世界はシャボン玉とともに(凍結)   作:小野芋子

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主人公のターン!

覚醒イベは今だ!!

因みに時系列はうちは◯ね日記のすぐ後です。


こうして終わる少年の物語

「—————以上が会談で起きた全容です。ウタカタ様どうしますか?」

 

日記書き終わってちょっとウダウダやってたらカツユさんからとんでもない報告がきた件について。

 

何でもドッキリ用に仕込んでいた液体カツユさんが向こうの情報をこちらに流してるとか。

いや、そこはどうでもいいな。問題は報告の内容だ。

 

取り敢えず叫ばせて。

 

このホモォォオオオオ!!!!ちーがーうーだーろー!!違うだろ!!!!

 

よし、ちょっとスッキリした。いや本音を言えば全然整理ついてないし、全く意味が分からないけどまあ燻っていた感情は発散できたから良しとしよう。

 

それで、何だっけ?アメリカの大統領の話だっけ?あっ違う?知ってる、ただの現実逃避です。

冗談は置いといて、確か俺が国際的な指名手配犯になったんだっけ?しかもよりによってあのクソクレイジーサイコホモと志を同じくしているんだっけか?

何でそうなったの?俺が犀犬と仲良いから?いや、俺の交友関係なんてどうでもいいだろ。何で犀犬と仲良いだけで犯罪者扱いされんだよ。

もしかしてあれか?まだ犀犬は化け物だなんだとほざくのか?だったらアレだな、こっちも出すとこ出すよ。最近尾獣玉覚えたし、言っておくけど破壊力ハンパないからね?

 

いや、それとも俺が仙人化(笑)使えるのが不味いのか?でも九喇嘛が言うことには初代ホモ影も使えたらしいし、そんな悪いことでもないよね。

それとも何、俺が使えたら悪いの?なんで?イジメ?言っとくけど仙人化は俺と犀犬とカツユさんの絆みたいなもんだからこっちも馬鹿にするんなら出すとこ出すよ?

仙人化してたら体滅茶苦茶丈夫になるし、ステゴロの喧嘩に持ち込めば結構強いよ?カツユさんの住処の湿骨林で体術の基礎とかも習ったし、並みの相手どころか総長クラスでも倒せるかんね。総長クラスがどれくらい強いか知らないけど。

 

いけないな、また現実逃避している。ちゃんと問題に向き合わないと今回ばかりは割とマジでヤバイしな。だって各里の最強がこっち来てるんでしょ?危険分子は早々に排除する〜って感じで。

まあこの世界広いし、居場所が特定できて尚且つ襲来に気づいていない俺を倒す、いやこの際だからハッキリ言おう。俺を殺す方が手っ取り早いのは分かる。合理的だね。それにしても世界が敵に回るなんてなんて中二病の痛い妄想だと思ってたけど本当に起こるんだなそんなこと。

 

けど、残念ながら俺は俺が犯罪者扱いされているのを既に知ってるし、逃走用の【何処でもシャボン玉・改】を既に周囲に飛ばしてるから、安全面はクリアしてると言っていいだろう。

 

他にも最後の手段にはカツユさんの逆口寄せっていう最強テレポートもあるらしいし。しかも逃走先の湿骨林はカツユさんのサポート無しじゃ攻略に一年はかかるらしいから、逃走後の安全も取れるという二段構え。流石カツユさん愛してる。

 

因みにだが【何処でもシャボン玉・改】は従来の【何処でもシャボン玉】がシャボン玉toシャボン玉ならこっちはシャボン玉に入ることなくシャボン玉のある位置に瞬間移動が出来るという優れものだ。

移動した先のシャボン玉が割れるというデメリットもあるけど、まあそこはケースバイケースで使っていけばいい。

 

さて、取り敢えず逃走経路が確保されていることは確認できた。本来ならばこのまま逃走して仕舞えば早いんだが、一度水影と話しておく必要がある。なんせカツユさんの話だと大分参ってるらしいし。しかもそれって俺のせいだから割と心配なんだ。となれば次に気になるのはあちら側の動向だな

 

「カツユさん、大体どれくらいでこっちに到着するの?」

 

「恐らく日の入りまでにはここに到着するかと」

 

「成る程ね」

 

外を見てみると、太陽が大分傾いている。この場には残念なことに時計は無いが、カツユさん曰く今は大体4時くらい。日の入りが大体6時だから俺に残された時間は2時間あるか無いかといったところ。

 

『おい』

 

「どうした九喇嘛?」

 

『こっちに三代目火影が向かって来ている、他にも二人、恐らくは自来也と大蛇丸とかいうガキだろうな』

 

九喇嘛の探知は何というか独特だ。仙人化での探知を相手の雰囲気を探知することだとすれば、九喇嘛は相手の悪意を探知するらしい。

つまり言い換えるならば、その三代目火影とやらはこっちに悪意を向けているということか。

 

「さて、どうしたもんかね。九喇嘛、その三代目は後どれ位でこっち来る?」

 

『早くても20分はかかる。里の辺境に宿を借りたのは正解だったな』

 

人が怖くてココにしただけなんですけどね。まあ、結果オーライという言葉もあるし、運も実力のうちとも言うし、そういうことにしておこう。

 

 

さて、では最後の問題と向き合うとしようか。

 

「犀犬」

 

『……なん?』

 

「俺が死んだら、犀犬はどうなるの?」

 

『………』

 

ふむ、どういう訳か犀犬はこの話題を出したらだんまりしてしまう。この世界は戦争とかしてるって知ってたから割と早い段階から俺が死んだらどうなるのかについては聞いていたんだが、今日まで犀犬が答えてくれたことはない。

俺としても別にそこまで興味のある話題では無かったし、死がすぐそこまで迫って来た経験もないし、何より犀犬を困らせたい訳じゃ無いからすぐ様別の話題に変えるのが常なのだが、今回ばかりはそうも言っていられない。

 

カツユさんはどうにかして俺を生かそうとしてくれてるし、九喇嘛だって何時も以上に気を張って周囲を警戒してくれている。

それは犀犬も同じで、例の超絶危険シャボン玉を周囲に散開させてくれている。あのクソ危険なシャボン玉を俺を通して犀犬が出した時は流石に焦ったが、妙に納得もいった。きっと俺はずっと犀犬に守られていたんだなと。

 

けど、だからって俺が生きていられる保証が出来た訳でもないのもまた事実。俺のケツを狙うあのホモ集団なら命くらいは助かったかも知れないが、今回は冗談抜きで命狙いに来てるらしいし。

 

だからこそ俺は聞かなきゃいけない、九喇嘛に聞いてもきっと同じ答えが返ってくるんだろうがそれじゃダメだ。俺は犀犬の口から聞きたい。じゃないと、相棒じゃない。

 

「犀犬、頼む。俺が死んだらお前はどうなるのか、教えてくれ」

 

『……俺や九喇嘛はよ、チャクラの塊やけん、死ぬことはないんよ。ウタカタが死んでも、時間さえかければ生き返るんよ』

 

「そうか」

 

成る程、だとすればちょっとだけ肩の荷が降りた。俺が死んで犀犬も死ぬんなら、俺は死んでも生き延びる。けど、俺が死んでも犀犬は生きていられるのなら、いや、当然死んでやる気なんてさらさらない。なんで俺があのホモの仲間認定されるなんていう、末代までの恥をかかされた上で殺されてやらにゃならんのだ。

絶対いやだ、死んでも御免被る。

でも、それでも俺が死んでも犀犬が生きているになら、ほんのちょっとだけ死ぬのが怖くなくなる。

 

『けど』

 

「?犀犬?」

 

犀犬にしては珍しい強めの声。何時ものフワフワとした感じではないその声から、何故か覚悟のようなものを感じる。

 

『俺やよ、ウタカタのいない世界なんていらないんよ。ウタカタが殺されたらきっと、世界を滅ぼすと思うんよ』

 

「そっか。……そっか」

 

成る程。だとすればアレだな。死んじゃいけないな。だって滅ぼすんだろ?俺は犀犬が殺戮兵器になるところなんて絶対に、ぜーったいに見たくない。

 

だったら、生きるしか無いじゃないか。俺があのクソクレイジーサイコホモの味方だって言い張るんなら、あいつをボコボコにして文句言ってくるやつの前にでも差し出せばいいじゃないか。

 

最強の忍術?最強の忍?最強の瞳術?何それ美味しいの?

 

犀犬や九喇嘛を化け物だなんだ言ってる弱虫どもに俺が負けてやるもんか。話し合いの一つも出来ずに見た目だけで判断するゴミどもに負けてやるもんか。大事な仲間侮辱する世界なんかに殺されてやるもんか。

 

忍術が使えない?誰が決めた。それを決めるのは俺だ。意地でも忍術使ってやる。雷遁でバオ◯ザケルガぶっ放してやる。

 

戦えない?誰が決めた。なんで殺しにきてるやつに手加減してやんなきゃいけないんだ。死にたくないなら殺しに来るな。

 

ああそうだやってやる。やり過ぎたって構うものか、あっちが俺を敵と認識したならこっちだって敵と認識してやる。

 

五影?知らん。俺が善か悪かもわからんような奴が人の上に立つな。人を率いるのなら人を見る目くらい養えバカ。

 

言っておくが俺は水影以外誰も信頼していないからな。火影?ああうん確かに良い人かもね、けどあのホモども制御出来てないじゃん。お陰でこっちは集団で襲われたんだよ?その責任とって土下座くらいするまで許さん。

 

『………おい』

 

「どうした九喇嘛?」

 

何時もなら何事もズケズケいう九喇嘛には珍しく言い淀んでいる様子。何かあったのかな?

 

『儂はお前が死んでも、本体はクシナに預けておるから消えることはない』

 

「?」

 

本当に珍しい。遠回りな言い方をするなんて正直九喇嘛らしくない。マダラの洗脳でも受けたのか?

 

『儂はお前を最後まで見届けると決めた。それは儂が儂の意思で決めたこと。今更変える気はない』

 

「それで?」

 

『だが、今のままではお前が死んでも儂は何食わぬ顔でクシナの中で生き続けることになる』

 

何と無く分かる。九喇嘛が何を言いたいのか。何を言おうとしてるのか。だから、何も言わない。口を挟むのは野暮というものだ。

 

『三代目火影がこっちに向かっている今、クシナの警護は手薄になっているとみていい。いや、実際にクシナの内部から探知したがあの場には碌な戦力はおらん』

 

「そうなんだ」

 

『既にクシナとも話しはついておる。チャクラも繋げておいた』

 

「そっか。そこまでお膳立てされたら仕方ないね」

 

『ふん』

 

つまりはそういうことだ。普段はツンドラな九喇嘛が珍しくデレた。そういう認識でいいだろう。

うむ、悪くないな。正直ツンデレ系のヒロインはまどろっこしくて嫌いだったが、悪くない。この一瞬のデレで何故かこれまでの努力全てが報われたような気もする。

 

さて、ならそろそろ飛ぶとしようか。シャボン玉が無いと不安で仕方ないが、まあ九喇嘛が大丈夫だというのだから大丈夫なんだろ。

 

それじゃウタカタいっきまーす!!

 

 




まだまだ主人公のターンは続きますが長引きそうなんでここで切ります。

まあこの無自覚で強い主人公が自覚したらやべーわな

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