ゲート チート自衛官 彼の海にて不条理に戦えり 作:メガネ二曹
発売から四日。
あれだけ書く気満々だったのに、時間がかかってしまいました。
すみません。
ま、とりあえず頑張りますね。
(さっき買ってきて今読み終わったとこだけど。)
基本的に、物事は唐突である。
ライトノベルの主人公が、異世界に送り込まれるのだって唐突だ。
現実もそう。
会社をクビになったり、事故にあったり。
余り長く生きているとは言い難いが、人生とはそんなもんである。
そして、俺もまた。
唐突な物事に襲われていた。
-退院間近のある日。
見知った人物が俺を訪ねてきた。
余り話した事はないが、見知った顔。
俺の乗っていた護衛艦、「しらつゆ」の艦長、田上啓介一佐である。
「やあ宗谷1士。調子はどうだね?」
「はっ!おかげさまで無事、退院できそうです!……ご迷惑をおかけしてすみません。」
「いやいやあれは事故だ。君一人のせいじゃない。我々にも罪はある。」
「本当、すみません。……ところで艦長、どういったご用ですか?」
通常、艦長クラスの人間が、バカをして入院した下っ端の見舞いにくる事なんて滅多にない。
艦の最高責任者である艦長は、忙しいのだ。
「いや……ハハ、上から君に通知が来てね。結構君のこれからに関わる重要な事だし、ね。」
「はあ。……通知の内容、お聞きしてもよろしいですか?」
俺がそう尋ねると、艦長は苦い顔でこう言った。
「……宗谷1士。本日付けで貴官に、横須賀陸警隊への移動を命ずる。」
……仲間にに迷惑をかけ、隊の印象を少なからず悪くした俺への、判決であった。
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〈海上自衛隊横須賀基地 基地司令室〉
「失礼します。」
「うむ。入ってくれ。」
ドアを開け、入ってきた男は、ソファに腰掛けた基地司令の向かい側に立ち、敬礼した。
「特地担当官の江田島です。時間を取らせて申し訳ありません。」
「いや、気にしないでくれ。特地では貴官一人に様々な事を押しつける形になってしまい、申し訳無かった。」
「いえ。良い経験になりました。あちらの船も見ることができましたし。」
「そうか。そう言ってくれると助かる。」
司令は、部下の出したコーヒーを飲み、続ける。
「隊員を一人、連れて行きたいそうだな。」
「ええ。ある事情で特地の国に行く事になったのですが、部下一人と私一人では少々不安でして。優秀なガードを一人、お貸しいただけませんかね?」
「お安い御用だ。貴官には借りがあることだしな。……ただ、隊員が行くと言わない場合は諦めてくれ。聞く限り危険な任務のようだ。あくまで隊員の意思を尊重した上で、だ。」
「勿論、心得ております。」
「陸警隊の隊長に話を通しておこう。丁度今、警備の第2分隊が待機している。」
「何から何まで、申し訳ありませんねぇ。」
「なに、これくらいの事はな。……特地の件、くれぐれも気を付けてな。」
「ありがとうございます司令。それでは。」
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「宗谷!ちょっと行ってくる!」
「了解です。……はぁ。」
先輩であり部隊でのバディである小島 夏久(こじま なつひさ)士長が隊長に呼ばれて走って行く。
俺は小銃を持ち直すと、歩哨を続行した。
陸警隊に配備されて1ヶ月。
元々艦艇勤務で、慣れない陸上勤務だったが、いい加減慣れてくる。
それに教育隊の時は陸上だったのだ。
最初こそ戸惑いもしたが、今は結構しっかり仕事をしている。
それに、良くなった事もある。
狭い艦内とは違い、ベッドが大きい。
大きいといっても、普通の一人用ベッドなのだが。
それでも、護衛艦の寝返りもまともに出来ないベッドよりマシだが。
……でも時々、そんな狭苦しいベッドが恋しくなる時がある。
まあ、そんなことを言ったところでどうにもならない。
今の俺は陸警隊員。
艦と皆が帰ってくるこの基地を守るのが仕事だ。
そんな事を考えながら決まった巡回路を歩いていると、真っ白な制服を着た
見慣れない顔の自衛官が前から歩いてきた。
胸には沢山の防衛記念賞に徽章。肩の階級章は、一佐の物だ。
すれ違う前に道を開け、敬礼をする。
「こんにちは。私は江田島と言います。お仕事お疲れ様です。……ちょっとよろしいでしょうか。」
「陸警の宗谷です。なんでしょうか。」
「……ここではなんですし、向こうでよろしいかな?」
「あ、いや、でも俺巡回が……」
「おーい、宗谷!悪かったな一人にして……って、その人誰だ?」
「江田島一佐です。」
それを聞いた夏久士長は慌てて直立不動の敬礼をする。
「しっ……失礼しましたァっ!」
「いえいえ。大丈夫ですよ。少し宗谷さんを借りてもよろしいですかな?」
「はっ!かまいません!……宗谷、俺がやっとくから行ってこい。隊長には伝えておく。」
「ありがとうございます。すいません士長……」
「いいってことよ。それに、俺も今までお前にやって貰ってたしな。」
「……では、行きましょうか。」
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「特地での任務?」
「ええ。私は特地での活動を任されておりまして。今は部下と二人で行っているのですが、少し心もと無くてですねぇ。そこで、陸警隊の隊員に一人、お手伝いしていただきたいのですよ。」
「具体的には、何を?」
「現地協力者や私達、そして国の人間等の警護。それに私達の手伝いですかね。主にガードとなります。」
「……危険ですよね。」
「まあ、勿論です。こちらの世界と違って、相手は国から派遣された人間などでもお構いなしです。まあ帝国等、わが国と関係の深い国は大丈夫ですが。しかし私達が受け持つのは、大体そういった国では無いので、戦闘になる可能性は無くはないです。今まではありませんが。」
「……そう、ですか。」
俺は俯いて悩む。
正直な所、俺はこの話を受けて特地に行きたい。
元々興味はあったのだ。
それに、見たこともない世界なんて、冒険心がくすぐられる。
勿論、遊びではなく、仕事だとはわかっているが。
……しかし、死ぬ可能性があると言うのが俺を躊躇わせている。
まだ死にたくはない。
それに、親や妹、幼なじみも居る。
「……少し、考えさせて下さい。」
「勿論です。ゆっくり考えて下さい。これはあなたの人生を左右するかもしれない選択ですからね。」
ふぅ……
という訳で、主人公は陸警隊員です。
聞いたことないですか?
海上自衛隊で、基地を警備している方々です。
艦と、隊員達の帰ってくる場所、基地や港を守っています。
マジお疲れ様です。