これは3人が日本に帰還し、会議室に現れるまでのお話。
ーーーーー日本近海 空母[ほうしょう]ーーーーー
海上で鳳翔と名乗る女性を保護した比良と安住は、空母[ほうしょう]へと戻ってきていた。
「艦長!ご無事ですか!?」
「艦長たちが戻ったぞー!!」
比良と安住の帰還に、艦内が騒がしくなっていく。
「皆、今戻った。お客さんも一緒だ。」
「艦長、さっきの人影は一体・・・!?動くな!誰だ貴様!!」
比良たちを出迎えた士官が二人の後ろにいる人影に気づき、拳銃を抜き構える。
「っ!?」
今にも発砲しそうな雰囲気に、鳳翔が目を瞑りびくっと身体を強ばらせる。
次の瞬間聞こえてきたのは、銃声ではなく、何かが床へ叩きつけられる音だった。
恐る恐る鳳翔が目を開けると、そこには先程拳銃を向けてきた士官と、それを床へ押さえつけて取り押さえる安住の姿だった。
「何をしてるんですか?艦長は「お客さんも一緒」と言ったんです。聞こえていなかったとは言わせませんよ。」
底冷えのするような低い声色で、安住が士官へ問う。
「ひ・・・も、申し訳ありません・・・。」
取り押さえられた士官は、安住の目を見た瞬間、全身をガタガタと震わせて謝罪した。
鳳翔からは見えないが、その目は全てを飲み込む奈落の様な色を宿していた。
「答えになっていませんね。お客様に対して何をしているかと聞いているんです。」
質問に答えなければ腕を折ると言わんばかりに、ギリギリと腕を締め上げる安住の雰囲気に、士官の震えが大きくなり、目からは涙が溢れ出している。
「安住、そのへんにしといてやれ。皆ビビってるぞ。」
その言葉に、安住は一瞬比良に目をやると、拳銃を取り上げて士官を解放した。
先程味わった恐怖で腰が抜け立ち上がれずにいる士官の側にいってしゃがみ、比良が忠告する。
「お前が俺たちを心配してくれたのは分かるが、もうちょっと落ち着け。知らないやつを見かけた程度ですぐ銃を抜くようでは、この先が思いやられるな。・・・って、聞こえちゃいないか。」
「誰か、このオツムの足りない早漏野郎を独房にぶちこんでおいてください。」
安住が近くにいた士官を捕まえ、命令する。
いまだに震えている士官は同僚に連れられ、船内へと消えていった。
「鳳翔殿、部下がお騒がせして申し訳ない。」
「いえ、問題ありませんよ。びっくりしましたけれど。」
謝罪する比良に、鳳翔は微笑んで大丈夫だと言った。
気を使わせたなと思って頭をかきながら、比良が安住に注意する。
「安住、さっきのはやり過ぎだぞ?それと、下品な言葉使いは控えろと言ってるだろう。」
「そうですか?下手をすれば他の乗組員へ誤射する危険もあったので取り押さえただけですが。」
対する安住はやりすぎただろうか?と首を傾げている。
それを見た比良はため息をついた。
「やり過ぎだって言ってるだろ。お前は、ああいう緊急時には人が変わるから洒落にならないんだ。さっきの奴、数日は悪夢にうなされるぞ・・・。」
「・・・・・・善処します。」
目を反らしてあさっての方向を向く安住に、比良は片手で頭を抱え、再び大きなため息をつくのだった。
ーーーーー空母[ほうしょう] 食堂ーーーーー
騒動の後、鳳翔と安住は食堂に来ていた。
比良は上への報告の為に艦橋へ行っており、その間にここで待つように言われていたのだ。
沢山ある机の内の1つを選び、向かい合って椅子に座る。
「先程は失礼しました。ああいった状況になると、どうしても体が動いてしまって。」
椅子に座るとすぐに安住が頭を下げて謝罪した。
突然のことに、鳳翔は驚いた様子で目をぱちくりさせる。
「大丈夫ですよ。少し、驚きましたけど。」
そう言って微笑む鳳翔に、安住はまた見とれていた。
(本当に綺麗に笑う女性だよなぁ・・・)
なんてことを考えていると、突然その頭を頭上からの衝撃が襲った。
「いでっ!?」
「お客さんにお茶もお出しせずに何やってんだ。まーた見とれてたのか?」
いつの間にか戻ってきていた比良が、背後から安住の頭に分厚いファイルの背を乗せていた。
「比良さん、お帰りなさいませ。」
「艦長、痛いじゃないですか。もう少し優しくしてくださいよ・・・。」
比良に微笑んで帰りを迎える鳳翔。
それとは対照的に、安住はジト目で抗議するのだった。
「はっはっは!すまんすまん。・・・鳳翔殿、粗茶ですがどうぞ。」
「ありがとうございます。」
鳳翔にお茶を出しつつ、比良も椅子に座る。
「思ったより早かったですね。・・・で、どうだったんですか?上からの反応は?」
「ああ、鳳翔殿を連れて至急帰還せよだとさ。なんでも、鳳翔殿と同じような人が各地で発見、保護されているらしい。」
「保護、ですか。上の連中の言葉に翻訳するなら、拘束の間違いでは?」
「さあな。とにかく、保護した人たちを集めて事情を聞きたいらしい。そのために政府のお偉いさんが駐屯地まで来るそうだ。」
安住が上層部への皮肉を言うが、比良は肩をすくめて見せるだけだった。
そこへ、鳳翔が口を開く。
「あの・・・お話の途中で申し訳ありませんが、お聞きしたいことが。」
「おお、ほったらかしにして申し訳ない。聞きたいことというのは?」
「ここは・・・日本、なのですよね?この軍艦の方々は、私の知っている軍人の皆さんとは随分雰囲気が違うのですが・・・。」
一瞬、2人は何をいまさらと思いかけるが、鳳翔と出会った時のことを思い出した。
「ここは日本ですよ。・・・たしか、貴女は航空母艦と仰っていましたね。」
そう。安住の言う通り、鳳翔はたしかに「航空母艦 鳳翔」と名乗ったのだ。
「この艦も[ほうしょう]だが、ふむ・・・。」
腕を組んで「うーむ」と唸りながら考える比良。
安住も少し考える素振りを見せていたが、顔を上げて鳳翔に問う。
「もしかして、大日本帝国海軍の航空母艦 鳳翔ということですか?」
「はい。その通りです。私自身、なぜ人の姿になっているのか分からないのですが、自分が何者なのかだけは分かるんです。・・・・・・不思議ですよね・・・信じがたいですよね・・・。」
そう言うと鳳翔は不安げな表情で俯いてしまった。
自分という存在を証明する手段がないのだから、その内心は不安で一杯だろう。
「信じるもなにも・・・ねえ。」
「深海棲艦と戦う姿を見れば、信じる以外ありえんよなぁ。」
「・・・え?」
顔を見合わせて苦笑する安住と比良の言葉に、鳳翔は顔をあげた。
その表情から心底驚いていることが分かる。
「信じて、いただけるのですか・・・?」
「疑う事は簡単です。こんな状況ですし、まずは信じてみますよ。」
戸惑う鳳翔に安住が優しく微笑みかける。
頭をかきながら比良が分厚いファイルを机に置く。
「ま、何かあったらその時はその時ってな。さて、まずはどこから説明するか・・・。」
ーーーーー数十分後ーーーーー
「なるほど。おおよそ分かりました。」
比良と安住からの、終戦から現在までの説明が終わり、鳳翔が目を閉じて頷く。
「お二方のご説明、とても分かりやすかったです。ありがとうございます。」
そして深々と丁寧にお辞儀をしてみせる。
「いやいや、ざっくりとした説明しかできずに申し訳ない。」
「そうです。艦長の説明が分かりやすかったなんてお世辞を仰っていただかなくても・・・。」
「・・・・・・お前、たまに俺に対して辛辣だよな・・・。たしかに説明するの下手だけども!」
「自覚あったんですね。これは驚き!」
大袈裟に手を動かしながら、わいわいと騒ぎ出した二人。
その様子が可笑しくて、鳳翔は思わず吹き出してしまう。
「・・・ぷっ!ふふふ・・・!」
口に手を当ててくすくすと笑う鳳翔に、比良と安住も笑い出す。
「くっふふふ・・・!やっと笑っていただけましたね。」
「美人さんには自然な笑顔が一番だな!がはは!」
「ふふ・・・もう!やっぱりわざとだったんですね!」
鳳翔が少し怒ったように頬を膨らませる。
これはずっとどこか固さを含んでいた鳳翔の緊張を解そうとした、二人のちょっとしたおふざけだったのだ。
暫く三人で笑っていると、厨房の中からコック帽をかぶった体格のいい男が何かを持って出てきた。
「みなさん、昼食を食べ損ねたでしょう。残り物で作ったんですが、よかったら召し上がってくだせえ。」
そう言うと男が机の上に料理を並べていく。
「おお!料理長、助かる!」
「いつもすみません。今度、いいお酒をお持ちしますよ。」
「そちらの美人さんも。お口に合うかわかりやせんが、召し上がってくだせえ。」
料理長と呼ばれた男は鳳翔にも比良や安住と同じように接した。
そして二人と同様に料理の盛られた皿を鳳翔の前に置く。
「あ、ありがとうございます。」
驚く鳳翔に、安住が声をかける。
「彼の作る食事はここの乗組員の料理の中でも1、2を争う程美味しいんですよ。ぜひ食べてみてください。」
「は、はい。・・・いただきます。」
「相変わらず旨いな!さすが料理長だ!ははは!」
比良は既に食べ始めており、ガツガツと食べ進めていた。
手を合わせると箸を手に取り、鳳翔も出された料理へ箸を伸ばす。
残り物と言っていたが、魚の切り身にふわふわの衣がついて汁に浸かった物に加え、白米と味噌汁が付いている。
とても残り物とは思えない。
「はむ・・・。」
まずは魚料理を口へ運ぶ。
見た目通りのやわらかい衣の中に、白身魚が入っている。
魚は綿のようにふわりと歯を受け入れていく。
噛み締めると衣に染み込んだ、少し酸味のある出汁が白身魚の味を引き立てる。
自然と、箸が白米へと伸びていた。
炊きたてのような湯気をほかほかと立てる白い山の一角を、箸で優しく摘み取る。
そしていまだ出汁の後味が残る口内へと、それを迎え入れる。
「はむ、はふ・・・はふ・・・。」
噛み締める毎に、白米が本来持つ甘味が出汁の後味と合わさって食欲をそそる。
最後に味噌汁に手を伸ばす。
優しい香りを楽しんで、味噌汁を啜る。
合わせ味噌のようだが、白味噌に近い風味がする。
お昼に食べることを前提にしていたのだろう、濃すぎず薄すぎず、するりとお腹へ入っていく。
「ほぅ・・・・・・美味しい・・・。」
鳳翔が料理を味わう姿は色っぽく、安住と料理長はみとれてしまっていた。
「食べないなら食べちまうぞ~。」
そんなことをしているうちに、自分の分を食べてしまった比良が安住の分にまで手をつけようとしていた。
慌てて安住が比良を止める。
「ちょっ!?それ私の分ですって!艦長~!!」
ぎゃいぎゃい騒ぎ始めた二人を他所に、料理を食べ終えた鳳翔が料理長へ賛辞を贈る。
「料理長さん、とても美味しい食事でした。頬が落ちてしまうかと思うほどです。」
微笑む鳳翔に、料理長が照れながらもタネ明かしをする。
「いや、実はこの料理は人に教わった物でして。自分の実力ではないんでさあ。」
「あら、そうなのですか?」
鳳翔は片手を頬に当て、目を丸くして問いかけた。
「へい。料理長なんてあだ名で呼ばれてはいますが、料理は全部、安住副長の直伝なんですわ。」
そう言って、料理を巡る攻防を続ける二人へ視線を移す。
「だから食べるっていってるじゃないですか!」
「いいだろ一口くらい!」
「艦長のは『一口に入る分だけ』の間違いでしょうが!」
「固いこと言うなっての!」
まるで仲の良い兄弟のような二人の様子に、また自然と笑みが溢れる。
「ふふふ・・・。仲が宜しいようで。」
「さて、そろそろ夕食の支度に戻りますわ。美人さん、ごゆっくり。」
鳳翔に一礼して、料理長が厨房へ戻ろうとする。
そこへ鳳翔が声をかけた。
「あの、もし宜しかったら・・・。」
ーーーーー数時間後ーーーーー
食堂は混沌とした雰囲気に包まれていた。
男たちから発せられる熱により陽炎が見えるほどの熱気。
その目は血走り、身体中から汗が滴る、まるで獣のようだ。
彼らの獲物は白いキャンパスへ注がれたモノ。
鼻をつく香りを放つソレををキャンパスに馴染ませ、食らう。
ここに居る誰もが「もっと」とそれを欲し、奪い合う。
そう、食堂は今、カレーライスを求める亡者たちの戦場と化していたのだった!
「これは・・・すごいことになったな。」
「ええ・・・ここはまさに戦場ですね。」
比良と安住が食堂へたどり着いた時には、すでにカレーライスを求める士官たちの巣窟となっていた。
「カレーライスのおかわりは、まだまだありますからねー。」
厨房の方から女性の声が聞こえたかと思うと、おかわりを貰おうと士官が受け渡し口へ殺到する。
「おかわりください!」
「おれにもーー!!」
「こっちが先だー!」
「てめえ何杯目だ!」
「かゆい うま」
「どけどけー!まだ食ってねえぞー!」
「お前らちゃんと並べって!!」
「順番を守らない人には、おかわりはありませんよー。」
「「「「「「整列!一列縦隊!!」」」」」」
我先にと互いを押し退けあっていた士官たちが、再び女性の声が聞こえた途端に整列する。
声の主は鳳翔だ。
なぜ食堂がこのような状況になっているかというと、鳳翔が「ご飯のお礼に」と本日の夕食の手伝いを申し出たことが原因だ。
夕食の時間になり、カレーライスを食べた士官が突然「うますぎるぅぅぅぅうぅぅぅぅ!!」と全艦放送で叫び、それを聞き付けた他の士官たちが半信半疑でカレーライスを食べたことで食欲が爆発して今に至る。
何を隠そうこのカレーライス、鳳翔が作ったものなのだ。
味見した料理長は膝から崩れ落ち、「勝てない・・・ワシの調理技術に、このカレーに勝つ手段は・・・・・・無い・・・。」と言ったきり真っ白に燃え尽きたらしい。
「我々の分、残ってますかね・・・。」
「残っていることを祈るしかあるまい・・・。」
この状況に若干引き笑いを浮かべつつ、カレーライスを待つ行列に二人は並ぶのだった。
ーーーーーーーーーー
待つこと十数分。
ようやくカレーライスを受け取った二人は近くの席を確保していた。
食堂も混雑のピークを終えて徐々に人が少なくなっていっているようだ。
「さて、いただくとするか。」
「そうしましょう。」
比良と安住はそれぞれ両手を合わせた。
「「いただきます。」」
そして一口目を食べる。
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
硬直する二人。
すると比良が天を仰ぐようにのけ反り、閉じた目から涙をこぼし始めた。
「オカン・・・・・・オカンの味や・・・。」
そう言ったきり、比良はしばらくそのまま涙を流し続けた。
一方、安住はというと。
こちらも目を閉じているが、二口目、三口目と食べ進めている。
そしてそのまま完食すると、こちらも天を仰いで呟いた。
「母上・・・・・・ああ・・・刻が見える・・・。」
この日振る舞われた『鳳翔特製カレーライス』は、『お艦カレー』として語り継がれることになるが、それはまた別のお話。
ーーーーー日本自衛隊駐屯地ーーーーー
日本本土へと帰還した比良たちは、鳳翔を連れて政府高官が居るという部屋へ向かっていた。
「もうすぐ到着します。部屋には既に数名が通されていて、事情聴取が始まっているとか。」
「らしいな。俺たちの到着を待たずに始めるとは、オツムが足らんようだな。なあ、安住?」
「それは忘れて下さい・・・。」
二人の後ろを着いてきていた鳳翔が恐る恐る口を開く。
「ここでは、どのような話をすることになるのでしょう・・・。それに、私の他には誰が・・・?」
「あーたぶん。お前たちは誰だー、とか。目的を言えー、だとか。そんな所だと思うが・・・。」
「たしか、航空母艦 赤城と加賀。それから・・・金剛型戦艦4隻だとか。恐らく他にも居るでしょうが、別室で待機させられていると思われます。・・・・・・あなた方の処遇がどうなるのかも話があるかもしれませんね。」
そうこう話している内に、事情聴取が行われているという部屋の前へと到着する。
しかし、比良も安住も衛兵が居ないのをいいことに、すぐには部屋へ入ろうとせず聞き耳を立てているようだ。
比良に手招きされ、鳳翔も同じように聞き耳をたてる。
すると、かすかに声が聞こえてきた。
『知りたいーーーーー何ーーーうか。』
『ーー諸君らは何故、ーーー深海ーーー戦い、勝つーーー?』
『諸君ーー目的。何ー望みーーー。ーーーまさか善意ーーーーーなかろう。ーーー狙いーーー?』
聞こえてきたのはなんとも答えずらい質問。
そして返答のない沈黙。
「そりゃあ沈黙するわな。俺らは鳳翔殿から話を聞いてるから分かるが・・・。」
「こんなもの、わざと答えづらくしているじゃありませんか。気に入りませんね。」
「おいおい、気持ちは分かるが抑えろよ。俺らが下手を打って彼女らの立場を危うくするわけにはいかんからな。」
「分かっていますよ。鳳翔さん、準備は宜しいですか?そろそろ入室します。」
安住が顔を向けると、そこには強い意思を持った光を瞳に宿した鳳翔の姿があった。
「覚悟はできています。私の娘たちを苦しめることは許しません。」
「ど、どうか抑えてくださいね・・・?」
「よし、入るぞ。」
そう言って比良が立ち上がる。
安住と鳳翔も続いて立ち上がり、身だしなみを軽く整える。
比良が目配せし、二人が頷くと扉をノックする。
『誰だ!今は重要な会議をしている所だ!後にしろ!』
ノックの音に、過剰な程の怒声で答える政府高官の声が聞こえた。
(やはりオツムが足らん奴のようだな。)
(器が知れますね。)
比良と安住がアイコンタクトで政府高官のオツムと器の無さを馬鹿にしあう。
「重要な会議中、失礼します。その会議に関係があると思われる、重要参考人をつれて参りました。」
わざとらしく大きな声で言う比良。
少しの間を置いて、『・・・・・・入れ。』と入室の許可が出た。
「はっ、比良二佐。以下二名、入ります。」
安住が扉を開いて比良を通し、その直ぐ後ろに鳳翔を通す。
そして最後に鳳翔の後ろに付いて自らも入室する。
「「鳳翔さん!?」」
部屋へ入ると、二人の女性が驚いた様子で声をあげ、鳳翔へと敬礼する姿が目に入った。
比良と安住は『休め』の姿勢で彼女の両側に立ち、あたかも二人を従えているように演出する。
これから政府高官と言葉で切り結ぶのは、自分達ではなく、ここにいる鳳翔だからだ。
二人は横目でちらりと鳳翔の表情を確認する。
凛とした表情の戦乙女の姿がそこにあった。
それを見た二人が内心でニヤリと笑った。
((さあ、共同戦線の始まりだ!))
ーーーーーーーーーーつづく
第2.5話です。
いかがでしたでしょうか。
間話の第1弾となる今回の話。
比良、安住、鳳翔が、どのようにしてあの場に現れたのかを書いてみました。
間話は基本的にはゆるーくいこうかと思ってるんですが、なんだか重いシーンもはいってしましましたね・・・反省です。
次の間話からはゆるくなる・・・はず。
では、また次の間話も本編もお楽しみに。