもらったのだがセミオートを二秒で14発撃ち込みやがった。ターゲットには三インチ程度の穴しか開いていなかった・・・いったいどんな筋肉してやがるんだと聞くと、力で抑えてこんでいるうちは無理だよと言われた。
凄腕にも程があるだろう。
だいぶ落ち着いたが、まだクックッと笑うピアーズ。
彼的には僕の射撃に何か認めるところがあったようだ。そして俺を『相棒』と呼ぶことに、何かツボにハマるものがあったようだ。
頑張ってはいたし、特殊部隊員に少しは認められるところがあるというのは嬉しかったりするが・・・意味わかんねーよ。
「しかしわかっちゃいたけど・・・すげえ家だな・・・」
ひとしきり笑うと、車のウィンドウ越しに見える家を見つめながらピアーズは改めてそう言った。
それは僕も思っていた。
なんたって膝ほどに低いとはいえ石垣、それと板塀で囲まれ、立派な鉄格子の門まで据えてあるのだ!
なんだこれ、家は見た感じ三百坪強もあるし、敷地面積は合わせて八百坪くらいあるんじゃないか?
どんな富豪の家だよ。
日本なら巨大豪邸・・・と思いきや、もっと小さい家もあるが、この辺りの家はぽつぽつそんな感じだ。
向かいの家なんて門と屋根の上に、なんかガーゴイルがいるぞ?
なんなのあれ、動くの?不死教会なの?
日本にいたころに写真で見せられた頃から、なんだか映画のセットのようだなとは思っていたが、いざ目の前に新古典様式の真っ白な豪邸がドーンと構えているところを見ると、何とも言えない気持ちになる。
何といえばいいだろう?『風と共に去りぬ』で出てきたようなやつだ。
流石にあそこまで敷地はデカくないが、十分にデカすぎる。あの車庫何台止まってるんだ・・・?
二百坪近い芝生だが、他に何も植えないのだろうか?いや、瀟洒な雰囲気が大変お洒落ではあるが・・・。
アメリカは土地が広い、広いとは聞いていたけど・・・。
父は出張らしく家にはいないが、母はいるはずだ。ピアーズが送ってくれたので必要なくなったが、本来は空港からを迎えの人とハイヤー借りるはずだった。
その人は、仕事の無い日にハンディーマンという便利屋みたいな事もやっている人で、ミラーさん・・・とか言ったかな?うちでよく仕事を頼んでいるとか。
たぶんこちらに気が付いて近づいてきている、あの人がそうだろう。がっしりとした体格で、遠目に三十代くらいに見える。
便利屋なんてそんなもん雇うのか?と思うかもしれないが、アメリカはとにかく広い!
近所の電気屋がちょっと来て直してくれるというのとは、結構違うのだ。なので出来るだけ家周りの事は自分たちでする習慣があるらしいのだが、それも少し専門的になったり、DIYが不得意な人ややりたくない金持ちもいる。
ならば近場に住む、そういう技能を持った人に頼む方が早いし、安上がりなのだとか。
我が家の場合、母が一人でいる事も多く、電気系統の仕事を頼んでいるのだとか。
そうそう、仕事の関係もあり父と母は何度もこっちに来ていたが、僕がアメリカに来るのは初めてだ。
父は頻繁に出張に出かけ、たまに母が付いていく。そんな感じでここを利用していたらしい。いずれアメリカで住む期間があるのは決まっていたし、会社の拠点も必要だしで家を買ってしまったらしい。
パニックルームやサーバールーム掘る必要があったり、セキュリティーの関係があるとはいえ、借家じゃないとか・・・父は金を使うのが金持ちの仕事だと言っていた。
射撃場やら銃器でしこたま金を使わせておいてなんだが、理屈はわかるが、中々慣れない。
「なんかすごい入りにくいな・・・ピアーズも来ない?」
「あっはっはっ、遠慮するよ!」
とっとと降りろバ金持ち!とピアーズにせかされ、車から降りる。軍人家系で、祖父は元陸軍大将のお前の家も、割と裕福だろ!そう言い返すも、ピアーズは高笑いしながら行ってしまった。
「はぁ・・・気をつかってフランクに接してくれたのはありがたいけど、結構容赦なく引っ掻き回すタイプだな、彼は・・・」
真面目だけど茶目っ気たっぷりな人物だった。全然
それにしても!
これからここに住むんだなと思うと、少し気おくれしてしまう。
日本の、床巣の家もなかなかに豪邸だったが、流石になれていた。何年も過ごしていたわけだし、今は愛着もある。
しかし流石アメリカ・・・土地が余りまくってるだけあって、とんでもない敷地面積だ・・・。
これと比べられてしまうと、流石にウサギ小屋とは言わないが、俺の時に住んでいた家は、確かに倉庫くらいなのかもしれない・・・。
銃を撃った時も、師匠に習った時も、小学校にもう一度通う羽目になった時もそうだが・・・本当にとんでもないところまで来てしまったんだなと、そうつくづく思わされる。
「やぁ、もしかして君が洋介君かな?」
先ほど見かけた、ミラーさんと思しき、芝刈り機の修理をしていた男性が門の前にたどり着いた。
ガタイはいかついが、子供好きそうな柔和な笑みを浮かべている。
「そうです、もしかしてあなたが『ミラーさん』ですか?」
「礼儀正しいんだね。そうだ、俺が『ミラーさん』、ジョエル・ミラーだ。これから何度も会うことになるが、よろしくな」
「こちらこそ、よろしくお願いしますね?」
「よかった、うまくやっていけそうだ。クソガキだったらどうしようかと思ったよ!」
門を開け、ウインクをしながら冗談を言うミラーさん。
「わからないですよ~、こう見えてメチャクチャ言うかもしれないですよ~?」
「おお、言うじゃないか」
二人で顔を合わせて笑いあっていると、家から母さんの呼ぶ声が聞こえてきた。
僕が着いた事に気が付いたのだろう。
ミラーさんと家の方に歩き始める。
お~いと手を振ると、家から女性が飛び出てきた。母さんだろう。
「みてみて、すごいおうちでしょ~!?」
元が僕と同じような母さんだ、多分自分の時も驚いたのだろう。自慢する様子が本当に楽しそうだ。
芝生の隣の舗装された車道をお互いに歩み寄る。
「今日からここが洋介ちゃんの家で~す!だから・・・」
目の前まで来ると母さんは僕を抱きしめ、満面の笑みでお帰りと、一言そういった。
デッドラ3やってきました。まさかのケイティー・・・チャックさん出てくるまで気が付かなかった・・・。
ケイティーかわいいけど主人公の良い人ぶりに一番泣いた。
そして確かにピクミン→ピクミン2くらい難易度下がってる。
箱庭げーに難易度とか求めてないから、個人的には嬉しいけど最近ヌルゲー化が相次いでるよね。マリオの協力プレイのヌルゲーさにはお茶を吹いたw
ウォッチドッグスの最後みたいに難易度急上昇するのも困るけど、正直信号機のアレ手に入れたら・・・。
追記
てかお気に入り200越えてるじゃないですか、やった!!