テイルズオブベルセリア 〜争いを好まぬ者〜 【完結】   作:スルタン

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次の話で本編が終わり、その次にエピローグの予定です


第57話

~

 

アルトリウスがベルベット達に向けて大剣を振りぬく、先ほどとは比較にならない剣気が吹きすさぶ

 

「散れ!!!」

 

アイゼンが咄嗟に叫ぶように指示をし皆が直ぐ様二手に分かれ左右に分かれる。だが剣気自体が攻撃となり直撃を免れたベルベット達はその余波で吹き飛ばされる

 

「ぐうぅぅ!!」

 

「きゃああ!」

 

「うおおおお!」

 

ベルベットが聖域の障壁に激突しマギルゥは地面に体を強く打ちつけ、吹き飛ぶエレノアをロクロウが辛うじて受け止めるも障壁にぶつかる。ケンは飛ばされるライフィセットを抱き留めアイゼンの腕を掴み剣気に耐えながら地面に足を擦りながら大きく後退する。剣気の風圧が止んだと同時にアルトリウスが大剣を構えながらゆっくりと宙を進む

 

「我が剣は、天に届く」

 

ベルベットが反撃しようと立ち上がり構えた瞬間。数メートル先まで一瞬で接近したアルトリウスが大剣を振り下ろす

 

「ッ!!」

 

ベルベットは咄嗟にブーツの仕込み刃を出し蹴り上げる。が、刃と大剣がかち合い拮抗もないも同然にブーツの刃が砕け散る

 

「!!」

 

「ベルベット!!」

 

驚愕するベルベットのがら空きの胴に刃を切り返し横薙ぎで斬り捨てようとした時、アルトリウスはエレノアの声に反応し一瞬視線を横にやる。投擲された槍を手首を動かし大剣で軽く弾き返す、そこにロクロウが小太刀を構えながら走り迫る、アルトリウスが素早く大剣を立てロクロウの小太刀を受け止める。

 

「うおおッ!!」

 

「・・・」

 

ロクロウの小太刀の連撃を大剣を目にも止まらぬ速度で動かし金属がぶつかる音と火花が散る。だがそれによりアルトリウスが僅かに後退する、そこにベルベットが刺突刃と業魔手で、エレノアが宙に舞い上がった槍を掴み三人がかりで挑む。アルトリウスは表情を変えることなく三人の攻撃を全て弾く、大剣の速度が速すぎてまるで軌跡で防いでいるように見える

 

「は・・早い・・・攻撃が見えない」

 

ケンに下ろされたライフィセットは神依を纏った本気のアルトリウスに戦慄を覚える。アイゼンは三人が徐々に押され始めている状況に歯噛みする

 

「ケン、行くぞ!このままじゃ真っ二つだ!!」

 

「はい!、ライフィセット、援護して」

 

「・・・うん!!」

 

圧倒的な力を前にしても退くことをしない二人の背中を見て勇気を振り絞りライフィセットは聖隷術を発動するために構える。アイゼンとケンがベルベット達を助けるべく走り出す、アルトリウスの背後に接近する前にロクロウが剣撃に弾き飛ばされベルベットの業魔手の叩きつけを瞬時に躱し後ろ回し蹴りが腹部に突き刺さり蹴り飛ばされる。エレノアの反撃の渾身の突きが大剣の刀身に阻まれる

 

「エレノア・ヒューム、お前は私を止めると言ったな」

 

「ぐっ・・・くぅ・・!!」

 

必死に踏ん張って押し切ろうとするエレノアに冷たい声で言い放ち大剣を振るい槍を押し返す

 

「ああっ・・!?」

 

「殉ずるがいい、己の意志に」

 

がら空きになったエレノアの胴を切り捨てようと中段に構えたアルトリウスの背後にアイゼンとケンが飛び掛かる

 

「させるかよ!!蜃気楼(ミラージュ)ッ!!」

 

「とおっ!」

 

超高熱を纏ったフックとダブルニードロップ、しかし二人の攻撃がアルトリウスの纏っている羽によって阻まれる。霊力によって焼かれるとも電撃に打たれたとも形容しがたい感覚に襲われ跳ね返される

 

「ぐおっ!?」

 

「しまったぁ!」

 

アルトリウスは振り返り様に大剣に風を纏わせを横に薙ぎ払う

 

「極風・絶暴!」

 

巨大な複数の風の刃が二人に迫る

 

「くあっ!冷気の渦よ凍結しろ!フリジットフォトン!」

 

アイゼンが氷の塊を放ち風の刃とぶつかり氷の華が飛散する。だがその華を斬り割き、吹き飛ばしながら刃が向かってくる

 

「ちぃっ!!なんて力だぁ!!」

 

「アイゼンさん!!」

 

ケンは最大まで高めたウルトラショットをアイゼンに向かう風の刃に向かって放つ。エネルギー弾がぶつかり爆発を起こしやっとの事で相殺する、次に自身に向かってくる攻撃を両手で受け止め上方へ受け流す。荒い着地をした直後手を見やれば手袋毎掌横一直線に深い傷と血が滲んでいる

 

「他所見とは、随分な余裕だな」

 

ケンが目線だけ前にやると無表情で大剣を振り上げているアルトリウス、振り下ろそうとした瞬間地面から漆黒の無数の手が手足に纏わりつく

 

「マギルゥ!!」

 

「ぶっ飛ばされた礼じゃ導師殿!!光翼、天翔くん!」

 

ライフィセットに呼応し伸ばした式神を横に振りぬくマギルゥ。ケンは直様アルトリウスの腰に飛びついてその場に押しとどめる、アルトリウスは腕に纏わりついた手を振り払うと剣を立てる

 

「無極・破心!」

 

アルトリウスから霊力の波動が渦巻きライフィセットの漆黒の手がバラバラに吹き飛ばされマギルゥの式神が波動に耐え切れず千切れ飛び、組み付いていたケンが弾き飛ばされる

 

「なんでもアリじゃのぉ!ムチャクチャじゃ!」

 

「でも・・・まだ!意志連なり怨敵貫け!出でよ!ディバインセイバー!」

 

ライフィセットは尚も食下がり術を発動させる。アルトリウスは回避するために動こうとした時今度は光る鎖が巻き付く

 

「逃がすかよ!!絶対に仕留める!風の刃よ斬滅しろ!エアスラスト!」

 

詐欺師(フラウド)で動きを止め直に脱出を防ぐために片手で術を発動し無数の風の刃で足止めする。直後頭上からライフィセットの無数の落雷が飛来する

 

「極炎・業乱!!」

 

雷撃がアルトリウスに直撃する瞬間大剣に炎を纏わせ振りぬく。鎖が弾け飛び風の刃も落雷も大剣の霊力と炎に搔き消される

 

「そんな!?」

 

「バケモンが・・・!!!だが・・」

 

力の差にアイゼンが毒づく。このままでは押し負け撃破されてしまう、ロクロウが間を与えずに飛び込み金属がぶつかり合う音が響く。エレノアは槍による攻撃に加え術で兎に角手数を稼ぐ

 

「やっぱり、アルトリウスからカノヌシを引きはがすしかないみたいね・・・」

 

脇腹を抑えるベルベットがアイゼンの後ろから呟く

 

「ああ、カノヌシの神依を取り除いて弱体化を狙う他手がない」

 

膝に手を付きながら立ち上がるアイゼン。だがその目に闘志は消えていない、ベルベットも最初からそのつもりでアルトリウスを睨む

 

「なれば、自分がなんとかして隙を作ってみます」

 

その横からケンが両の掌を揉みながら告げる

 

「!捨て身で行くってワケ?もししくじれば本当に死ぬわよ!?」

 

「この状況を打破できるのはベルベットさんの喰魔の力しかありません。ベルベットさん達の力を出し切る状況を生み出すにはこれより他がありません」

 

ケンは上着を脱ぎボディスーツの腰部分を掴む、そして一気に引っ張り上半身部分を破り捨てる。随分重くなったウェイトがなくなりかなり身軽になった気がする。素早く灰色の長袖のみを着る

 

「では行ってきます」

 

有無を言わさずアルトリウスの方へと早足で向かっていくケンにアイゼンとベルベットは一瞬呆気に取られる

 

「あ、あのバカ!」

 

「ベルベット、言いたい事は分かるがあいつの言う通りだ。勝つにはお前の力だけが頼りだ。俺達ができる事をするぞ」

 

アイゼンは一度深呼吸をしてケンがアルトリウスが相対するのを見届ける。ロクロウの喉元に蹴りが突き刺さり蹴り飛ばされエレノアの術が剣技で返されたところで横からのパンチをアルトリウスが片手で受け止める

 

「ほう・・・一人で来るとは、勇敢か愚かか」

 

「どちらでもありません。自分は貴方を止める為に此処にいる」

 

ケンは逆の手で受け止められている腕を掴み中段の薙ぎ蹴りを腹部に叩き込む。アルトリウスはほんの僅かに眉を顰め後方に下がって受け流す、ケンの横にロクロウとエレノアが並ぶ

 

「ゴホッ、やっと一撃入れたな。よし、こっから仕切り直しといくか!!」

 

「決して勝てない相手ではありません!」

 

ロクロウが咳こみながら小太刀を構えなおす。エレノアも息を切らせながらも槍を構える、アルトリウスは瞬間移動したかのように眼前に迫り最上段から振り下ろす。三人が目配せさせロクロウとエレノアが横に移動する

 

「ふんぬっ!」

 

ケンが真剣白刃取りで大剣を受け止める、手の平が焼けながらもしっかり掴む。アルトリウスが回し蹴りを首に叩き込み僅かにぐらついた所で引き戻し突き貫こうとするのをロクロウが小太刀を大剣を上段から叩き込み防ぐ

 

「そう簡単にはいかせんぞ導師アルトリウス!業火炯乱!!」

 

アルトリウスを押し出し業火を纏った小太刀の交差するように超高速な剣閃でアルトリウスに迫る

 

「ぬっ・・・!?流石だ、シグレを倒したことだけある」

 

「応よ!その剣技を貴様に叩き込む!!」

 

「やれるものならやってみるがいい・・・極水・斬月!」

 

「うおっと!」

 

剣閃をアルトリウスが防ぎながら呟きロクロウが目を赤く光らせ応える。水流を纏った薙ぎ払いに寸での所で躱す。その背後からエレノアが槍で跳躍し矢継ぎ早に攻める

 

「アルトリウス様!貴方をここで止めます!」

 

「いいだろう」

 

「六行六連!」

 

エレノアが槍の斬撃と蹴りを織り交ぜた六連撃を捌くアルトリウスに尚も喰らいつく

 

「昇掃泡撃!!」

 

水の霊力を込めた槍を振り回し舞い上がる、それもアルトリウスは見切り中空にいるエレノアに向けて大剣を横薙ぎに振りぬくそこに金属がぶつかる音が響く

 

「!」

 

アルトリウスが僅かに目を見開くそこには突き立てた槍だけがあり大剣がそれにぶつかったのだ。エレノアは槍を使って更に高度を取っていた、その槍に電気が走る

 

「雷牙轟閃!!!」

 

「ぐあっ・・・!」

 

術の発動と同時に槍の周りに落雷が落ちる。正方法とは真逆の方法に意識を削がれたアルトリウスが初めてまともに喰らった瞬間である。僅かに仰け反るも大剣で地面に刺さっている槍をエレノアの方へ弾き返す

 

「くぅっ!!」

 

エレノアは自身の武器を受け止めるも勢いが強くそのまま後方へ飛ばされる、だがそこに入れ替わるようにケンがアルトリウスの腹部に前蹴りを打ち込む

 

「がっ!」

 

アルトリウスが腹部を抑えて半歩下がるも直様大剣で斬り上げる。ケンの胸が斜めに斬り割かれ鮮血が飛ぶ

 

「ぬあっ・・!!」

 

仰け反り後ろに下がるも踏ん張りアルトリウスの頭を片手で引っ掴み額にヘッドバットを叩き込む。特殊超合金の骨格の恐るべき強度と硬度の頭突きに神依を纏い身体能力が激増したとしてもこの攻撃には耐えられなかった

 

「ガハァッ!!」

 

額を抑え遂に片膝を着くアルトリウス。ケンがさらに攻撃を咥えようと掴みかかろうとするが大剣を地面に刺し振り上げる

 

「極地・狂生!!」

 

「ぐあっ!」

 

振り上げたと同時に地面から地の霊力の波が吹き上がりケンを呑み込み吹き飛ばす。倒れた所に高速でアルトリウスが飛来し大剣を振り上げた時その周りに色のない牙が無数に襲い掛かる

 

「ケンが命懸けで作ってくれた隙、絶対に逃がさないよ!!ダークネスファング!!」

 

「ぬぅぅ!!」

 

アルトリウスは背中の羽でライフィセットの繰り出した牙を叩きつけ掻き消すがさらにその周りに複数のオレンジ色の弾が現れる

 

「!!」

 

「まさか卑怯とは言うまいの導師殿!そっちもカノヌシの神依を纏っておるからお相子じゃ!!遠慮なく受け取れい、ブレイジングマイン!!」

 

至近距離からの複数の爆発にアルトリウスも耐え切れず吹き飛ばされる。羽を広げ踏ん張り止まると背後から気配を察知した、アルトリウスが振り返るとアイゼンが地面に拳を叩きつける

 

「俺も混ぜろよ、アイフリードが世話になったからな。礼はきっちり返させてもらうぜ!大地よ震え狂いて爆ぜよ!グランドクェイク!」

 

地面から振動と共に複数の巨岩が隆起しアルトリウスの胴体を捉え跳ね飛ばす。アイゼンもその巨岩を駆け上り拳を握り締める

 

「何ぃ!?」

 

「覚悟はいいか!?気付けの一発・・・ くれてやるぜ!アブレイド・ベノム!!!」

 

アイゼンの右拳がアルトリウスの防御越しに殴り抜け叩き落とす

 

「一気に畳みかける!!ここで終わらせるぞ!!!」

 

「なら私が参ります!」

 

受け身を取り着地したアルトリウスに槍を回しながら接近するエレノア。反撃で振るわれた大剣を槍を高速で回転させて反動で弾き返す

 

「!私の剣を弾くか!!」

 

「信念を込めた閃空・・・ 天をも貫け!」

 

槍を回転させた怒涛の連撃でアルトリウスを追い立てる。そして一層強い一撃で間合いを開け槍に自身の渾身の霊力を込める

 

「狙いは一点!グングニル・ツイスター!」

 

槍を突き出し霊力の波動が光線となりアルトリウスは大剣の刀身で防ぐも押し切られる。それと同時にエレノアの槍は戦闘と霊力の放出に耐え切れず砕け散った

 

「ライフィセット!!マギルゥ!!」

 

「うん!霊子解放!天光満つるところ、我は在り!」

 

「出血大サービスじゃ!!我が許に来たりしは四十九の軍勢!」

 

エレノアの合図に呼応したライフィセットが術を発動し上空に巨大な術の陣が現れる。マギルゥはどこからともなく大量のノルミンを引き連れてきた、ツッコんだら負けである

 

「黄泉の門開くところ、汝在り!出でよ、神の雷!これで最後だ!インディグネイション!!!」

 

「この雨霰耐え得るか!いやいっそ楽になれ!フィニッシュじゃー!!!」

 

ライフィセット声と共に巨大なる雷が、マギルゥの号令でノルミンが突撃し絨毯爆撃の如くアルトリウスを襲う

 

「ぐおおおっ!!」

 

「導師アルトリウス、お命頂戴!!」

 

強力な電撃とノルミン爆撃に耐えるアルトリウス、それを逃さずロクロウがクロガネ征嵐に手を掛け音もなく消える。ダメージを受けながらも反応したアルトリウスが構える

 

「瞬撃必倒!儚く散り逝け!」

 

電撃と爆撃が止んだ直後によるクロガネ征嵐の斬撃を数回防ぐも耐え切れず胴や腕、脚を斬り捨てられる

 

「絶命の太刀!九の型!絶刑・・・!」

 

「ぐあああっ・・・!!!」

 

最後の一太刀を浴びせロクロウは息を切らし片膝を着きながらも刀を納めた瞬間、血の代わりに霊力が飛び散る。だがカノヌシの神依はアルトリウスの命を留めるべく傷を塞ぎ始める

 

「ケン!!今だ!!!」

 

「!!」

 

ロクロウの声に反応したアルトリウス、右手の掌に赤い光球を徐々に大きくしながら走ってくるケンを見ると立ち上がり大剣を脇構えに構える。ロクロウ達がそれに気づき阻止しようとするが遅かった

 

「秘剣・・・」

 

皆が反応する前に超高速でケンの至近に迫る

 

「覇道絶封!!」

 

大剣が下腹部から肩口まで斬り深々と斬り割かれそれと同時に上空に投げ出される

 

「己が罪深さ・・・二度刻め!!」

 

落下してくるケンのさらに背後から迫り背中の肩口から腰まで一気に斬り割く。地面に叩きつけられたケンを背後に息を切らせるアルトリウス

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

直に息を調えアイゼン達に大剣を向ける。だが当人達はアルトリウスの背後に目線が言っている、気配を察知し振り返ると赤い光球が眼前に迫っていた。アルトリウスは咄嗟に左手から霊力を放出し受け止める

 

「貴様・・・バケモノか・・!!」

 

「いいえ、自分は人間です!」

 

大剣を振り下ろそうとしたアルトリウスの右腕を掴み拮抗する。アルトリウスの霊力で周りが震え風圧と衝撃で近づけない

 

「ちっ!あそこまでやってまだこれだけの力が!!」

 

「これじゃあ近づけないぞ!どうする!!」

 

「どうするもこうするも、あやつに託すしかないわい!あやつが負けたら今度こそお終いじゃしな!!いい賭けじゃわい!」

 

「そんなこと言ってる場合ですか!ケンも限界のはずです!!」

 

「でも、僕は信じるよ!ケンが勝つって!!」

 

腕力でエネルギー光球を押し込もうとするケンに霊力で光球を握りつぶそうとするアルトリウス。カノヌシの霊力によりケンの左眼がノイズと砂嵐が走り体中に傷が走り始める

 

「ここまでだな・・・貴様も限界だ!」

 

「いいえ・・・これからです!」

 

ケンは掴んでいたアルトリウスの右腕を引っ張り自身の肩に振り下ろさせる。深々と斬られるもそれがアルトリウスの意表を突いた

 

「なっ・・・!」

 

「これでも喰らえっ!!」

 

一瞬弱まった霊力を振り切り鳩尾にエネルギー光球を叩き込んだ。爆発と共に両者が反対方向に吹き飛ぶ

 

「ベルベットさん!今です!!」

 

ケンが合図を送ると地面を滑る彼を避けてベルベットがアルトリウスへ向かって走る

 

「よくやったわ、後はあたしに任せなさい!」

 

「お願いします」

 

刺突刃と業魔手を繰り出しながら導師に迫る。荒々しく止まったアルトリウスは反撃しようにも今までのダメージとケンの攻撃が決定打となりまともに動けない

 

「ぬぅ・・・!!!」

 

「アルトリウス!あんたを今ここで!」

 

ベルベットの業魔手と刺突刃を織り交ぜた連続攻撃がアルトリウスを肉薄にする

 

「ここが地獄なら!」

 

跳躍し業魔手に黒い穢れを集約させる

 

「更に底まで!付き合いな!泥まで食らえ!インパルス・ディザイア!!!」

 

アルトリウスを叩き伏せ緑色の地割れと共に呑み込んだ。攻撃が止みベルベットとアルトリウスは衝撃で倒れ伏すも直によろめきながら起き上がる

 

「・・・ここまで追い詰めるとは・・・な、どこまでも世界の・・・希望を・・・阻めば・・災禍の・・顕主!」

 

「どこまでも・・阻んでやるわよ・・・あんたが・・理想を・・求める限り!!」

 

アイゼン達が見守る中お互いに武器を構える。勝負は一瞬で決まる。静寂の中お互いの目が開き駆け、飛来する

 

「はあああっ!!!」

 

「ぬおおおおっ!!」

 

刺突刃と大剣がぶつかり合う。その瞬間ベルベットの刺突刃がバラバラに砕け散る

 

「まだだ!!」

 

ベルベットはそれに構わず拳を固め振るう、アルトリウスはそれを掴み受け止める

 

「うおおおっ!!!」

 

ベルベットが業魔手で大剣を掴む

 

「諦めろっ・・・!私は世界の痛みを・・!止めねばならんのだ!!」

 

「『戦訓その零ッ!!』」

 

ベルベットはそう叫ぶとアルトリウスの顔面むけて頭突きをかます

 

「がっ!?」

 

アルトリウスが痛みと驚愕で動きが一瞬止まる。その隙にベルベットが首筋に噛みつく

 

「ん、ぐっ・・・!!があああ!!」

 

首筋から光が溢れそこからカノヌシが引き摺りだされ放り投げられる

 

「うわああああっ!!??」

 

神依を失ったアルトリウスの長剣をベルベットはサマーソルトで打ち上げる

 

「バカな・・!?」

 

「ハァッ!!」

 

丸腰となったアルトリウスを殴りつけ地面に叩き落とす

 

「がはっ!!」

 

ベルベットが打ち上げた長剣を掴み倒れているアルトリウスに落下しながら突き立てる

 

「『絶対に、諦めるな』!!!」

 

その言葉と同時に長剣がアルトリウスの腹を貫いた

 

~

 

第57話 終わり




前回から投稿がかなり遅れました。お気に入り登録していただいてる方々に申し訳ありませんでした
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