ーー俺は、俺はパライソちゃんと添い遂げる!!((殴蹴
はい、前書きにと後書きがしょっちゅう意味深な発言と長い作者ラグーンです(土下座
今回もギリギリ月一投稿ができて安心すればいいのか遅いと自身を殴ればいいのか……((慈悲などいらぬっ!
前回の宣言通りに今回も本文は無駄に長いです!はい!後悔しかしておりません!……えっと、毎度お馴染みの言い訳と最初の意味深な発言は後書きにてきちんと書きますので!((オイ
それでは長ったらしい前書きなど無視をして本文にどうぞっ!
当初望んでいた話し合いで解決するっというのは目の前に敵対している双子の姉であるリーゼロッテの発言にて不可能と判明した。『この場にいる全員の魔力を貰う』っと宣言した彼女は文字通り初めに誰を狙うか品定めしている。いや、その品定めはフェイクであり初めに狙うべき獲物は既に彼女の中では決まっているのだろう。この中で一番魔力が異質であるのは誰かは答えるまでもない。
(……先に仕掛けるべきか?先手はとられたがまだ巻き返せることが可能な範囲であるが……敵の前で周りに伝えるのは自ら作戦内容を伝えるようなものだ)
即席な立てた作戦を周りと協力して行うなど至難の技、そして俺はトリニティセブン、彼女たち全員の能力を正確に知っているわけではない。魔術回路をオンにして今すぐにでもこの状況下を突破することに適している宝具の選別をしたいのが本音だが、リーゼロッテの得意とする魔術を知らない以上は下手に動くことすらできない。下手に動いてこの状況を更に悪化するなどということは避けなければならない。ならば今この状況下の中で俺ができることはセリナを守ることしかない。何も出来ない自分が不甲斐ないっと内心で思ってればセリナは震えた声で目の前にいる実の姉である彼女に聞く。
「……お姉ちゃん、どうして?」
「……どうしてって?ほら、悪の魔道士っぽくてカッコいいでしょ?」
リーゼロッテから返された言葉にセリナは僅かばかり戸惑う。答えるのに間があったのはその理由を答えるかどうか迷った末かそれとも別の理由があるからか。ただ正直に答えるつもりがないのはわかった。……敵対する以上は素直に言ってくれるとは思わなかったが。その回答に不満があったようでミラが口調を強めながら再度問いかける。
「真面目に答えなさい。貴方は何故、我々の元を去り禁忌を犯したのですか?」
「あー……それは、ほら、ね?」
ミラの問いに先ほどまでの威圧感は嘘のように消え去り、リーゼロッテはたははっとなんとも情けない苦笑いが浮かぶ。だが器用なことにそのまま何処からか端末のようなものを取り出しながらリーゼロッテは笑いながら答える。
「魔道士だもの。魔導を研究するためーーー
先ほどの術式が再度リーゼロッテの体を包むように展開された次の瞬間には彼女の姿が消えた。一瞬すぎる出来事に流石のレヴィとアキオも反応が遅れてしまっている。あの瞬間移動は厄介だと内心で舌打ちをしながら最悪アラタを突き飛ばす覚悟で動こうとすると俺よりも早くセリナは再度アラタを突き飛ばす。先ほどまでアラタのいた場所の背後に現れたリーゼロッテは予想していたのか特に驚く様子はないが嬉しそうに声を出す。
「あらら、またバレたわね?」
「私だって
「嬉しいわ。流石、私の愛しい双子の妹!ーーーちゃんと魔力も高めて研究しているのね」
「ーーーっ!!」
昨晩に俺に向けてきたあの視線を彼女は実の妹であるセリナへと向ける。リーゼロッテは実の妹であるセリナの魔力も奪うつもりなのか?そんな考えが横切りそれを無理矢理否定をしようとするがあの表情からすればリーゼロッテは本気だ。姉妹など関係なくリーゼロッテは躊躇いもなくセリナの魔力も奪うつもりだ。駄目だ、それだけはいかなる事情があっても避けねばならないのだ。
「ちょっと、おふざけが過ぎないかい?」
アキオは躊躇いもなく回し蹴りをするがリーゼロッテは先ほどの瞬間移動を使い簡単に回避をする。完全な視覚外からの攻撃を避けられたことに驚きはするもあのタイミングはセリナへの考慮であろう。レヴィは刀を抜いており、浅見先生も錬金術を使い小型拳銃を手に握っている。
「流石にアキオに忍者、そしてセンセまで相手にするのは分が悪いわね」
リーゼロッテはかつては壁であっただろうものに腰をかける。分が悪いと言いながらも余裕な表情が崩れないのは勝てる自信があるからだろう。昨晩に言っていたことが真実であればの話だが。……いや、ないことを前提にしていたからこそ先手を取られた。あることを前提にして対処しなければあの瞬間移動を使われて不意をつき魔力を奪われて退場というのは笑って冗談にもすまされない。そんな中で魔力を奪われそうになったアラタは黙っているのが気になりアラタの様子をみると顎に手を添えて視線が一つのところに集中している。
「ーーーやはり美脚だ」
「旦那様は脚も好きなのね……」
「綺麗な女の子のパーツはあらかた好きだ!」
「あはは。お兄さんらしいにゃー」
「そっちはもうちょっと緊張感持ってください!!」
……ある意味でシリアスブレイカーだな。浅見先生のツッコミが入るがあの3人は当分はあの状態を貫くだろう。アラタも自身の魔力が狙われていると自覚はしているだろうに。そんな中で尚且ついつものような発言ができるのは褒めるべきなのか注意すべきなのか判断に困るな。……いかんな、これ以上は俺の思考回路も毒されそうだ。
「噂で持ちきりの魔王候補君は、まだ魔道士なりたてなんだ?」
「おう。だから未だに禁忌やら不浄とか言われてもさっぱりわからん」
「へー、……センセ職務怠慢よ?」
「うっ……あ、アラタはちょっと特殊なので何から教えたらいいのかーーーって、いまはそういうのはいいんですっ!」
やはりアラタはシリアスブレイカーらしい。先ほどの緊張感のあった空気など一瞬で消え去っている。現に浅見先生がリーゼロッテに弄られるているしな。それにしても俺もそういった禁忌やらは明確に理解はしていないな。崩壊現象に関してもレヴィから簡単な説明を受けただけだからなぁ。禁忌に関してはいつか詳しく浅見先生に聞いておくべきか、それとアレの存在も記録されているかもそろそろ調べるべきなのだろう。……しかし、リーゼロッテはいまは敵対しているとはいえ特段と他のトリニティセブンメンバーと仲が悪いわけでもなさそうだ。魔道士だから禁忌を犯したと彼女は言っているがそれだけでは理由がない気がする。
「まず魔導の道を歩むということは人の道を外れるようなものだからいまさら禁忌なんてナンセンスだわ。……まあ、そんな人の道を歩むのを外れながらも特殊なものを目指している人がいるみたいだけどね?」
リーゼロッテは面白そうに笑いながら視線を俺に向けてくる。そのことを馬鹿にされようが笑われようが俺にとってはどうでも良いのだが……彼女の場合は純粋な興味本位なのだろう。気にかけられるようなことは別に俺は言っているつもりはなく目指しているものは何かと聞かれて答えただけである。子が親の背中に憧れることはそれほど不思議なものではあるまい、むしろ真っ当な魔道士として生きていくつもりがないことの方が特殊だろう。
「魔王っぽい力を手に入れるということはつまり基本的には禁忌を犯すということになる。例えば普通では使えない魔導が使えたり、特殊な魔導書を使えたり、ね?」
「そうなのか……」
つまりアラタはその両方が揃っているから魔王候補と言われているというわけか。伝説の魔導書を持っており使えることができ、世界構築という生半可なこのではできないことをやってのけたこと。そして付け加えるのならば条件を満たしさえいれば他者の魔導を彼に合うようにアレンジをして使用が可能。アラタはそれを初めから持ち合わせたということは、他の魔道士からしても羨む存在であり特別なのだろう。どうりで初めの自己紹介後が異様に騒がしくなるわけだ。俺としても魔王候補がどれほどなのかイマイチピンっとこなかったがリーゼロッテの説明でそこそこ理解はした……そしていかに俺の魔術が知られたら騒がれるかも。重いため息を吐きたいのを我慢をしていると再度リーゼロッテと視線が合う。それがどうも嫌な予感しかせず身構えようとするとーーー
「そして禁忌の力というのはね。ーーーーーちょっと協力してね''衛宮''君」
リーゼロッテの発した言葉に俺の身体は昨日のように膠着する。それには敵意や殺意など一切含まれておらずその逆、親しい人の名字を自然にただ呼んだだけ。たったそれだけのことで誰も俺が動かなくなるとは想像することもできなかったから動くのすらできない。そんな光景を予想していたリーゼロッテは昨晩のように俺の目の前に瞬間移動で瞬時に詰め寄った瞬間ーーーー俺の身体は強引に後ろにへと下げられた。
「ーーーセリ、ナ?」
身体を強引に下げた人物が視界に入り俺は掠れた声でその名前を呼ぶ。突然のことに俺はただ呆然としている中でセリナは後ろを見て静かに微笑む。リーゼロッテも驚きはするがそのまま躊躇いもなく首筋に噛み付く。そのままリーゼロッテはセリナからなにかを吸い取ると先ほどの瞬間移動を使い先ほどまでいた壁に腰をかける。セリナはそのまま崩れるよう床に倒れそうになったため咄嗟に俺は彼女を受け止める。
「セリナ、ちゃんと頑張って魔力を上げていたようね」
リーゼロッテは嬉しそうに舌なめずりをしながら妹の成長を喜んでいた。ミラが驚いた声を上げたのが合図のようにリーゼロッテの魔力は莫大に増加する。この異様な感覚はまさにアラタから感じるモノと同類のもの。その膨大な魔力からそこにセリナの魔力も感じ俺は彼女がが何をしたのかを理解したからこそ自身の認識の甘さと不甲斐なさに苛立ちが芽生える。
「永劫図書館には''魔王の因子''が封印されていてね。私はその封印されていた'魔王因子を手に入れた私はーーー魔王候補になったのよ」
「「「っ!!」」」
リーゼロッテに今すぐにでも問いただしたいことがあるのだが俺はそれを飲み込む。それよりもセリナの容態を確認することが大切であり彼方を気にしている暇などない。セリナの意識はなく呼吸は荒く顔が赤くなっている。風のような状態に近いのかひたいに手を添えると体温も上がっており、やはりというべきかセリナの魔力が殆ど吸い取られており僅かにしか感じられない。そして彼女の首筋には存在していなかった刻印のようなものが浮かび上がっていた。……首筋に噛み付いたことが関係しているのは間違いないはずだが、残念だが首筋に浮かんでいる刻印についてに知識がない俺は近くにいたミラに容態も含めて伝える。
「……ミラ。セリナの容態を確認したが意識がなければ呼吸が荒い。そして噛み付かれた首筋には刻印のようなものが浮かんでいるが心当たりはないか?」
「刻印のようなもの?……それが本当なら、その刻印は魔王の刻印で間違いありません。世界を飲み込み消滅させる崩壊現象をただそこに在るだけで導くものです」
つまり道しるべのようなもの。……そんな危険な代物を実の姉である彼女は妹に打ち込んだのか?崩壊現象の恐ろしさは魔道士、その頂点のトリニティセブンにまで到達している彼女ならばわかっているはずだ。冗談ならばそれはどれほどいまは嬉しいことか、だが現実というのは非情であり目の前に倒れているセリナの様子を見れば真実だと嫌というほどわかる。
「リーゼ……貴方は本当に不浄な魔王候補者になったようですね……」
「魔道士の究極の悲願である魔王。その候補者になりたいって思うのは魔道士なら当たり前じゃない?」
「ですが!それは研究と研鑽を重ねて到達すべきものです……!」
「えー、嫌よそんなの。私はそこにいる魔王候補君みたいに一足飛びがいいんだもん。過程をすっとばして結果に辿り着く、それが研究だしね!」
魔王───それが魔道士としての悲願であり候補者になりたいというのは俺としては構わない。魔王候補になるかならないか云々を抜かして考えるのならばその気持ち自体は少なくとも理解できるし、真っ当な魔道士として魔導を研究するつもりがない俺がリーゼロッテの研究である''過程をとばして結果に辿り着く''というのに口挟む権利はないに等しいだろう。封印されていた魔王因子を手に入れたことについても浅見先生やミラのようにお説教することもなければ、その封印を解除して手に入れたことに驚くし賞賛するがーーーそれにも限度というものがある。彼女は''過程をとばして結果に辿り着く''ことが研究であると言ったが……それがこれか?研究のためなら他人の魔力を奪い命の危険にさらすことが。
(……それが君の研究のやり方なのか?他者の魔力を奪い命の危険にさらすことが。たとえそれが大切な妹だとしても。もしそうならば俺はーーー)
俺は思考を振り払いセリナを抱えて後退する。あの場にいれば巻き込まれるのは間違いないだろうし、なにより壁に背を預ければ背後からの奇襲は少なくとも避けることが出来るからだ。……もはや、俺の出来ることなどいまはなに一つない、指を咥えて様子見に徹することしかないだろう。
「……まぁ、そうだな。近道があるならそれがいいわな」
少し気だるそうに頭をかきながらアラタは口を開く。アラタのその言葉をそのまま捉えるならばリーゼロッテの考えについては共感したのだろう。しかし、アラタはその一言で終わることはなくそのまま喋り続ける。
「俺も面倒いのは嫌いでさ、近道があるんだったら俺もそっちを選ぶ。だから、リーゼの気持ちは俺としてはわからなくはない」
「だったら「けどさ」ーー」
「ーーー俺はダチの魔力を奪ってまでも近道するのはどうも嫌いのようだわ。ダチの魔力を奪って強くなるの選ぶぐらいなら俺は近道じゃなくて遠回りを選ぶ」
それはアラタなりのリーゼロッテに宣戦布告をする。その行いがいかに近道であろうともリーゼロッテの理由を理解しても彼はそのやり方を否定する。笑みを浮かべて彼の傍にいる最強の
『なんだ?あの嬢ちゃんは今までの魔物よりも何倍もやばーぞ?』
「まあ、そうかもしんねけど。ーー魔王候補は俺の専売特許なんでねっ!!」
『そりゃ違いねぇ!やるんだったら派手にいこうぜマスター!!』
「''
『OKマスター!
メイガスモードにへと変わったアラタの手には幻想種を葬り去った小型拳銃が握られていた。アラタの元の本来の魔術は魔術の強制解除、それならばリーゼロッテにも充分対抗は可能、メイガスモードの強制解除さえできればアラタの勝ちということは間違いない。
「わぉー、センセと同じ錬金術。どれどれっと……「魔力を完全に消滅させて崩壊現象すらも打ち消す力」「倉田ユイの溢れる魔力もを打ち消して目を冷ますことにも成功」……か。セリナの研究結果によると、なかなか侮れないみたい、魔道士のなりたてとは思えない成績ね」
「……セリナの研究結果?」
……まさか。いや、条件が違えどアラタも似たようなもの。そして魔力を奪うことが可能というのならば研究結果も盗み出すことなど造作もないということか。端末を弄っていたリーゼロッテは手を止めてアラタの疑問を素直に答える。
「そっ、アタシは魔力を喰らった相手の研究も盗めるのよ」
「……他人の魔力と研究を盗める、か」
「貴方の特殊な力も他の魔術をパクるってやつでしょ?ーーーどう?魔王候補君?あたしと一緒に''こっち側''に来ない?」
突然のアラタを悪の魔道士サイドへの勧誘、それには予想外なことでアラタは驚く。唐突の悪の魔道士サイドの勧誘に流石にアラタは警戒しながらも話は進んでいく。
「そっちってのは''悪の魔道士''サイドか?」
「そっ、センセやセンパイがいると悪いことできないでしょ?」
「っ、アラタ!いけませんそれ以上耳を傾けてはーー「それにね多分だけどーーー」
浅見先生の言葉を遮るようにリーゼロッテは声をはる。リーゼロッテは再度端末を弄るとアラタの目の前に突然とホログラムが浮かび画面を見ると驚愕の表情が浮かぶ。
「春日聖、崩壊現象に消えた彼女を救うならこっちの方が早いわよ?」
「なっ!?なんでお前が聖を……!?」
「知りたい?……知りたいなら、ほらこっちにおいで春日アラタ君。それともーー従姉妹を助けるよりも女の子たちとの仲良しごっこの方が大事かしら?」
駄目だ今のアラタは完全に呆然としている。リーゼロッテはアラタに密着しており既に魔力を奪う条件が揃っている。流石にこれ以上はマズイとミラと浅見先生はアキオとレヴィに介入するように頼み、2人は動くが黒い羽を再度広げたリーゼロッテにより妨害されて吹き飛ばされる。吹き飛ばされた2人では間に合わない、ならば次に距離が近い俺がーーー
「''衛宮''君は下手に動かない方がいいわよーーセリナがどうなってもいいなら話は別だけどね?」
その言葉で俺の動きは再度止まってしまう。仮に俺が動いて妨害しようとした時に彼女はセリナになにかしらのことをするつもりであった。あの瞳には冗談でもなく、本気で実行するつもりでいた。これ以上の邪魔をされる前にっとリーゼロッテはアラタの唇を自身の唇で塞ぐ。……なんとも言えぬ魔力の奪い方に俺も含めて全員が言葉を失う。
「……っんくっ、あっああああ♡……すっ、すごい。こんなに
「ぐっ、ぐわぁぁぁぁっ!?」
アラタの悲痛な声に浅見先生は急いで駆けつける。アラタから感知できる魔力は全くなく、リーゼロッテからアラタの魔力を感知できるのは間違いなく奪われたということ。
「男の子とはファーストキスだったけど、こんなに衝撃的だったなんて……」
「か、体の力がまるで出ない……」
『あっー、こりゃヤバイな。マスターの魔力がほぼすっからかんになっちまった』
「ははは!凄いわね!さすが魔王候補君!ーーーせっかくだから、ちょっと試してみようかしら?」
もはや狩りの準備を整えた彼女は獲物を選別することもなくトリニティセブンのメンバーを薄っすらと笑いながら見る。そして次になにをやるか察したトリニティセブン達だがそれよりも早くリーゼロッテは景気の良い音を出し指を弾く。
「アハハハハ!!最高に爽快ねコレ!」
アラタの魔術である魔術の強制解除、つまりトリニティセブンメンバーのメイガスモードが強制解除がされた。……だが、俺の視界に入っているその後ろ姿をただ見ていることしかできなかった。なんせーーー風間レヴィが目の前にいるのだから。
「おイタが過ぎますよ。リーゼ・シャルロック!!」
「やっぱ、センパイははね返したみたいね。それにーーー」
「もちろん自分のことも忘れないでほしいッスね」
「へぇ、ニンジャまで。魔道士最高のトリクッスターの異名は伊達じゃないってことかしら?それに、そこの正義の味方候補君も無事なのはニンジャが庇ったことからだろうし。……まさかその正義の味方候補君ももしかして魔王因子を持ってるのかしら?」
「それは恭介さんの変わりに否定するッスよ。ただ、この場にいる誰にも引けをとらない強さを持ってるのは自分が保証するッス」
「あら、じゃあこのまま彼の魔術も奪わせてもらうかしら。ニンジャのお墨付きなら間違いないだろうしねぇ?」
「そんなことはさせないッス。なので、少しばかり本気を出させてもらうッスよ」
折れている刀の変わりにクナイを取り出すレヴィ。……せめて刀の変わりになるものでも投影するか?レヴィは本来は別に俺の目の前にまで来て庇うように見せる必要はなかったのだ。なんせ、俺はまだ魔術回路をオンにしていないのだから。そんな俺は考えを知ってなのか彼女は俺をみて優しくただ笑う。……たしかに俺が次に出るべき行動は代わりの武器を投影することではないか。
「ミラさん、アキオさんの代わりに今回は自分がいくッスよ」
「わかりました。彼女の魔力をスキャンします、その間の時間稼ぎを!」
「……学園最高のトリクッスターと学園最高の魔道士の実力拝見させてもらうわっ!」
「行かせてもらうッスよっ!」
レヴィがあえて声を出した瞬間に俺はセリナを抱えて移動する。突然と俺が移動したためリーゼロッテの視線は自然と俺に向かってしまう。その隙を見逃すほどにレヴィは甘くもない。移動するタイミングと同時に投擲したクナイはリーゼロッテに当たろうとするが弾けるようにその姿は消え、投擲したクナイはそのまま直線に進むがそのクナイの速度に追いつき速度を落としていないクナイを回収する。その姿を横目で見ながらも俺もなんとかみんながいる場所に合流する。するとアキオがジロジロと俺を一通り確認してホッと一息安堵する。
「その様子だと恭介の方は無事みてえだな……」
「いや、俺は別にリーゼロッテには魔力は奪われていないが……」
「あー、それは私としてもわかってるんだけど精神的な方だ。多分気づいてないと思うけど、リーゼに魔力奪われそうになってた時の表情かなりひどかったぞ」
「あの、ときか……」
その時のことを思い出して表情を歪ませてしまう。心当たりがないのだが理由は間違いなく昨晩にセリナと話していた''姉妹''が関係しているのだろう。リーゼロッテに気楽に苗字を呼ばれるだけで身体が膠着して動かなくなる。それをどうにかしないかぎり俺は足手まといでしかなんでもないか……最悪鼓膜でも破壊してリーゼロッテと対峙するしか方法はないか。
「相変わらずなんつースピードどよ。あたしも強くなったつもりなんだけどなー」
「いやー、充分強いッスよ。……普通アレをかわすのは不可能ッス。それに、この体を傷つけられる人は世界にもほとんどいないッスから」
「''束縛''まではできなかったみたいね。セリナの魔術もまだまだだなぁ。……2人の目を盗んでみんなの魔力をいただくっていうのはできそうにないわね」
「自分としてはそちらの方が狙いやすいので助かるんッスけどね?」
「お断りね。クナイで串刺しにされるのは嫌だもの!」
リーゼロッテは再度瞬間移動で姿を姿を消す。レヴィは先ほどの戦闘で左腕を負傷しているのに。……彼女が距離をとるために瞬間移動を使用するだろうか?このチャンスを無駄にするようなことはないはず。俺はともかくアラタを揺さぶりをかけるなどと手口を使うなら逃げたのではないはずだ。今までの手口を考えるならば彼女は次に必ず仕掛ける。
「
一瞬でレヴィの背後を解析をするといまは弱点であるレヴィの左腕を束縛する。俺も解析の魔術は使用できるからこそ便利であるのを把握しているがあのような使い方自体はしたことがない。……記憶を失う前はわからないが。
「……いやらしく弱点を読むところは変わらないッスね……!」
レヴィは躊躇うことなく高く跳躍して無理矢理、左腕を束縛されていた状態を解除する。無理矢理解除した故にその代償は大きいはずだ。……少なくとも今回の戦闘で左腕は使用するのは無理だ。
「……ニンジャって本当に凄いわね。自分の体をあっさり捨てて逃げられるんだもの」
「自分の妹と世界を捨てるのは真似できないッスけどね。他にも真似できないことは結構これでもあるんッスよ?」
「ふーん。……でも、あたしには勝てないでしょ?」
「無理ッスねー。今のリーゼさんはめちゃくちゃ強いッス。ですけどーーー」
今回は別にレヴィとリーゼロッテの一騎打ちではない。レヴィだけではなくミラがいることを忘れてはいけなかった。レヴィの目論見である自身に集中させることに難なく成功してリーゼロッテはそれに気づいて表情を曇らせる。
「読み取り完了。
「……今のあたしならあれを受けれるかな……?」
「これでミラさんの
「その慢心、
ミラの魔術の解放により彼女の周りにいる存在は一層する。あれほどの魔力の塊を喰らえばひとたまりもないと見ただけでわかるだろう。難なく回避したレヴィはミラのすぐそばに現れる。
「ここは「やったか」っとお決まりの台詞を言うべきッスかね?」
「……いえ、必要ありません。ーーー倒せてないのは明白ですから」
突如と手だけが空中に現れてミラの肩を触ろうとするがミラは水晶を使い反射をする。簡単にやられるとは思っていなかったが……彼女をやはり追い込むにはあと1人必要だ。魔力が有り余っている状況は俺だけであり他は満身創痍、このままではあの2人でも敗北する。
「ぐっ……思った以上に辛いなこりゃ……」
「大丈夫ですかアラタ!?」
「……サンキュー。そのセクシーな姿に大喜びする余裕もないっぽいわ…」
「……魔力を根こそぎ奪われて、それだけ言えるんだから大丈夫ですね。……皆さんも魔力を回復させるのに精一杯、衛宮さんは今のところ無事ですが……」
「……悪いがそれでも今の俺は戦力の足しにもならん。除外してくれて構わない」
変に気を使われる前に自身から戦力外通告を宣告しておく。どんな理由であれリーゼロッテの前では俺は無力化される以上はただの餌だ。……セリナが話してくれたのにそれに応えることができない、なんとも不甲斐ない話だ。
「……かなりヤバイ状況ってことか」
「……リーゼさんはいま貴方と同様に魔王候補化したますからね」
「……ってことは俺もあんだけ強かったりするわけ?」
「ちゃんと勉強して魔力を高めれば、いずれ強くなります……」
「魔力か……いったい魔力ってなんなんだ?俺にはさっぱりわからないんだが……」
アラタの質問に浅見先生は答えにくそうに目を伏せる。浅見先生の様子から察するにいまの状況では答えにくいことなのだろう。浅見先生は答えにくそうにゆっくりと口を開く。
「……魔力というのはその人の持つ"存在するための力"そのものなんです」
「存在するための力……?」
「はい……魔道士は世界の法から逸脱した力を研究したり行使します。ですから、その世界や居場所に''存在するための力''がないと死を迎えたり消えたり暴走を起こしたりします……」
「それって!?」
「そう、早くセリナの魔力を回復しないと死ぬか消えるか暴走してしまうわ旦那様」
俺の腕にいる意識のないセリナに視線が集まる。タイムリミットは長くはない、このままではセリナは死ぬ。魔物へと変わり果てるのか姿形もなくなる。どちらにしろセリナ=シャルロックという少女いなくなる。……魔力回復の手段はあるがこの状況を乗り切って話すか。
「お兄さんがかろうじて起きていられるのはーーー」
「……お前のおかげってわけか」
『感謝しまくっていいんだぜ。感謝ついでに私はトンズラすることをオススメするが』
「トンズラって!?そんなにやべーのかアレ!?」
『ああ、取り込んだお前の力がヤバいからな。そのヤバいのにはせめて唯一の残りものである正義の味方をぶつけるのがいいんだが、その本人が無力化されるのなら話は別だ』
「……そうかぁ。なら、しょうがないなぁ」
戦力外の俺が言えるわけではないが撤退が一番いいだろう。こちらとしても動ける人数が余りにも少なければまずセリナを何処か安全な場所に避難させるべきだ。全員撤退が一致したようで次はどのように撤退するかである。
「逃げるなら私がこの世界をさっさっと崩壊させてしまうわ……魔力が不安定だからみんなごと消えるかもだけど」
「却下だ却下!!……でかいねーちゃんはなんかあんのか?」
「もちろんあるぜ!私が空間をぶっ壊すって手だが!」
「ユイが夢の世界にご招待!っていうのもあるよー」
アキオとユイは自信満々な様子だが、アリンという先ほどの前例があるためアラタは引きつった笑みで魔力がない状態のことを聞く。
「……お前らも魔力が不安定だとどうなるんだ?」
「空間ごと皆ぶち壊れる」
「二度と夢から醒めないかも?」
「却下だ却下っ!!魔道士はこんなのばかりか!?ええい、恭介はなんかないのか!?恭介だけが頼りなんだっ!」
縋り付くおもいで俺に聞いてくるアラタ。……確かにアキオの真似事ができる宝具は探せばあるかもしれないが殆どはアリンに近いからなぁ。……これは素直に答えておくべきか。
「……手はあるが無理だな。吹き飛ばすのはできるがその場合は敵味方問わず全員吹き飛ぶ」
「だーー!!頼りになれる恭介もやっぱ魔道士だった!」
これに関しては本当にすまない。かつてアリンが行ったギミックがある空間固定だったらあの短剣で刺せば解決するんだがこればかりはどうしようもない。更地になって終わるとしか未来が思い浮かばない。……すまない、戦闘にも力になれず撤退することにも力になれず本当にすまない。
「安全に永劫図書館から立ち去るにはやはりーーーリーゼさんを倒すしか方法はないかも知れませんね」
「あら?魔王候補君逃げちゃうの?じゃあ、従姉妹ちゃんはいいんだぁ?」
あらかさまの挑発にアラタは無意識に手に力を入れる。そして大切な人である従姉妹の名前を呟くとーーーほんの一瞬だけリーゼロッテの身体が膠着した。俺が気付けたというのならばアキオとレヴィも気づいたはず。……これはもしかしたら撤退が可能かもしれんな。
「……無論いいわけはないが、今はセリナがピンチなんでな逃げさせてもらう!!」
「簡単に逃がすと思う?」
「そんな時こそ自分の出番ッスよ」
セリナの次に負傷しているレヴィがリーゼロッテの前に立つ。足止めぐらいなら俺が引き受けたいが……レヴィを信じるしかない。リーゼロッテに直線上はまずいと判断したのかレヴィは跳躍する。その速度はやはり些か落ちているがーーー彼女がその程度で終わるはずがない。
「残念だけど、あたしには止まって見えるわよ!!」
「そうッスか?」
レヴィの姿は今度こそ消える。空中にいながらあの速さで移動できる芸当などレヴィしかあるまい。リーゼロッテもあの状況から加速するとは思っていなかったようで表情に焦りが出る。瞬間移動を使うがリーゼロッテの背後には先ほど姿を消したレヴィが現れそのことに気づいたリーゼロッテはなんとか回避するが黒い羽がクナイで斬られる。
「ちょっと!?瞬間移動についてこられるってどんだけチートなのよ!」
リーゼロッテは右腕を使いレヴィを振り払うとするが次の瞬間に目を見開く。リーゼロッテの目の前にはレヴィの姿はなくあるとしたらレヴィが着ていた制服のみ、流石のことに膠着しているリーゼロッテの背後にもはや聞きなれたいつもの彼女の決め台詞が聞こえる。
「自分、忍者ッスからねっ!」
そしてレヴィはそのままもう片方の黒い翼を斬る。……万全の状態でないのにあの実力とはレヴィには心底頭が上がらなくなりそうだ。
「翼なんか生やしたことなかったでしょう?動きが鈍ってるみたいッスよ」
「……翼の分遅れているというわけですね」
「まさか、さっきの異変で見抜かれているとは……」
「弱点を突く戦法をレクチャーしたのは、私ですよリーゼ。現在、確かに貴女の魔力は最高位ですが、それを使いこなせていないのならそれは三流魔道士と同じこと」
弱点が見抜かれたリーゼロッテの表情が険しくなる。弱点が見抜かれた以上はリーゼロッテも自身が有利な戦いが出来るのが難しくなるとわかっているのだろう。
「あはは、なるほどこれは確かに分が悪いわね。……あたしの魔力が落ち着いた頃また招待することにもするわね。アデュー♡」
昨晩同様にリーゼロッテは唇に指をあてて、一般的にいう投げキスをして姿を消した。リーゼロッテが姿を消したことにより永劫図書館からビブリア学園内部の図書館にへと無事帰ってくることが出来たようだ。
「……戻ってこれたのか?」
「……ま、今回は痛み分けってとこッスね」
……痛み分けか。魔力が奪われるのがアラタでもなくセリナのでもなく俺ならばこれほどの消耗はしなかっただろう。……肝心な時にいつも俺はなにもできない、あの地獄の中ですらもなにもできなかった。……己の不甲斐なさ未熟さただ自身に怒りしか湧き上がらない。
「……すまないが俺は先にセリナを保健室に連れて行く」
これ以上は俺はいるだけでは邪魔なため誰からの返事も聞かず図書館を後にする。この怒りを悟らせたれて空気を悪くしたくないっということもあるが1人にもなりたかった。意識のない少女に俺は力なく呟くことしかできなかった。
「ーーーすまないセリナ。君の力になれない不甲斐ない俺を許してくれ……」
はい、今回の回の恭介くんの戦績は役立たずでした!((戦績・足止め×2 New役立たず
本当に主人公かどうかすら怪しいですが次に恭介は頑張りますっ!原作を知っている人ならきっと彼が行う戦績はわかるはず!……ちょっと活躍は奮発しますよ?((ヒント:数が増える
あっ、次回で多分ですがリーゼ編は終わりませんよ。次回を含めてあと2話は続くと思います!……多分((目逸らし
……ふっふっ、次回、次回こそはレヴィさん成分を補充するんだ((めだまぐるぐる
あっ、ちなみに前書きの意味深な発言はパライソちゃんが宝具2なったことと、パライソちゃんがイベントにてメインシナリオの1人でそしてパライソちゃんの個別クエ開放が原因です。パライソちゃんが可愛いからしょうがないですよね!?……守りたいあの笑顔……((黒ひげ慈悲などいらぬ。首を出せ((注意:作者は別に黒髭嫌ってません、むしろ割と好きです
…シトナイ?えっと、イリヤはほら、この小説でも出番少ないから出ないのはしょうがないよね?……イリヤ欲しかったなぁ、お姉ちゃん……((なお今回のせいで出番が下手したら加速する模様
ふむぅ、やはり私もそろそろ番外編も書こうかなあっと思っていたりします。季節ネタをするにしろ……ネタバレ云々が含んでしまうのが私なんですよねぇ。そこらへんは保留な感じです。
それでは、それでは次回の更新は未定で、誤字&脱字報告をお待ちしております!((レヴィさん成分足りないでござるぅ!!