[TS]HUNTER×HUNTER~ノストラード家のメイド長~   作:ヒロー

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続いてしまった…
原作の連載再開が嬉しくて、思いつきで書いた作品ですが、評価が高い事に驚きました。皆さん、ありがとうございます。


第2話

「うわ~! サクヤありがとう!」

「どういたしまして、お嬢様」

 

 ノストラード家の屋敷の自室にて、ネオンサクヤに頼んでいた望みの品であるミイラを手に入れ、とてもご満悦の様子だった。その様子を見るサクヤもまた、ニッコリとした笑顔を浮かべ、嬉しそうにしている。

 

(…はぁ、お可愛らしいお嬢様)

 

 お嬢様第一主義者のサクヤの頭の中は基本これだった。

 しかしいつもなら、愛しのお嬢様であるネオンの嬉しそうな表情を見て、もう少し大きなリアクションをするか、表情に出さず、頭の中がぶっ飛んでいるはずのサクヤにしては、反応が薄い。

 

「…? サクヤどうしたの? いつもと違うよ…?」

「…そ、それがですね。お嬢様……」

「もしかして、どこか悪いの…!?」

 

 それに気づいたネオンの心配した質問に、どこか歯切れの悪い様子を見せながらサクヤは、しかし今後の事も考え、意を決っし、重い口を開いてその問いに答えた。

 

「お嬢様…そ、そのですね……しばらくお休みを頂きたいと思いまして…」

「…? ……っ!? そ、それって! どっ、どういうこと! サクヤ!? ……も、もしかして、私の事、嫌いになったの…?」

「ち、違います! そんな事はありえません! じ、実は……」

 

 …………

 

「ダルツォルネさん、少しご相談があるのですが、いいですか?」

「うおっ!? …なんだ、サクヤか。いきなり現れて相談とは何事だ?」

 

 ノストラードファミリー所有の屋敷の一室にて、突如現れたサクヤに驚愕するも、直ぐに冷静さを取り戻し、椅子に座ったまま、サクヤに質問を投げかける男の名はダルツォルネ。ネオンの護衛達の中でリーダーを勤めている男だ。良く鍛えられた体をしているし、護衛の経験は少なくともサクヤよりは長いはずだが、念能力者としては並であった。その周囲にはダルツォルネに遅れて、驚愕から冷静さを取り戻した着物を着た複数の侍女がダルツォルネの肩を揉んでいる。

 

「ええ、実はですね、少しばかり長いお休みを頂きたいと思いまして…」

「…はっ!? 休み!? 誰が!?」

「私が、ですが」

「……?」

 

 サクヤの休みが欲しいと言う申し出に、先程以上の驚愕を示し、ネオンに対する普段のサクヤの溺愛っぷりを知っているダルツォルネは混乱状態に陥っている。

 その様子にサクヤは嘆息しつつも、休みをもらう理由を話し始めた。

 

「…はぁ、ハンター試験を受けたいのです」

「…は? …ハンター試験…?」

「ええ、ハンター試験です」

 

 サクヤのハンター試験を受けたいと言う言葉を聞き、理解できないとでも言いたげな表情をするダルツォルネに、サクヤは理解を促すためかもう一度ハンター試験を受けたいと言い、じっとダルツォルネを見つめる。

 

「とうとう、ボスに愛想を付かしたのか…?」

 

「はぁあああ!?」

 

「…い、いやだって、そ、そうだろ? …お前の実力ならハンター資格なんて、いまさら必要ないだろ? それでも欲しいって言うなら、ここをやめて別の仕事を見つけたのかと思ってな…」

 

「ち、が、い、ま、す」

 

 ありえない勘違いをするダルツォルネに、サクヤは少々怒りを感じながら抗議の声を上げる。

 サクヤの怒りのオーラを少し当てられただけで、怯えた様子を見せるダルツォルネに、サクヤはその推測が間違っている事を宣言するかのようにはっきりと伝えた。

 そうだよな、ありえないよなと、その額に冷や汗を流しながら、しきりにダルツォルネは頷いていた。

 

「…はぁ、さきほどの失言は忘れましょう。確かに、いまさらかも知れませんが、お嬢様のためにはハンター資格は有用です」

「…確かにボスの命令には、ハンター資格があれば役立つ事も多いだろう。だが、ハンター試験は超難関試験だ。例え、お前でも、落ちる可能性があるんじゅないか? それを考えると、長期の休暇を与えるのは躊躇するんだが…」

「大丈夫です、勝算は十二分にあります。必ずハンター資格を取得し、今後の仕事に役立てていきます」

「し、しかしだな…」

「それにここで働き始めてから、お休みを頂いた事がありませんでしたね。それを今、まとめて頂きたいと思います」

「…はぁ、わかった、わかったよ。ただ、ボスの説得はおまえがするんだぞ」

「ええ、もちろんです。そちらも、他の護衛や侍女達の調整お願いします。…ああ、それとノストラード様にも」

「りょうか、…って、またいきなり消えやがった。…はぁ、疲れる。なぁ、おい、マッサージはいいから、酒を用意しておいてくれ、連絡し終わったら飲むから」

 

サクヤに休まれると侍女としても護衛としても、あらゆる面で負担が増えて困るダルツォルネはどうにかして、サクヤを休ませないように言葉を繰り出すが、役職はともかく実力の面ではサクヤの方が遥かに上である。

結局、ダルツォルネはサクヤの極寒の眼差しと、言葉を繰り返せば繰り返すほどに鋭さを増すサクヤのオーラに抗いきれずに了承してしまった。

続くサクヤの言葉から、ダルツォルネは雇用主であるライト・ノストラードへの好感度の低さを感じつつ、返事をしようとして、現れたときと同じようにいきなり消えたサクヤに呆れながら、侍女達にマッサージをやめるよう指示を出す。そして、代わりに酒を用意するように指示を出した。

 

電話の受話器を手に取り、ため息をつきながら、雇い主に電話をかけようとするダルツォルネの背中からは、中間管理職の悲哀を感じ、侍女達は言葉にせずとも同情してしまった。

また、侍女達はこうも思った。正式な雇い主であり、基本丸投げのライト・ノストラード、その令嬢にして、実際のボスで我がままな癇癪もちのネオン・ノストラード、そのネオンに忠実で、ある程度制御できるメイド長サクヤ。破格の給料が出る職場だが、絶対にダルツォルネのような責任のある立場にはなりたくはない、と。同時に、サクヤが休暇を取っている間の仕事が、確実に増えるだろうという事に、今から憂鬱な気分を侍女達は抱いた。

 

「はぁ…もしもし? ご連絡したい事が……」

 

そしてダルツォルネも憂鬱な気分で溜息をつきながら、本来の雇い主に電話をかけた。

…………

 

回想とお嬢様への説明を終えた俺はお嬢様の返事を聞いていた。

 

「じゃあ、サクヤ、しばらく休むって事?」

「はい、そうなります」

「…………」

「おっ、お嬢様! 気に入らないのは分かります。 しかし、ハンター資格は本当に有用で、今後必要なもので…」

 

…お嬢様の不満げに黙っている顔もかわいい。いや、そうじゃない。

お嬢様からのご命令を遂行するのには、ハンター資格は本当に便利だ。今までは、難易度ゆえに躊躇していたわけではない。原作が開始するのを待っていたのだ。うろ覚えな記憶ながら、ザハン市で試験が行われることは憶えている。なので、裏社会の情報屋から情報を買って、すでに試験場所を特定してある。

 

「………」

「お嬢様、お願いです! 私が正規のハンターになれば、より一層お嬢様のお役に立てるようになります!」

「具体的には…?」

「はい! それは、ハンターのみが得られる情報を得られるようになり、また、私自らハンターのみが立ち入り可能な場所に、赴くことが出来るようになります。そうすることで、お嬢様の欲っする物を、より早く、より多く、入手可能になります」

 

お嬢様にハンター資格の有用性を説き、必死の説得を続ける。原作知識と言うアドバンテージがある今がチャンスなのだ。

ハンターしか出来ない事が俺にできるようになるのは、いままで事あるごとにに雇っていたハンターの経費削減にもなる。他にも、大変な仕事である護衛のリーダーを長く続けているダルツォルネさんの負担を軽減できるだろう。

そもそも、俺はこの世界の正規の身分証を持っていないのだ。精度の高い偽造した身分証は所持してるけど。

ハンターライセンスを手に入れるメリットを考えれば、お嬢様のためにもここは引くわけにはいかなかった。

 

「お嬢様…試験が終われば、出来る限り早くお嬢様の元に戻ります。ですから、お嬢様お願いします」

「むぅ、サクヤ…こっち来て」

「? はい、分かりました?」

「――お土産期待してるからね?」

「…っ! はいっ! お嬢様、期待してお待ちください!」

 

説得の最中、お嬢様にて手招きされ、俺は疑問に思いつつも、お嬢様の近くによる。

すると近寄ってきた俺に、もたれかかるように抱きつき、上目遣いでお土産のおねだりを頼んできた。

俺は自分の頼みを聞いてくれたお嬢様に感動しつつ、がばっと勢いよくお嬢様を抱きしめ、お土産について了承の意思を示す。

 

(あーやばい。鼻血出そう…)

 

感動のあまり鼻血が出るのを我慢しながら、今後について考える。

 

原作はある程度尊重したいと考えている。

主人公やその周りの主要人物でしか解決できない問題とかがあるかも知れないからだ。

一方で優先順位はお嬢様の方が上だとも思っている。

火の粉を払うためには、俺自身が原作に大きく介入する必要もあるかもしれない。

まぁ、難しいことは置いておいて今は…

 

「お嬢様、喉がお渇きになられませんか? であれば、紅茶をお入れしましょうか?」

「う~ん、そうだね、少し喉渇いたかも…」

「然様ですか。では、すぐにご用意いたします」

 

お嬢様との時間を楽しもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ステータス

 

 特質系

「発」

 時間を操る程度の能力(正確には十六夜咲夜である程度の能力)

 加速、停滞、停止、巻き戻しなど時間を操るだけではなく、空間を操り、そこに様々なものを収納している。いろいろな物が入ってる。リスペクトするのは、同系統の能力者の暁美ほむらちゃん。

なお、時間遡行できない。

 

 本来の体を失い、十六夜咲夜の体になることによって、制約と誓約はすでに果たされている。また、普段、咲夜として振る舞う事で、それが念の強化に一役買っている模様。

 

 中立中庸

 ネオンのために、良い事も悪い事もする。

 

 パワー B-

 特質系としては、かなり鍛えている

 

 スピードEX

 時間を操る程度の能力により最速。

 

 オーラ技術、投げナイフ、ナイフを用いた戦闘術 S

 この世界に来た当初から、無意識に自然と使えるレベル。

 5年間の経験と修練により、更に磨きがかかっている。

 

 近接格闘術 B+

 プロレベル。

 

 メイド EX

 完全で瀟洒な従者級。

 

 ネオンへの感情は、親兄弟としての物が強い。

 ネオンの咲夜に対する感情も同様である。

 ただし、主人公のそれに少しばかり邪な物が混ざっているのは否定できないが…

 

 

 




①直属の上司は我がままで癇癪もち。
なお、言う事を聞いて欲しい物を提供すれば割と操縦できる。
②その上の上司は、基本現場に無関心で、仕事を丸投げしてくる。
自由にやれるが逆に言えば仕事も多い。ただし、報酬は破格。
③いろいろ不満はあるものの、破格の報酬ゆえに不満を表に出さず働く優秀な部下達。
④役職は自分の方が若干上だが、現場では実質同格な上、自分よりも遥かに有能で、さらには、直属の上司のお気に入りで、いざと言う時はその上の上司からも頼りにされる同僚。

Qダルツォルネさんの胃と精神に、最も負担をかけているのは①から④のどれか



続くかどうかは未定です。
他にも書きたいと妄想するのが多いのです。

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