バーサーカーしかいねえ!   作:安珍

14 / 15
前回のFGO!

マシュ「ダメです先輩! 元いた場所に戻してください!」
ぐだ「やだー! うちの子にするのー!」
ジャック「するのー」
きよひー「(白い髪→再臨したら私もそうなる→つまり私とますたぁの娘)連れて帰りましょう、ますたぁ」
イバラギン「その理屈はおかしい」
狐娘「ポジティブシンキングすぎてある意味天才だワン」
フラン「ゥ…………ばか、ばっか……」





第十三話「Amazonだと余裕」

 

 

 

「ますたぁ、白無垢かウェディングドレス、どちらがよろしいですか? 私としては白無垢が良いと思うのですが」

「きよひー、物事には順序ってのがあってそれを守るのが世のためになるんだよ」

「では今月号のゼクシィを注文しますね」

「そういうことじゃないよ」

 

 

 

第四特異点ロンドンを踏破した立香は、そのあと加入したフランケンシュタインのために施設の案内をすることにした。

 

「ようこそ、カルデアへ。さっそく案内させてもらうけど、なにかリクエストはあるかな?」

「(フルフル)」

「そっか、じゃあ重要そうなところから行くとしよう」

 

フランを連れ立って、まずは一番重要な食堂へと赴く。

カルデアの食堂は内部の中で一番の戦場であり、甘食前線、正妻戦争などの二つ名で、ある意味職員からは恐れられている。

 

「ここが食堂、好きに料理できるし、まぁみんなが割と集まる場所かな。ほら」

 

立香が示す場所には、いつものようにマシュときよひーとキャットがお料理教室をしている。

ふと部屋を見渡すと、机の陰でコソコソとしている金色の髪が見えた。

 

「ゥ……ゥ…………?」

「うん? あぁ、あれは茨木だよ。いつものことだ。おーいマシュー!」

「あ、先輩。それとフランさんも、ロンドンではお世話になりました」

「ゥ……」

「『こちらこそ』ですか。ありがとうございます」

「マシュ、茨木が来てるよ」

「うぇい!?」

「ーーそうですか、すみませんが先輩。私はここで失礼します」

 

そう言ってマシュは室内を数度ばかり冷やし、茨木の方へと走って行く。茨木もまた泣きながら逃げた。

 

「にしてもマシュはフランの言葉がよく分かるな。さすがになんて言ってるかまでは分かんないや」

「ウゥ……ア……はなすのは、つかれる……」

「あぁごめんごめん。大丈夫、何が言いたいかはなんとなく分かって来たから」

「ゥ……」

「あら、ますたぁ。フランさんの案内ですか?」

 

ひと段落したのか、清姫とキャットがこちらに寄ってきた。

清姫は何を思ったのか、フランをジッと眺め、そして立香に耳打ちをする。

 

「ーーますたぁ、白無垢かウェディングドレス、どちらが」

「はいそれアバンでやったー」

「もう、釣れないお方。ですが私、もうあのお医者様にゼクシィとひよこクラブ、たまごクラブを注文しましたよ?」

「今日のきよひーは絶好調だなぁ」

「恐らくフランの花嫁衣装に恐れを抱いているようであるな。にゃふふ、しかしそう悠長にしても良いであるか、キャットは花嫁など通り越して裸エプロンの新婚衣装であるぞ」

「…………からだ、ひやす」

「フラン嬢、マジレスはいくない」

 

珍しくキャットが凹んだ様子でフランの肩を叩いていた。案外ボケをスルーされるのは相当応えるらしい。

 

「…………ゥ、ゥ」

「ん、もういいのか? じゃあきよひー、キャット。俺たちはもう行くから、今日の晩飯も楽しみにしてる」

「はいっ、お任せくださいますたぁ。と、とところで、食べ物によって赤ん坊の性別は変わるらしいですが……ますたぁはどちらがお好みでしょうか!? む無論、両方を望むということ、も"っ」

「はい、鼻抑えるワン」

「後は任せたキャット」

「最近フォロー役が多いことを我輩は嘆いている。……そろそろ発破でもかけるか」

「今日の猫缶は無しで行こうか、どう思う? フラン」

「ゥ」

「よーし謀反いくないであるな! キャットは良き正妻である故ご主人はキャットにお礼するがよろしい、言葉とともに即物的な? 的な的な?」

「分かってるよ。行こう、フラン」

「ゥ……」

「あぁ、ますたぁとの子……何人でも生みます、十人、二十人、いえもっと……!」

「この量はどこから出てるのか……いっそどこまで出るのか実験してみるか」

 

二人を置いて、立香とフランは立香の自室へと足を向けた。大体暇な時はここに集まるので、食堂にいなければここである。

 

「ここが俺の部屋。一応入る時はノックしてくれればいつでも来ていいよ。というか、俺がいない時も大体みんなここにいるし」

 

そう言って立香が入ると、中で茨木がゲームをしながら菓子を食っていた。

 

「うぉぉぅ、マスターか。驚かせるな、マシュかと思ったではないか」

「自業自得だろ、マシュは?」

「ふん、どっかの誰かのせいで未遂だったのでな。すぐに撒けた」

「……そうか」

「ゥ?」

「新入りか。ようやく、バーサーカーらしいのが来たな」

 

フランは言葉をあまり話せないからか、茨木が愉快そうに笑う。

立香は少しため息を吐き、茨木の頭をポンと叩いた。

 

「そういうことを言うんじゃない。それにちょっとは話せるし、意思疎通もちゃんとできる。大事な俺の仲間だよ」

「…………………ゥゥゥ」

「クハッ、歯の浮くような台詞だな。まぁそれに、言葉が話せても意思疎通ができるとは限らんからな。少し八つ当たりを言っただけだ、許せ」

「ゥゥ……かまわない……」

「ふん……うぉっ、デカイぞ!」

「ヒレがある……サメかな、マンボウかな?」

「どちらもまだ釣ってはいない。少し黙っていろマスター。こいつは釣って博物館に寄付する!」

 

三人は口を閉じ、静寂の中茨木は目を閉じながら標的が食らいつくのを待った。

長い焦らしの末、浮きはようやく沈みーー

 

「先輩! ここに茨木さんは」

「「あ」」

 

マシュの当然の乱入に、二人は間抜けにも声を上げ、そして反射的に茨木はボタンを押してしまった。

幸運にも、バシャバシャと音を当てて魚は釣り上げられ、大きなサメが姿を現した。

 

「「うぉぉぉぉ! 初めて見たーー!!」」

「え、あ、え?」

「おい、おい汝! スクショはどうやって撮るんだ!」

「このボタンだ! うわ、よくサメなんか素手で持ち上げられるな」

「ゲームに細かいことは気にするな! よしよし、あのフクロウめ。度肝を抜かせてやる」

 

テンションの上がった茨木は、意気揚々と博物館を目指した。

不意に、立香は裾を誰かに引っ張られている感覚に気づく。

 

「ん?」

「ゥ……ゥゥ……」

「どうした? フラン」

「先輩、フランさんも一緒にやりたいのではないでしょうか」

「そうなのか?」

「ゥ」

「そっか。茨木、それ寄贈したら代わってやってくれないか?」

「む。しかしだな……」

「茨木さんは私からお話があります」

「はい」

 

茨木はすぐさま寄贈を終えると、セーブをしてマシュに連れていかれた。

 

「どう……するの?」

「えっとね。あ、しまったな、四人いっぱいだ。どうしようかな……うーん」

 

セーブ数が限界でフランは新しく加入できず、立香は少し悩んだが、あることを思い出した。

 

「これでしようか。こっちもあったんだよね」

 

それは携帯機の方、さっきまでやっていたのは据え置き型なのだが、こちらならばデータは自分だけしか入っていないので、村ごと初めからにしてフランに渡した。

 

「ゥ?」

「これならここじゃなくてもできるし、みんなでも集まってもできるよ」

「ゥ」

 

理解しているのかしていないのか、フランは意識をゲーム機の方に移す。

 

それからして、ほのぼのとフランとゲームをしながら、立香はとりあえずロマンに携帯の追加の発注を頼むのであった。

 

 

 

その日の夕食、明らかに茨木の品が少なかったが、デザートはひと回り大きかった。

 





ゥ!(挨拶)

課金したいガチャ回したい給料日ってなんで色々違うの?全部末日で良いじゃん。って感じの作者。

話を見てわかる通り今回まじで難産。オチが思いつかない眠い。
イベント始まっちゃったし水着イベだしきよひー欲しいランサーきよひーLv5にしたいちくしょう。

後書きも思いつかないぐらい眠いので、感想お待ちしておりますとしか言えねえ。と言うわけでお休みなさい。



NGシーン

フラン「ゲームはいちにち……さんじかん!」ズバババ!!
茨木「みぎゃああああああ!! 割とリアルな数字と共にデータが消えたー!」
ぐだ「リセットさんか、最近見てないな」
マシュ「その前に、茨木さんにはこちらに来ていただきます」
ぐだ「どちらにせよだったか」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。