シャワーで汗と埃と不快感を流れ落とした後、身体を締め付けることのないゆったりとしたラフな服を着る。
ベットに身体を預け、一度深呼吸をした後ナーヴギア(アミュスフィア)を装着。
さぁ皆が待つVRMMOの世界へ行こう。
『リンクスタート!!』
※これはキリトと誰かのアバターが入れ替わってしまったお話
息抜きで書いた作品です
「お、俺?!」 「わ、私!?」
目の前に出現したキリトが驚いた顔でこちらを指さす。
それは鏡でもなんでもなく、どうみてもキリトのアバター。
「「え?!」」
再び重なりあう驚きの声。
そして目の前にいるキリトとともに恐る恐る横を見る。
まるでクエストアイテムの如く、都合よく置かれていた鏡に写っていたものは、見慣れたキリトのアバターではなく、俺が想像したとおりに動くリーファのアバターであった。
「お兄ちゃんなの・・・?」
「スグ、か?」
ああやっぱり、と状況は予想通りであった。
なんとなく今のやり取りにデジャヴを感じつつ、まじまじとキリトのアバターを見つめる。映像で自分の姿を見ることは会っても、こうやって見るのは初めての経験だ。ドッペルゲンガーにあったらこんな感じなのだろうか。
「これ、どうなってるの・・・?」
「うーん、バグ、かなぁ」
突発的な特殊クエストの開始・・・という線もないことはないが、外見が変化しただけならまだしも、見る限り装備やアイテムなども入れ替わっているらしい。プレイヤーにとって軽々しく入れ替えて良い要素では決してないものだ。
そういう意味では全く見ず知らずの誰かではなく、リーファ・・・直葉であったことは不幸中の幸いといっていいだろう。
「とりあえずログアウトを・・・って押せないよ?!」
「こっちもダメだ。とりあえずGMに報告するくらいしかないな」
「ううっ、どうしようお兄ちゃん・・・」
「そんなに深刻にならなくても大丈夫だろ。・・・それと俺のアバターでそんな情けない顔をしないでくれ・・・」
手を胸の前で重ね、内股で不安げな顔をしている自分のアバターを見ると、虚しさや悲しさを通り越して笑いがこみ上げてくる。・・・というか俺ってアスナが言ってたとおり女顔だったんだなぁ。中身が違うだけでこんなにも色気というか、ボーイッシュな女の子っぽく見えてしまうとは。
「で、でもずっとこもままっていうのも・・・」
顔を真赤にするキリト・・・いや直葉。
「ま、いざとなったらアスナかエギル当たりにリアルで直接ログアウトしてもらえばいいさ」
SAOのようにデスゲームになっているわけではないのだから、いざとなったら強制セーフティを発動させればいい。それすらも無理ならば直接ナーヴギアを外してもらえばいいのだ。それが解ってるいるからこそのこの余裕なのだが。
「まぁこんな経験めったにできないし、楽しむしかないよな?」
「え?え・・?」
「それじゃ、またあとでなっ!」
ひと安心したのもつかの間、俺の発言に目を白黒させる直葉。明らかにテンパっている直葉を置いて逃走を図る。
ーーーーこんな面白いことになってるのに、ただGMを待つだけなんて面白くないじゃないか。
機会を与えてしまえば、恐らく止めるであろう直葉を置いて跳び上がった。
「~~~~~」
背後を振り向かず、出せる限りの最高速度でこの場を離れる。後ろで直葉が何やら叫んでいたような気がするが、まぁ気にする必要はないだろう。
ここで入れ替わった相手が直葉ではなく、クラインやシノンであれば、キリトのアバターの監視をしなければならないだろうが、数少ない常識人である直葉がはっちゃけるとは到底想像できない。恐らく羞恥心で何処かでこっそり時間がすぎることを待つため、アインクラットのホームに向かうだろう。
「いっちゃっほーーーう!」
俺は《リーファ》をして、アルヴヘイム観光に洒落こんだ。
「おっし。こんなもんかな」
シルフ領に降り立った俺はまず最初に装備の変更を行った。
グリーンとホワイトを基調とした服装から、黒の露出の少ない服装へ。
常々思っていたのだが、リーファの服装は少しセクシー過ぎるのではないかと。ボディ露出度の高い服、ラインを強調させるような服はMMORPGでは珍しくないものだが、例えアバターであろうとも、身内がそういう服を来ているというのは少しフクザツな気分である。
そして何より周囲の視線がうざったかった。
リーファがALOでも有名プレイヤーであることは重々承知であったが、これほど周囲から《視られている》と感じたのは久々だ。特に男の、胸に視線を合わせているのが怖気が走る思いだ。自分もこんな視線を向けていたのではないかと思うと、ちょっと死にたくなってくる。
まぁそんなわけでアイテム倉庫に眠っていたこの一着に着替えたというわけだ。さすがにリーファの《ユルド》で勝手に買い物をするわけにはいかなかったのでかなり助かったのだが、どことなくキリトの服装に似ているきがする。まぁなんでこんなものがあるんだろうか。
「リーファはスピード重視だからなぁ。剣が軽いのは仕方ないか」
軽くリーファの愛刀を振るう。これは過去に一度俺がリーファから(無理やり)借りたものとは違う、あの時よりも更に上位の、リズベット謹製ものである。リズの刀は、同じ刀使いであるクラインにはSTR重視のもの、リーファにはAGI重視のものが優先的に渡されていた。
「刀はあんまり使ったことないけど、ま、いいか」
というかリーファのインベントリには刀以外の武器がなかった。いやあるにはあるが、短刀というか小太刀というもので、どう考えてもサブウエポンである。・・・いずれリーファも宮本武蔵よろしく二刀流にするのだろうか。
「さてさて、どこいこうかな」
とりあえずあてもなく歩き始める。不躾な視線もかなり失せ、一息つけた。
女性専用のイベントを受けるべきか、はたまたシルフ限定のイベントに参加してみるか。脳内で普段できないことリストをざっと作り上げていく最中
「おっと、すまん」
「あ、ごめんなさい」
肩がぶつかりお互い謝る。・・・ついいつも使わない「ごめんなさい」なんて謝り方をしてしまったのは、無意識にリーファを意識して真似ているからだろうか。言ってからちょっと恥ずかしさを感じてしまう。
「っとなんだリーファじゃないか。いつもの服装じゃないから誰かと思ったぞ」
「あ、サクヤ・・・」
ぶつかった相手はシルフ領主、和服美人のサクヤだった。
面識がある相手にほっとするべきか、リーファと親しい人に領主であるサクヤにぶつかったことがまず奇跡に近いのだが。
「ど、どうしたのサクヤ。こんなところで・・・」
「いや、まあな。少し面倒なことになってしまっていてな」
そうして目を伏せ、やれやれといった仕草をする。そんな姿も絵になるからこの和服美人さんは侮れない。それでいて剣の腕も相当なものだからリアルでは一体どんな生活をしているのだろうか。
「面倒?」
「ああ。ルーから剣の指導を頼まれてしまってな。ケットシー領に誰か教官を派遣してほしい、と」
ケットシーは戦力アップを図っているそうだが、その一環として個々の地力を上げる案が出ているようだ。ティミングによるモンスターテイマー、騎兵が主になっているため、せっかくの敏捷優位が無駄になっていることを惜しんだらしい。
「同盟国のケットシーの戦力アップはこちらとしてもありがたい。近々種族間の戦争が起きると噂されているからな」
「なるほど」
「というわけで、リーファ」
「へ?」
レネゲイト・・・脱領者である者には分からない、複雑な種族間のやり取りがあるらしい。そのことに感心していると、不意にニッコリとした笑顔を携えたサクヤに肩を掴まれ、思わずマヌケな声を出す。
「ケットシー領へ行ってくれないか?」
「な、なんで?!」
「それは勿論、リーファが適任だと思ったからだ。これはルーからの要請だからな。下手な人物は出せん。その点リーファは統一デュエルトーナメントでも上位入賞してる上、ルーとも面識があるからな」
「・・・」
予想外である。遊びに行こうとした矢先、こんな展開になろうとは。
これはこれで楽しそうではあるが、いかんせん人にものを教えるということはあまり得意ではない。その上、キリトではなく、リーファとなれば、今回の結果がリーファの評価に大きく影響を及ぼしかねない。
「えっと、そのちょっと用事が・・・」
「なに、嫌とはいわないよな。あの時、なんでもすると言っていたのは嘘だったのか?」
そういってニヤニヤするサクヤ。その笑いも下品ではなく、上品に見えるのはもうなんというか特技といっても差し支えないような気がする。
「なんだ、白を切るのか?その服は、『キリト君とお揃いのが欲しい』と相談されたから、わざわざ各方面に働きかけて用意させたものだぞ」
キリト君とお揃いのが欲しい
キリト君とお揃いのが欲しい
キリト君とお揃いのが欲しい!
「~~~~~~~~~っ!!」
顔から火が出るかと思った。直葉が、俺とおそろいがいいからと用意した服。勿論この服をきたリーファを見たことはなく、市場に出回っているのを見たこともない。俺の知識不足かも知れないが、恐らくワンメイク品。
それを俺が引っ張りだして来ているというのは、なんと皮肉なことだろうか。
「そ、う。わ、わかった・・・」
「うむ、さすがリーファだ。助かる」
「ちなみに、その話を知ってるのは・・・」
「勿論私を、あとその服を作った者くらいだ。キリトに知られるようなヘマしてないぞ」
自慢げに胸を張るサクヤだが、目の前のりーファの中の人は、キリトの中の人・・・なんてことが解るはずもなく、おもいっきり知ってしまいました。
「そう、でいつから?」
かなり後味が悪い感じになってしまった。もうコレ以上関わるとなんかめんどくさいことになりそうなので、直葉に丸投げしてしまおう。
「ああ・・・今からだ」
「ええー」
「本来は私が向かうはずだったんだがな。急用が入ってしまってな。本当にここでリーファに会えたのは運が良かった」
ぐっと首根っこを捕まれる。
「さあ、お迎えがきたぞ」
どうやら逃げることはできないらしい。
折角の機会が・・・と心の中で泣き叫んだ。
「いやー、リーファちゃんよくきたネ。今日は宜しく頼むヨ」
目の前には5人のケットシー。
一人はケットシー領主のアリシャ・ルーである。責任者故か、わざわざ出迎え、挨拶にやってきたようだ。
「今日はネ、こっちの子たちに教えて欲しいんダ」
ルーが言い終わった途端こちらに駆け寄る三人の少女。
抱きついてくるんではないかと思うような速度で近づいてきた彼女達は、触れる一歩手前でその勢いを削ぐ。思わずそのまま押し倒されるかと思うほど迫力が合った。
「あ、あのリーファさんですよね」
「ああ、そうだけど」
「トウカです。この間の統一デュエルトーナメント見ました!」
「カリンと申します。私は、リーファさんの姿を見て、刀持ち始めました」
「レンファです。す、すみません握手と、軽くハグさせてもらえませんか・・・?」
三人の口から次々と吐き出される言葉に圧倒されつつ、なんとか受け答えていく。途中で元の口調が少し出てしまったが、気にもとめないようで助かった。
さてこの状況、キリトの時も同じようなことは合ったが、相手はむさ苦しい男ばかり。正直華がほしいなーなんて考えていたのだが、今のこの現状を省みると、無理やり突破して逃げ出せる男どもに囲まれたほうが何倍も楽なことか。
しかしそのミーハーっぷりとは裏腹に、装備を見る限りそれなりにハイレベルプレイヤーなのが伺える。
「うちでもネ、この三人はとーっても筋がいいんダ。しーっかりお願いネ」
ケットシーの秘蔵っ子、というわけなのかもしれない。
そして残った一人。
「あと彼女は紹介する必要ないよネ」
「あははっ。リーファちゃん。こんにちわ」
そういって笑いかけてきたのは、ピナを頭に載せたシリカであった。
「ほら、剣先をよく見て」
ケットシー領内にある修練場にて、とりあえずそれぞれの実力を図る・・・ということで一対一のデュエルを行なっている。アリシャ・ルーが推薦するだけあって本当に筋がいい。
敏捷性を生かした小回りの効く短刀を主軸に、威力は低いが詠唱時間の短い魔法をこまめに挟む、実に対処しづらい戦法だ。惜しむなら予定外の事態に弱く、足が止まってしまうことだろうか。
「多数の時は周囲に目を配ることも大切だけど、一対一の時は基本的に相手から目を離さないこと。上位プレイヤーほど一瞬の隙をついてくるからね」
3人の弱点を洗い出し、そこを修正するような訓練方法を伝えていく。俺の教え方が旨いのか、それともリーファの人徳なのか、砂が水を吸収するかのごとく、どんどん上達していく。今の時期が1番伸び盛りなのかもしれない。
「やっぱりリーファさんの剣筋は綺麗です・・・」
「うん。見てて、ついぽわわんってなっちゃうよね」
「あ、ありがとう・・・」
ぽわわん、ってなんだ。
リーファは剣道を主体としているため、美しさと完成度を誇る。直葉自身のセンスも相まってバランスが良く、非常に安定した戦いをすることができる。キリト自身は参考にしたものがいくつもあるが、いわゆる我流と言って差し支えない。故にその自身では合理的だと思う行動も、他人の目からは奇想天外なアクションと取られてしまうこともしばしば。
『キリト(くん)って、非常識だ(よね)』
というのがある種の共通認識となっている。
現状はリーファとして不審がられないように、なんちゃって剣道で相手をしているが、意外となんとかなってるっぽい。ただ胸が、普段ないものがあるというのが非常に厄介である。大きいほどいい、というのは所詮男からの視点よえなのかもしれない。ちなみにこの胸をいやらしい気持ちで触ろうという気は毛頭ない。例えアバターであろうとも、義妹の胸を揉みしだく鬼畜というところまで、落ちる気はないっ・・・
「さすがリーファちゃん。凄いね」
「あはははは・・・そんなことないよ」
一息ついた所で、シリカが隣に腰を下ろした。
ちなみにシリカとも一度手合わせを行った。
ピナとの連携もよく、ALOからピナに実装された特殊攻撃が実にいやらしい。ソードスキルの使いところが上手く、状況判断能力ではこの中で1番だった。ただ惜しむなら、行動に保守的な部分が多く、爆発力に欠けるところだろうか。SAOサバイバーには多い癖なのかもしれない。
「そういえばリーファちゃん、その服どうしたの?」
「うーん、気分転換かな」
「そっか。その服、ちょっとキリトさんのに似てるね」
「ぐ、偶然じゃないかなぁ」
大丈夫。
言葉遣いは直葉をモデルとしてやったし、動きもなんちゃって剣道でリーファの動きをトレースできた・・・と思う。ただ魔法まではさすがにほとんど覚えていないし、戦闘スタイルとしては理解していても実践で使えるほど昇華できていない。
まぁ何にせよ、中身が俺だなんて思われるはずがない。そんな突拍子のない発想が生まれる事自体がおかしい話なのだから。
「あっれー、リーファちゃんじゃん。こんなトコロでどうしたの?」
冷や汗をかきつつ、笑顔で談笑するという荒業を行なっている最中、不意に入り口から声が掛かる。
明らかに馴れ馴れしい口調、ぞろぞろとチャラい装備の男たちが三人、入ってきた。そのことによって明らかに修練場の空気が悪くなるのを感じる。
「え、わざわざシルフに教えてもらってんの?そんなんしなくてもマサキさんに頼めばいいじゃん。マサキさんやさしーから、ちゅーしたら手取り足取り教えてくれるよ」
男たちだけ、笑いが巻き起こる。品のない、ゲスな笑い声。ひどく耳障りで、癇に障る。
「リーファちゃんも知ってるよねマサキさん。統一デュエルトーナメントベスト8!ケットシー最強と呼ばれている男のことさっ!」
まるで自分のことのように誇る男。
ケットシーのマサキ・・・キリトの対戦相手の一人であった。
ケットシーにしては大柄でパワー重視、種族ボーナスもあってかなりスピードを誇る。
強いのはマサキであってお前ではないだろうに、どうしてこんなに調子良くなれるのだろうか。
「リ、リーファちゃん・・・」
「そうだね、ここまでにしておいたほうがいいかな」
少し怯えたシリカが小声でこちらに提案する。
正直かなりありがたい。この空気にイライラし始めてきたところだ。三人の女の子のほうを見ると、こちらも少し怯えた表情をしていたが、コクリと頷き返してくれた。
意味もないのにおしりについた砂を払うような仕草を行う。コレは無意識の行動だからセーフ。
彼らを無視するように立ち上がると、その横をすり抜け修練場から出ようとする。が、不躾に掴まれる肩。もしハラスメントコードの申告促すアイコンが出ていれば即座に押していただろう。
「おいおい、どこ行くんだよ」
「・・・ここも騒がしくなってきたので、場所を変えようかと」
「いいじゃんここで。ついでにさー俺達にもコーチしてくれよ」
「ハハハッ、手取り足取りってか」
再度ゲスい笑い声が響き渡る。最早ため息しか出てこない。
アスナもこんな目にあったことがあるのだろうか。こんなんだから女性プレイヤーが希少価値とか言われるようになるんだよ。
「こんだけ言ってんだからいいじゃんかよ。俺より強いリーファちゃん」
その言葉に怪訝な顔を浮かべてしまうが、すぐに隣のやつがわざわざフォローを入れてくれる。
「ぶはっ、リーファちゃんはお前なんて眼中にねーってさっ。こいつね、リーファちゃんと大会で当たってボロ負けしてやがんの」
「いーや、あれは紙一重だったね!あとちょっとだったわ」
あーだこーだ言い合いする三人。しかし扉の前を退く気はさらさらないらしい。ここまでわかりやすいキーワードが揃えば彼らのしたいことがなんとなくわかってくる。
「つまり、あなた達はどうしたいんですか」
そう言うと、男たちは待ってましたと言わんばかりに汚らしい笑みを浮かべた。
「そりゃ稽古をつけてもらいたんだよ。ハンデ付きでな」
「ハンデ?」
「ああ、俺達三人とリーファちゃん一人。ほら、リーファちゃん強いからそれくらいでちょうどいいと思うんだよねー」
「んなっ!」
絶句したのはシリカ、トウカ、カリン、レンファ。あまりにも振りすぎるその内容に、空いた口が塞がらない。
そして止めなきゃ、そう使命感を持った4人を抑えたのは他でもない俺だった。
「わかりました。いいですよ」
「リーファさん!」
「おっ、話わかるねー」
手早くウインドウを開き、先程までのデュエルモードではなく、バトルロイヤルモードを選択、参加人数を4人。俺の目の前と、彼らの目の前には《承認》アイコンが表示されている。
本来ならば全員敵であるバトルロイヤルモードであるが、既に1対3であることは間違いない。
彼らは既にボタンを押したようで、手には彼らの得物が握られている。その姿を見て俺もボタンを押した。
「ははっ、もうにげらんねーぜ」
「わりいけど、ボコらしてくれよ」
「たまんねーぜ」
それぞれ自分が思い描いたシナリオ通りに事が進んだことに歓喜し、既に勝ったような気でいる。
「リーファさん・・・」
「大丈夫大丈夫」
不安げにこちらを見つめる4人に、気負いなく軽く手を振る。そう彼女たちが責任を感じる理由はない。これはただの私闘。
ただちょっかいを出すだけでなく、直葉に悪意を持って近づいてきた馬鹿どもに痛い目を合わせたいがためのもの。
「馬鹿だよな。ここはケットシー領なんだから問答無用にPKすればよかったのに」
ぽつりと呟いた言葉は誰にも届かない。
無常にもバトルロイヤルスタートのボタンが押された。
これだけ書くだけで結構時間使った 泣きたい
続きは今週中にあげたい 上げれるといいなぁ