ストライクウィッチーズ 鉄の狼の漂流記   作:深山@菊花

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投稿遅れました。今回の話から少し書き方を変更します。


第四話「これからと初撃破」

「――というわけでシュミットさんは正式に501の一員として戦ってもらいます」

 

初訓練の数日後、ミーナはシュミットを部隊長室に呼び、今後のことと正式な待遇を説明した。

その内容は、

 

・正式な501戦闘員として、ミーナの指揮下に付く。

 

・出身国はカールスランド出身で通す。

 

・階級は前の世界と同じ少尉。

 

これがシュミットに与えられた内容であった。

 

「ということは、私は今日からドイツ人からカールスラント人ということですか?」

「そうよ」

 

ミーナにキッパリ言われてシュミットは「なるほど…」と呟いた。

ちなみにミーナは内心でホッと溜息を吐いていた。理由は上層部にシュミットのこと上層部に納得させ、そして501に編入するにはどうしたらいいかと報告終了までずっと悩みに悩んでいたからだ。

 

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<side.シュミット>

 

ヴウウウウウウウウウウウウウウ!!

 

中佐に今後のことを言われてから数日後、格納庫に来ていた私の耳に突如警報が鳴り響いた。間違いなくネウロイが出現したと知らせる警報だ。

すぐさま格納庫内にあるユニットに走る。そして固定されているユニットに足を入れる。

ちなみに今の服装は足を入れやすいように半ズボンを履いている。

そして使い魔の尻尾を出し、魔力を流してユニットを始動させる。そして回転が始まると同時に真横にセットされたMG151を手に取り、そして滑走路を離陸した。

そして上空まで離陸し、基地の塔を見る。そこには基地の兵士がブラックボードを掲げている。そこには敵の方位と高度が描かれていた。

そして方位を確認して、全速力でその方角へ飛行を開始する。

 

『シュミットさん、聞こえる?』

 

すると突然、ミーナ中佐の声が耳の通信機に届く。

 

「中佐?」

『敵は大型ネウロイが1機。今隊員達はユニットに向かっていますので、先に上がっているシュミットさんはネウロイの位置に単騎先行してください』

 

どうやら他の皆は準備中で、今飛んでいるのは私だけということか。

 

「了解、直ちにネウロイ撃墜に向かいます」

 

そう言って足のユニットにさらに魔力を流す。そして同時にユニットにも強化を掛ける。

そしてしばらくして、大型の飛行物体を肉眼で確認した。間違いなくネウロイだ。

 

「こちらシュミット、目標を確認。これより攻撃を開始する」

 

そう無線で言ってから自身の腕を強化し、背負っていたMG151を手に持つ。

するとネウロイはこちらの存在に気が付き、無数の赤いビームを発射し始める。それをバレルロールで回避しながら、ネウロイに向かっていく。近づくにつれてビームの濃度も濃くなるが、それもシールドでいくつか防ぎながら接近する。

 

「喰らえネウロイ!」

 

そう言って、手に持つMG151の引き金を引く。固有魔法で強化されたMG151は、凄まじい連射速度で魔力の付加した弾丸を吐き出した。

吐き出された弾丸は、ネウロイの胴体に突き刺さった。その光景はもはや「削る」より「抉る」である。

そして抉られたネウロイの体は砕け、大きくコアを露出させた。

 

「っ!そこ!」

 

すぐさまコアに弾丸を叩き込む。するとネウロイのコアは破壊され、その胴体は初めてネウロイと会った時と同じように空中で光の破片となって砕け散った。

 

「ふー……」

 

その光景にひとまず安心し、思わず息を吐く。

 

「シュミットさん!」

 

すると真後ろから声がする。振り向いてみてみると中佐達隊員達が編隊を組んでこちらに向かっていた。

 

「こちらシュミット、ネウロイ撃墜に成功しました」

「こちらも肉眼で状況を確認しました。シュミットさん、お疲れ様」

 

中佐が優しく言い、頷き返した。

 

「これより基地に帰投します」

 

中佐の宣言が、私の高揚した心に響いた。

 

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基地に帰投した後中佐に報告した私は、格納庫に来ていた。そこでは今回使われたストライカーを整備する兵士たちがいた。

 

「お疲れ様です」

 

そう挨拶すると、隊員たちはこちらを向き敬礼をする。しかしすぐさま再びストライカーの整備作業に没頭し始めた。

なんかこう……不愛想というよりかはなにか義務のようなものだろうか、彼らの行動にはそのような雰囲気が見て取れた。

「すみません。ミーナ隊長からの命令で、ウィッチ隊との会話は必要最低限以外禁じられていますので」

「……ああ、なるほど」

 

表情に出ていたのか、一人の隊員から説明される。どうやら中佐からの命令のようだ。

 

「そういうことなら仕方ないか……それと、私のユニットは?」

「それでしたらこちらです」

 

そう言って案内された先には、分解されたFw190の姿があった。なんというか、内部は実際の戦闘機でも見た空冷エンジンの形をしていた。

 

「これが魔道空冷エンジン……、こう見ると実際の戦闘機とほとんど形は変わらないのか」

 

思わずそんな光景に感心している時、後ろから足音が聞こえる。

 

「シュミット少尉」

 

声のした方を振り向くと、そこにはミーナ中佐が立っていた。周りの整備兵は敬礼をしている。

 

「はい、何でしょうか?」

「少し来てもらえますか?」

 

そう言われ、中佐についていく。向かった先は初めて自己紹介をした会議室だった。そこには他の隊員達も集まっていた。

 

「どうしたんだミーナ、全員を呼んで」

 

バルクホルン大尉が中佐に問う。それは他の隊員も同じ考えであった。

 

「実は定期補給が遅れるという情報が今日届いたのよ」

 

その言葉に全員が驚きの声を漏らす。

最前線における補給の重要さは生存にも関わる。その定期補給がやってこないとなると、物資不足に陥ってしまい部隊が機能しなくなることだってある。

 

「というわけで、臨時補給を実施することにします」

 

中佐の言葉に全員が今回集められた理由を理解した。どうやら臨時補給に行く人を選ぶようだ。

 

「大型トラックが運転できるシャーリーさんは決定として、後二名同行する人を選びます」

 

そう言って話し合いが始まる。そして、

 

「ではペリーヌさんとシュミットさん。二人は明日シャーリーさんと一緒に同行してください。」

「それと、任務中はシャーリーの指示に従うように」

「了解」

 

話し合いの結果、私とペリーヌが同行することになった。

 

「それと、何か欲しいものがあったら言ってください」

「欲しいもの、ふむ……」

 

ミーナ中佐の言葉に思わず考える。そういえばこっちに来て欲しいものなど考えたことなかった――って、

 

「……考えたら今お金とか無かったな」

「それなら問題ありません」

 

思わず呟いた言葉に、中佐が間髪入れずに言った。そして封筒を私に渡してきた。

 

「あの、これは?」

「あなたが数日間部隊に居た分のお給料です。一応前渡金ということになります」

 

なるほど、つまりは物凄く速い給料というわけか……。とりあえず自分の欲しいものはおいおい考えるとして、まずは他の隊員たちの欲しいものを聞くことにした。

 

 

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<side.out>

 

翌朝、大型トラックに二台のストライカーユニットを乗せシュミット達は出発した。

しかし道中まではよかったが突如、シャーリーが大型トラックを暴走させだし、助手席にいたペリーヌと荷台で寝ていたシュミットは乗っている暴れ馬によって揺さぶられてしまっていた。

そして街に着いた頃、シャーリーとペリーヌが荷台を見ると、そこには完全に伸びていたシュミットが完成していた。

 

「シュミットさん!?」

「おい、大丈夫か!?」

 

慌てて二人はシュミットを起こす。そして目を覚ましたシュミットの第一声が、

 

「シャーリー、帰りは絶対に俺が運転するからな……」

 

と、一人称が変わるほど怒っていた。

その後、トラックを止めに行ったシャーリーをシュミット達は待っていた。

 

「へー、ここがブリタニアの町かぁ……」

 

シュミットは初めて見たブリタニアの町をみて思わず声を漏らす。そこは鉄道駅のある中規模の町であり、少し離れたところをSLが走っていた。

前の世界でもイギリスに行ったことのなかったシュミットからしてみては、ブリタニアの町を見るのはなかなか複雑な気持ちだった。

 

「……珍しいですの?」

「ああ、前の世界ではイギリスは敵対国家。それどころか我が国はイギリスに爆撃をしていたから……」

 

そう言いながらシュミットは前の世界のことを思い出す。

あまりいい思い出はなかったが、それでも仲間と言える存在は沢山いた。しかしこの世界に来てからは、どうしても同じ部隊員でも距離感のようなものを感じており、彼は少しセンチメンタルな気持ちになっていた。

 

「そういえばシュミットさん。前の世界での戦争をもう少し詳しく教えてくれませんか?」

「……何故だい?」

「少し興味がありますの」

 

しかしシュミットは困ったような表情をした。

 

「……すまない、この話は少し無しにしてくれないか」

「どうしてですの?」

「どうしてもだ」

 

答えになってない答えを言うシュミットの考えていることを察し、ペリーヌもこの質問をやめた。

そしてしばらくしてシャーリーも合流し、三人は市場で買い物を始める。

そしてある程度物資を買い、時刻が昼を過ぎた頃、まだ昼食もとっていない三人は何か食べたいと思い一旦荷物をトラックに運ぶことにした。

 

「そういえばシャーリー、トラックは何処に止めたんだ?」

「ああ、駅の近くだよ」

 

そう言って三人は駅に止めてあるトラックに向かう。トラックは駅の横にある広場の端に止めてあり、そこからは駅に出入りする蒸気機関車が見えていた。

シュミット達が荷物を積み込んだ後、これからどこに行くかを決めようとした矢先だった。

シュミット達の後方――駅の方から笛の音が聞こえてきた。その笛は何回も繰り返し鳴らされており、シュミット達も何事かと振り返った。

 

「なんだ?」

 

シャーリーが呟いたその時、突然、ピーッ!!っと汽笛を鳴らしながら流線形の蒸気機関車が駅の構内を走り抜けていく。

そして驚いたことに、その蒸気機関車の車輪からは火花が上がっていた。




リアルで忙しい日々が続き更新が遅れてしまい申し訳ありませんでした。次回の話はできるだけすぐに更新しようと思います。




※流線形の蒸気機関車:世界最速で有名なあれです。

※少し文章を訂正しました。
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