真剣で人生を謳歌しなさい!   作:怪盗K

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お久しぶりです。長らくお待たせしました。
駄文ですが、よろしくお願いします。


第3話

 爽やかな汗を流した俺たちは夕暮れごろには解散することにした。中二君こと戦艦大和がずぶ濡れなのは俺が親切心で川で洗ってやったからだ、このまま黒歴史も洗い流せるといいな。

 子供の草野球と思って舐めてたら熱中しちまってたぜ、こりゃスポ魂路線を考えてもよさそうだな。でも友情、努力、勝利の大半に唾吐いて来たから別にいいか。

 

 

「そして、ここが川神院よ! 修二」

「ほーでけぇー看板だな、幾らで売ってんの? 看板破りとか面倒だけど看板だけは欲しいわ」

「確かにおっきいわ! 高そうねー」

 

 

 一子ちゃんの案内で川神観光。

 俺としちゃ裏の方にある山の方が気になるな、山登りとか好きなお年頃だし。美味そうな動物とか茸とかもあるかなー、あと一子ちゃんに俺のキノコをぶち込みたい。

 

 

「あとはー、この辺りだと葛餅屋さんくらいかしら」

「お、いいねぇ。って、金がねぇ。また今度だわな」

 

 

まあ、俺は帰りに無銭飲食するがな。

 

 

「うん! 今度は皆で食べに行きましょ!」

「おうおう、そんじゃ、一子ちゃんは帰りな。俺もそろそろ還るから」

 

 

 キラキラな一子ちゃんの髪をなでてやる。くすぐったそうに目を細めるのを見て、犬みてーだなー、そのうち裸で散歩プレイとかすっかなーと考える俺。

 撫でてた手を軽く押してやり、そのまま左右に振る。一子ちゃんは名残惜しそうにしながらも笑顔で去って行った。

 

 今度から学校かー、一子ちゃんみてぇなのがいるならいいんだけどなー。光源氏先生に倣って青い果実はもぎ取っていくスタイルだからなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラランランランドセルーはー」

「て、天使の羽……!」

 

 

 というわけでランドセルを背負って、俺は小学校に通っていた。昨日の今日で色々そろえる九鬼ぱねぇ。だがジジイ、スパルタンなお前だけはだめだ。何だうさぎ跳び1000回とか、だからバトル漫画の住人がのさばるんじゃない。

 そんな初めての学校、転校生の俺は友達が100人できるか不安につぶれそうだったが今ではこんなに素晴らしいお友達ができました。皆さんにもご紹介させていただきましょう。

 

 

「小雪ちゃんでーす」

「う、うぇーい……」

 

 

 教室の隅でガクブルしてたから強引に引っ張り出してしまった。とりあえずアルビノで珍しかったからとりあえず物珍しさから絡んだってのもある。

 うーむ、少しこの子風呂に入ってねぇな? かすかにツンとした匂いがしてきやがる。それに、色々と訳ありそうだ。とりあえず、小動物っぽい感じがお兄さん的にポイント高いのでありです。

 

 

「だが、俺はかわいい女の子なら体臭は気にしなーい! クンカクンカスーハー」

「きゃ……!」

「って、何してんのよ、転校生!」

「おやおや、修二君は小雪さんのことが気に入られたようですね」

 

 

 あー? なんか少し天パ気味の小僧がツッコんできた。しかも何か中東の雰囲気漂わせる色黒のやつも。何だ何だ、早々の転入生いびりか? お? 俺様売られた喧嘩は拳で買うぞ?

 

 

「……」

「あー、んで、何の用よ。えーと、確かハゲと葵冬馬だったか?」

「ハゲてねぇよ!」

「お、名前を憶えていただいてましたか。これはうれしいですね」

 

 

 いいんだよ、たぶん将来ハゲるだろうから。は、まさかこいつら俺の小雪ちゃん狙いか!?

 

 

「小雪ちゃんは俺のだかんな!」

「……ふぇ」

「……あー、こいつ人の話聞かない人種だ。九鬼とかと一緒の類」

「ふふふ、確かに、我の強そうな方ですね」

 

 

 とりあえず小雪ちゃんは俺の腕に抱いたまま、二人と向かい合う。細いなぁ、ちゃんと飯食わないといかんぞー。むにむにしてやるが、お肌のケアもしてやらないとな。将来は俺のマシュマロ布団になってもらうからな。

 俺は女というデザートを彩るパティシエなんだよ。

 てか、されるがままだねー、分かってたけど。そんうえでどこか怯えながらも心地よさを感じてやがるな。これは従順なマシュマロ布団の素養が高いですねぇ。

 

 

「九鬼って英雄のことか。みかどっちの息子かぁ。どんなやつよ」

「あー、どんな奴って言っても、王様? って感じのやつだぜ、織原」

「ふーん、あっそ。ほら、小雪ちゃーん、マシュマロだよー」

「……あむ」

「人に聞いといてその反応!?」

 

 

 うっせハゲ、お前と幼女の餌付け、優先度はどっちが高いかわかり切ってるだろうが。異能で作ったマシュマロを小雪ちゃんの口に放り込んであげる。正直この能力の詳細とか分らんがまあいい、その内進化しそうな気もするし。

 うーぬ、ふけも結構あるな。後で温泉に連れてってやるべきか。そうしようパイタッチしよう。俺が隅々まで洗ってやらねば。

 

 

「まあいいや、そのうち会えるだろ」

 

 

 小雪ちゃん放り出して会いに行くって程でもないしなー。うりうり、マシュマロもっと食べるかや? おーおー、ほれ、たんとお食べ。その内俺のバナナもお食べ

 

 

「それにしても、修二君は変わった人ですね」

「あ? そりゃ俺以上にプレミアムで半端なくイカした奴はいねぇよ」

「アッハイ……なんつー転校生だ」

 

 

 あー、学校面倒くせーなー。小雪ちゃんいなけりゃボイコッてるのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フハハハハッ! 我、降臨である!」

 

 

 あ、これみかどっちの息子だわ。一目見て分かった。頭のばってんもだし、何よりテンションがみかどっちに通じるものがある。濃ゆい一族だなー。

 

 

「テンションたけーな。お前さん」

「……うぅ……」

「フハハ、父上から話は聞いているぞ。ヒュームの弟子になった織原修二であろう?」

「あーうん、ヨロシク。とりあえず声のボリューム下げろ、小雪ちゃん怯えてらぁ」

「む? これはすまなかったな。フハハハ!」

 

 

 だから声でけーっての! わざわざ休み時間になってまで来て高笑いしたかったのかよ。

 

 

「これからは同じ学び舎で学ぶ友なのだ。それに、これからは九鬼の方に住むと聞いたぞ」

「あー、じいさんそんなこと言ってたな。寝ながら聞いてたが」

 

 

 なんでもいきなり鍛えるとか言い出してよー、小雪ちゃんと一子ちゃんの二人で遊びたいよー。

 ……それに、小雪ちゃんの方も早めにどうにかしておかねぇとな。

 

 

「ほれ、次の授業はじまっぞ。教室もどれ教室」

「む、もうそんな時間か。また来るとしよう。また会おう修二!」

 

 

 ……え、また来んの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というわけで、放課後は小雪ちゃんを交えて遊ぶこととします。君たちは強制参加です」

「フハハハハ! 今日はリトルリーグの練習も休みだからな、我も共に親交を深めてやろう!」

「転校生と九鬼って混ぜたら危険って言葉が思い浮かぶんだが……若?」

 

 

 学校も終わり放課後、俺は愉快な仲間たちを引き連れて遊びに行くことにした。というのも、どうやら小雪ちゃんはクラスでぼっちらしい。これは優しい俺様が友達を増やしてあげなくては。

 

 

「んで、小雪ちゃんはどんな遊びがいいよ」

「本当に、修二君は小雪さんにゾッコンですね」

「ゾッコンって、言葉古くねぇか? まあいいや、ほら、今日の主役は小雪ちゃんだ」

「んー、鬼ごっこ……?」

 

 

 ほう、この俺に鬼ごっこで挑むというか。そうかそうか、かつて鬼ごっこで俺が鬼になった瞬間全員が帰宅していったこの俺に。

 だめだ、これ以上は鬱になる。泣きそう。

 

 

「よーし、それじゃあハゲが最初の鬼な。皆ハゲが数数えてる間に家かえっぞー」

「なんでだよ! そんな悲しい遊びじゃなかっただろ! 普通に鬼してやっから、さっさと逃げろって」

「俺はやられたことは根に持つんだよ。ったく、おーらいおーらい、範囲はこの公園の敷地内な」

 

 

 全員が頷き、ハゲが数を数えだすとともに逃げ出す。俺も全力で地を駆けていく。子供の遊びにも全力で付き合ってあげる俺マジ超ジェントルマン。

 

 

「うし、行くぞ!」

 

 

 ハゲが声を上げる。その足が向かうのは、俺。ほう、この俺の健脚に挑むか。愚かよなぁ、愚かすぎて手から納豆が出てくるわ。

 

 

「うわ、なんだこれ!?」

「ちくしょう俺の手もベトベトじゃねぇか!」

 

 

 まさかの俺失策。納豆を投げつけて天パハゲの顔をベトベトにしてやったが、俺の手もベトベトになってしまった。

 

 

「修二お前! 何投げつけやがった! 前が見えねぇ! てか臭ぇ!」

「ヴァカめ! 一流の狩人は狙う獲物を間違えぬものなのだ!」

 

 

 手は納豆菌に侵されてしまったが、鬼の目は潰した。やはり鬼には豆だよな、うん。

 愚かな鬼が必死に顔を拭ってる隙に公園の端の茂みの潜り込む。コ●ンボディになった今なら簡単に全身を隠せるぜ。

 

 

「ぬ、修二! 食べ物を粗末にするでない!」

「正論過ぎて言い返せねぇけど、特に改心しないからこの話題は止めておこうぜ! 不毛だかんな!」

「うぇーい! こっちだよハゲー。くさーい!」

「ひでぇ!? ぜぇってぇ捕まえてやるからな!」

 

 

 結局天パハゲこと準は誰一人として捕まえられなかった。小雪ちゃんも準で遊ぶことを覚えたようでこれにはお兄さんもにっこり。

 冬馬はずっと木の影で静かに隠れてた。準を見捨てるとは賢い奴だ。

 

 俺の友達百人出来るかな小学校生活は小雪ちゃんというマシュマロ布団(将来)といじりがいのある奴らを見つけることが出来たので上々な出だしだろう。

 あー、番長でも目指してみようかなー。割と好きなんだよねー、不良って訳じゃないけどさー。俺は優等生だから悪いことに憧れちゃうのよねー。

 

 

 

 

 

 その後小雪ちゃんを銭湯へ連れて行き【自主規制】【自主規制】。溢れるパトスを【自主規制】してやった。最後は小雪ちゃんも【自主規制】。

 

 でもエクスカリバーが抜けない……死にたい……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 小学校生活二日目。

 やっぱり前世ではできなかったことをしようと思い、番長を目指してみることにした。

 番長を目指すということでまずは配下を探すことにしてみた。そのためにまずはめぼしいやつから声をかけてみるのが定石だな。

 

 

「という訳で、どうよ、準、冬馬。一緒に天下を取ってみないか?」

「若、昨日からも思ってたが、こいつは頭がおかしいやつじゃないのか? 割とうちの病院に来る必要があるような」

「準、うちは精神科はありますが、彼はもっと専門的な場所じゃないとダメでしょう」

 

 

 おうおう、失礼なやつらだな。こちとら将来の番長様だぞ。お前たちは聖帝十字陵のための労働力にしてやろうかおい。

 

 

「ですが、そうですね。楽しそうなので、参謀でもしてみましょうか」

「いいねぇ。そういうノリがいいところは好きよ? いいだろう、冬馬は参謀な。んで、準はパシリ。ジャンプ買ってこいや」

「なにそれひどっ! ていうか若もノリノリぃ!?」

 

 

 うるさいやつだな、罰として頭剃るぞ。バリカンは昨日買ってきたんだぞ。

 

 

「小雪ちゃーん、ほーら、マシュマローだよー」

「……うぅー」

 

 

 マシュマロ布団こと小雪ちゃんはなんかよそよそしい、昨日の性への目覚めが刺激的すぎたのだろうか。こっちをまともに見れてない。

 顔を真っ赤にして俯きながらもマシュマロを受け取る小雪ちゃんには、今日も【自主規制】をしてあげようそうしよう。えっちなことは刷り込み、光源氏先生も言ってた。

 

 ああそうだ、番長の話だ。この学校で今一番人気な奴って誰だべ。パワーバランス的にトップの奴。

 

 

「あー、そりゃ百代さんだな。一つ上の四年生なんだけど、強すぎて誰も逆らえないんだって」

「ほーほー、強すぎてって、なんだ、ゴリラみたいなパワーでも持ってんのか?」

「ああ、六年生も怯えてるって話だ。何人も喧嘩して負かされてるらしい」

 

 

 ほー、最近の小学生は物騒だな。これは俺がその暴力に染められた心を浄化してやらねばならんな。ガンジーは核を背負ってこっちと握手を求めてくるしな。うん、ほんと暴力と平和の尊さを教えられたわ。

 

 

「それじゃあ、そのゴリラさんを呼び出して穏便にボコボコにするか」

「ゴリラってお前……」

「おやおや、流石に彼女と正面からぶつかるのはおススメできませんね。私に考えがありますよ」

 

 

 お、さっそく参謀が進言してくれるようだ。これでアホなこと言ったら準の髪が犠牲になる。

 

 

「では、いかがする、参謀」

「そうですね。手紙を送ってはいかがでしょう、内容は私が考えます」

 

 

 俺が思う偉そうなちょび髭をイメージしながら冬馬に尋ねると、意外や意外、手紙か。

 なるほど、果たし状か。悪くないな、呼び出したところを罠にハメて狩るのか。顔が良ければハメてもいいな、ハメを外すためにも美ロリであることを願おう。

 ただまぁ、どうせゴリラみたいな女子だろう。小学生ながらに業を背負うとは哀れな子だ、優しくしてやろう。

 

 

「よかろう、委細お前に任せる」

「はい、お任せくださいませ」

「あぁ……若が悪い道に進んでしまった……」

 

 

 準、お前あとで丸刈りな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、お前が私を呼び出したのか?」

 

 

 ゴリラと思ってた子が想像よりも可愛かった。どうしよう、こちとらバトルと思ってカルピスの原液詰めた水風船持ってきたんだけど。

 将来は美人になるだろうつり目気味の瞳、そこには強い意志が備わり俺を見つめている。烏の濡れ羽というのか、艶やかな黒髪は明かりを反射して天使の輪を作る。

 チャームポイントだろうか、前髪をクロスさせているのも俺的にはポイントが高い。ふっくらとした唇は瑞々しく、食べてしまいたくなってしまう。

 

 

「あーうん、まぁ、用事があってな」

「……そうか、お前、何年生だ?」

「昨日転入した三年生だよ。敬語は苦手なんで勘弁勘弁」

 

 

 敬語なんてものは母親の腹の中に置いてきたからなー、取りに戻れないからどうしようもない。人間皆平等、いい言葉だぜ。

 

 

「生意気な奴だなぁ。それで、これに書いてあったことは本気か?」

 

 

 ゴリラと思ってた美ロリ。百代だったか、確か、なら百代ちゃんだ。

 手のひらで冬馬が用意した手紙をひらひらさせる。そういや内容は確認してないな、どうせゴリラと思ってたからてっきり果たし状と思ってたけどなー。

 面白そうだ。乗るしかない、このビックウェーブに。

 

 

「ああ、そうだ。俺はいつだって本気だ、百代ちゃんよ」

「……う、そうか……そうかぁ……」

 

 

 俺は少年番長になって伝説を建てると決めたんだ。思い付きでも俺がやると決めたからやるんだ。

 戸惑ったように百代ちゃんは眉根を寄せる。見れば見るほど、将来はたわわに実った彼女の桃をしゃぶりたいと思う。そんなよこしまな考えが覚られたのか、百代ちゃんが顔を赤くする。可愛い、肌が白い分、朱色になるとすぐわかる。

 

 

「それじゃあ……私を倒してみろよ」

「やっぱり、そううまくはいかねぇかー」

「はっ、私は弱い奴には興味ないからな」

 

 

 そういうと百代ちゃんは脚を開いて腰を落とす。

 こりゃあ、なんか武術とかやってるな? どーりで番長張ってるわけだ。そこらのガキんちょじゃ相手にならなそうな風格、堂に入った構えをしてやがる

 

 

「しかたねぇなぁ、障害は多い方が燃えるってか?」

 

 

 SもMも行けるハイブリッドだからな。百代ちゃんをチョメチョメしてしま──。

 

 

「はぁっ!!」

 

 

 え、ちょ、はや……。

 気がつけば俺の身体がピンポンボールのように跳ねてた。人の身体ってこんなに弾力性あったんだー、子どもだからかなー。

 ポンポーンと何度か跳ねた後、地面とキスをする。海老ぞり状態になり、そのまま数メートル滑る。痛いでござるー。

 

 

「あ……やりす──」

「死ぬわ! 普通ッ!」

 

 

 何今の!? 不意打ちにしても何今の威力!? え? 百代ちゃんも爺と同じくジャンル違い?

 バトル漫画だったのかな、番長とか目指した時点でバトル漫画だったのかな。俺ってばルート選択ミスったのかな。

 

「い、生きてるのか?」

「俺じゃなかったら死んでたな。子どもだったらふつうーに死ぬる衝撃だった」

 

 

 まじ、俺じゃなかったら死んでたわー。これはもう、百代ちゃんをムック(意味深)しないと気が済みませんわー。

 

 

「そうか! それじゃあ次だ!」

 

 

 百代ちゃんはとても嬉しそうに俺にツッコんでくる。えぇ……なんか目が爛々として怖い、肉食獣みたい。

 踏み込んだ地面が陥没してるんですが、百代ちゃんどれだけのパワーで踏み込んだし。もう、すぐそこまで来てるし。

 

 

「ヴァカめ! 正面から突っ込んでくるとはな!」

 

 

 俺は手に持ってた水風船を投げつけようとする! さっきので弾けてた! ふぁっきん! びちょびちょじゃねぇか!

 

 

「川神流! 無双正拳突き!」

「おぶふ!」

 

 

 またしてもピンボールのように跳ねる。なんだこら、テニスしようぜ! お前ボールな! ってか。

 

 

「あーもう、カルピス塗れだ。ったく、しかも土とブレンドされてオシャンティーな格好になっちまった」

「まだ立つのか!? 今のはかなり手応えがあったんだぞ!?」

 

 

 うん、今のも普通の子だったら死んでたね。百代ちゃんナチュラルボーンの素質あるね。これは矯正をしないと人間社会で苦労するな。

 俺? 俺は世界の中心だから。手遅れともいう。

 

 

「痛いけど我慢できないほどでもないな」

 

 

 ただ痛いだけだと存外意識は飛ばないから我慢すればだいじょうぶい。爺の蹴りはあまり衝撃は痛くないけど意識を飛ばそうとするからなー。

 

 

「それじゃあ、次はお前から攻めて来い! さあ!」

「えぇ……」

 

 

 仁王立ちで両手を広げる百代ちゃん、いきなりSM立ち替わりプレイとか要求高すぎるよ。俺は今Mな気分だからなぁ。

 

 

「殴る気分じゃないしなー、でも、どうやって百代ちゃんを倒すかなー」

「っ、馬鹿にしてるのか!」

「いやいや、なんていうか、殴る気になれんのよね。百代ちゃんは逆に殴りつけてきてもいいよ」

 

 

 へいかみん! さあ! 俺と共に新しい扉を開けようじゃないか! でもなぁ、百代ちゃん多分潜在的にMっぽいのよなぁ。

 

 

「……」

「ん? どうしたべ、百代ちゃん。俺は全てを受け止めるぜ?」

 

 

 流石に大は無理だけど……多分……。多分、無理だよね……? いや、頑張れば……。いややっぱ厳しい。

 

 

「……ば、馬鹿なのか!」

「よく言われるけど、人の言葉は気にしないことにしてるんだ」

 

 

 キラッ、っと顔の前でピースでキメる。流星にまたがって大気圏突入とかしてみたいな、そのうちチャレンジしてみるか。

 

 

「……ぷ、分かった。分かったよ、私の負けだ」

 

 

 なんかツボにはまったようだ。よく分らんが勝ったらしい。これで俺の無敗神話に新たな勝利が積み重なったな。

 爺? 負けは数えないでおきます、ゆえに無敗神話です。また、番長伝説の無敗神話とすればここからスタートなのでオーケーです。

 

 

「それじゃあ、今日から──」

「ああ、私はお前の彼女だ」

 

 

 んー、やっぱり、なんか話が噛み合わないと思ってたら急にどうしたし。

 

 

「百代ちゃん、その手紙見せて」

「ん? ダメだ。これは思い出として取っておくんだ」

 

 

 冬馬めぇ、ラブレターでも書きやがったなぁ。

 ……だが、よくよく考えれば、将来性を考えると百代ちゃんを彼女としてキープしておくのはいいんじゃないか? 百代ちゃんの桃をぷりっと剥けると思えば、逆に冬馬はいい仕事をしたのか?

 

 

「よし、後で冬馬にはご褒美をやるか。でもイラっと来たから準は丸刈りな」

「ん? 丸刈り?」

「百代ちゃんは知らなくてもいいことだな。それじゃあ、デートにでも行くか?」

 

 

 好感度稼ぎは重要だからな。時折準で誰か爆弾を抱えたりしないか確認することにしよう。伝説の木の下で告白すると永遠のカップルになれる場所とかねぇかな。待ち伏せして告白失敗させて遊ぶのに。

 その内百代ちゃんと小雪ちゃんで黒白丼とかしたいな。夢がわくわく広がリング。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「という訳で、今日から彼女の百代ちゃんです。皆、仲良くするんだぞ!」

「ふふふ、予想通りの結果になりましたね」

「えぇ……」

「うー……」

 

 

 冬馬には褒美としてアワビをあげよう、将来たくさん食べそうだからな、今のうちに勉強するがいい。準にはバリカン、不満そうな顔をしている小雪ちゃんにはマシュマロを手ずから食べさせてあげる。

 

 

「はむはむ……」

「修二、これがお前の友達か?」

「まーなー、バッテンこと英雄が玉遊びでいないけど、まあいいじゃろ」

「ほーん、ふーん」

 

 

 俺がマシュマロを食べさせてあげてる小雪ちゃんを面白くなさそうに百代ちゃんが見ている。警戒心バリバリな小雪ちゃんと自己中心的な百代ちゃん、相性はあまりよくなさそうだ。

 まったくもー、ここは俺が一肌脱いであげなきゃなー。そういや、剥き癖付けとかねぇとな。

 

 

「ほれ、百代ちゃんも小雪ちゃんにマシュマロあげてみ」

 

 

 小雪ちゃんはペット兼マシュマロ布団なのだ。百代ちゃんにも可愛がってもらうこととしよう。

 

 

「……あーん」

「……ハムッ……」

 

 

 ぎこちないながらも餌やりをする百代ちゃん、まあ、その内3【ピー!】でもして仲を取り持つか。まだ碌な性知識もないだろうし、今のうちに刷り込み刷り込み。

 

 

「なんだ……このバリカン……剃れってか……なぁ、若」

「ふむ、このアワビ。ビラビラが広くて、色が黒くて……なぜか見ていると変な気持ちがしますね」

 

 

 世は全てこともなしってな。ひとまず、これでこの学校で俺で逆らえる奴が居ないって感じだな。出てきてもプチっと蚊の如く潰してやろう。

 

 

「あーん……」

「はむ……」

 

 

 黒いロリと白いロリ。二人はプリキュアかな?

 ……てか、何か知らないうちに俺の傷が治ってるな。さっき百代ちゃんにボールにされて結構擦り傷とかあったのに。

 

 

「……んー……」

 

 

 まあ、いっか。そんなことより小雪ちゃんと百代ちゃんの育成計画だ。あ、一子ちゃんも開発しないとな。

 




ここまで読んでいただきありがとうございます。亀のような更新速度どころか星の進行のような速度ですが、これからもよろしくお願いします。
リクや感想があったらやる気が出るかも(小声)
次もできる限り早く投稿できますよう頑張ります。

追記
2018/1/18、改稿

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