◆終話-04
コーラス城の地下の秘密工場──最強の守護神はすべての機能を凍結されて今は冬眠モードになっていた。
ジュノーンを眠らせたレディオス・ソープがコーラス王家の人々に向き直る。三国の王と王妃エルメラ。重鎮の人々に近衛騎士も居並んでいる。
その先頭にアトキ戦の功労者であるアイリーン・ジョルも正装騎士の姿でこの場にいた。
「ジュノーンが再起動するとき……コーラスの王となる人物がジュノーンを呼び覚ますことができるようにセットしてあります。そのコードはコーラスの風の三ファティマが受け継ぎます。そしてクローソーも……コード継承者として指名されました。クローソーを選んだのはサードがお望みだったからです。ジュノーンのリモート・コントローラはこちらになります」
「うん……」
正装のサードがソープからコントローラを受け取る。
「ユリケンヌはコーラスの事情でここにはいないが、その主のアルル・フォルテシモともし会うことがあればそのコードを渡してやってほしい」
「承知しました」
「ジュノーンはクローソーとローラのリョウ君がいなければ起動できなかった。あのとき、ベトルカであの子たちと出会ったのは偶然ではないとずっと思っていたよ。あの瞬間のための運命の出会いだったのだと今では思っている」
「あるいは必然の出会いだったのかと……」
「そうかもしれないな。それと、何から何まで済まないなソープ君。ボクの我がままを押し通した形になってしまったが……」
「いえ……ご家族を思うサードの強い想いがあったからこそジュノーンはその力を振るわずに済んだのです。ジュノーンは平和をもたらす象徴としてコーラスの証としてここに眠ります」
完成したジュノーンが戦場に立つことはなかった。
圧倒的な力を持つ守護神であり破壊神ともなりえる最強のMHは眠りにつくことで平和を見守る象徴となる。
「お休みジュノーン。コーラスの子どもたちと、その子孫も見守っていてくれ」
サードの願いの言葉を最後に扉が閉じていく。コーラス所縁の人々が見守る中でジュノーンは長い眠りにつくことになる。
この後、コーラス・サードはジュノーンに触れることなく生涯を終えるまでその意志と誓いを守り通す。
今はまだ生まれていない次世代の王となるフォースも父と母の願い通り騎士としてジュノーンを駆ることはなかった。
ジュノーンが目覚めるのは遥かな未来のこと。それは激動の終末の時代。
そのことを知る少女は封印された扉を見上げる。
「全部終わりましたね……」
ローラとヒュードラーが人々が立ち去る姿を後ろで眺める。二人は部外者であったがジュノーン封印の見届けを許された数少ない参列者である。
「ところでDr.モラードと何をしていたんだ? ジュノーンの完成という最高のイベントを蹴ってまで宇宙に何の用事だったのだ?」
「いやちょっとですね。野暮用と言いますか。それより博士、凄かったのでしょう? ジュノーン大改造!」
ヒュードラーの追及を笑って躱し別の話題に水を向ける。
「ああ、レディオス・ソープ様は凄い! 凄いなんてものではない……」
「さ、様?」
「パワフルに柔軟であのサイズでありながら実用化し両脚にエンジンを備え付けるなど考えもしなかった! いや、私は一度は考えた! だがその考えを一蹴したのだ! 現実的ではないとね……既存の観念に縛られ過ぎていたといえよう。実に興味深い体験だった……ああ……ソープ様」
心なしか頬を赤く染めてヒュードラーが身もだえする。まるで恋する乙女である。
うーん……これは止めても無駄ぽいですよね……
「春到来ですか……ライバル多いですよ」
ラキ姫+アイシャ以下袖にされたA.K.D女子諸君多数を乗り越えて辿りつけるか? 振り返れば死屍累々であろう。
考えるだけで非常に厳しい……
でもマイスター、レディオス・ソープの手腕に対しての評価ですよね?
「ああ、思い出すだけでド・キ・ド・キが始まってしまう! すぐに帰国しエンジンの小型化実用に向けてプランを練る! 実験テストと称して新しいエンジンを調達する伝手はあるのだよ」
「もう聞いてないし」
さてはてヒュードラーに起きた化学反応はローラが予測したことであったが予想以上に加熱している。
カナルコード計画を後押しする材料として、L.E.Dミラージュからジュノーンへのエンジン移植のタイミングを利用した。
K.O.Gシリーズの最大の特徴であるツイン・エンジンは、騎体のバランス調整が非常に難しい両脚に備えることで、今までの常識を遥かに超えた超パワーを発揮することができる。
無論扱うには相当な騎士の腕とファティマの制御能力を要するが、圧倒的なスペックを持つK.O.Gの真の力を引き出せるのはアマテラスとラキシスの組み合わせだけであろう。
彼女がジュノーン改造現場に立ち会うことでカナルコード計画に大きな進歩がもたらされることをローラは確信していたのだ。
カナルコードが抱えている問題の一つは、エンジンの改造というハードルを突破しなければ成しえないものであったからだ。
そして技術的困難に見舞われることは間違いない。今回のジュノーにおけるわたしたちの「成果」はこれからの計画に組み込まれた緻密なものである。
ダブル・ユニット内蔵型のツイン・エンジン仕様のカナルコード実現への道。
すべてのピースは当てはまる。もうわたしたちを止める障害は存在しない。必要なものは時間と繰り返し行う実験の成果だ。
早ければ一〇年……いや、もっと早いかもしれない。革新によってK.A.Nの完成を数十年早めることは確実だ。
「ふふ、博士楽しそう」
「私は今日帰るが君も来るかね? いくつかボォスで仕事を受けていてね。それが終わり次第取りかかるつもりでいる」
「ご一緒できたらいいんですが、わたしもアドラーに戻らないと……」
「そうか……近いうちにまた会おう。いつでも連絡してくれ」
「もちろん!」
二人は両手を握り合って別れを惜しんだ。
まだお互いにやることがある。
ヒュードラーと再会を約束してローラは手を振って見送る。
「マタネ、マタネ!」
隣でハロも弾んでローラと見送った。
ローラがコーラス城に戻ったのはハロとリョウを回収するためだ。ジュノーンは眠りについてリョウの仕事はお終い。
可愛がってた弟分が眠りについて少し寂しいかもね。
宇宙船にはモラード先生とウリクル……じゃなかった。アリアとエルはお留守番してる。
船はナイアスねーさんの部下の人が操縦している。
ねーさんから連絡貰ったけど、フィルモアに帰るからこの船は預けるって言われました。アドラー帰ったら返してくれって。
もーホントにあの人は自由人というか神出鬼没だなあ……
「まあ、めでたし、めでたしかしらん?」
「めでたしじゃねーよ。全然良くねえ……」
「はい?」
振り向けばそこには疲弊顔のマロリーさんが立っていました。心なしかげっそりやつれています。
マロリーさんの腰に後ろからしがみつく少女がいます。ウリクルと同じコーラス印のファティマ・スーツを着ています。
「ダメですマスター。逃がしませーん! ちゃっちゃと覚悟お願いしますぅぅぅ~~!」
何やこれとお思いかもしれませんが彼女の名前はモンスーンといいます。
風の三ファティマと名高いコーラス・マイスナー王家の秘蔵っ子です。それがなぜマロリーさんをマスターと呼んでるのかと言いますと、話はちょっとだけ長くなります。
あれはわたしが上からリターンしてきてすぐのことでした(回想モード)
………
……
…
「あー、つまんね」
終戦の後処理で人々が忙しい中、マロリーさんが発した言葉がきっかけでした。大人はみんな相手してくれないので暇を持て余していたのです。
「なら、うちのモーターヘッド見に行きませんか? 今ならこっそり見に行けるかも」
何だか悪い子に感化されたのかイェンテ君がイケナイ提案をします。
「あそこは入っちゃいけないって言われてるじゃない」
セイレイが止めるまでは定石ですが、わたしも好奇心は抑えられません。
「それってオクトーバーMK2のこと?」
マイスナー家所有のオクトーバーMK2はルミラン・クロスビン作。黒騎士バッシュと同じ製作者だ(ドーン)。
「そうです」
「おお……見たい」
エンゲージSR1に続きレア度は高い。見ずにはいられません。
「でもマイスナー家所有ですよね?」
マイスナー領まで見に行くのはちょっと時間がかかる。帰る時間が迫ってるので厳しいものが……
「いえ、コーラス城にありますよ」
「へえ……ここにあるの?」
MK2はハグーダとの戦いでは一度も見ていない。マイスナーは出していないことは確かだ。
ハグーダとの戦いはコーラスの切り札を出すような危機ではなかったということかな。コーラスの層の厚さを改めて実感する。
ソレは地下工場の方に眠ってるらしい。ジュノーンが封印される区画の先のブロックだと聞いてわたしたちはやってまいりました!
そんで……
「全然見れねーじゃん。何だこの被せもの!」
保護のためか円形の光沢のあるドームにMK2は包まれておりました。広大な空間に光る卵が埋まってるみたい。
いやーコレは見れません。残念だけど帰るかとテンション駄々下がりです。
「開けるスイッチこれか?」
「あ、そこはダメですっ!」
「あ?」
何がダメなの?
マロリーが適当に押したスイッチはMHを収納するドームの隣にあるもう一つの小さなドームにありました。
このちっこいの何か気になってはいたけど何なのかさっぱりわかりません。
白く冷たい蒸気が噴出され冬眠装置独特の起動音が響く。
「こんなところに眠ってるのはもしかして……」
卵ドームが開閉してカプセルベッドが吐き出される。温度差でガラスが白く覆いつくされるが中に眠っている人物が覚醒しようとしている。
『起動します』
電子音が告げる。こうしてファティマ・モンスーンは永い眠りから目覚めたのであった。
…
……
………
というのがことの経緯である。
マイスナー家所有のモンスーンが覚醒し余所者をマスターって呼んじゃったんだから大事件です。が……今は大変美味しい匂いに包まれております。
余韻去らぬ場に残ったわたしたちに声をかけたのはエルメラ様とラキシスさんでした。
エルメラ様からお茶にしましょうと誘われ女子全員(七名)+イェンテ君とでお茶会と相成ったのです。
「あら、お代わりはもういいの?」
「あ、いただきます」
王妃様自ら紅茶を注いでくれました。
お茶会の場所はセイレイに教えてもらった秘密の庭の小屋です。
庭師のコードレスさんが一切を取り仕切り、用意されたお菓子と飲み物が胃袋を幸せワールドへ導くのです。
ワタクシの前に広がるのはピンクの世界。甘い甘い砂糖菓子たちの饗宴デス。
メインはピンク一色のイスパハンです。そしてこのマカロンも絶妙においひい……
ああ紅茶と絶妙のハーモニーを口の中で奏でています!
ピエール・エルメ作のお菓子の帝王。バラの「イスパハン」と名高いこのお菓子はまさに女王の貫録に相応しいものであります。
ピンク生地に赤い宝石が乗っかっている帝王の別名は「王女のポンポン」らしいですが非常に美しいお菓子ですよ!
お土産に持って帰りたいくらいです……
エルメラ様の身重な大きなお腹も触らせていただけました。お腹の子どもは確実に男の子!
妊婦さんのお腹を診たのは初めてだけど力強い波動を感じた。未来のコーラスは健康優良児ですよ。
それと王妃様の甘味知識の広さにラキシスさんが涎垂陥落しさらなるスイーツの世界を目指すことを誓い。
何だか心配だったマロリーとモンスーンもそこそこ気が合ってる様子。
クローソーとラキシスの姉妹が仲良く並んでるのを見るとすごく嬉しい。歴史は変わったのだと実感できる。
イェンテ君とセイレイはわたしの両隣に座ってますが二人ともお菓子に夢中になってる。
なおアイスバージョンもありまして、熱い紅茶と甘く冷たさを交互に味わいながら甘酸っぱい風味を再度楽しむことができるのです。
マカロン>紅茶>アイス>紅茶を繰り返し口の中に美味しさを反芻します。
ぐふふ、もうダメ。この甘さにとろけてしまいますぅ~~! 女の子ってなんで甘いものに弱いんでしょうかぁ~~~
「おいちい……」
あー、エルカセットも一緒にいたら楽しかったのになぁ。今度一緒に甘味取り寄せグルメツアーしようっと!
「送信っと!」
ナイアスねーさんに極上イスパハン・パーチーとみんなが映ってる画像を送信。
すぐに返事が返ってきて『くやじい~~~! あたしも食べたーい!!』だって。
で、次のメールが来て『なーんてね(はぁとマーク)』の画像添付。
「えええ?」
ねーさんの手にはピンク生地に赤い宝石のイスパハンが神々しく輝いてるではありませんか!
「このお菓子は全部ナイアスが贈ってくれたのよ。感謝しなきゃね。アネッサの教育が行き届いているわ」
「そうなんですかぁ~」
ニコニコとエルメラ様が説明してくれました。
甘味クイーンとナイアス姉さんの母君は甘味世界の頂点を競うライバル同士なのでした(まる)
ううむ、上には上がいるものですね……
わたしもお菓子作りに今度から挑戦してみようかな。そしたらみんなにいつでも振舞えるだろうし。
目指せパティシエ・ローラ! なーんてね。
「ローラも帰っちゃうの?」
「この後ね~」
「そっか……」
「ん?」
「姫様は寂しいのですよ。ローラちゃんがいなくなっちゃうから」
セイレイのソワソワした様子をラキシスがフォローする。
「あー……」
「別に寂しいなんて言ってませんけど!」
ローラの視線にツーンとつれない態度のセイレイ。
そっかお別れだもん。しばらくは会えなくなるよね……
「ガキはもっと素直になれよ」
「ケンカ売ってます?」
マロリーさんと険悪になる前にローラは端末をセイレイの前に突き出す。
「これ、わたしのアドレス! 交換しようよ」
「え?」
突然の申し出にセイレイが戸惑って返しエルメラの方を伺う。
「これでいつでもお話しできるよ! あの、迷惑だったかなあ……」
頬をかく。姫様に無礼であったか……失念。
「セイレイ、寝る前の一〇分間だけならお友だちとお話していいわよ」
エルメラが囁いてセイレイの顔がぱっと輝く。
「迷惑じゃない! アドレス、交換する!」
「イエーイ」
「ふふ」
エルメラ様が微笑んで見守り、周りからも何だか暖かな視線が注がれてちょっと恥ずかしい。
なお流れ的にアドレスはみんなと交換しました(まる)
こうして──イスパハン伝説の女子会はカップの底に残った紅茶を飲み干して終わりを迎えたのです。
◆さらばジュノー
わたしはジュノーを去る。
ここで体験したことは驚きの連続だった。ヒュードラー博士と出会い。
ウリクルとサードの運命に大きく関わった。
新たな友人を何人も得ることもできた。
わたしが大きく成長する道をコーラスが与えてくれた。自分の力を信じること。わたしができることの可能性を広げてくれた。
これからも多くの人たちと出会って、知らない多くのことを知って、成長して世界に関わっていく。
失敗もするだろう。けれど恐れたりしない。
ジュノーで出会った沢山の人にありがとうと言いたい。また彼らに会えることを願ってこの星から家に帰る。
「で……何でマロリーさんがここにいるんですか?」
「帰るんだよ。足がないからあんたの乗る船に便乗させてもらおうと思ってさ」
「えー、モンスーンさん連れてってもいいの? 不味くありません?」
そのモンスーンさんといえばマロリーさんの隣でニコニコしておられます。
「知らねーよ。いいって言われたんだ」
「えー、そうなのー?」
風のファティマと名高いモンスーン連れだすのは機密的にどうなのと思います。
「何か取引とかしたの?」
「は? 別にい……」
ギクっとした様子から何か訳ありと推定します……
マロリーさんのことだから後で突っつけばボロ出しそうですが。
そーいやサードがウリクル娶ったときも黒騎士と一緒に武者修行に出たって話だったなあ。
サードの認可が下りてるなら、そういうところはコーラス流の鍛え方なのかしらん?
マロリーとモンスーンを仲間に加え、ローラは待ち合わせ場所に向かう。
「マスタ~~!」
三人がいるのは空港の発着場だ。停留する宇宙船から迎えに来たエルが手を振って……あ、こけた。
「あにゃ……」
「お鼻ぶつけた? 痛くない?」
「平気ですぅ……」
「痛いの痛いのとんでけー!」
涙目のエルにおまじない。
「飛んできました~~! 復活れすー!!」
「よし」
立ち上がったエルカセットの手を握る。
「じゃあ帰ろうか。アドラーに」
「は~い」
「お前らすっごくデコボココンビだな」
「マロリーさんに言われたくありません」
こうして四人は連れ立って宇宙船に乗り込むと船はすぐにジュノーを離れる。
アドラーに向けて進路を取りローラたちは帰国の途に就くのだった。
◆
星団歴二九八九年の秋初頭。
コーラス王家は待望の男子を得た。
エルメラが次代のコーラスを産み落とし、戦後の復興に向かう人々に未来への希望を与えた。
クローソーはエルメラの側にあってフォースの出産に立ち会った。
後にフォースの守護者となってその治世を助けることになる。
騎士を引退したコーラス・サードは良き夫として、また良き父親として子を慈しみ育てた。
妻と共に王朝を支える礎をより盤石なものとしていく。
彼が最愛の人と再会するのは年老いた晩年である。
長年連れ添った妻を亡くし、病の床に伏せる彼の前に彼女が現れて看取るまで彼の側に付き添った。
偉大なる武帝は愛する人と子どもらに囲まれ静かに逝く。
それはおりしも天照によるアドラー大侵攻が始まる前年のことであった……
トリオ騎士団長アイリーン・ジョルはハグーダとの戦いの数年後に退団し母国のピーチカート公国へ。
退団後は永世騎士団長の称号を贈られ、救国の英雄としてその名をコーラスに刻んだ。
ハグーダ戦においてアイリーンが掲げた戦友(プルース)の盾はヤース戦史博物館に寄贈される。
ハグーダとの戦いで戦死したプルース・ランダースの名誉は守られる。
盾はコーラスを護ったシンボルとなり民の誇りともなった。
そして……二九八九同年ミラージュ騎士のシャーリィ・ランダースが大使としてコーラスに赴任する。
コーラスに新たなる時代が訪れようとしていた。
暑い季節は去って、秋が駆け抜け冬が来る
それは一つの出会いと、一つの永遠の別れを意味する季節
次章はバランシェ邸で始まり、そこで終わりを告げ、少女たちは新たな旅立ちを迎える──
これにてコーラス編は完結です
ここまで転生ローラにお付き合い下さりありがとうございました!(^^)!
まだ3章が残っていて2989年冬のエピソードで第2部は終わる予定です
3章タイトルは「大いなる遺産」(´・ω・`)ディケンズっぽい
この先も読んでいただけたら幸いです<(_ _)>