仮面ライダーAP   作:オリーブドラブ

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◆今話の主な登場人物

五郎(ごろう)/仮面ライダーG
 シェードによって改造された「No.5」の改造人間であり、かつて某テレビ局襲撃事件にも参加していた元シェード隊員。恋人・日向恵里(ひなたえり)のワインをきっかけに洗脳から目覚めて以来、叛逆者「仮面ライダーG」としてシェードと戦い続けている。当時の年齢は不詳。
 ※原作「仮面ライダーG」の主人公。

南雲(なぐも)サダト
 日本の東京で平穏に暮らしている平凡な男子中学生。この時点では特に取り柄もない、どこにでも居る普通の少年だったが、エンデバーランド事変の惨劇をきっかけに医師を志すようになった。この物語から約7年後、彼はシェードに改造され「仮面ライダーAP」となる。当時の年齢は13歳。
 ※本作「仮面ライダーAP」の主人公。



黎明編 仮面ライダースパルタンズ 最終話

 

 ――2009年8月某日。日本、東京。

 

『エンデバーランド中央区で発生した大規模な戦闘行為における死者・行方不明者の数は――』

『アメリカをはじめとする各国は支援を表明し、日本も――』

『首相は先日の会見で哀悼の意を――』

 

 エンデバーランドの壊滅的な被害の様子は、海を超えた日本のメディアでも大々的に報じられていた。破壊し尽くされた街、親を失い泣きじゃくる傷だらけの子供、啜り哭く大勢の人々。その惨状を記録した映像はどのチャンネルでも取り上げられており、日本を含む世界中の人々が、シェードの恐ろしさを見せ付けられていた。

 

「……っ」

 

 警視総監である番場惣太(ばんばそうた)も、当然その1人であった。警視総監室のデスクの前で、独り思案に暮れる彼の脳裏に子供達の悲鳴が過る。凄惨なニュース映像を目の当たりにした彼は、己の無力さに苛まれていた。

 静かに拳を握り締める彼の視界に、一つの写真立てが映る。そこに飾られていたのは、新人時代の彼を映している古びた写真。その1枚の中には、彼が誰よりも敬愛していた(・・)「先輩」の姿もあった。

 

「……羽柴(はしば)先輩。あなたが警視庁(ここ)を去ってまで追い求めていた真の正義とは……あのような惨劇を起こさねば辿り着けないものだと言うのですか……!?」

 

 シェードの創設メンバー「始祖怪人(オリジン)」の1人であり、かつては優秀な警察官でもあった羽柴柳司郎(はしばりゅうじろう)

 彼が首領の徳川清山(とくがわせいざん)と共に創り上げたシェードが、これほどの惨劇を招いているというのに……警視総監の自分でさえ、何も出来ない。そんな「元後輩」としてのやるせなさに、彼は沈痛な表情を浮かべている。

 

「うわぁ……ひっでぇな、アレ。さっさと仮面ライダーが来ねぇからあんなことになるんだよ。仕事しろよなー、全く」

「警察はそもそもアテにならねーしなぁ。確か、改造人間には普通の銃弾なんてロクに効かないんだろ? マジで居るだけ無駄。税金泥棒じゃん、アイツら」

 

 その一方で――日本で暮らしている多くの人々は、この悲劇を「対岸の火事」と見做して目を背け、何事も無かったかのように今日を過ごしている。渋谷の街頭ビジョンに映し出された現地のニュースに眉を顰める若者達は、仮面ライダーや警察の不甲斐なさに対して身勝手な愚痴を溢していた。

 

「……」

 

 そんな彼らのぼやきをよそに、1人の青年が神妙な面持ちで街頭ビジョンの映像を仰ぐ。ニュースで報じられた現地の惨状を静かに見つめている彼の名は――吾郎(ごろう)。この世界における仮面ライダー第1号、「仮面ライダーG」その人であった。

 

 約半年前――某テレビ局で起きたテロ事件の渦中で「愛」に目覚め、フィロキセラ怪人こと織田大道(おだだいどう)を倒したあの日以来。世界を破壊し繋ぐ者(仮面ライダーディケイド)の導きを経て、孤独な愛の戦士となった彼は、休むことなくシェードとの死闘を繰り広げて来た。

 

 そしてようやく先日、シェードの創設メンバーである「始祖怪人(オリジン)」の1人を撃破することに成功したのだ。しかし、世間が彼の功績を知ることはない。その勝利を讃えることもない。彼はどこまでも孤高であり、孤独であった。

 

(……恵理(えり)。それでも、僕は……)

 

 だが、それでも彼の心が折れることはない。かつての恋人――日向恵理(ひなたえり)が暮らすこの世界を守るため、吾郎は独りでも戦い続ける決意を新たにしていた。

 

 しかし、実は彼の他にも。この惨劇を我が事として真摯に受け止め、向き合おうとしている者達が居た。シェードの脅威を正しく認識し、ニュースの映像を真剣に見つめていたのは、吾郎だけではなかったのである。

 

 番場遥花(ばんばはるか)、当時7歳。後の「ライダーマンG」。

 

 道導迅虎(みしるべじとら)、当時14歳。後の「仮面ライダーティガー」。

 

 翆玲紗月(すいれいさつき)、当時11歳。後の「仮面ライダーパンツァー」。

 

 水見鳥清音(みずみどりきよね)、当時13歳。後の「仮面ライダーG-verⅥ(ガーベラゼクス)」。

 

 鳥海穹哉(とりうみくうや)、当時17歳。後の「仮面ライダーケージ」。

 

 忠義(チュウギ)・ウェルフリット、当時10歳。後の「仮面ライダーオルバス」。

 

 明日凪風香(あすなぎふうか)、当時15歳。後の「仮面ライダーΛ−ⅴ(ラムダファイブ)」。

 

 東方百合香(ひがしがたゆりか)、当時15歳。後の「仮面ライダーアルビオン」。

 

 熱海竜胆(あたみりんどう)、当時19歳。後の「仮面ライダーイグザード」。

 

 静間悠輔(しずまゆうすけ)、当時11歳。後の「仮面ライダーオルタ」。

 

 ジャック・ハルパニア、当時28歳。後の「仮面ライダーUSA(ユナイテッドステイツ)」。

 

 上福沢幸路(かみふくざわゆきじ)、当時16歳。後の「仮面ライダーGNドライブ」。

 

 本田正信(ほんだまさのぶ)、当時21歳。後の「仮面ライダーターボ」。

 

 久我峰美里(くがみねみさと)、当時18歳。後の「仮面ライダーEX(エクリプス)」。

 

 薬師寺沙耶(やくしじさや)、当時15歳。後の「仮面ライダーヴェノーラ」。

 

 南義男(みなみよしお)、当時33歳。後の「仮面ライダーボクサー」。

 

 一二五六三四(ひふごむさし)、当時24歳。後の「ライダーシステムtype(タイプ)-α(アルファ)」。

 

 日高栄治(ひだかえいじ)、当時11歳。後の「パトライダー型式2010番type(タイプ)-000(オーズ)」。

 

 天塚春幸(あまつかはるゆき)、当時10歳。後の「仮面ライダー(ホノオ)」。

 

 山口梶(やまぐちかじ)、当時9歳。後の「マス・ライダー」。

 

 芦屋隷(あしやれい)、当時15歳。後の「仮面ライダーZEGUN(ゼガン)」。

 

 森里駿(もりさとはやお)、当時15歳。後の「仮面ライダータキオン」。

 

 ズ・ガルバ・ジ、年齢不詳。後の「仮面ライダーN/G-1」。

 

 後に「新世代」の仮面ライダーとなる彼らはまだ、10年後に待ち受けている自分達の運命さえ知らない。だがいつの日か、その時が来れば。彼らは躊躇うことなく託された鉄仮面を被り、人類の自由と平和のために立ち上がるのだろう。その戦いに最も必要な心の準備は、この時からすでに始まっていたのだ。

 

 それに――そう遠くない未来、「仮面ライダー」の宿命を背負うことになるのは彼らだけではない。悪魔の力を宿したドライバーに導かれし「ジャスティアライダー」達も、いずれはその運命に直面することになる。

 

 一光(にのまえひかる)、当時7歳。後の「仮面ライダーバウル」。

 

 亜灰縁(あくいえん)、当時9歳。後の「仮面ライダービロト」。

 

 紫宮桔梗(しのみやききょう)、当時7歳。後の「仮面ライダーレリジェ」。

 

 真凛(マリン)・S・スチュワート、当時16歳。後の「仮面ライダーウェペル」。


 

 ジャック・サイファー、当時14歳。後の「仮面ライダーダンタルオン」。

 

 宍倉琥珀(ししくらこはく)、当時4歳。後の「仮面ライダーミルバス」。

 

 春次郎(はるじろう)・リューバ、当時9歳。後の「仮面ライダーバネ」。

 

 山城桜花(やましろおうか)、当時6歳。後の「仮面ライダーアスタロス」。

 

 東方駿介(ひがしがたしゅんすけ)、当時18歳。後の「仮面ライダーキマルス」。

 

 心堂一芯(しんどういっしん)、当時23歳。後の「仮面ライダーバウィン」。

 

 トルダ・ユーノムス、当時12歳。後の「仮面ライダーカウム」。

 

 時雨翔也(しぐれしょうや)、当時10歳。後の「仮面ライダーマリエス」。

 

 廣井(ひろい)キット、当時11歳。後の「仮面ライダーザリオス」。

 

 洪吉童(ホンギルトン)、当時26歳。後の「ジャスティア・マス・ライダー」、あるいは「仮面ライダーセーロ」。

 

 暁月(あかつき)レイラ、当時11歳。後の「仮面ライダーアスモデイ」。

 

 辻凪(つじなぎ)あやめ、当時7歳。後の「仮面ライダーベルアル」。

 

 黒鉄炸弥(くろがねさくや)、当時7歳。後の「仮面ライダーハレファス」。

 

 灯導陽優(とうどうひなた)、当時13歳。後の「仮面ライダーフェヌクス」。

 

 木之下雪路(きのしたゆきじ)、当時15歳。後の「仮面ライダーナベリエス」。

 

 ルゥ・ガルディウム、当時14歳。後の「仮面ライダーマレコシアス」。

 

 陽加(はるか)リオン、当時4歳。後の「仮面ライダークロコル」。

 

 後に悪魔のベルト――ジャスティアドライバーを手にすることになる彼らも、今はまだ1人の人間に過ぎない。しかしいずれ「時」が来れば、彼らは「悪魔の力」を否応なしに振るう超人となるのだ。

 

 未来の仮面ライダーは、彼らの他にも居る。約11年後に待っている、悪しき怪人達との闘争。その運命の日を知らぬ「異世界の仮面ライダー」達も、やがてはこの世界に辿り着くことになる。

 

 軍原戦義(ぐんはらせんぎ)、当時8歳。後の「仮面ライダーアサルト」。

 

 綴理形流(つづりかたる)、当時12歳。後の「仮面ライダールーツ」。

 

 秋津銀勝(あきつしろまさ)、当時14歳。後の「仮面ライダーレッサー」。

 

 藤ケ谷(ふじがや)リヴ、当時9歳。後の「仮面ライダーゾンヌ」。

 

 優月桜花(ゆづきおうか)、当時6歳。後の「仮面ライダークノイチ」。

 

 岩林玄武(いわばやしげんぶ)、当時14歳。後の「仮面ライダーソリッドワン」。

 

 岩倉幻祭(いわくらげんさい)、当時59歳。後の「仮面ライダーアース」。

 

 皇魁星(すめらぎかいせい)、当時27歳。後の「仮面ライダーズワルト」。

 

 盾松無一(たてまつむいち)、ラーラ・インフィニティ、当時6歳。後の「仮面ライダーメビウス」。

 

 トト・ネス・ラアムス、当時8歳。後の「仮面ライダーデザート・サバクトビバッタオーグ」。

 

 神城鋼我(しんじょうこうが)、当時11歳。後の「仮面ライダージンガ」。

 

 一間紡(ひとまつむぐ)、当時6歳。後の「仮面ライダーデバイス」。

 

 森里奏多(もりさとかなた)、当時8歳。後の「仮面ライダーアトラス」。

 

 風見(かざみ)ミカ、当時1歳。後の「仮面ライダーブロッサム」。

 

 飢地貞治(うえじさだはる)、当時16歳。後の「仮面ライダーグール」。

 

 仮面ライダーティーゲル。

 

 仮面ライダーアンガロス。

 

 仮面ライダーウブ。

 

 この当時の彼らも無論、未来に待ち受けている運命など知る由もない。それでも、いずれその瞬間に直面した時。彼らは人類の自由と平和を守護する「仮面ライダー」として、敢然と立ち上がるのだ。

 

「……父さん、母さん。俺、決めたよ。やりたいこと」

「うん?」

 

 ――そして。とある一軒家で両親と暮らしていた、1人の平凡な男子中学生は。戦闘後の怪我に苦しむ子供達の映像に胸を痛め、ある一つの「決意」を口にしていた。

 

「俺さ……大きくなったら、医者になりたい。あんな子達を助けてあげられるような……力が欲しいよ」

 

 南雲(なぐも)サダト、当時13歳。エンデバーランドの惨劇を目にしたことで医師を志すようになっていた、この少年こそが――後の「仮面ライダーAP」であり。その運命も、この瞬間から動き出していたのである。

 

 ◆

 

 2019年9月に初めて実戦投入されて以降、世界各地で華々しい活躍を繰り広げた新世代ライダー。その裏で人知れずノバシェードと闘い、悪魔の力を振るっていたジャスティアライダー。

 世間は彼らだけが「悪の科学(シェード)に依存せず、純然たる『人間』の力を証明した仮面ライダー」であると信じている。改造人間という歪な力に頼らずとも、人間であることを辞めなくても、人は「進化」出来る。彼らこそが、その生き証人なのだと。

 

 だが、真実は違う。

 肉体の改造を伴わず、シェードの技術も用いない、強化外骨格のみによる超人的戦闘能力の獲得。「仮面ライダーG」の再現。それを目指した最初の計画は、番場惣太(ばんばそうた)主導の強化外骨格開発計画(ライダープロジェクト)ではなかったのだ。

 

 その計画が始まる以前から、「仮面ライダー」の力を人間の手で造り出そうと試みた者達が居たのである。だが、世間の人々が彼らの真実を知ることはない。

 

 秩序ある人類の科学力が、今より遥かに未熟だった頃。仮面ライダーGに頼らずシェードに対抗するには、あまりにも力不足だった時代。そんな世界に生まれ落ち、勝利を信じて命を賭し、歴史の闇に消え去った知られざる仮面の戦士(ダークライダー)達が居た。

 

 真相を知る一握りの者達は、「彼ら」の記録を表向きの明快な英雄譚(カバーストーリー)で塗り潰し。「彼ら」が如何にしてシェードを退けたか、という真実を永遠に葬ったのだ。全ては、自分達の「面子」のため。それがどれほどの歪みに繋がろうとも、構うことなく。

 

 そして――今となっては、歴史の影に消えた「彼ら」の真相を知る者は数えるほども居ない。

 

 仮面ライダーGとシェードの戦いが始まって間も無い、2009年。当時の北欧某国陸軍が極秘裏に主導し、何機もの「試作機」を開発していた強化外骨格開発計画――通称、「スパルタン計画」。

 その計画の「成果物」を着用してシェードに挑み、戦火の彼方に消え去った徒花達を指して。仮面ライダーとしての名を残すことなく姿を消した「彼ら」の顛末を知る、ごく一部の者達は後年、こう呼称していた。

 

 ――「仮面ライダースパルタンズ」と。

 

 ◆

 

・2009年1月

 徳川清山(とくがわせいざん)の傭兵会社を前身とする対テロ組織「シェード」が日本政府によって正式に創設されるも、番場惣太(ばんばそうた)の告発により組織は解体。その後間も無く、残党勢力による某テレビ局占拠事件が発生。その中で「No.5」こと吾郎(ごろう)が「仮面ライダーG」に覚醒。彼との戦闘により織田大道(おだだいどう)が死去。

 

・2009年2月

 北欧某国陸軍、仮面ライダーGの活躍を受けて「スパルタン計画」を始動。アレクサンダー・アイアンザック中将の主導により、複数の試作機が開発されるもGそのものの再現には至らず、独自の武装を施した強化外骨格としてロールアウトされる。その後マルコシアン隊に全試作機が配備され、試験運用を開始。アビス・ランバルツァー大佐、失踪。

 

・2009年7月

 エンデバーランド事変発生。エドワード・ドゥルジ率いるシェード北欧支部強襲部隊により、某国の首都が壊滅状態に陥る。迎撃のため出動したマルコシアン隊は「サンダーランス作戦」を決行。同部隊は隊長を除き全滅し、スパルタン計画は壊滅的な結果を受けて凍結・抹消された。事態収束後、隊長のジークフリート・マルコシアン大佐は軍を退役。以後消息不明となる。マルコシアン隊との戦闘により、グールベレーが全滅。アビス・ランバルツァー元大佐が死去。

 

・2009年8月

 エドワード・ドゥルジ、北欧某国から持ち帰ったスパルタン計画のデータを基に「食前酒(アペリティフ)計画」の基礎理論を考案。シェード上層部に提出後、始祖怪人(オリジン)達により承認される。これ以降、日本支部の研究機関で同計画が始動。

 

・2009年9月

 北欧某国政府、エンデバーランド事変を受け改造人間の研究に着手。明智天峯(あけちてんほう)上等兵、上杉蛮児(うえすぎばんじ)1等兵、武田禍継(たけだまがつぐ)2等兵の3名を実験体に選定。マウンス・シーバード、陸軍を除隊。シェードの動向を調査していた元北欧某国第2王子のアラン・アーヴィング捜査官が、始祖怪人の1人である「ハイドラ・レディ」によって殺害される。

 

・2009年12月

 仮面ライダーGの活躍により、始祖怪人15体が仮死状態に陥る。「食前酒計画」の研究はそれ以降もシェード日本支部の水面下で進行。

 

・2016年5月

 城南大学の医学生・南雲(なぐも)サダトが「食前酒計画」の改造被験者「APソルジャー」に選ばれる。南雲サダトはその後間も無く洗脳から解放され、「仮面ライダーAP」に覚醒。彼との戦闘によりエドワード・ドゥルジが死去。

 

・2016年8月

 割戸神博志(わりとがみひろし)博士が亡き息子を素体に開発した巨大怪人「仮面ライダーアグレッサー」が暴走。東京都内に甚大な被害を齎した後、異世界に逃亡した。しかし追撃に動いた仮面ライダーAPにより撃破される。

 

・2016年10月

 明智天峯、上杉蛮児、武田禍継の3名がフィロキセラ怪人タイプβ(ベータ)に覚醒。北欧某国を離脱し、シェードに参加。仮面ライダーAPに撃退された後、消息を絶つ。その後、ICPO捜査官のロビン・アーヴィングによって、北欧某国での改造人間計画が摘発。同計画は直ちに阻止された。

 

・2016年12月

 改造被験者保護施設襲撃事件が発生。始祖怪人の生き残りであり、事件の黒幕となっていた「仮面ライダー羽々斬(ハバキリ)」こと羽柴柳司郎(はしばりゅうじろう)が仮面ライダーAPとの戦闘により死去。彼と徳川清山の死去により、シェードは事実上の壊滅となる。番場遥花(ばんばはるか)こと「ライダーマンG」も事件の当事者となるが、無事に生還を果たした。

 

・2017年1月〜2019年8月

 シェード壊滅後も改造被験者達に対する差別と迫害が相次ぎ、当事者達による自助組織は過激路線へと先鋭化。同組織を率いていた明智天峯、上杉蛮児、武田禍継の3名は、改造被験者達の生存圏獲得を目的とする新組織「ノバシェード」を創設。この組織の過激化を受け、特務公安機関「ノバシェード対策室」が創設される。一光(にのまえひかる)博士、ジャスティアドライバーの試験運用を開始。傭兵として活動していたジークフリート・マルコシアン、反改造人間過激派組織に参加。

 

・2019年9月

 番場遥花こと「ライダーマンG」、ノバシェードの首領格である明智天峯、上杉蛮児、武田禍継と対決。番場惣太の開発計画により誕生した新世代ライダー22名との共闘の末、天峯達を撃破。一光博士、ジャスティアタイプの実戦投入を本格化。

 

・2019年10月

 ノバシェードの科学者・斎藤空幻(さいとうくうげん)が、フィロキセラ怪人タイプγ(ガンマ)の研究に着手。同時期に北欧某国のアレクサンダー・アイアンザック中将と接触。凍結・抹消されていたスパルタン計画の再始動を水面下で推し進める。

 

・2019年11月〜2020年6月

 ノバシェードは首領格を失ってからも世界各地で散発的にテロ行為を続行。新世代ライダー達は全世界に散らばり、各地のノバシェードを追撃。この期間にも様々な怪事件が発生したが、その悉くが多種多様な「仮面ライダー」達の活躍によって解決される。

 

・2020年7月

 ギルエード事件発生。北欧某国に位置するギルエード山地の怪人研究所が、元ノバシェード対策室の真凛(マリン)・S・スチュワートによって爆破される。

 

・2020年7月

 シャドーフォートレス島事件発生。ノバシェードと癒着していたシャドーフォートレス島のミサイル基地がノバシェード対策室の介入により壊滅。「仮面ライダーオルバス」こと忠義(チュウギ)・ウェルフリット、「マス・ライダー軽装型」ことヘレン・アーヴィングとの戦闘により、アレクサンダー・アイアンザックが死去。「仮面ライダーターボ」こと本田正信(ほんだまさのぶ)らとの戦闘により、ミロス・ホークアイザーが死去。

 

・2020年8月

 反改造人間過激派組織、本格的な武装蜂起を開始。異世界から来た「仮面ライダー」達との総力戦に発展。当該組織の軍事顧問を務めていたジークフリート・マルコシアン、この戦闘で仮面ライダー達に敗北。警察に逮捕された後、収監される。

 

・2020年10月

 北欧某国の領海内を航行していた大型貨物船「ビッグ・ノア号」がノバシェードに占拠される事件が発生。船内に突入したノバシェード対策室内の精鋭特殊部隊「B.A.V.A.R.F.(バヴァーフ)」の活躍により事件は解決。

 

・2020年12月

 ニューヨーク・マンハッタン区内に位置するノバシェード対策室本部が、ノバシェードの残党に狙われる事件が発生。ヘレン・アーヴィング、ビリー・ケンドによって残党が射殺される。「仮面ライダーウェペル」、「仮面ライダーマレコシアス」が本格的に実戦参加。

 

・2021年1月

 仮死状態に陥っていた15体の始祖怪人が覚醒。新世代ライダー達によって壊滅寸前となっていたノバシェードと合流し、事実上の指導者として彼らを統率し始める。これによりノバシェードの組織力は大幅に向上。

 

・2021年3月

 エンデバーランドで大規模なテロが発生。特務捜査官ヘレン・アーヴィングと、「仮面ライダータキオン」こと森里駿(もりさとはやお)を筆頭とする4名の新世代ライダーにより、発生から僅か数時間で鎮圧される。事件に巻き込まれたドナルド・ベイカーも無事に救出された。

 

・2021年5月

 エンデバーランドの復興作業が終了。これ以降も北欧某国の近辺ではノバシェードによるテロ行為が頻発したが、新世代ライダー達によりその全てが鎮圧された。

 

・2021年7月

 アメリカ合衆国のノースカロライナ州に位置するジャスティアドライバー研究施設「ニノマエラボ」が、始祖怪人「レッドホースマン」の部隊に襲撃される事件が発生。同施設の最高責任者である「仮面ライダーバウル」こと一光(にのまえひかり)博士をはじめとする、ジャスティアタイプの仮面ライダー達が事態の対処に当たる。「仮面ライダーレリジェ」に変身していたマウンス・シーバード、紫宮桔梗(しのみやききょう)にドライバーを譲渡。

 

・2021年8月

 銃器製造会社「Larsen våpen fabrikant(ラーシェン・ファブリカント)」が新型ワイヤーネットガンを開発。開発主任を務めたラングニル・ラーシェンの手から、量産試作型スーツ「マス・ライダー」のテスト装着者である山口梶(やまぐちかじ)巡査に提供される。

 

・2021年8月

 明智天峯、上杉蛮児、武田禍継の死刑が執行される。彼らの死後、「仮面ライダーZEGUN(ゼガン)」こと芦屋隷(あしやれい)は明智天峯の遺言を頼りに、新世代ライダー達の強化改造計画に着手。

 

・2021年9月

 「仮面ライダーG-verⅥ(ガーベラゼクス)」こと水見鳥清音(みずみどりきよね)巡査、南米の研究施設で始祖怪人に関する資料を発見。斎藤空幻がフィロキセラγの実験体に殺害される。

 

・2021年9月

 北欧某国の観光都市「オーファンズヘブン」でテロが発生。「仮面ライダーケージ」こと鳥海穹哉(とりうみくうや)巡査をはじめとする新世代ライダー4名は、ニッテ・イェンセン率いる「オーファンズヘブン解放戦線」と協力し、街を占拠していた「仮面ライダーRC」の撃退に成功する。人質にされていた市長のドナルド・ベイカーも、新世代ライダーの援護を受けた解放戦線により無事に救出された。

 

・2021年10月

 ノバシェード対策室内の精鋭特殊部隊「B.A.V.A.R.F.」が教導任務のため来日。警視庁に出向後、現地のマス・ライダー部隊と合流。共に警視総監・番場惣太の指揮下に入る。

 

・2021年10月

 完全に覚醒した始祖怪人15体による、第2次某テレビ局占拠事件が発生。B.A.V.A.R.F.を擁する警視庁のマス・ライダー部隊は初動対応に当たるも、始祖怪人達には歯が立たず壊滅。その後、第2次突入メンバーとして緊急出動した新世代ライダー22名が現場に合流。総力戦に発展し、始祖怪人15体全員が死亡。またこの戦いにより、新世代ライダーのうち数名が再起不能の重傷を負う。

 

・2021年12月

 ノバシェード、組織として完全に崩壊。新世代ライダー22名も装着者の任を解かれ、全ての対怪人戦闘が終了となる。それに伴い全スーツの解体が決定され、マス・ライダーをベースとする制式量産機もアメリカを中心に全世界でロールアウトされた。オーファンズヘブンの復興作業も完了し、「オーファンズヘブン解放戦線」の元メンバー達は復興の象徴として称賛され、その功績が大々的に報じられる。

 

・2022年1月〜12月

 改造被験者の能力を無効化する手術が世界的に行われ、全被験者の95%が処置を終える。これにより、人間と変わらない生活を送れるようになった被験者達の社会復帰が本格化。「オーファンズヘブン解放戦線」の活躍がドキュメンタリー番組として全世界で放送され、メンバー全員が世界的なアイドルとして認知される。

 

・2023年3月

 忠義・ウェルフリットの要請を受け、ドナルド・ベイカーが来日。元解放戦線メンバー達からの寄付とベイカーの手術により、再起不能とされていた鳥海穹哉、本田正信、ジャック・ハルパニアの3名が奇跡的な完治を遂げる。

 

・2023年6月

 南雲(なぐも)サダトと番場遥花(ばんばはるか)、正式に婚約。それを受け、「仮面ライダーボクサー」こと南義男(みなみよしお)警部と、「仮面ライダーイグザード」こと熱海竜胆(あたみりんどう)警部が未婚の男性ライダー達のために婚活パーティーを企画。「オーファンズヘブン解放戦線」の美女達が本来の参加者達を押し除け、パーティー会場に襲来。未婚の男性陣、全員餌食となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・2024年8月

 ジークフリート・マルコシアン、仮釈放。「戦友達」との再会を果たす――。

 

 ◆

 

 むかしむかし、とおいくに。そこには、くにをまもるゆうかんなきしたちがいました。

 

 あるとき、ひとりのきしがいいました。「ぼくは、このくにをまもれるつよいちからがほしい」。けれどそれは、とてもおそろしいのろいのちからのことだったのです。

 

 ほかのきしたちはもちろんだいはんたい。それでも、そのきしはちからをもとめてたびだってしまいました。

 

 そして、そのきしは、おそろしいすがたのひとくいおにになってかえってきたのです。きしは、なかまたちのこともわからなくなっていました。

 

 なかまたちはおどろき、かなしみ、おにになったきしをやっつけてしまいます。

 

 くにをまもれるつよいちから。それをほんとうにもっていたのは、のろいになんかたよらない、このくにのきしたちだったのです。

 

 ――これは、今から15年くらい前に発売された絵本の概要だ。国を護る力を欲した騎士が呪いに染まって悪に堕ちてしまい、怪物になってしまう。その怪物になったかつての友を倒し、本当に国を護って見せたのは、呪いの力になんて頼らなかった騎士達の方だった。そんな、わりとありがちな話だ。

 

 ただ、児童向けの絵本にしちゃあ結構踏み込んだストーリーだったこともあって、当時は結構人気だったらしい。今でも、小さな子供が居る家庭には大抵置いてあるって聞く。もう2024年だってのに、変わらねぇところは変わらねぇもんだ。

 

 そんなこの絵本なんだが……最近、妙な噂を耳にした。聞くところによるとこの絵本の作者は昔、大きなテロが起きてたっていうあの国(・・・)に居たらしいんだ。しかも、実は元軍人なんだとか。だからもしかしたら、この絵本の内容は作者の「実体験」が元になってるんじゃないか……ってことらしい。

 

 根も葉もない与太話なんて、ネットのどこにでもあるもんだが……その国(・・・)で起きてたデカいテロってのも、ちょうど今から15年前のことなんだよなぁ。もしかしたら、もしかするのかも知れん。

 

 この絵本のタイトルにあった主人公の名前も、ひょっとしたら……「そういうこと」だったのかもな。ええと、タイトルは確か「ひとくいおにとバイルのなかまたち」、だったっけ。

 






【挿絵表示】


 今話を以て、本作「仮面ライダーAP」の集大成となる黎明編「仮面ライダースパルタンズ」もようやく完結となりました! 長く苦しい戦いでしたが、これにて本章もようやく終幕。辛うじてこの某国は救われましたが、結果としてマルコシアン隊は壊滅し、さらにスパルタンシリーズも計画ごと消滅。そしてジークフリートも闇に堕ち、心だけが怪人と化してしまいました。
 しかし、そんなマルコシアン隊が残したスパルタンシリーズの着想は、シェード側の怪人であるドゥルジが目を付けていた模様。皮肉なことに、開発元の陸軍が早々に見限ったスパルタンシリーズの真価をきちんと理解していたのは、敵であるシェードの方だった……というわけですな(´・ω・`)

 スパルタンシリーズの設定については、外伝「ライダーマンG&ニュージェネレーションGライダーズ(https://syosetu.org/novel/128200/44.html)」から登場した新世代ライダー達のそれに通じるものがありました。が、主導者の心根(番場惣太とアイアンザック)と試作機大破後の対応(修理して継続か早々に凍結か)が大きく分かれており、その対比が双方の未来を大きく分けたのではないかなーと思っております。

 そしてここから、シェード流の仮面ライダー量産化計画「食前酒計画」がスタートすることになり、それが本作「仮面ライダーAP」の本編第1話(https://syosetu.org/novel/128200/1.html)へと繋がって行くことになります。
 マルコシアン隊の隊員達が命懸けで祖国を守り抜いたからドゥルジもスパルタンシリーズに目を付けたし、それがあったから仮面ライダーAPが誕生した。そしてそこから新世代ライダー達が生まれ、最後には彼らが戦いを終わらせてくれた。本作におけるヒーロー達のサーガは、ここから始まっていたのですなー(´-ω-`)

 黎明編の連載が始まる前からマルコシアン隊のことは度々作中で言及されており、本章はこれまで「過去の出来事」として語られて来た彼らの物語を改めて掘り下げた「過去編」となっております。
 「歴史の闇に葬られたという謎のダークライダー達」として扱われて来たスパルタンシリーズの全貌が、本章でようやく明かされた形となったのですなー。読者の皆様、企画参加者の皆様、最後の最後まで応援誠にありがとうございましたっ!٩( 'ω' )و

 なお、この戦いで行方不明となったマルコシアン隊の隊員達の生死については、作者的にもそれほどハッキリとは決めておりません。ジークフリートが最後に再会した「戦友達」とは、過激派組織に居た頃の仲間達のことなのか、それとも……?

 マルコシアン隊の隊員達はワンチャンどこかで生きてるのかも知れないし、本当に戦死したのかも知れないし、異世界転生してるのかも知れない。出来れば全員なんだかんだで生きていて欲しいところではありますが、それでも五体満足ではなくなってるんじゃないかなー……と思っております。戦えるくらい身体が丈夫なまま生き残ってる元隊員が、闇堕ちした隊長を放って置くはずがありませんので(´・ω・`)
 しかし、明確に戦死したニコライ、ヴィルヘルム、エドガー、レオンとは異なり、ジークフリート本人は警察に捕まっただけで存命ですからね。いつかは生き残っていた元隊員達が面会に来る……なんてこともあるのかも知れません。そうであって欲しいものであります。ではでは、本章を最後まで見届けて頂きありがとうございました!m(_ _)m

 作者的には、本作「仮面ライダーAP」シリーズの集大成となる完結編……というつもりで書いておりましたので、本作における今後の更新予定は未定。しかし何かきっかけがあれば、ちょっとした小話を書いたりすることくらいはあるかもですね。その時はまた、お気軽に遊びに来てくださいませ(*^▽^*)

 さてさて、それではここで大事なお知らせ。現在、X2愛好家先生が本作の3次創作作品「仮面ライダーAP外伝 Imitated Devil(https://syosetu.org/novel/316771/)」を連載されております。本章から約10年後の物語である外伝(https://syosetu.org/novel/128200/44.html)から登場した「仮面ライダーオルバス」こと忠義・ウェルフリットが主人公を務めております!
 こちらの作品の舞台は、本章から約12年後に当たる2021年7月頃のアメリカ。今話でも触れられた、悪魔の力を秘めたベルトを使う「ジャスティアライダー」達の活躍に焦点を当てた物語となっております。気になる方々は是非ともご一読くださいませ〜!(*≧∀≦*)

 さらに現在は、ダス・ライヒ先生の3次創作作品「仮面ライダーAP アナザーメモリ(https://syosetu.org/novel/313018/)」も公開されております! 本章から約11年後に当たる2020年8月頃を舞台としており、こちらの作品では数多くの読者応募キャラ達が所狭しと大活躍しております。今話で触れられた「異世界の仮面ライダー」達とは、こちらの作品に登場したライダー達のことだったわけですな〜!(*^▽^*)
 多種多様なオリジナルライダーやオリジナル怪人達が大暴れしている大変賑やかな作品となっており、さらには本章の主役であるジークフリート・マルコシアン大佐の闇堕ち後も明確に描かれております。皆様も機会がありましたら是非ご一読ください〜(*^▽^*)

 ちなみに現在は、R-18のスピンオフ作品である「特務捜査隊エージェントライダーズ!(https://syosetu.org/novel/344846/)も掲載されております。
 舞台は本章から約11年後に当たる2020年10月頃。ノバシェード対策室所属の特殊部隊「B.A.V.A.R.F.」のメンバーである女捜査官達が主役であり、こちらでも多くの読者応募ヒロイン達が活躍しております。本作の孤島編(https://syosetu.org/novel/128200/130.html)やアナザーメモリ(https://syosetu.org/novel/313018/)で活躍していたマス・ライダー軽装型が主役の作品であり、ぴっちりボディスーツ型の強化服を纏う特務捜査官達の物語となっております。こちらの作品はR-18作品となりますので、その点はご注意くださいませ……m(_ _)m

Ps
 本章冒頭とラストに出て来た絵本「ひとくいおにとバイルのなかまたち」。この本の作者はもしかしたら、グールベレーと戦っていたマルコシアン隊の誰か……だったのかも?(゚ω゚)
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