ストライクウィッチーズ 鉄の狼の漂流記   作:深山@菊花

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第七十話です。という訳で、今回から新たに『ストライクウィッチーズ2』編へ向かいます。どうぞ!


第四章「ストライクウィッチーズ2編」
第七十話「新たな戦場へ」


グリゴーリを攻略したブレイブウィッチーズ。その基地の一角に、シュミットは居た。

 

「いい天気だ…」

 

そう言って、彼の手には川に釣り糸を垂らす釣り竿があった。休暇となったこの日、シュミットは特にやることが無かったため、暇を持て余していた。この釣りも、その暇つぶしの一つになればと思っていたが、生憎魚は一匹もかかっておらず、只時間が過ぎて行くだけだった。

 

「あっ、居た!シュミットさーん!」

 

その時、後ろから呼ぶ声が聞こえシュミットは振り返った。そこには、遠くからシュミットのことを呼ぶひかりの姿があった。

ひかりはその後、ラルと孝美の計らい、そして自分の意志で502に残留した。それにより、今では正式に502のウィッチとなった。

そして同時に、ひかりには思わぬ吉報が届いた。なんと彼女の魔法力が僅かではあるが上がり、それにより今までより戦闘における苦労が少し報われるようになったのだ。

 

「どうした、ひかり!」

「ラル隊長が呼んでます!」

 

シュミットはひかりに何かを聞くと、ひかりは用件を伝えた。本当にシュミットのことを呼んでいたのはラルであり、ひかりはその伝令役として呼んだのだ。

シュミットは釣り竿を置くと、ひかりのもとへ向かった。

 

「ありがとう、ひかり」

「いえ!でも、何で呼んだんでしょう?」

 

シュミットはひかりにお礼を言うと、ひかりはラルが何故呼んだのか疑問に思った。

その言葉に、シュミットも考える。

 

「ふむ…何だろうな」

 

しかし、シュミットも何故呼ばれたのか思いつかず、二人は結局首をかしげたのだった。

そして、シュミットは部隊長室に来る。

 

「失礼します」

「入れ」

 

部屋の中から呼ばれ、シュミットは扉を開ける。中にはいつも通りラルとロスマンが居た。ラルは手に資料を持っており、目線はシュミットから外れていた。

 

「隊長、ひかりが呼んでいたと言ってたんですが、どうしたんですか?」

 

シュミットはラルに聞くと、ラルは手に持っていた資料を出しながらシュミットを見た。

 

「これだ」

「えーと…」

 

シュミットはその資料を手に取ると、内容を見た。それはなんとシュミットに向けての内容でもあった。

 

「…転属ですか!?」

「そうだ」

 

なんと、シュミットが受け取った資料は、彼の転属書だったのだ。あまりにも突然のことにシュミットは驚く。

そして、シュミットが驚くことは立て続けて起きた。

 

「…これ、本当ですか?」

「そのままの意味よ」

 

シュミットは資料に記されている配属先を見て、思わず聞き返す。しかし、ロスマンはそこに書かれていることが本当であると言った。

 

5()0()1()

「原隊復帰だな」

 

ラルの言葉の通り、シュミットが次に移動するのは最初に配属された部隊、501統合戦闘航空団『ストライクウィッチーズ』だったのだ。しかし、501はブリタニアの任務を終了し、解隊されたのだ。

 

「ロマーニャで新たに501を再結成するようで、シュミットさんはそちらに行くように頼まれました」

「再結成…ミーナ中佐からですか?」

「それよりも上からの指示だ」

 

シュミットはラルに聞くが、ラルからしたらミーナよりもっと上からの指示だったようだ。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「孝美さんがカウハバに行くと思ったら、今度はシュミットさんが行くなんて…」

「いや、私だってこうなるとは思わなかったから、お互い様だ」

 

シュミットの501転属日、分かれに来たメンバーのニパがそう言う。ひかりが基地に残ったと思った矢先に、今度はシュミットが転属してしまうことになると誰が思っただろうか。

 

「向こうに行っても頑張ってください」

「お元気で!」

「ああ、ありがとう」

 

下原とジョゼの言葉に、シュミットは二人の手を取って答えた。

そして、今度は管野が出る。

 

「俺はもっと強ええ奴になって、今度はおめえを倒す!」

 

管野は、最初の時に負けたことをまだ根に持っていたようで、シュミットに向けて今度は勝つと言い放つ。

その言葉に、シュミットは思わずフッとする。

 

「分かった。なら私はそれよりもっと強くなってやろう」

「へっ!」

 

管野の言葉に、シュミットは受けて立った。再びこの二人が戦う日はいつになるか分からない。しかし、シュミットは次世代を担うウィッチの成長を楽しみに待つのだった。

そして、次に出てきたのはサーシャとクルピンスキーだった。

 

「向こうに行っても、頑張ってくださいね」

「ありがとう」

「元気でね~」

「ああ」

 

そう言って、シュミットはサーシャとクルピンスキーにハグをして別れの挨拶をした。尤も、キスをする場合があるが、シュミットは控えた。

そして、シュミットは荷物を整えると、足にユニットを履く。Do335は現在、シュミットの魔法力の関係上からテスト機であると同時にシュミットの物となってきていた。この件については、彼の日ごろの素行と戦果から差し引いた結果、上層部からある程度認められて勝ち取ったものと言っていい。

 

「今までありがとう、皆。それじゃあ!」

 

そして、シュミットは魔導エンジンに魔力を流し、離陸したのだった。




別れは簡潔に、そしてシュミットの戦いはこれから始まる。
誤字、脱字報告お待ちしております。それでは次回!
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