君のこれから~そして僕の人生が終わる~   作:郁也ユッキー

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今回少しお話が進みます。この作品は少しお話の展開が速いです。


異変

「おはよう。」

「おっはよー!湊!」

今僕に挨拶をしたのは伊藤 正弘(いとう まさひろ)。高校に入ってからの大親友だ。

彼は僕と違ってコミュニケーションスキルが高くて友達が多い。でも、クラスで孤立していた僕に良く話しかけてくれて、大親友にまで発展することができた。

「湊ー。お前また奈央ちゃんと帰ってたよなー。良いよなぁ。奈央ちゃんと一緒に過ごせて。」

「正弘が考えているような関係じゃないよ。」

「そんなこと言っちゃってー。・・・ほんとの所、奈央ちゃんのところどう思ってんの?」

「別に・・・。」

何とも思って無いよ。っと言おうとしたが、僕は彼女と過ごす”時間”がとても好きだ。でも、彼女に対する気持ちなんて考えたこと無かった。

「・・と、・・なと、湊!!」

「へぇっ!!あ、ごめん!ぼーっとしてた。」

「おいおい、しっかりしろよなー。で、奈央ちゃんの事どう思ってんの?」

「まぁ、いい後輩だと思ってるよ。」

「自分に素直になれよー。」

「だから、そんなんじゃないって。」

僕は正弘と駄弁りながら授業の支度をした。

支度をしながら、僕は考える。僕のこの気持ちは、”恋”なのだろうか。正直、学校のアイドルである如月さんと関わることができてすごく嬉しい自分がいる。でも、関係を発展させる勇気は僕には無い。

まず、如月さんが僕のことをどう思ってるのか全く分からない。そもそも友達と認識してくれてるかどうかも怪しい。

僕はそんな疑問を持ちながら、授業を受けることになった。

 

 

 

 

「湊ー。今日は一緒に帰れるだろ?」

「今日は?」

「だって、奈央ちゃん部活だし。」

「別に奈央ちゃんが部活でも正弘と一緒に帰れるじゃん。」

っていうか、正弘は何で剣道部のスケジュール知ってるんだよ。まぁ、友達から聞いたのか。友達多いっていいね。

「じゃあ、剣道部ちょっと見学していこうぜ。」

「え、ちょっと、待ってよ!正弘!」

 

 

剣道部 道場

 

「はっ!はっ!はっ!」

私はいつものように素振りをする。素振りで雑念を消して、練習に集中できるようにする。

「奈央は今日も気合い入ってるねー。」

私に話しかけてきたのは幼稚園からの親友である、伊藤 安理沙(いとう ありさ)。

彼女も剣道部の部員である。

「あの、先輩とはどうだったの?」

「べ、別に、なななな何もないし!」

「何かあったのね・・・。」

何故バレた。

「一緒に、新しくできたカフェに行って、お茶してたら急に奇麗だねって言われた。」

「これは脈アリなんじゃないのぉー?」

安理沙がニヤニヤしている。こいつのこの顔、ほんとにムカつくから殴りたい。

「告っちゃえばいいのに。ずっと片思いなんでしょ。」

「・・・名前知ったの最近だし。」

「でも、顔は知ってたんでしょ。」

そんな簡単に告白できたら誰も苦労しないから・・・。

「よーっす、奈央ちゃーん。」

「あ、お兄ぃじゃん。」

すると、安理沙のお兄さんである、正弘さんが道場に入ってきた。

「お兄ぃどったの?」

「いや、見学に来たんだよ。」

見学?妹のためにかな。

「湊ー!速く来いよー!」

湊?湊ってまさか先輩のことじゃ・・・。

「正弘が先に行っちゃうからだろ・・。」

やっぱり、先輩だった・・・。

「あ、湊、こちら俺の妹である、伊藤 安理沙だ。」

「よろしくでーす。」

「あ、あぁ、僕の名前は・・・。」

「神崎 湊先輩ですよね。奈央から聞いてます。」

「あ、あぁ、どうも・・・。」

先輩、コミュニケーション力がちょっと低すぎませんか・・・。私と初めて会った時もひどかったし・・・。まぁ、そこがいいところだと思うんだけど。八方美人みたいじゃなくて。

「じゃ、俺達は遠くで見学してるから、お気になさらず~。」

先輩と正弘さんは道場の端っこで見学するみたいだ。

「じゃ、安理沙、久しぶりにやらない?」

「え、えぇー。手加減してくれる?」

「する訳ないでしょ。」

 

 

 

如月さんと伊藤さんの試合が始まった。面で顔は見えないけど、如月さんの立つ姿はとても美しい。

ピンと伸びた背筋、相手に向かってしっかりと構えた竹刀。どれをとっても彼女はとても美しいと思う。

「試合開始!!」

その合図とともに動き出す。隣で、正弘が何か解説しているようだが、僕は彼女に釘付けで、正弘の話なんて一つも入ってこなかった。

二人はまだ攻撃を行わない。探り合っているようだ。

最初に仕掛けたのは伊藤さんだった。如月さんの脳天に向かって、竹刀を振り上げる。そのまま、脳天に直撃するかと思ったら、如月さんは体をクルッと回転させて、攻撃を避け、竹刀を伊藤さんの脳天に直撃させた。

正直、如月さんの竹刀の動きが全く見えなかった。

「痛い・・・・。もっと手加減してよ・・・・奈央・・・。」

「私、手加減するの嫌いだから・・・。」

「まじ、私の身長が低いのは奈央のせいだと思う・・・。」

そんな会話が聞こえてくる。

「・・・・って動きがあったから、如月さんが勝てたんだ。どうだ、湊。俺の完璧すぎる解説は・・・ってどこ行くんだよ!湊!」

僕は如月さんの所へ駆け寄る。

「先輩、どうしたんで・・・・・。」

「すごく!すごく!美しかったよ!!!」

「へ?」

「あの一瞬で勝負が決まっちゃうところにも魅力を感じたけど、何より、如月さんの立ち姿がとても奇麗だったよ!!!それにそれに・・・・・・」

僕は唾が飛ぶ勢いで、思ってることを全部話した。

「あの、先輩。その辺にしといてやって下さい。」

伊藤さんが少し顔を赤らめながら話しかけてきた。

「奈央が、その、やばいんで。」

言われて、如月さんの方を向くと・・・。

―顔を耳まで赤くして顔を両手で隠していた。

 

 

 

四人で帰宅中

 

「いきなり、褒め出したら恥ずかしいんでやめて下さい。先輩。」

「ごめんね・・・。」

そう言って僕は如月さんに謝罪をする。

「でも、よくあんな恥ずかしいことが言えましたね。先輩。」

伊藤さんが追い打ちをかけてくる。

「湊はたまにすごい行動を起こすときがあるからな・・・。」

正弘が続けて言う。本当に申し訳ない・・・・。

そして、僕たちは別れていく。今日はすごく楽しかったな。如月さんの新しい一面を知ることができたし。

僕は今日の出来事を早く日記に書きたいと思い、急いで帰ろうと地面を蹴ろうとしたら

―ズキッ

体に鋭い痛みが走った。最近、体の調子結構良かったんだけどなぁ。まぁ、こういうことはよくあるので僕はあまり気にせずに歩いて家に帰った。




私は剣道未経験者なので、剣道の所の描写は少し大目に見て下さると助かります。
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