バーサーカーしかいねえ!   作:安珍

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前回のFGO!
?「私の出番を心待ちにしているファンには申し訳ないのだがまだ先なのだな。大人しく玉ねぎサラダでも食べておけ、しかしニンジンは私の物だワン。ところでここにはバーサーカーしか来ぬとご主人は言ったのだな。ということはオリジナルは永久に来ぬということである、やったぜ」





第八話「ますたぁを八十万で買います! by清姫」

死屍累々であったと、後に立香は語る。

目の前に広がるは三つの死体(のようなもの)はピクリとも動かずに倒れ伏していた。

 

どうしてこうなったのか、思い出してみる。

 

あれはーー

 

「さぁ、ますたぁ? 結婚しましょう」

 

違う。もっと前だ。

 

あれは、茨木が暇つぶしに立香の部屋を漁っていた時のことだ。

 

 

 

「何してるんだ? 茨木」

「おぉ、汝よ。何か新しいゲームはないか? 気分転換に短いのがやりたいぞ」

「だからって漁らないでくれよ……うーんなにかあったかな……」

「む? この箱はなんだ」

 

茨木が棚の隅にあった大きな箱を取り出した。

 

「うわ、懐かしいなそれ。なんであるんだ」

「汝よ、これはなんだ」

「人生ゲームっていうボードゲームだよ。うーん双六のような感じかな。双六と違うのは最初にゴールした人が勝ちじゃなくて、最終的に一番お金持ちな人が勝つんだ」

「……なんというか、金があれば勝者などと下賎なゲームだな」

「ま、まぁ分かりやすいじゃない?」

「ふむ……暇だしやってみるか」

「じゃあ人数揃えようか。四人くらいがいいかな。マシュと清姫を呼んでこよう」

 

そう、そうして立香、マシュ、茨木、清姫の四人で人生ゲームを始めたのが、全ての始まりだった。

最初は順調だった。ちまちました数千円程度のやり取りや、アイテムカード取得に、職業選び。

ちなみに立香はサラリーマン、マシュは医者、茨木は弁護士、清姫は花屋となった。意外にも合ってるな、と立香は思う。自分はサラリーマンという地味さは少し複雑だが。

 

そしてーー事件は起きる。

 

「あら、このマスは?」

「これは……結婚マスですね。確定マスのようです。自分の車に異性の駒を乗せて他プレイヤーから祝義を貰うそうです。祝義は出目によって変化するようでーー」

「では……これからますたぁと協力プレイですね!」

 

空気が…………凍った。

 

「……あー、きよひー? プレイヤー同士はできないんだ」

「ですがますたぁ以外の男などと結婚したくありません。ますたぁの駒をこちらに乗せてくだされば、あとは私とゴールを目指しませんか?」

「ちょっと待ってください清姫さん、それはルール違反では」

「ですが、ルールブックにはプレイヤー間の結婚は禁止されてはいません。つまり大丈夫ということです」

「しかし……っ!」

「それにますたぁ? ますたぁは私と将来を約束した身。例えゲームの中でも、いえゲームの中だからこそ夫婦の関係を築いてみませんか」

「えーと……」

「ダメですダメです! 先輩は……先輩は!! 私と結婚するんです!」

 

再び…………空気が凍った。

 

「ふ、ふふふ、マシュさんはまだ結婚マスに着いていませんよ?」

「それなら先輩も結婚マスに行っていません! そして次は私のターンです! ほら!」

 

カラララとマシュがルーレットを回すと、それは都合が良いのか悪いのか、結婚マス行きとなった。

 

「ほら!」

「ぐぬぬ……」

 

何がぐぬぬだ(様式美)。

 

「さぁ先輩! 清姫さんか私、どちらと結婚したいですか!?」

「私ですよね! ますたぁ!」

 

さてそう答えたものかと立香は悩んでいると、今まで黙りきっていた茨木が、静かにルーレットを回した。

それは結婚マスへ行く数字となり、自身の駒を進ませると、茨木は妙に赤くなった顔で告げる。

 

「わ、吾も……どこぞの男と結婚するよりも……うー……汝の方が、いいぞ……」

 

空気が死んだ。

ついでに立香の呼吸も止まった。

 

「な、ぁ……!?」

「茨木さんまでも……!?」

「わ、悪いか! 吾だって生前は伴侶などいなかったのだ。ゲームとはいえ婚約は大事な事柄だと、母上が言っていた。相手を選んで、何が悪いというのだ」

 

顔を真っ赤にしながら唸るように言う茨木に、二人は言葉を窮する。

 

立香は止まった呼吸をなんとか再起動させながら、ギャーギャーと本人の意見も聞かず立香は誰のものかを言い争っている隙を突き、部屋からの脱出を試みる。このままここにいてはダメだと、死んでしまうと直感しながら。

 

しかし、無駄である。

 

「あら、ますたぁ? どこへ行こうと?」

「先輩! 逃げないでください!!」

「汝よ、は、早く決めろ!」

 

逃げられなかった。

壁際まで追い詰められ、立香は死の覚悟をした。

 

「私で決まりですよね。料理を筆頭とした完璧な家事。掃除は少しアレですが、まぁそれはそれ、愛嬌というもの。何より大切な愛は誰にも負けません!」

「先輩、私は先輩の隣を歩いていくと決めているんです。選んでくれますよね、先輩?」

「吾は……う、うー……な、なんでもない!」

 

どうしろというのか、まさか人生ゲームで三人の女性から求婚されるとは全くもって思わなかった立香は軽くパニックになる。

 

「「「さぁ!!」」」

「お、俺はーー」

『そこまでである!』

 

どこからともなく声がした。

かと思えばそれはものすごい俊敏さで三人の背後を取り、目にも留まらぬ速さで当身を繰り出した。

崩れ落ちる三人、それを見下ろす一匹の獣。

 

そう、彼女の名はーー

 

 

「タマモキャット、召喚に応じ参上したのだな! ご主人、そなたが我のマスターか?」

 

「あ、あぁ……」

 

キャッツ(good)! ではニンジンを寄越せぃ、ご主人よ。私はそう気が長い方ではないタマモなのだワン!」

 

その日、割と本気で意味不明な運命と出会うーーーー

 

 

人生ゲームは後日ダ・ヴィンチちゃんに頼んで封印してもらった。

過ちを繰り返してはいけない。(戒め)

 

 

 

「我の出番はまだ先だと言ったな? あれは嘘だ」




キャッツ!(挨拶)

日刊二位、ですって奥さん。思わず二度見どころか五度見しましたよ。
何回リロードしてもバグじゃないらしく消えませんでしたよ。

報告:
【朗報】アガルタのバーサーカー出演決定【回したら出た】

いやー……二万で出るなんて何て優しい設計なんだ(白目
でもキャスターもアサシンも出たし、今回のガチャは大勝利であった。やはり書けば出るのか(小説

たくさんの誤字報告ありがとうございます!
なんかもう……なんかもうすみませんね!!出来たらすぐに投稿してるもんで!

お気に入り件数1000も突破したし……あれ七話の後書きにお気に入り件数500突破しそうって書いた気がするんだけどな……ダブルスコアとか聞いてないよ。

たくさんの励ましメールもいただき、モチベがうなぎのぼりでございます。これからもどしどし送ってくださいね!(催促


では、また次回お楽しみに!


修正報告:アンケート内容を修正。

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