正義の味方候補の魔術使い   作:ラグーン

14 / 30
どうしても、どうしても書きたくなったんです!!だから、だから間違いなんかじゃないんだから!!((後悔はしてます

いやー、くだくだイベントやりつつ書いていましたらどうしても書きたくなったんです。うーん、それにしても新しいぐだぐだイベントが来るんですかね?前触れもなく復刻きたので……くるなら坂本龍馬の実装お願いします((土下座

えー、こんな作者の願望は無視をして本文にどうぞ!!


第14話 巨大迷宮への探索

 

「……どうもわからんが、妙に体が怠い。疲れがとれていないのか?」

 

朝起きてからずっと体がこの調子だ。そしておかげさまで遅刻コースのため、浅見先生のお説教タイムは確定だろう。風邪かとも思ったがそうでもなく理由はわからない。どうも原因不明に体が気怠くなっている。念のため……今日は休んでおくか?しかし、休んだら休んだらで授業の遅れを取り戻すのは一苦労するだろうし、やはり今日は普通に授業に参加するべきだ。悟りでも開けばあの長々のお説教もきっと乗り越えられる……はず。

 

「……それに胸騒ぎがするからな。幸運値は低いくせに、嫌な予感ほどよく当たる。たまには良法を当てたいもんだ」

 

そんな奇跡は起きないだろうがっと遠い目で何処かを見つめて、重い足取りで部屋から出る。何処か幸運値を上げるアイテムはないだろうかっと考えながら歩いていると、急いだ足取りで何処かに向かうアラタ、浅見先生、レヴィ、アリンと出会う。いったいどうしたんだ……?

 

「そんなに急いでどうしたんだ?」

 

「おぉ、恭介は無事だったのか。よかったなリリス、リリスが職務怠慢していないことが証明できるぞ」

 

「はい、どうやらそのーーーだから、そんなことしていませんっ!!」

 

どうやら朝からでもアラタと浅見先生の漫才は絶好調らしい。ああ……流石に今の俺にはついていけない。とりあえず急いでいる理由を早めに聞き出すか。

 

「浅見先生の職務怠慢はどうかはさておき、本当にどうしたんだ?」

 

「ですから違いますからねっ!?教師の立場としては遅刻について聞きたいですが……何処か体に異変を感じたりしていませんか?」

 

「朝から妙に体が怠い気はするが……それがなにか関係しているのか?」

 

「本当にそれだけッスか?」

 

「それだけだ。あとは、妙に胸騒ぎがするぐらいだ」

 

4人は顔を見合わせる。なんだ?俺は現状の自身の体調を素直に説明しただけだが。それがまずかったのか?とりあえず俺としては急いでいる理由が知りたいんだが。

 

「恭介さん、とりあえず自分たちと一緒に学園長室に来てほしいッス。学園長室に向かっている理由も辿り着いたら判明すると思うので」

 

「あ、ああ。わかった」

 

レヴィの雰囲気がいつものように飄々としておらず真剣な表情だった。そしてレヴィは耳元まで近寄り誰にも聞こえないように小声で話し始める。

 

「……恭介さんに少しだけッスけど手伝ってもらうことになるかもしれません」

 

「……それほどのことが起きているだということか?」

 

「恐らくッスけどね。無理でしたらーーーー」

 

「ふっ、断る理由がないさ。……レヴィには沢山のかりがあるからな。それに昔と言うほどではないが、誓いを立てただろう?」

 

「……本当にお人好しッスね」

 

耳元でクスリと笑われてこそばゆかったが、レヴィがそれほど真剣になっているということはそれほどのことなのか、それともレヴィが関係していることなのか。どちらにしろ手伝ってほしいと言われたなら断る道理はない、遅かれ早かれ関わることには変わりなかっただろうから。

 

「皆さん急ぐッスよ」

 

レヴィの言葉で再度学園長室に向かい始める。……それにレヴィが困っている時には助かるとあの時誓ったのだから。異端の魔術だとバレるリスクなど今は切り捨てる。俺の持つ魔術、投影魔術で今先頭を走っている少女の力になろう。ーーーそれが俺の出来る唯一の恩返しなんだから。

 

「崩壊現象だね。強い魔力を持つ子、つまりキミら以外の生徒はみな寝てしまった、そういうことみたいだね」

 

つまりここにいる全員は強い魔力を持っているといったわけだ。やはり来ている最中に説明さしてもらった方が良かったのかもしれない。山奈ミラとアキオにそれなりの魔力があることはこれでバレたようだし……真っ先に嗅ぎつけてそうなセリナがこの場にいないと言うことは教室で眠っているということか。セリナや他の生徒が心配だが……その場にいたとしても俺が出来たことはなにもないか。

 

「ーーーというわけで、だ。早速眠っているカワイコちゃんたちにイタズラしに行こうっ!!」

 

「……ふっ、俺もついに本気を出す時が来たようだな……!」

 

……ああ、この変態2人は相変わらずの変態2人だった。珍しく学園長発言すると期待していた数秒前の俺を殴りたい。その願いは叶わず、むしろ変態2人が浅見先生に思いっきり鉄拳制裁で吹き飛ばされたが。清々しい気分になった分よしとしよう。

 

「……なにも殴らなくてもいいと思うんだよ、リリスちゃん」

 

「癖になったらどうしたくれる」

 

「ふざけるのもいい加減にしたください!!」

 

最もだ。流石に崩壊現象が発生しているなら真面目になってほしい。特に学園長、貴様だ戯け。前回の崩壊現象についても動いた気配は微塵も感じなかったからな。俺の気を失った後に動いたのなら話は別なんだが。……ん?焼却領に詰め込んだだろうっだって?この男がそのぐらいでくたばるわけないだろう。ダストシュートしても平然として戻ってくると思うぞ。なんなら今すぐにでも学園長をダストシュートしても構わない。

 

「まったく、バカバカしい……」

 

「……同意見だ。貴様はここの学園長だろうに」

 

山奈ミラと同じタイミングでため息を吐く。彼女ももしかしたら色々と苦労人なのかもしれないな……なんとなく浅見先生と同じ雰囲気な気がするしな。少し俺に視線を向けてきたが、すぐに視線をずらされた。

 

「行きますよ、アキオ。これ以上の話は時間の無駄です。とっととその崩壊現象を消滅させればいいのでしょう?」

 

「そうそう!そうしてもらおうと君たちを呼んだんだよ。ここはやっぱり皆で力を合わせて謎の事件に挑む!まさに王道な魔法学園マンガ、もとい小説ではないかなぁと、ね!!」

 

「私たち以外は必要ありませんから。足手まといです」

 

最後にアラタを睨みながら力強く扉を閉めて出て行く。どうも余程アラタのことが気にくわないのだろうか?それとも魔王候補だから目を光らせているのか。その答えを知っているのは先ほど出て行ったあの少女だけなのだろう。

 

「なんだ、惚れられたか?」

 

「だんな様ってば自意識過剰ね」

 

「アリンはもっと自分を見せていいんだぜ?」

 

「自分……?……また裸を見せるとか?」

 

「……なぜその結論に至るんだ」

 

駄目だ。今日はツッコミ役であるセリナが不在のためキリがない。どれほどセリナがいたら会話が楽になるか今回のことでとてもわかった。……ああ、早くこの崩壊現象をどうにかしよう。俺自身の体の怠さを感じるのは好ましくはない。そして俺の場合はいつ暴走し始めるかわからないので割と焦っていたりするのだ。

 

「いいかアリン。そもそも簡単に裸を見せるのは駄目であってだな……」

 

「……そう、難しいのね」

 

本当に理解してくれたのだろうか?アリンは感情を読み取るのは難しいためなんとも言えない。ここはアリンが理解してくれたと解釈しよう。浅見先生は咳払いをしつつ学園長へと質問していた。

 

「本当に崩壊現象なんですか?」

 

「……ああ本当だ。学園の地下からすごい魔力が溢れ出していてね」

 

「地下……?地下ってーーやっぱりユイさんッスか!?」

 

「ユイって、あの夢の中にいるっていうリリスの次にスタイルのいいあの子か?」

 

「……スタイルで覚えないでください」

 

つまり今回の崩壊現象のその原因はその少女っというわけか。そしてレヴィは珍しく焦っている様子を見るからに、レヴィの関わりがあるのは間違いない。俺以外のここにいるメンバーは面識があるようで情報がない俺はこのまま黙っていることが一番だろう。

 

「ご明察のとおりだネ。この崩壊現象は彼女の魔力が大暴走して起きている。それは君たちが現場を見ているんだし、理解しているんじゃないかな?」

 

俺はその現場を見ていないから知らないけど学園長の発言で押し黙るところを見ると真実なんだろう。学園長はその雰囲気を理解しつつ話を続ける。

 

「彼女は学園の地下にあるダンジョンに住んでいてね」

 

「ダンジョンなんてあるのかよ!?」

 

「ここは魔道学園だからねっ!!」

 

……思わず俺もアラタと同じくツッコミをしそうになったが、何故か学園長の最後の発言で妙に納得してしまった。いや、残念ながら俺もなぜ納得できたかはわからないけど不思議と納得ができてしまう。

 

「し、しかしですね……いくら魔力が高いからといって、まだ見習いであるアラタを連れて行くのはどうかと思います」

 

「だが、アラタ君は他人の魔術式を外部起動(マルチブート)できたんだろう?理論上出来ないことを可能にした魔王候補ーーー実に興味深いじゃないか」

 

学園長ら純粋に好奇心から言っているからなのか、少し怪しい笑みを浮かべている。そして更にその怪しい笑みは深くなり視線を俺へと向ける。

 

「恭介君もダンジョンに向かうんだろう?君の性格上黙ってこの場にいるわけないしね」

 

「当たり前だ。崩壊現象が起きているんだ、それを黙って見過ごすとでも?」

 

「実に君らしい。けど、それは君個人のためかい?それとも、いま眠っている危機に陥ってる全生徒のためかい?それともーーレヴィちゃんのためなのかい?」

 

個人のために?いま危機に陥っている全生徒のため?はっ、それに答える答えは既に決まっている。いつもは頼ってこない、いつも助けられている少女から手伝ってほしいと頼まれた。この質問に答えることなんてそれだけで充分だ。

 

「全生徒を助けることが少しからず含まれているのは否定はしない。けどーーーその質問の答えはレヴィのためだ。その少女はレヴィにとっては大切な人、その人を助けに行く理由なんてそれだけで充分だ。そして人を助けに行くことに深い理由なんて必要ない」

 

人を救うことに、助けることに、手を差し伸べることに深い理由なんて必要ない。困っているから、助けを求めているから理由なんてそれだけで充分じゃないか。見過ごせないから、誰かが不幸になる結果なんて黙って見ているわけにはいかない。

 

「こんな状況の中レヴィちゃん口説いてるのは君ぐらいだよ?うん、行ってくるといい。君の誰のためにも魔術を使うと思うけど、本当の意味で全力でその魔術を使うのはきっとレヴィちゃんのためだろうからね」

 

「俺はいつでも全力なんだが……」

 

妙に核心をついてくるように言ってきたな。確かに俺はレヴィのためなら隠蔽していることなど気にすることなく、惜しむことなく投影魔術を使うと決めているけど……見透かされている気分でどうも落ち着かない。けれどもこの会話を聞いて生徒思いである浅見先生が黙っているわけもなかった。

 

「学園長!?流石に衛宮さんは危険すぎます!!」

 

「うん、リリスちゃんは本当に生徒思いで僕は嬉しいよ。けど、彼に関してはそれは杞憂というものさ。彼に関しては僕が保障しよう、それとレヴィちゃんのお墨付きもつけておいた方がいいかな?この場で彼のこと知っているのは僕じゃなくてレヴィちゃんだ。その彼女が同行を頼んだから問題ないよ。それに崩壊現象に耐えていることが何よりの証拠さ」

 

それはっと浅見先生は言葉を詰まらせる。そして渋々納得したようでわかりましたっと顔を険しくしながらも同行することを認められた。

 

「無事に恭介君の同行も許されたことだ。ぜひ行ってきたまえ、朗報をここで待っているよ」

 

ニヤリと笑顔を向けて学園長は扉が閉まるまで見送っていた。そして俺たちは目的地である地下に向かうのであったーーー

 

「……なんつーか、キモい空間だな」

 

「普段はごく普通の巨大迷宮なんですが……」

 

「普通の巨大迷宮ってなんだよ」

 

アラタは元は普通の高校生出会ったため、住宅街のその下に迷宮なんて存在しないだろうからな。だが、初めて体験してる割には適応力は高いようで感心する。

 

「魔導士はよく巨大迷宮に住むのよ……」

 

「お約束だな……」

 

ラスボスとの一騎打ちで大空洞で戦うことが多そうだからな。なに?そんなことはないだと?……まあ、俺もアラタと同じくこんな巨大迷宮を探索したことなんて一回もないからな。そもそも一般的に大迷宮なんてお目にかかれるものじゃないだろうからな。例外的なことでも起きない限り一般人が大迷宮どころか、迷宮探索なんてしないだろう。

 

「この原因も多分ユイの仕業、あの子が目覚めようとしている……」

 

「目覚める?寝てるのかアイツ」

 

「ユイさんは世界の裏側、夢の世界で過ごす魔導士ッス。それしてそれこそが彼女のテーマと言っても過言ではないってことッスよ」

 

「寝続けけることがテーマの研究なのか?」

 

「ええ、だからこそ封印されているッス」

 

「……封印?穏やかではない言葉なんだが」

 

「ユイさんは枢機(カルディナリス)クラスの魔力を持つッスよ。2人に簡単に説明するなら、学園だと学園長の次のレベルッス」

 

「マジか!?」

 

ほうっと俺はつい声を漏らす。つまり単純な魔力ならば学園長の次に高いというわけか。封印されているのはそれに関係するのか?

 

「よくわからんが、とにかく凄いんだな……」

 

「抑えが効かない彼女は魔力で危険を引き起こすからです」

 

「……つまり、魔力の制御が出来ていないから封印されているのか。そしてその現状が俺たち以外の生徒は眠っているというわけか。それに崩壊現象ならば、ただこのまま眠っているだけではすまないんだろう?」

 

眠っていてその後にきちんと目覚めるで終わるなら、様々な問題はあるにしろその程度の被害で済む。毎度毎度そのことがいつ起こるかわからないが、前回の崩壊現象に比べれば比較的マシだ。眠るだけなら全てが消滅するよりよほど楽観的になれる。俺の言葉にアリンは頷きそのまま話は続く。

 

「ええ、彼女の魔力はやがて「世界」すらも眠りにつかせるわ」

 

「……世界が寝た時はどうなるんだ?」

 

「ーーー世界の消滅ッス」

 

それはなにがなんでも止めないといけないわけか。現在俺が把握しているトリニティセブン全員の派遣、そして崩壊現象を止めれるアラタの力。世界の消滅がかかっているなら学園最強の名を持つ、トリニティセブン全員が駆り出されるわけか。まあ、この場で不要なメンバー間違いなく俺なんだが。

 

「……アラタに出会ってしまったから、魔王の力の影響を受けてしまったからという可能性が高いでしょうね」

 

「……マジかよ!?」

 

アラタは酷く困惑しているようだった。気にするなと言われても無理な話だ。自分が原因だと思ってしまうのも無理もない。

 

「アラタ、気にするなと言わない。もし自分のせいだと思っているなら行動で示せばいい。その少女を助ければいいさ。どうやって出会ったかは知らないが、少なくともその少女はアラタと出会ったことには後悔してないはずだ」

 

「……そう、だな。ああ、わかった。前は助けてもらったし、今度は俺がそうする番だからな。ありがとな、恭介」

 

「お互い様だ。それに……俺もそうやって一度言われたからな」

 

「言われたって……誰に?」

 

「それは秘密だよ。まあ、気が向いたら教えるさ」

 

えぇーっとアラタは不満そうな声を出すがそれに関しては秘密だ。なんとなく誰にも話さず、レヴィとの2人だけの秘密にしておきたい。……けして涙を流していたのを思い出した話したくないわけじゃない。

 

「さて、でしたらミラさんに先を越されないようにとっととユイさんを探すッスよー」

 

「どうして?」

 

「ミラさんとアキオさんは見つけ次第ユイさんを消し飛ばすに違いないッス」

 

「消し飛ばすって……アイツらいつもそんななのかよ!?」

 

「はい……彼女たち王立図書館検閲官(グリモワールセキュリティ)は崩壊現象の完全除去(リ・フォーマット)が任務の一つですから」

 

「全ての不浄を消し去る。そのための団体……」

 

原因を叩くのは間違いではない。起きた原因を真っ先に叩くのが迅速に終わり被害の拡大が防げる。崩壊現象はその起きた原因を破壊しない限り止まることはない。だから、崩壊現象の原因がたとえ知り合いが起こそうがなんだろうがきっと躊躇いもなく彼女たちは行うだろう。そのやり方が、認める方どうかはわからないが。

 

(……ただその後に苦しむのは実行した彼女たちだろうに)

 

人がロボットになることなんて無理だ。いくら強靭な精神力を持っていてもやがて抹消して磨り減っていく。一度剥がれればそれを修正するのには多大な時間がかかる。……そして知り合いであるならば尚更だ。

 

「つまりこの現象はユイが原因だから、アイツを削す。そういうわけか……」

 

「だからあの2人よりも先にユイさんを見るつける必要があるんス」

 

最悪のケースが世界の崩壊、俺がもしもの時に取るべき判断はどうするべきだろうか?そんな疑問が頭に浮かぶが、酷く冷静に冷徹に答えは出ていた。酷く冷静に答えは出ている、けれどその答えを選ぶの内心で否定する。お前は何度過ちを繰り返す、そう心の奥底から俺の声が聞こえてきた気がした。そのことを思い出させるように、とても懐かしいく、酷く申し訳なく感じる声が聞こえてきたよう気がした。

 

(……先輩っか、だめだ誰なのかわからない。けれど先ほどの声はどこかで聞いたことがあるような気がする……)

 

 

「アラタさんはこの先危険なのでメイガスモードでお願いするッス。恭介さん、一番後ろをお願いできるッスか?恭介さん?」

 

「あ、ああ。すまない少し考え事をしていた。問題ない、俺としてもそちらがやりやすい」

 

「自分から頼んでいるッスけど、恭介さんも少なからず影響を受けているようッスから無茶はしないでくださいね?」

 

「善処することは約束しよう。それにトリニティセブンが3人もいるから対応には困らないしな」

 

「そう言いながらも一番真っ先に動きそうなのは誰なんッスかねー」

 

さてなっと意味を含めて肩を竦めると何故かレヴィからジト目で見られる始末、ふむ解せないな。じゃあ行くッスよーっと彼女が言えばアラタを中心に置くように進んで行く。たまに浅見先生が俺のことを心配してくれている様子で後ろを見てくれて実に生徒思いだ。

 

「……おや、迎えが出てきたッスよ」

 

「ああ、確か魔物だったか……?」

 

あの時色々と必死だったため群がるっていた魔物を問答無用で倒していたが、今に思えばもう少し加減をすればよかったのかもしれない。確かに加減が出来ない状態だったんだが……今回は地下でもあるし高威力を持っているもの全般的に使用禁止だな。

 

「魔物だぁ!?おいおい本格的にダンジョンRPGになってきたなぁ……」

 

「崩壊現象や魔力が乱れた場に現れる異世界の存在です」

 

「彼らは魔力とその持ち主を食べに来るのよ」

 

ふむ、ならば餌を与える感覚に投影したものでも投げればそちらに向かってくれるだろうか?いつか実際にやってみるよう。ある意味魔道的な研究ではないだろうか?

 

「つまり、こないだの銃が役に立つってことか!!」

 

アステイルの写本は反応がなかった。次第にアラタの体は小刻みに震えている。とりあえず俺の後ろからも魔物が這いずってきてるんだが対処していいだろうか?このままじゃ四方八方から取り囲まれるんだが。

 

「……なあ、リリスよ。どうすりゃいいんだっけ……?」

 

てへっとお茶目に舌を出すアラタの姿に俺はつい頭を抱える。とりあえず念のため先に干将を影しておこう。莫耶も投影した方がいいだろうが、少なくとも魔物相手には遅れを取るつもりはない。

 

「おいおい魔道書よ、こないだの銃にパッパッとなってくれよ!!」

 

『銃?この前のやつか?……あー、どういう組成だったっけ?』

 

「おいい!?あの時は簡単にやってたじゃねーか!!パッとなってこうパッとなったじゃんか!?あれだよ、あれ!」

 

どうやら前回の露天風呂で見せた銃を作れないらしくアラタとアステイルの写本は口論している。さて魔道書関連の知識は俺はサッパリのためとりあえず背後の敵は倒しておくか?

 

「すまないが、今の内にせめて後ろの敵は倒していいだろうか?」

 

「まあまあ、アラタさんのデビュー戦ッスから待ちましょうよ」

 

「……とりあえず近寄らないようにバリア張っておく?」

 

「ええ、よろしくッス」

 

俺たちを閉じ込めた結界の要領だろうが透明なものが俺たちの周囲を取り囲んだいるのがわかる。……しかし、せめて後ろの敵は仕留めたかったのが本音なんだが。確かにアラタのデビュー戦は理解できるんだが……とてつもなく不安要素がな。

 

「……一応背後の警戒はしておこう。もしもの時がある」

 

「了解ッス。前にいる魔物は自分が引き受けるので、もしもの時は背後にいる敵の対処をよろしくッス」

 

「了解だ。この場にいる全員の背中は守ってみせる、俺がいなくても対処できるだろうけどね」

 

「そんなことはないッスよ?恭介さんが後ろを守ってくれるなら全力で前にいる魔物を対処できますから」

 

少し笑顔を見せるところを見ると多少の余裕が生まれてきたのだろう。彼女の気持ちは理解できるが完全に理解できているわけではない。けど、彼女に誰かを失った気持ちを今はまだ感じさせたくはない。すると床になにかを叩きつける音が聞こえたため視線を向けると、床に叩きつけられたのはお世辞にもカッコいい銃とは言えずオモチャの拳銃としかいえないものが光っていた。

 

「へ……?」

 

「……」

 

「……な」

 

周りの空気は一瞬で止まった。いや、まさかスッポンポン魔術という名前だから、どうもアレな魔術だとは予測していたがここまでのものだとは。つい頭を抱えてため息を吐くが、とりあえずタ服は流石に色々と怪しまれるためタオルを投影するべきか。

 

「ちょっ……なにやってるんですかアラタ!!」

 

「……役立たず」

 

「ちげーって!!コイツが何にも反応しなくてだなーーー」

 

チッ、どうやらアリンの展開したバリアが解除されたらしい。素早くタオルを投影してとりあえず浅見先生とアリンへと申し訳ないがタオルを無理矢理押し付けるような形で渡すことにする。なぜタオルがっとアラタが呟いていたがそれは企業秘密だ。バリアが解除されたため俺たちを取り囲むように魔物がジリジリっと近寄ってくる。

 

「危ないから伏せてたくださいッス。後ろの敵は任せたッスよ、恭介さん」

 

「ああ、了解した」

 

前衛の敵はレヴィが担当、後ろにいる敵については任された。ならば彼女の信頼に応えてみせようっ!!足に力を込めて一気に加速する。いまある最大限の身体能力を発揮して確実に次々と俺は魔物の首を跳ねる。無駄な動きはしなくていい、今はいかに迅速に対処することが大切なのだから。残りは数匹、そしてその数匹は一箇所に集まっている。俺はそのまま干将を投擲して、その数匹の間に干渉が通り抜けようとしたタイミングに誰にも聞こえないように呟く。

 

「ーーー壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)

 

音は消せないが敵は排除できた。煙が晴れればそこにいた数匹の魔物は存在せず消滅したのだろう。強力だからこそこれは力加減が難しいが……少なくとも干将を消費した魔力量ではこの地下迷宮は吹き飛ぶまい。……被害が出ないと保証はないが。だいたい同じタイミングで終わったようで俺が振り向いた時には前方には魔物はいなかった。

 

「先を急ぐッスよ」

 

全員がコクリと頷いたことでレヴィは走り出す。その後ろを追いかけるように俺たちも走り出した。俺は一番後ろを任されたため背後からの奇襲にいつ対応できるように、再度干将を投影しておく。

 

「忍者って何気に凄かったのか……」

 

「えっ?ああ、そう、そうですね。レヴィさんの実力は学園……いや、世界的に見てもトップクラスと言えます。戦闘能力に限れば恐らく5本の指には入るかと」

 

「……トリニティセブンってそんなのばっかりかよ」

 

「……けれど、私が一番気になっているのは衛宮さんですね。魔術については確認できませんでしたが、後ろからの魔物は衛宮さんが対処したようなので。そして最後に聞こえてきた爆発音は現代兵器を使ったというわけではなさそうなので……」

 

「あー、そこんとこどうなんだ恭介?」

 

「それは秘密だ。今回が初の実戦なんだ、敵を観察して情報を得るように、俺の魔術も観察して答えを導き出すようにするんだな。ああ、ちなみにその伝説の魔道書に聞くのは反則だからな」

 

「……割とたまに恭介って性格が意地悪だよな」

 

心外だな、アラタの成長を思って俺はわざと教えようとしないんだがな。それにどちらにしろ今日で確実に魔術が隠蔽している錬金術と伝えるようにはなりそうだし、それが先送りされているだけだよ。アリンはジッとレヴィを観察するように見ており言葉を漏らす。

 

「今回の彼女はちょっと違う……」

 

「いつもは飄々としているのに……」

 

「なんか、ユイに特別な意識でもあるのかもな……」

 

特別な意識か……俺にはそれがあるのだろうか?もし特別な意識があるとしたら、あの金髪の少女なのだろうか?あの夢を見るたびになんとも言い難い感情が溢れ出す。するとレヴィは走るペースを落として止まると、そこは多少だが広い空間に出た。

 

「そろそろ足元に気をつけて下さいッス。この先からいたるところに罠がーーー」

 

忠告が遅かったようでアラタが踏んだ床がヘコむ。そのヘコんだ床に全員の視線が止まっていると、俺の後ろからな何かが近づいてきてるのがわかる。そして振り返ればそこには案の定黒い鉄球が転がってきていた。

 

「おいい!?コテコテすぎるだろ!?」

 

「迷宮にある罠の基本ッスね……」

 

「恭介なんとかできないのか!?こう、さっきの爆発音が聞こえたしさ!?」

 

「可能と言えば可能だが、下手したら全員を巻き込むかもしれないため却下だ」

 

やろうと思えば出来るがこの細い道では流石に干将の込めた魔力でも、下手したら天井に被害が出るかもしれないため却下だ。あの時は横壁と天井からにも多少余裕があったのであってこの細道は流石に無理なんだ。結果は変わるが内容は横からではなく、上から道を塞がれるか潰されるかのどちらかだ。

 

「まずい!!行き止まりだ!」

 

「こうなったら、アリンさん!」

 

「"崩壊(ルイーナ)"の名のもとに上手いこと破壊するわ。魔道書『黄昏の真説(ラグナ・ユグドラシル)』に記載した術式(マクロ)を実行ーーーー"テイワズ(勝利)"」

 

黒い鉄球が無残に粉々になったことで一先ず危機は去った。流石にベタベタの罠にひかかって命を落とすのは切嗣に顔向けなんてできないぞ……ベタだからこそ通じてしまうのは不思議なものだな。

 

「おおー、すげぇ!!」

 

「私の聖義術(カオシック・ルーン)よ」

 

ルーンだと?なぜかあの全身青タイツの男が頭にチラついて表情をつい歪めてしまう。あの男にはあと一歩で届かない時もあるため悔しいものだ。今度こそ、あの全身青タイツには勝利を収めてみせよう。

 

「おい、魔道書よ!早速今のやってみてくれよ!!」

 

『んー?あー……聖儀術(カオシック・ルーン)か。プロセス1を達成してないから無理だな』

 

「……プラナリア?」

 

「プロセスです……おそらくアラタが他人の魔術を使う際に必要なルールなんでしょうね」

 

「リリス先生の時にはそのプロセスをたまたまクリアしてたんッスね」

 

「ううむ。そうだったのか……なんだろう」

 

顎に手を添えてアラタは真面目に考え始まる。こうやって自身の魔術について思考していくことが大事なんだろう。そしてアラタは考え付いたのかえらく真剣な表情で口を開いた。

 

「おっぱいを見てる……とか?」

 

「……それなら私も大丈夫なはず」

 

「だよなぁ……じゃあおっぱいじゃねーな……」

 

「……もはやツッコム気力がわかないんだが」

 

今この場にいないセリナが恋しい。セリナだったらきっとツッコミを入れてくれただろうに。……いやもしかしたら悪ノリするかもしれないな。浅見先生は怒った様子で声を出してそのまま進む。次第に暗くなってきて、やがてグダグダと騒いできた。……なにか俺の服にへばりついたな、これは人の感触ではないし、魔物か?とりあえず掴むとしよう、奇妙な感覚がするが暗くて正体がわからない。

 

「もしかして……アリンさん!!」

 

「"ソウイル(太陽)''」

 

周りが明るくなったため俺が鷲掴みにしているものの正体がわかった。……なんだこれは?いや、魔物で間違っていないよな?

 

「ノ、ノッブ!」

 

「………………」

 

僅かに涙目で軍帽を被り羽衣を着ている奇妙な生物の頭を俺は鷲掴みにしていた。どう表現がしてわからず絶句していたようだ。

 

「なに掴んでるんだ恭介?」

 

「…………それは俺が知りたい。これは魔物なのか?それとも迷い込んだ珍生物なのか?」

 

「これは……生物ッスかね?」

 

「難しいわね……」

 

バタバタと謎の生物は涙目ながら暴れるので心が痛くなってきた。魔物ではない以上危害を加えてこなさそうだし……どうするか?ん?これはーーー

 

「ああ、そういうことか。なんの生物かはわからないが……俺にくっついた理由はこれか」

 

「ノブ!ノッブ!!」

 

「なにがわかったんだ?」

 

「いや、すぐに終わる。みんなは先に進んでくれ、すぐに追いつく」

 

「わかったッス。先を急ぐッスよ」

 

レヴィの言葉にみんなは戸惑いつつもそのまま先へと進む。ふむ、謎の生物が俺にくっついた理由はその鞘の中に折れている刀を見ればわかる。解析してみればポッキリと折れていることがわかり、きっと俺に投影してほしかったのだろう。とりあえず地面へと下ろすことにしよう。

 

「まあ、君が必要としていることなら任せてくれ。贋作ではあるけど、その君の刀にも負けないものを作り出そう」

 

「ノッブ!!」

 

嬉しいそうに飛び跳ねるところを見ると正解らしい。ならばその折れた刀に負けない名刀を投影してみせよう。この生物に身長に合うように長さを調整しつつ俺は投影する。

 

「……これならば愛用していた、その刀にも負けないほどの活躍を見せてくるはずだ」

 

俺が投影したのはかの一番隊長を務めた者が使用していた刀、菊一文字則宗だ。この羽衣を着ている生物には非常に似合っていると思ってな。マジマジとした表情で受け取った謎の生物は嬉しいに声を出す。

 

「ノブノブノブ、ノッブ!!」

 

「……うむ、なんて言ってるかさっぱりわからん」

 

俺の言葉が理解したようなのか深々と頭を下げている姿を見ると感謝しているようだ。さて、そろそろみんなの後を追うことにしよう。

 

「また、いつ会えるかわからないが気をつけるといい。今はまだ危ないからな。機会があるのならまた会おう」

 

「ノッブ!」

 

力強く頷くところを見て俺はその謎の生物と別れた。姿が見えなくなる前に最後に背中を振り向いたが、ブンブンっと手を振っていた姿を見て少し笑みを浮かべてしまった。

 

 

 

 

「……銃撃音が聞こえるな。音がする方に向かうか」

 

謎の生物とは別れてみんなと合流するためにアラタの魔力を辿りながら全力疾走していると近づいてきているようだ。もう少しで合流だろう。案の定、魔物との戦闘をしているようだ。

 

「本当に俺の協力はいらいんじゃないか?」

 

遠目から見ているがあの魔物を無双しているところを見ると俺が必要ないことが非常にわかる。だが遠くから観察しているわけにいかないので苦笑いを浮かべつつ合流する。俺が合流する頃には魔物は消滅しており俺の出番は全くなかった。

 

「すまないな、遅くなった」

 

「お帰りッス。さっきの謎の生物はどうなったんッスか?」

 

「ああ、とりあえずリクエストに応えたら喜んでくれていたため、害はないからきっとこの大迷宮を徘徊しているんじゃないか?俺を見送ってはくれた姿はまだは確認した」

 

「あの格好から考えると武士ですからねー。もしかしたら恭介さんに懐いたかもしれないッスよ?」

 

「それはそれで困るな……」

 

特にセリナから質問責めが待った無しだ。その質問責めは浅見先生のお説教と同等で非常に辛いぞ。そろそろセリナの質問責めの時も悟りを開くか考えている。

 

「次からの戦闘は俺も参加しよう。流石にこれ以上の活躍がないならカッコつかないからな」

 

「おや、恭介さんも気にしたりするんッスね。でしたら恭介さんのこの後の活躍に期待してるッスよ?」

 

「ああ、その期待に応えるとーーー」

 

グラリっと視界がボヤける。ああ……やはり崩壊、現状の影響が、俺にも襲ってきたか。身体の怠さが強くなるのを感じていたが……いや、まだ止まるわけにはいかない……というのに。

 

(……トレース……オン……!)

 

完全に眠りにつく前になんとか干将を投影をする。俺が倒れてないのは、きっと、誰かが身体を支えて、いるのだろう。それは非常に助かった……なんせ今からやるのは自分で立って行うには、多少辛いのだから。なんとか干将を握る手の力を俺は強めて、俺はその干将を思いっきり自分の左足に突き刺す。

 

「ーーーッ!!」

 

「な!?」

 

「……え?」

 

全員が声を漏らしていることには気づいたが、俺は痛みに悲鳴をあげないように声を押し殺す。いま騒ぐのは俺を支えている人に迷惑がかかるからな。けれど、痛みによりなんとか目は覚めた。まだいける……少なくとも持ちこたえることはできる筈だ。どうやら支えてくれていたのはレヴィのようで感謝の言葉を言いつつ離れる。

 

「なにしてるんだよ恭介!?」

 

「……別に見ての通りだが?崩壊現象に呑み込まれそうになったから、痛みで無理矢理対抗しただけだ」

 

近寄ろうとしたアラタに問題ないっと止めて俺はそのまま投影していたタオルで傷口を巻く。やはり力があまり入ってなかったようで深い傷には至ってない。それが救いでもあるか。

 

「衛宮さんの言い分はわかりますが、そのような方法をとらなくても……」

 

「いや、最前がこれだよ浅見先生。明確な抵抗策が瞬時に思いつかなかった。だったら瞬時に可能であったこの方法を実行をしないと崩壊現象に呑まれていた。急いでいる状態で俺がこの場で崩壊現象に呑まれるのは望ましくない」

 

「それはわかりますが……」

 

「今回は崩壊現象を止めることが絶対条件で、ユイという少女を救わないといけない。なおさら止まることは俺自身が許せなくてな」

 

酷く辛そうな表情を浅見先生は浮かべていた。けれどこれがあの状況でできた最善の策だ。残念ながらこれはあくまでも応急措置のためいつ再度崩壊現象に巻き込まれるかわからない。

 

「……理由はわかったのけれど、その行動に至るまでがわからないわ。貴方は痛くないの?」

 

「たしかにアリンの言うとおり痛いわけじゃない。けど、俺は誰かが不幸なことになることの方が辛い。誰かが悲しんでいる姿を見ている方が辛いんだ」

 

痛いわけじゃない、苦しいわけじゃない。けど俺は誰かが不幸になっている方が、悲しんでいる姿な方がそれ以上に辛いんだ。自分のことなら幾らでも我慢できるけれど、誰かが不幸に合うのは我慢できない。せめて、せめて今は君たちが涙を流してほしくないから。

 

「……先を急ぐッスよ。いつミラさんたちがユイさんの元についてもおかしくないッスから」

「先を急ぐぞ。これ以上のロスは望ましくないからな」

 

俺は再度最後尾に並ぶ形で向かう。そろそろ最深部なのか神秘的な空間が見えてきた。最深部について一息つきたいが……やはりそう楽には運ばないらしい。壁が吹き飛ぶとその吹き飛ばした壁からできた穴から横穴が出てきたのは学園長室で別れたあの2人だった。

 

「あん?まっすぐ来たのになんで先を越されてんだ?」

 

「レヴィさんはこの迷宮に何度も足を踏み入れているからでしょう」

 

「……壁を破壊してくるとは流石に予想外だな」

 

「補足するとまず床を破壊してだな。ん?それよりどうしたんだその足?」

 

「気にするな、少し怪我をしたぐらいだよ」

 

そうかっ?っと怪しげにアキオは突き刺した傷を見てくる。そして背中からも嘘をつくなっと視線が妙に鋭い。それに別に嘘ではないからな。怪我をしたことについては嘘は一つも言っていない。

 

「行きますよ、アキオ。ここにレヴィさんがいることが、この先にユイさんがいる何よりの証拠」

 

「いやいやちょっと待てって!!行ってユイを殺すんだよな!?」

 

「消滅させるつもりです。崩壊現象の原因ですから」

 

「短絡すぎんだろ!?」

 

つまり崩壊現象を起こした人は有無も言わさず殺すと言うわけか。……ああ、俺はこの少女とはもしかしたら相容れないのかもしれないな。その言葉に納得いかなかったのは俺だけではなくアラタもそのようで山奈ミラの前に立ち塞がる。

 

「……別に貴方から消してあげても構わないんですよ?貴方の魔術は私には効かないんですから」

 

「ぐっ……そうだった。唯一スッポンポンにならなかったばかりか跳ね返されたんだった……!!」

 

つまり後先考えなかったわけか。しかし、その心意義は賞賛しよう。さて、消去法的に一番この後に必要ない人間は誰かわかっている。それにこの今の体の怠さで先に向かっても足手まといになるだけだ。

 

「さて、だったら俺の魔術が通用するか確かめるとしよう」

 

俺は不敵な笑みを浮かべながらアラタの前へと立つ。俺ができるのは目の前にいるトリニティセブンの足止めをすることだ。誰もが驚いたようだが、一人の視線だけはジッと俺だけを見据えていた。

 

「こんな早く対戦できるとは正直思ってなかったぜ、恭介?」

 

「ふっ、光栄だな。トリニティセブンである君から待ち遠しく思われていたのは」

 

「私の直感ってやつか?恭介がどうも普通の魔導士とは思えなくてなー」

 

恐れ入るほどの鋭い直感だ。トリニティセブンが誰しもアキオのような直感を持っていると考えると正直ゾッとするよ。もしそうだったら入学する前にバレていただろうからな。そうなった時は俺はこの場にいなかっただらうに。

 

「アキオ、彼にそんな時間をかけるわけにはーーー」

 

「どの道、レヴィや先生に邪魔されちゃあ進めないだろ?やるしかなーてっ!!」

 

「……わかりました、なるべく早めに終わらせてください」

 

「おうっ、任せとけ!!」

 

アキオの足に文字が浮かぶところを見ると強化の魔術、もしくはそれに近いものか?まあ、どのような未知の魔術でも早々と負けるつもりはないがな。今のうちに投影するものを脳内で選別しておこう。

 

「みんなは先に行け。アラタとレヴィは絶対にだ。アラタは崩壊現象を止めるのに必要不可欠、レヴィは言わずともわかるだろう?」

 

「いくらなんでも衛宮さんだけでは無理です!!衛宮さんではなく私がーーー」

 

「いや、浅見先生もアラタについて行ってくれ。今この場で錬金術を教えられて、アラタのサポートができるのは浅見先生だけだ。アリン、こんな役を押し付けるようだが浅見先生は力づくでも連れて行ってくれ」

 

「……わかったわ」

 

「……すまないな」

 

アリンに苦笑い見せて俺はレヴィに視線を向ける。その表情は複雑な表情をしていて再度苦笑いを浮かべる。これが最善だと君も気づいてるだろうに。どちらにしろ俺が行動しなかった時は君が動いたんだろう?けど、それは駄目だ。君がその少女もとに辿り着くのも絶対条件だから。

 

「……恭介さん、後で追いかけてきてください。絶対に無理をしないことを約束してほしいッス」

 

「善処することは約束しよう。もし不満があるんだったらこの後に嫌という程聞かせてもらうさ」

 

「その時は覚悟しておいた方がいいッスよ?」

 

「違いない。さて、そろそろ行くといい。俺も再度いつ崩壊現象に呑み込まれるかわからんからな」

 

全員は納得していない様子だが時間がないこともわかっているため目的地へと走り出す。……さて、いかにどれほど俺が足止めすることが大切なようだ。ならば全身全霊で頑張るとしよう。少なくともこの崩壊現象が収集がつくまで耐えてみせる。

 

「すまないな、長引いてしまって」

 

俺は両手に愛用している干将・莫耶投影する。今回は油断などするつもりはない、油断したら今の俺は完膚なきまでに負ける。魔物ならともかくアキオはトリニティセブンの1人なのだから。

 

「いや、全然構わないさ。それじゃあ、加減なんかしないからそこらへんは許してくれよっ!!」

 

「できれば、油断してくれるとありがたいんだがなっ!!」

 

俺は時間稼ぎのためビブリア学園の7人の内1人の不動アキオと衝突したーーーー

 




今回で多少は恭介の歪みを書いてみました。上手く表現できたかはわかりませんが、この迷宮探索で書きたかったので。うん、そして本文が最近にて異様に長くなっていることに凄く反省してます。書きたいことが多くて、だべってる感じもするんですけど……許してください。次回で無駄に長いのは終わると思って構いません。

実は割と初めから足止めを恭介がするのは決めてました。ただ色々と考えた結果、こうなったんですけど((白目
干渉を足に突き刺すのは、ナルトの少年期シカマルの幻術対策が割と印象深かったのでやってみたかったんです!((できれば詳しいことは見逃して欲しかったり((ご都合主義

さて、次回は多分序盤は他のキャラ描くと思います。キャラ崩壊のタグつけとこう……それでは次回の更新は未定、末永く待ってくれると嬉しいです!((誤字&脱字の報告お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。