立花くんのゾンビな日々   作:昼寝猫・

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 さきほど操作ミス起こしました。失礼しました。

 それと評価一言の読み方やっと思い出しました・・・無視してたわけではないのです!いくつか返答しようと思います。

・台詞だけで動作伝わらない<
 すみません、ニュービーなんです、長い目で見てやってください。
・特典を付けた意味がわからん、内容はまあまあ(要約)<
 これは私見なんですが、銃を現代日本に持ち込めるのも、海外行けるのも、練習場所を得られるのも、普通に考えたら無理ですよね?
 よく特典ものでその辺全然説明出来てないので、それっておかしくね?という事がやりたかったのです。正直、特典モノで出てくる家族は異様に都合がいいですからね。そういった意味で主人公の行動、全てが特典準拠してます。
 ただいくつかの設定に関しては、僕も超絶公開してます。
・毒にも薬にもならない作品だと思います
 僕の文才の無さはとても感じますが、基本二次創作ですからそりゃそうなのではないでしょうか?(困惑
・最近詰まんなくなってきた(要約)
 頑張ります
・これからに期待
 裏切らないよう、頑張ります
・原作まで長すぎる
 ホントそうですね、でも一話の通り思いつきネタから始まったので勘弁してください・・・原作再開までの先延ばしと、やりたい事やるのと、再開しなかった場合の一応の完結までの伏線張りが難しいのです。

 追記
 書き忘れてました。
 評価の基準がなんとなくながらも分かり、とても参考になりました。
 戒めにも、励みにもなりました。感想を書いてくれた方、評価時に一言付け加えてくれた方、ありがとうございます!


ABC

 

 

 そういえば元ヤンなんだったっけ、バイク専門だと思ってた。

 

 

 ジョエルさんに背中を擦られながら、そんな事を僕は思った。

 

 ジョエルと呼んでくれと言ってくれたジョエルさんとは、昨日のやり取りよりも急激に距離が近づいた気がする。

 なんでだろう、それは良いことなハズなのに目が潤むんだ・・・。

 

 

車庫にはバイクもズラリと並んでいたけど・・・車でコレならあっちは何があっても絶対に後ろに乗らないや、僕。

 

 

「王子様が吐いてる・・・」

 

 

 そんな感想を抱かれたら、人間関係完全に終わっちゃいそうな気がする。

 が、悩んでたこと全部が吹っ切れたかのように、母さんと実の母娘のようにキャッキャしてるサラちゃん。

 彼女はむしろ、その事があってから僕に親近感を抱いたかのように見えた。

 

 

  わけが分からないよ・・・。

 

 

 

 

 

 

 学校の入り口まで肩を貸してくれたジョエルさんは、心配げな顔をしつつ仕事に向かってしまったが、僕は根性で学校見学を続行した。

 つらいが少し休んだし、うずうずしているサラちゃんを待たせるのも悪いだろう・・・なんか案内したいのは僕じゃなさそうだけども。

 

 

 

 アメリカの学校制度では小学一年生から九年生まである。つまり小中一貫というやつだ。小中高一貫で十二年生一貫という奴もあって、この学校は後者だった。

 

 つまりむやみやたらと広いのだ!

 生徒のべ人数も1,500人近い。多すぎて手がいきわたらず、現在は一クラスあたりの人数を減らす方向に動いてるそうだ。

 

 そういえばこの学校は純粋な日本人は少なく、僕と同じ学年に一人と、僕より年上が五人しかいない。

 うち三人は最高学年なので来年にはいなくなるとか。人によっては日本人学校のあるところにいるらしいし、単に私立に行く人が多いのだとか。

 

 公立という事もあり経営が傾いて、一時期非行もグッと増えたらしいが、三年ほど前から大口の寄付金が入るようになり、今はマシになっているらしい。

 

 イッタイダレガキフヲシタンダロウ、キトクナヒトモイタモノダ・・・。

 

 

 

「ここが理科室で、いろんな実験器具があるのよ、サクラ!」

 

「あらあら、国は違うけれどなんだか懐かしい感じがするわね~・・・フラスコとか並んでるわね」

「サクラも使ったことあるの?」

 

「私も小学生したことあるのよ?」

「・・・全然想像つかない!」

 

「サラ、ひどーい!」

「えへへ」

 

 

 途中退場したジョエルさんによると、今まではサクラさん(MsSakura)と呼んでいたらしいのだが、母さんが何だか年を喰って感じるからいい機会だしMsを外してくれと言ったらしい。

 

 教養のある家庭だとまずやらせないけど、ここでは俺たちが外人だしいいか!という事らしい。たぶん近所のお姉さんな感じが、そろそろ<検閲されました>の自尊心を満たすのだろう。

 

 

「あっちはなに?」

 

「あっちは音楽室!」

 

「・・・・・・僕の案内じゃなかったっけ?」

 

「音楽室は私が二年生になってから、楽器がいっぱいあるんだよ~!」

「あら~、他も見たけど、まともに使われてるのね?」

 

 僕のつぶやきは、虚空に吸い込まれてしまったらしく、誰にも届かないようだ。

 ホント、思わず苦笑してしまうくらいに仲がいい。

 

 

「妬かない、妬かない」

「やかない、やかない」

 

       「「ね~!」」

 

 満面の笑顔で顔を合わせる二人。

 そのまま歌でも歌いそうな軽い足取りで先に行ってしまう。

 

 

 

 ・・・・・・やれやれだぜ。

 

 僕には肩を竦める事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あたりを大まかに説明すると、サラちゃんは「母さんに」見せたいものがたくさんあるらしく、引張って行ってしまった。

 

 どう考えても僕の存在が邪魔だったので、しばらく一人で見て回りたいと言ったら、その五秒後には二人の影も形もあたりから消え失せていた。

 少し寂しくもあるが、父子家庭の女の子だ。ここは僕が大人になるべきなんだろう。

 

 

 そのまま突っ立っていてもバカみたいなので、僕も歩き回ることにした。

 

 

 しかしやはり日本と色々違って面白いものだ。廊下にズラ~っとロッカーが並んでるのもそうだし、廊下の幅や高さが大きいのもそうだ。

 

 背の関係でそうなるのだろうけれど、やはりアメリカのモノはなんでも高く作ってある気がする。

 

 

 理系棟やらなんやらも独立して作られているし、チラリと見た教室の時間割を見ると授業のたびに教室が移動になっているようだ。

 歴史、生物、化学、物理、数学なんかが全部教室違うってのも面白いよな。

 

 

 

 あ、ぶらぶら歩いてたら、気持ち悪かったのだいぶマシになってきたかも。

 

 

 

 しばらく歩いていると、休みとはいえちらほら学生とすれ違う。色々抱えながら移動する生徒が大半なので、休みの間の課外活動的な何かだろう。

 そんなに多くなさそうだし。

 

 その多くはこの学校は制服なので、私服でうろついている僕を怪訝そうに見ている。女の子は少し黄がかった半そでシャツに深緑と灰色のチックスカート。

 

 同じくらいの年の男の子は・・・半ズボンか・・・。

 

 

 すっげえ履きたくないが、ジュニアハイまで我慢するしかないんだろうな・・・わかっていたこととはいえなんだかな。

 

 

「You can’t just come in and walk around, you now?(勝手入って歩きまわっちゃダメって知ってた?)」

 

 自分の半ズボン姿を想像して萎えていると、女の子に声をかけられた。

 思ったより注目を集めてしまっていたようだ。

 

 

「Was it that obvious?(そんなに目立った?)」

「Duh?(そりゃねぇ?)」

 

 

 まあ俺だけ私服だしね・・・。

 

 学校の許可は取ってるよと告げつつ振り返ると、左側の髪を編み込みにし、もう半分を後ろに流した、切れ目の女の子が腰に手を当てて立っていた。

 

 僕より背が高く、中学生くらいだろうか?肌は焼けた感じじゃなく浅黒く、たぶん黒人かヒスパニックと、黄色人か白人のハーフの子じゃないだろうか。今風だが制服を着崩した様子も無く、清潔な印象を与える子だ。

 ・・・いや、中東の方か?その辺って見ただけじゃわからないよな。

 

 

 ちょっと失礼にあたりそうな、微妙な事を考えていると、疑った事を謝ってくれた。

 

 チャイニーズかコリアンかと聞かれたので、ジャパニーズだと答えた。

 

 

「あら、ならお仲間ね?」

「君も日本人?」

 

「ええ、パパが日系二世のアメリカ人で、ママが日本出身の黒人とのハーフなの。複雑な家庭でしょ?」

 

 ・・・それは見た目日本人なパパの方が英語が上手で、見た目アメリカンなママの方が日本語が上手ということだろうか?

 

 それはコンプリケイテッド(複雑な家庭)というよりコンプレックスド(こんがらがる家庭)って感じじゃねーだろうか?

 

 

「ええ、まさにそんな感じね、面白いでしょ?」

 

 そうフフッと笑う彼女の顔は、野性的な魅力を感じさせる。スカートから伸びるしなやかな脚を見てると、滑らかな毛皮の黒豹を彷彿とさせる。

 でも僕は、きっと彼女も将来ジャガーF-type(僕の不調の原因)とかに乗りたがるんだろうなと、エロスより先に憂鬱な感情を抱いた。

 

 

 

「ところでエレメンタリー(小学生)に見えるけど、ご両親はどうしたの?」

 

 ニコニコとしながらそう問いかけてくる。

 ・・・ふむ、僕の緊張が解けるよう仕向けてたのか、いまの会話。そう気が付くと、親しげにしながらも間合いがきちんと取れてる。

 

 

 別に害意も無さそうという事は、素でやっているという事だけど、いったいどんな教育を受けてるんだろう・・・この子ちょっと興味がわいたかもしれない。

 

「実はいったん別れて見て回ろうという事になったんだけど、思いのほか広くて集合場所わからなくなっちゃいました」

 

 

 それは大変なんじゃない?と眉をしかめる彼女。

 

 

「いえ、でも分からなくなったら表の駐車場で、って事になってるし平気かな?

 でもいい加減一人で見て回るのも飽きてきちゃってね~・・・よかったらお姉さん、案内して貰えません?」

 

「そうね~、もう用事は終わっちゃったし、いまシズカ・・・一向に現れない友達と待ち合わせててね。その子も一緒でいい?」

 

「ほんとに?迷惑じゃない?」

 

「用事が無いからね、今日はお姉さんの特別よ~?」

 

「じゃあ特別ありがとう!」

「はい、どういたしまして」

 

 

 ちょっとフランクすぎる気もするが、ハイソってわけでもないし平気だろう。あんまり相手を上に見過ぎるとギャップが埋まらなくなるしな。

 

 

「ところで僕は立花洋介、お姉さんは?」

 

「私は・・・

  

   「リ――――――――――カ――――――!!ごめ―――――ん!!!」

        

                               Obvious isn’t it(わかったかしら)…?」

 

 

Ahh…Duh(あ~・・・まぁね)

 

 

「途中で躓いて箱の中身ばら撒いちゃって、それを拾い集めてたら置いておいた箱に男の子が躓いちゃって、それでまたそれを拾い集めてて・・・!」

 

「ええい、落ち着きなさい、鬱陶しい!」

 

 

 リカに飛びついた女の子は、セミロングの艶やかな髪を振り乱し頬ずりをして謝るが、容赦ないチョップが額に炸裂する。

 

「いった~い、何するのよリカ~!」

「寄るな、触るな、っても~む~な~!!」

 

「ギャン!?だってリカの胸大きくて気持ちいいし・・・」

「あんたに言われると嫌味にしか聞こえないのよ!てか嫌味か~!!」

「・・・もみもみ」

 

「静香、いい加減にしなさいよ・・・?」

「いふぁふぁふぁ。りふぁ、いふぁいふぉ!」

 

 

 しばらく百合百合しい漫才に呆気にとられていると、僕の存在を思い出したリカが頬を赤らめてコホン!と咳ばらいをした。

 

「な~に~リカ、おっさん臭い咳払いなんて・・・あれ、誰この子?」

 

「よかった、今日は一日段々と透明人間になる日なのかと思ったけど、気が付いてもらえた」

「わ、わざとじゃないのよ?」

「あ、君にっぽんじん?よろしく~」

 

 

 シズカって呼んでね、とニコニコしながら頭を撫でてくる。

 

 

「さっき言ってたお友達ですか?」

 

「ええ・・・悲しいことに」

「リカ、ひど~い!」

 

 ぷんぷんと頬を膨らませるシズカ。

 あぁ、なんだか似た雰囲気の人を知っている気がする。

 

 

「改めてよろしく、私は南リカよ。漢字じゃなくてカタカナのリカね?」

「鞠川静香です、静かに香る~・・・なんちゃらの川って書くのよ?」

 

「なんちゃらって・・・」

「ごめんなさい、こういう子なの」

 

 少し恥ずかしそうに謝るが、リカとニコニコ笑っている静香の二人の距離はかなり近い。女友達がたまに百合っぽいのは普通だと聞くし、すごく仲のいい友達なんだろう、うん。

 

 

 

「平気です、どことなく気の抜けてる時の母にそっくりなので。僕は立花洋介です」

「そう、それは大変ね」

 

ん?しかしなんか聞き覚えが・・・。

 

「じゃあ約束通り案内するわね?」

 

 

 抗議の声を上げる静香を黙殺するリカの声を皮切りに、この日僕はようやっとまともに学校を案内して貰うことが出来た。

 

 

 

 

 

「それにしても、キミ英語うまいよね、どこで習ったの?」

 

「う~ん、ドラマ?」

 

「...『Kid』ing me?(私をからかってるつもりかしら、坊や?)

 

「Obvious?」

 

「言ってなさいよ、もう」

 

「え、リカ今のなんなの?」

 

「貴方はいいの!」

 

 

 










英語
 主人公は元々渡米する気満々だったし前世もあるので結構ペラペラ。メインの教材はドラマと映画とホビー本。
 父親は実家の英才教育で、母親は単車の研究の過程で身に着いたというつわもの。


Duh
 黒人系の米語スラングの一つ。侮蔑の意味で使われていたこともあるが、現在では「明らかに~」という意味で使われる。
 黒人系の女の子から広まり、今風の女の子なら人種の区別なく割と使っていて割と困る。
 ライス国務長官がブッシュ政権で現役時にラジオ番組で思わず使ってしまい、慌ててなぜかロシア語で否定しまくった事件はあまりに有名。「Duh?・・・・ニェットニェットニェット!!」


米語スラング
 悪口と撮られがちだが、方言の事もさす。ただアメリカが広すぎて人種が多すぎるので、北部スラングや南部スラングなど、地方によっては全く通じない。イギリスのスラングはまた違った形なので、英語圏の人すべてに共通しないという意味。
 例)プート(雌犬野郎)(まんまスペイン語)、パペール(おじいちゃん)(南部フランス系)、ブロ(兄弟)(黒人系)、カウワバンガ(感嘆詞兼挨拶)(サーファー語)、ゲイ《イケてない》(JK語)


リカ、静香(呼び捨て)
 彼らの会話の一部日英ごっちゃ。なので会話の最中にちゃんを着けたり、外したりしてるうちに、めんどくさいので呼び捨てで行こう!となってしまった。サラもそのうちに呼び捨てなってしまった。その辺は言語文化の違いである。

ミス、ミスタ
 ちまたでは、欧米では平社員が重役を呼び捨てにすると書くおバカな日本人がいますが、そんな事はない。上記はたぶん、ウォールストリートのハイエナやなんかを念頭に置いて話をしていると思われる。
 近年そういう傾向にあるのは確かだが、軍人家系の父親は子供にサーと呼ばせるし、学校もエリート校であれば先生に対してサー、ミスタ、ミス、マムが普通。またイギリスでは事実上のカーストが未だあるので、本当にピンキリではある。平社員が親しくも無い上司にタメ口きいたらその場で怒鳴られるかも?
 正しくは『ある一定の欧米人は気にしないが、ある一定の欧米人は気にする』。同じように地方や、人によって変わるので、ビジネスの機会には「どうお呼びしましょう」と聞いた方が無難だと思われる。



人種
 私は基本、人種や民族でDNAに、人間的に劣った部分があるという考えが嫌いなのです。

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