テンプレ転生!~転生したのは、色々とおかしいダンまちの世界~ 作:ねむねむお布団
作者「リアルが忙しい上に、推敲が進まなかったからです」
ぬこ「何故投稿が遅れたのですか」
作者「……FGOのイベントの、周回をしてました」
ぬこ「何故投稿しなかったのですか」
作者「執筆が纏まらなくて、それで纏まるまで改稿してました」
ぬこ「何故投稿しなかったのですか」
作者「……FGOのイベントの、周回をしてました」
(以下、ぬこと作者の問答が続く……)
投稿が凄く空いてすいませんでした(開幕土下座)。
ハイ、本当にすいません。今回の話を書き終えるまでに、凄い時間が掛かったんです……。
いやぁ、本当はもっと短い文字数になるんだろうと思ってました。……けれど、いざ数えてみてビックリ。
二万字書いてました。驚愕の文字数。
……そうなんです。いや、俺書きすぎだろうと驚愕しました。史上最多数の文字数ですよ。ですが、投稿する際には一話に二万は多いので分割して、二話に一万字ずつにしました。
……お待たせした分は、これだけの長さでお許しして……下さいませんか?(上目遣い)
アッ、ダメですか。ハイ、知ってました。スイマセン。
_____その声が放たれると同時、盛大に状況が進展した。
「ドーモ、ヘンタイボウケンシャ=サン。ヘンタイスレイヤーです」
「「_____ッッ!?」」
背後から届いた美麗な音色……生涯に置いて最上に心地好いと断言出来るであろう程に最高な声に身を震わせながら、二人の女冒険者は驚愕と共に振り返った。
「何だ今の声……ッ!男の声はこんなに”良い”のかッ!?」「凄いっ……耳が孕んじゃう……っ!?」と、二人の脳裏に驚きの思考が走る。しかし、一番に驚いたのはその事ではない。ちょっと頬を赤く染めながら息を荒くしてしまっているが、最大に驚いたのはソレではない。
「アイエエエエ!?オトコ!?オトコナンデ!?」
「なんッ……、何でッ!?貴方は、宿屋に居る筈じゃあ!?」
振り返ると同時に視界に入るのは、白髪蒼眼の美少年の姿。距離が幾らか空いている物の、遠目で覗いていた時に比べて間近に男が居ると言う初の状況に胸を高鳴らせる。
だが、やはりそれだけで胸を高鳴らせてはいない。喜びを感じてはいるが、それとは別に興奮と動揺の感情にもに見舞われている。
_____先程まで宿屋に居た筈の男が、何故此処に居るのか。
その理解出来ない現状に混乱し、二人は目を見開いてその男の姿を正面に捉える。対するその男は、アイサツを終えてから何かを呟きながら女冒険者達に視線を向ける。
「……うーん、別世界の筈なのにこの反応……ニンジャは実在する可能性が微レ存……?」と呟く彼……真名を、ユキハ・スノウリィと言う名を持つ少年は白髪を揺らし、疑念を抱くように首を傾げている。……それを見て、その首を傾げている白髪美少年の姿を見て、女冒険者達は「首傾げキター!」「こんな近くに男が……!夢みたい……!」と喜色を表に晒し出す。その反応は、別世界で例えると「美少女の首傾げに目をキラキラさせて気持ち悪いオタク的な反応を示す一般人男」と言った感じである。
「……まあいいか。取り敢えずは用件を済ませよう」
呟き、ふむと一つ頷く。
少年、ユキハはその蒼眼を闇夜から輝かせ、双眸にキリッと女二人を捉える。まるで「逃しはしない」と言外に告げるように。
……その少し冷たい視線に、女冒険者達は「んん……っ!」「はあ、はあ……冷たい視線……イイ……!」と若干気持ち悪い反応を示す。露骨に発情し始めているその様子を目にし、ユキハは眉を顰めて身を半歩下げる。見るからに「え、何で喜んでのこの人達」と理解不能の存在に対する疑念が詰まった反応である。
しかし、そんな変態的な反応を示そうと用件はある……と言うかさっさと済ませてしまいたい。そう思い、彼はコホンと咳払いをした後に口を開く。
「……さて、お前ら」
「はい!」「なんでしょう!」
「……、……。」
声を掛けたユキハは、返ってきたその元気な声に動きを止める。声を詰まらせ、「アレ?」と眉を顰めて続けて言葉を向ける。
「……用件があるんだが」
「何でしょうっ!」「何なりとっ!」
「…………。」
言葉の途中で差し込まれた快い返事に、数秒硬直して少年は眉間を揉んだ。……見るからに、「おかしい。なんか考えてたのと違う」と困惑するように頭を痛ませている様子だ。
……事実、ユキハは想定していた展開とは違った状況に困惑していた。もっと渋々、最悪は「うるせぇヤらせろ!」「お前が父親になるんだよ!」と襲われる事も予想していた。
……だが、まさか相手がこうして、「オールオッケー!」「何でも言う事聞くよ!」みたいな笑顔を浮かべながら言葉を待っている態度をするとは考えていなかった。ユキハは一息吐き、この後の反応を薄らと察しながら言葉を続ける。
「……お前ら、宿屋に居た俺らにちょっかいを出したよな。違うか?」
「違いませんっ!私達の魔法でやりました!ごめんなさい!」
「はい!全部悪いのは私達です!すいません!」
「…………。」
即答。即答である。その潔さの度合いにはユキハもピシリと硬直した。
元気良く肯定し、更には謝罪までしてくる始末。即時に罪を認めて謝って来ると言う、「即オチ2コマかよ」とツッコミが入るような展開である。
……ユキハは、 「俺が男だからこう罪を直ぐ認めたのか」「おかしいな、もっと面倒なゴタゴタになると思ったのに」と驚きと共にそう思った。転生者である彼が薄々と男と言う存在の恐ろしさを理解し始めながら、続けて問いを投げ掛ける。
「何でお前らは俺達にちょっかいを出した?」
「嫉妬したからです!ぶっちゃけ破局して欲しいとまで思いました!」
「……お前ら、正確には何をした?」
「私達の魔法で精神を暴走させた後に、強制的に発情させました!あわよくば仲が悪くなって欲しいと考えました!」
「…………好きな男性のタイプは?」
「男性であれば皆好きです!愛は平等に!」
「ぶっちゃけ貴方が好みです!アイラブユー!」
_____駄目だコイツら。
思わず頭を抱え、彼はそう思った。
↑ ← ↓ → ☆
「(……まさか、こうなるとは思わなかった)」
想定外の事態に痛む頭を抑え、俺は溜息を吐き出す。……何故だか、異様に疲れている気がする……おかしいな、こんなギャグ時空だったかこの世界。やっぱりこの世界狂ってるよコンチクショウ。
そうしみじみと思いながら、俺は気だるげな瞳を”ちょっかいを出した二人”に……女冒険者二名に向ける。
……三つ目の質問で、何やらアピールを始めたテンションの高い女を。
「因みに処女であり、万年男性との出会いを求めてますっ!」
「ぶっちゃけダンジョンに出会いを求めたのは、異性との出会いです!後悔はありませんっ!」
コンパに出る女はこんな感じなのだろうかと思いながら、再度溜息を吐く。……さっきの台詞を前世で例えるなら、「因みに童貞で、万年女性との出会いを求めてます!」「ダンジョンに美少女との出会いを求めてます!」だ。うわぁ、ハッキリ言って気持ち悪い。やっぱり色々と狂ってるネ!
……あと、さっきの最後の質問はネタのつもりでやったのであって、お前らに興味があってそう質問した訳じゃないからそうやってアピールすんなよ(真顔)。あ、美少女のなら聞きたかったけどね。ハハッ。
「胸は大きくありませんが、感度は良いです!下のアレも、一突きで絶頂する程に敏感ですよっ!」
「胸はそれなりにあって、柔らかくて揉み心地には自信があります!私の雌穴は一度捉えたら離さない吸い付きようですよっ!」
急にお前ら何を言ってるの(困惑)。
素で困惑した。急にセックスアピールし始めてどうしたのこの人達。……まさか、求めてるの?ナニがとは言わないけど、一夜の過ちを犯したいの?その台詞からするからにもう誘ってるよね?
「何でや」「誰得だよ」と思うものの、俺は言葉を出せず眉を顰めるだけだった。……いや、と言うか流れが強過ぎて言葉を差し込めない。「お前らとエロい事なんかしたくねぇよ(真顔)」と正直に言うのも俺が嫌なので、やんわりと嫌だと伝えて逃げたいのだが……駄目だコレ、視線が完全に野獣。何、野獣先輩なの?アイスティーに睡眠薬をサーッ(迫真)と入れて昏睡レイプするの?
うん、詰まりは見る限り楽に逃げさせて貰えそうに無い(逃げ切れないとは言っていない)。出来るだけ穏便に事を片付けたいから、取り敢えずはこの勢いが収まってから「サヨナラ!」したい。理想なのは「さようなら」「はーい!さようならー!」と言うのがベスト。多分無理。
けれど、無理だからと言って唐突に逃げても多分「逃がすかァ!」と捕えられるだろう。逃走中のハンターかっての。
それに、今も尚段々とアピールの熱が上がって来ている。熱が入り過ぎて空回りしてるんだよなぁ……ナンパされてる気分。うん、多分現状としては「俺、チンコデカイんすよ……ヤらない?」って女がそう男に誘われてる状況に近いと思う。そう考えると前世の女性って大変なんだね。身を以てその面倒臭さと大変さを知ったよ。
更に上がっていくアピールのボルテージに、俺は溜息を吐いて肩を落とす。溜まり始めた疲労感に一瞬瞼を閉じ、ふとこれまでに至る経緯を思い出す。……正確には、現実逃避とも言う。
未だに続く喧しいアピールの数々を聞き流しながら、最近多くなったと感じる現実逃避にスムーズに身を任せて思考の渦へと沈む。いや、まあ軽い回想をするだけなんだがね。この人達が落ち着くまではちょっと考え事をしてよう。
ともかく、俺は思い出す。シリアスな展開になるであろうと予測していた行動の始めからの、今に至るまでの話の流れを。
俺が今こうして二人の女冒険者達の元……ベルに妙な魔法を掛け、悪戯をした奴等の所へと来たのは、言ってしまえば「テメェらよくやってくれたなアアン!?」と報復しに来たのである。……いや言い過ぎた、正確には「もーっ!こんな事しちゃノーなんだからネー!?」と注意をする為にやって来た。
あ、因みにコイツらの存在やちょっかいやらに気付いたのは、頼もしく最高の俺の能力のお陰です。マジで俺の能力便利過ぎィ!コイツはグレートだぜ!愛してるー!
で。
うん、いやね?
俺としては気まぐれで能力を使ったんだよ。「ベルが少し情緒不安定になったのは誰かの魔法だったりー!」「なんか覗きをしてる人が居るかも?だって俺男だしあっはっはー!」と巫山戯て異能を使用したんだ。
能力の使いようによって行使できる効果の一つ、”探知”。それを周辺に使って、まあ調べてみたんだよ。……あー、”探知”と言っても、俺の能力は応用が利くから効果の切り替えで”千里眼”みたいにその光景を間接的に見れるんだけどね?
分かりやすく言うと、俺の”探知”は周辺の事をゲームのマップみたいにも見れるし、カメラを通した視界みたいにその景色を見れるって事。超便利でしょ?
……え?分かりにくい?そうだなぁ、じゃあもっと分かりやすく言うと……俺は温泉で隣の女風呂で誰がどの位置に居るかを把握出来るし、何ならその光景を間接的に見る事が可能……詰まりはマジェスティックパラダイススコープが出来るんだ。……凄いだろ?相手にもバレずに覗きが出来るんだぜ?いやしないけど。……しないよ?
…………しないよ?ホントだよ?
それで、だ。
その超能力の応用の超便利な”探知”。それで周囲を探ってみると……あら、何と言う事でしょう。如何にも怪しい二人組が屋根の上から俺とベルの部屋を覗いているではありませんか。嘘だろ承太郎。
冗談でサーチしたのに、実際にそんな怪しげな奴等が見つかった事に内心凄くビビった。「ファッ!?嘘やろ!?」と。気まぐれが呼び寄せた予想外の事実に心底驚愕した。
尚、この時はまだ近くにベルが居て、「ユキハ……ユキハ……♡」って甘えられていた。ベッドの上で抱き締められ、俺は本当に嬉しそうに頬を緩ませながら身体を締め付けてくるベルの頭を撫でていた。
……うん、その時に明らかに発情してた気がしたけど気にしなかった。身体にモゾモゾと胸やら下腹部やらを擦り付けられていようが気にしなかった。……決してその胸の柔らかさを堪能したりその胸の中心がちょっと硬くなっていた事や、少し湿り気を帯びていた股の部分を擦り付けられてなんか「ぐちゅり」と音を立てていようが……俺は、気にしなかった。
……気にしなかった。決して理性の壁が崩壊しそうになってなんかいなかった。
さて、話を戻そう。
それでだが、俺はその”探知”によって見える光景の中の女……二人の会話を読唇術で読み取った。残念ながら”探知”は音までは拾えないのだ。……いや、ちょっと能力の工夫をすれば聞こえるかもしれないが。
ともかく、その千里眼的な視界からの読唇術で読み取れたのは……「私の魔法は最強だろ」「ふざけんな」「何で仲が悪くならない」……と、その辺り。
……うん、いや、そのね?
お前ら何やってんだ、と。
状況を把握して、俺は呆れて思わず溜息を吐いてしまった。因みに俺はその辺り……その二人の存在に気付いた辺りから、ベルに「ちょっと興奮してるから、落ち着く為に外を散歩してくる」と理由を付けて抜け出して来た。本人は「……うん……♡僕も、落ち着かないと……駄目だから、ね……♡」と了承した。……いやぁ、見る限り身体の昂りを落ち着かせる的な意味だと思ったのは気のせいだろうか……。おっと、これ以上は止めとこう。
……しかし、いやあ……コレを前世で例えると「リア充のイチャイチャに嫉妬をした非リアの童貞達が悪辣な悪戯を仕掛けて来た」って事だからな。……うん、色々と逆転してるから考えが簡単に付いた。非リアの妬みって怖いな。けど、それらを加味してもこの世界ってやっぱり狂ってるな。
と、そんなちょっかいを出して来た女二人についてだが、俺は言うなれば”注意”をしに来ただけだ。そう、あくまで口頭による「今後はこんな事をするなよ」と言う念押し。……あくまで念押しで済んだのは、初犯であり最終的にハッピーエンドになったから「まあこれで良いだろう」と考えたのだ。
……まあ、あんな精神に悪影響を与える魔法をベルに使ったのは……正直俺の異能で半殺しにしてやろうかと思ったけど……実質の被害は過大では無かったから、説教程度に収めようと決めた。
尚、バッドエンドに向かっていた場合は迷い無く半殺しにしていた。
ヒヒ……Lv.2が何だってんだ……ッ!俺は、俺は神から最強の異能を貰ってんだぞ!?そうそう負ける訳無いだろうがっ!(踏み台転生者的なセリフ)
いやまあ、やらないけどね。暴力沙汰とかあんまり好まないし、面倒だし。戦闘は最低でも正当防衛に留めたい。だって異能を使うのも疲れるし。あくまで今回は説教に留める。……襲われた場合は、対処をさせて貰うが。
……と、詰まる所は「ちょっかいを出した女冒険者達に注意をしに来ただけ」なのだ。甘いと言われるのかもしれないが、俺はそう決めた。……一歩間違えたら関係は崩壊していたのかもしれないし、人によってはガチギレしてぶん殴ったりするのだろう。
で、その後「いやwww俺はガチでキレると意識飛んでさwww気が付いたら相手血だらけになってんのwwwwww」とかってイキリ始める場合も有るのだろう。イキリ転生者はウザいんで出て来ないで欲しいです(真顔)。
……ああ、イキリ転生者の話はいいんだよ。俺ってば話が脱線しすぎだろう。まあこの世界に他の転生者とかは居そうだよねーと言う話も有るが、それもまあいい。放置だ。
閑話休題。
そうして、長々と連ねていた思考をいい加減に解き、考え事を止める。
で、嫌々ながらも目を背けていた現実からの逃避を終了させる。……回想にしては密度が濃い上に長く、無駄な部分も有ったが仕方無いだろう。だって、「胸は小さいが感度はグッド」「下は……良いんですよ?(ナニがとは言わない)」的な台詞をズラリと並べて来るのだ。いやぁ、女が如何に男を求めているのかが分かったよ。ヤリチンのナンパかっての。
そして、俺は半分しか向けていなかった意識を、二人の女冒険者の方に完全に向ける。同時、鮮明に聞こえて来てしまう哀れなる自己アピールの数々。
「……そう、私達は運命的な出会いだったんですよ……!」
「スタンド使いとスタンド使いは惹かれ合うように、奇妙な運命によって私達は出会ったんだ……ならば!ならば、この出会いを無為にしてはいけないッ!」
未だに無駄なアピールを続け、必死に興味を惹こうとしている意思は可愛らしいが……見ていて滑稽であるようにも感じる。だって俺恋人持ちだし、ナンパとか拒否確定だし。ハッキリ言って無駄なんですよねぇ……すまない、リア充で本当にすまない……。
……で、片方の奴には「何でジョジョ知ってんだよ」と突っ込んだ方が良いのかな?何で香ばしいジョジョ立ち的なポーズ決めてるんだろう。まさかダンまち×ジョジョのクロスオーバーの世界じゃあるまいし。……無いよな?
「そう、コレは運命……私と貴方は運命によって、今此処で出会ったんです!」
「そして、その出会いは決して偶然なんかじゃあないッ!出会いには、必ず何かしらの要因が有るのだからッ!」
いや、きっとギャグ時空だからネタが溢れているのだろう……きっとギャグ時空は何でもアリだから問題無いよね!そう考えて無理矢理に納得させる。
ほら、fateのカニファンだと結構何でもアリなのと同じだよ。または、日常で空からシャケが降ってきたーみたいな有り得ない事象とかさ。そう言う事だよ。
……いや、ギャグ時空の作品の話はいいんだよ。そう言うギャグ系は大好物だが。
それよりも、今はこの女冒険者達の話だ。
今も飽きず絶えずに何かとアピールをしてきて、分かりきった本題を切り出さない二人に俺は嫌気が差す。例えるなら、手紙で屋上に呼び出されたは良いものの目の前の人がモジモジとしていつまでも話を切り出さない、みたいな。……アレ本当に何なんだろうな。あの後結局「な、何でもないっ」って謝られながら別れたし。用も無いのに何故呼び出すのだろうな。……っと、脱線した。
まあつまりは、さっさと言いたい事を言って貰ってソレに応えて早く「さようなら」したいのだ。応えるとは言っても、その返事が相手に取って色良いモノであるとは限らないがな。ふはは。
……うん、正直セックスアピールをしてきた辺りから本題については分かり切ってるんだけど、いつまでもソレをストレートに言わないから話が進まなかったんだよな……何が「趣味は官能小説を読む事です!」だ。ぶっ込んでくるんじゃねぇよ。自己紹介じゃなくて要点を言えよ。
さて。
俺は一息吐き、長く続けられているこのぐだぐだとした流れに終止符を打とうと決心する。こんな展開が遅々としているようじゃ、ラノベだったら酷評間違い無しだな!
そう思いながら、俺は二人の本意を引き出す一言を放つ。……最初からコレやれば良かったじゃんと思ってはいけない。何せ俺は前世はコミュ障だったのだ。今世もその名残は残っている。
前世にて半ぼっちかつコミュ障であった俺には、人が話している時に言葉を差し込むなんて真似は出来ない。小学校の頃は人との距離の測り方がまるで出来ていなかった為、正に黒歴史と言っても過言では無い程の酷い過去を持つ。……苦い経験が有るから、精神は成長したんだけどね……ぼっちトークはある程度話せるぞ(自嘲の笑み)。
例えば、ロクに友達が居ない奴が会話ぶった斬ると、後で皆で「アイツ空気読めないよねー」「ホントそれなー」「でも友達居ないし仕方無いよなー」的な陰口叩くとかな。陰口は本人の居ない所でやれよと何度思った事か……本人が教室に居るのに気付いてて、尚且つ視線をチラチラ寄越してクスクス笑いながら陰口叩くんだぜ?陰口ってのは本人が居ない所でやるから陰口と言うのであって、本人が居る所でそうやってグチグチと悪く言うのは侮辱や侮蔑と言うのであって陰口とは近くとも遠い物であってだな……って、前世の小学校の頃の話はいいんだよ。もう忘れろよ俺。昔のあの佐藤君と鎌田君と藤村君と松山君達の事は忘れろよ。
ええい、話を戻せ。脱線が多い。
で、そんな風に実はぼっち経験がありコミュニケーションに自信はあまり無かった俺だが……今世は一味違う……!いや、二味も何味も違うぞ!
俺は、転生した今、ぼっちじゃないのだ!他人の会話を「あのさ……あ、悪い。そっち話していいよ」「アハハ……それで……っと、何でもない」と割り込む事も出来ない俺では無くなったんだッ!だって最高に可愛い幼馴染みの彼女居るし!リア充だし!転生者だし!
俺は「もういいから」と二人のアピールを強制的に止め、二人の顔を見詰める。真剣に、率直にその言葉を遠回しな言葉を放っていた女達に放つ。
その魔法の言葉を、ぶつける。
「で、本音は?」
「ヤらせて下さいお願いします何でもしますから!」
「セックスして下さいッッ!! 」
わおストレート。ビックリ。魔法の言葉を最初から使えば良かったな。話が早く進んだしね!ポポポポーン!
「で、本音は?」の効果は偉大。ラノベや漫画でも「別に、彼女要らねぇし……」「で、本音は?」「欲しいです。……ハッ!」と言った具合に本音を引き出す不思議な言葉だ。他には「あ、貴方なんかの……ソレなんか、全然欲しくないもん……」「ほう……で、本音は?」「……欲しい……貴方の、貴方の『ピーッ』が欲しいッ!」みたいなケースもある。それエロゲや。ラノベだけでなくエロゲでも効果を発揮するこの魔法の言葉は凄いってハッキリ分かんだね。
……それはそれとして。しかし、それに対する返答をどうするか……。その正直で真っ直ぐな、性欲と煩悩に塗れに塗れた懇願に対しての返答は……うん。
微かに迷った末、俺は一つ頷いてから口を開く。
「確かに、俺は童貞でそう言った事にも理解も興味もある……女性からのストレートな誘惑なんて、そうそう無い_____」
「……ッ!じゃ、じゃあ!?」
「_____だが断る」
「なッ、そんな……ッ!?」
フハハハハ!このユキハ・スノウリィが最も好きな事の一つは、自分の要望を通そうと希望を抱く奴に『NO』と言ってやる事だッ!
なんて内心ジョジョネタを披露しなから、続けてハッキリと拒絶拒否否定の言葉を吐き出す。
「残念だったな……俺は、愛した女以外を抱く事はしないッ!」
まだ童貞だけどねーと思いながら、俺はそう叫んで二人にそう断言する。直後、崩れ落ちる非モテ女冒険者二人。「ウソダドンドコドーン!」「そ、んな……ッ!」と悲痛な叫びと共に床に伏した。
……流れ的に元気に叫んじゃったけど、後になると凄い恥ずかしいなコレ……いや後悔はしてないけど。実際恋人以外とはエロい事するつもりは無いから。ホントだよ。ユキハウソツカナイ。
「うぐ……男、奇跡的な出会いをした男が……遠ざかって行く……」
「……やはり、普通の愛を育む事は不可能なのね……」
ナンパから始まる愛が普通な物か。あと出会いは奇跡的でも何でも無い。
内心そうツッコミを入れながら、俺は落ち込んだ様子の二人に視線を向ける。……取り敢えずは一件落着、だろうか。
一先ず安心して、俺は深い溜息を吐く。もしかしたら……いや、絶対に今後も有るのであろう……男に飢えた女達の対応と言うクソ面倒な事が起こる未来を考え、俺はゲンナリとした。今回はまだ被害が少なかったから良いが、次はどんな面倒事が起きるのか……。
そんな懸念をしながら、俺は悲しみに暮れていている今回の飢えた女達をジッと見詰め……と、其処で俺はふと気付く。
何故、俺はこの女達に注意を向けるような目を向けている?
考えてみて、俺は思考しながら視線の先を詳細に把握する。……見る限りは、悲しみに覆われているように……いや待て。違う。違うぞ。
視線を辿り、何故無意識に女達に目を向けていたのか……ソレを次の瞬間に悟り、俺はフッと苦笑いをした。脳裏に電流の如く走り抜けたその考えが、俺がこの世界に順応した事を雄弁に知らせた。
……何だか、この後ヤケになって行動を起こしそうな様子だなあ。
それを事前に察知したのか、俺の身体……恐らくはこの世界の男としての本能がソレを察知したのだろう。この後、企みが失敗した飢えている女達が、男が目の前に居る状況で何をするのかを。
……感情的に暴れ、目の前の男にナニをしようとするのか……ソレをきっと、俺は無意識に察して視線を向けていたのだろう。
「……あー……」
苦笑いと共に、「こりゃダメだわ」と呻きを漏らす。何だかんだでこの世界に慣れ始めたらしい事を嬉しく思いながらも、段々と染まってしまっている事に悲しみも感じる。
未来予知の如く、危機感知が進化したのかは分からないが恐ろしくリアルに想像出来た今後の展開を予想し……乾いた笑いを上げる事しか出来ない。
別に危機感知能力が無くとも、状況に存在する要素を掛け合わせて、それらを加味して展開を予想すれば今後の展開を探偵の如く察する事も出来るだろう。危機を思わせる要素は、考えてみれば充分にこの場に溢れていた。
例えば、この二人は前世で言うと童貞を捨てたいナンパ野郎であったりとか。例えば、冒険者と言う野蛮な職に就く荒くれ者であるなら短絡的であるのは普通であるだろうとか。……其れ等を総合して考えれば、先ずは行動を起こす可能性のある「見境の無い考え無しの短絡的な人物二名」が登場する。いや、冒険者の中には例外も有るだろうが……テンプレに則ると大体そうだろう。
更に探偵の如く考えてみると、此処でこの世界の狂った点……男が異様に珍しいと言う要素が危機を想わせる。……そう、俺を相手側の立場で例えるなら……「絶食後に目の前に出された美味そうな餌である」、と言う事。
これらを考えると、あら不思議。自然と「あっ(察し)」と今後の展開は予測出来る。
短絡的……男に飢えた女……処女を捨てたいが為の暴走……あっ(察し)。
と、そんな感じで探偵になり切って今後の展開を予測した。おふざけだったが、鮮明にこの後の展開が分かったので良しとしよう。
最初は本能で、次は理屈で。
目の前の蹲っている女達が起こすであろう行動に備え、若干引き攣った苦笑いを浮かべながら俺は身構える。「わー嫌だなー」と呟きながら。
軽く右手を開き、足は肩幅程に開く。身体の準備を終えたら、次は対抗出来るであろう技の準備……神様特典、異能を発動出来るように待ち構える。事実、トリガーは思念のみだ。即座に発動は可能……さあいつでも来やがれ!
先程まで蹲って、感情的に「うわぁぁぁあ!!」「男性が、其処に居るのに……ッ!!」等とと、何やら叫んだり呟いたりしている二人の女の挙動を見逃さないように視線を真剣に向ける。男の存在に対する欲、そして自身の欲を口から吐き出している二人の女……否、獣達は。
不意に、ピクリと身体を硬直させる。まるで何かに気付いたかのように。
_____相手に拒否をされても、自身の欲を発散させられる事が可能な事に気付いたかのように。
直後。
「うるせえヤらせろ!」
「覚悟!貴方が父親になるんですよ!」
「来ると思ったー!」
やっぱり来やがったよコンチクショォォオ!?
流石は貞操観念逆転世界……予想を裏切らないぜ!クソ、転生するならせめてもっと平和的な逆転世界が良かった!
チィッと舌打ちをしながら、俺は思考を切り替えて無理矢理やる気を入れる。普段無駄な思考を混ぜて内面で巫山戯ていた部分を、全て切り捨てる。
「(……どうせなら、ふざけていたいんだが……)」
……無駄なお巫山戯を止め、全神経に意識を巡らせて全身を総動員させる。
一息吐き、直後に思考をこれまで以上にグルグルと回す。思考速度を上げ、襲い掛かってくる相手の行動やその後の行動等の事に意識を回す。回して回す。
目を見開き、飛び掛って来る二人の女を鮮明に捉える。表情を消し、ただ相手を無力化させる事だけを考える。
_____相手を、無力化させろ。
○ → # → ●
次回は主人公のターン。本気出すと実は凄い人と言うオリ主の鏡……いやぁ、次回にご期待!
それと、"探知"うんぬんは次回にオリ主の能力が明かされるのでそれで分かるかと。……はい、多分分かると思います。きっと、メイビー。
うん、次回にご期待下さい!直ぐに投稿するヨ!