東方Project Alternative   作:露湖ろこ

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初めに一つ注意します。
私はかなり前に東方を見たのが最後で、大分知識が薄れてます。
なので公式設定とかなりの差異があると思われますのでそういうのが無理な人は読むことをオススメしません。
さらに今回は下手したらほぼBETA進行を食い止めるマブラヴの話みたいになってるかもしれませんのでお気をつけください。
それと駄文も注意です。


激震降り立つ

 「紫、今住民達の避難はどうなっているの?」

霊夢は管制ユニット内で、網膜に投影された風景を見渡しながらCP(コマンドポスト)である紫に尋ねた。

それに対して紫は少し確認をしたのだろうか、少し間を置いてから

『里の住民の避難は完了したわ。だけどそこを突破されたら里の住民達は終わりよ』

この通信はオープン回線で隊全体に聞こえているようで魔理沙が

『ようするに私達が全力で化け物どもを押さえればいいんだよな?』

『まぁそうね』

紫が淡々とした、だが諦めのようなものを感じることのできる口調で言った。

 実際、化け物どもの進行を止められるかはわからない。今霊夢達が乗っているのは博霊神社に落下してきた鉄の巨人を解析して河童と月の民が作り上げた機体。名称は何だっただろうか、戦術機だったと霊夢は記憶している。

そして今乗っている機体は幻想郷初の戦術機F-4(ファントム)である。

『霊夢、F-4(そいつ)は私達の自慢の機体だよ』

紫からの回線でF-4(ファントム)の開発を主導した河城にとりの顔が表示される。背後では紫が少し呆れている様子がうかがえる。

『実はその機体は特別なF-4J(撃震)って言ってね、博霊の巨人の管制ユニットをそのまま使ってるよ』

「それで何か変わるの?」

『スロットルは本来は左スティックにあるんだけど右フットペダルにあるんだよ。近接機は両腕の操作系を機体制御に当てるからね』

「私の機体だけに刀が装備されてるのはそういうことなのね」

『そういうこと。その赤い強化装備も博霊の巨人の中にあったやつで耐G性能が高いから多少無理しても大丈夫だよ』

 『霊夢、にとり、無駄話はその辺にして、化け物が来たわ』

網膜に投影された映像にも前方から緑の装甲殻を持つ化け物がとてつもない速さで突撃してくる。

『CPより中隊各機、そいつは前面の装甲で攻撃を寄せつけないわ。突撃砲も効くかわからないわ』

「__ッ全機飛んで回避よ!」

紫の言った通りなら目の前の化け物は前面の装甲が厄介ということ。ならば背後から撃てばいいはずだ。

『_ッ了解!』

霊夢の命令通りF-4(ファントム)達が一斉に上空へ飛び上がる。地上からはどこまでも果てしなく続く群れのように思えたが空から見ればそれはあまりにも少ない数の群れだった。

「これならなんとかなりそうね」

 ここにいるのは皆勇敢な兵士達だ。だが勇敢過ぎる者もいる、それだけでぱ化け物には勝てない。

『__ックソ!ここから一歩も退くもんか!』

『__ここを抜かれちまったら俺達の里は終わり何だよッ!』

迫り来る殻の化け物に愚かな3機のF-4(ファントム)の兵士達が突撃砲から弾丸を放っても殻を破ることは出来ない。

20mmの機関砲と105mmの滑腔砲の攻撃は無意味に終わり化け物が迫る。

「中隊各機は高度を維持しつつ化け物の前衛に背後から攻撃、魔理沙のF-4(ファントム)は私のF-4J(撃震)のバックアップッ!」

『__おうよ!』

赤いF-4J(撃震)と黄色のラインが左肩に入ったF-4(ファントム)が愚かな3機の方へ向かっていく。

「重い、間に合わないッ!」

霊夢は左腕に装備していた盾を投げ捨てた。盾が無くなり身軽になったF-4J(撃震)はさらに速度を上げていく。

空いた左腕を背中の兵装担架(ブレードマウント)に手を伸ばし刀を掴んだ。

ケツを見せる化け物には突撃砲を喰らわす。弾丸を放つがまだ間に合わない。

1機が全速力の化け物に轢かれ押し潰される。だが幸運にもF-4(ファントム)の重装甲でまだ生きている。いや、前言を撤回しよう。轢かれたF-4(ファントム)は不幸にも跳躍ユニットも腕も脚も動かなくなって地面に突っ伏している。そこに群れの中から突出した赤い小型種が群がり、装甲を剥ぎ取り噛み砕いていく。管制ユニットが剥き出しになった。

『__嫌だ……やめてくれぇ!』

回線が生きていたことにより兵士の悲鳴と化け物の租借音、血が立てるニチャニチャという音がオープン回線で中隊の全機へ伝わっていく。

『__クソクソクソォ!あぁ!弾が詰まった、詰まった!』

突撃砲の不具合に混乱した兵士は詰まった突撃砲を振り回した。しかしそれは敵に当たることもなく宙を切るだけだった。小型種が纏わり付く、装甲を剥がされる、混乱した兵士に対象する冷静さは1ミリもない。

『__いや……いや……ああああ!』

また、嫌な音がオープン回線で流され、それを聞いて発狂する兵士の悲鳴も聞こえてきた。

最後の1機へ数匹の化け物が向かう。無駄弾を撃ちすぎた。もう弾が無い。

空の突撃砲を投げ捨て左腕のナイフシースからナイフを抜いた。

『__ぜってぇ逃げねぇぞ!俺は目を逸らさねぇからな!』

「馬鹿!逃げなさいよ!」

魔理沙のF-4(ファントム)兵装担架(ガンマウント)を前方に展開、突撃砲の4門同時射撃で殻の化け物と小型種の数を減らし、霊夢のF-4J(撃震)が赤い疾風の如く兵装担架(ブレードマウント)のボルトを爆破し強制解放、火薬式ノッカーで刀そのものを跳ね上げた。その勢いを利用し、刀を素早く振り上げる。

F-4(ファントム)へ突撃する化け物のケツに振り降ろされた刀が減り込む。刀が突き刺さって化け物の速度は落ちた。

「おかわりよッ!」

霊夢は止めとばかりに105mmの弾丸を3発打ち込んだ。

 「あんた大丈夫?随分と無茶なことしようとしてたけど」

『__すいません、機体は大丈夫ですがもう弾が無いです……』

「見ればわかる、早く後ろに下がって補給してきなさいよ」 

『__了解しました』

「中隊各機へ、あんた達も頃合いを見て補給しにいきなさい」

『__霊夢、私らは早く前に出ようぜ?』

「そうね、魔理沙は4門同時射撃とかしてたわよね?」

『__あぁ弾幕はパワーだぜ』

「弾は大丈夫なの?」

一瞬の沈黙があった。

『__あぁ!忘れてた!』

「あんたも先に補給に行ってきなさいな」

 

 

 

 

 

 幻想郷初の戦術機実戦投入は無事成功に終わった。

化け物どもを見事撃退し、人里を守ることが出来た。だが犠牲も多かった戦術機も4機が撃破され、それ以上に地上の生身の弾幕部隊はほとんどが死亡した。

 にとり曰く今回の戦闘での勝因は戦術機は飛行可能で安全に化け物に攻撃することができ、突撃砲4門同時射撃の攻撃力が非常に高かったというのがあるらしい。

「で、霊夢はあのF-4J(撃震)はどうだった?」

にとりが顔を近づけて興奮気味に尋ね、霊夢は煩わしそうに「顔が近い」と引き離し

「えぇ凄かったわよ。あれ思ったようにヌルヌル動くのね」

と言った。

「ほほぅ詳しくお願い」

「あれ間接なんちゃら?」

「間接思考制御だね」

 少し前の霊夢の言葉を聞いて魔理沙が二人の会話に割って入った。

「そんなにヌルヌル動くって私らのはそんなの無かった気がするぞ?」

「霊夢の機体は特別だったんだよ。あれはね博霊の巨人の管制ユニットをそのまま使ってるんだよ」

「それって神社に落ちてきた赤いスラッとしたやつか?」

「そうそれ、それに入ってた制御OSっていうのがコンボ、キャンセル、先行入力ってのとパターン認識と集積って感じなの。霊夢は刀振るたんびに動きが洗練されてる気がしなかった?」

「まぁそうね」

「じゃあ何で私らのF-4(ファントム)はあんなに重かったんだ?」

「実はそれ私が作ったOSなんだよね。あの零式作った人すっごいわ」

にとりが顔も知らぬ博麗の巨人の設計士に感激していると魔理沙が動きが重い理由が分かったが他に不満があるようで

「あの突撃砲何だかパワーが足りなくないか?」

にとりが「ほう」と瞳を輝かせる。

「あれなんか弾がちっさいんだよ」

「20mmと105mmがちっさいと?」

おうと魔理沙は頷くとにとりはへらっとした笑顔を浮かべて

「次までに一回り大きいやつを用意してみるよ」

と言った。

「にとりの用はこれからい?」

「あぁそれくらいでいいよ」

となんかそっけなく言われた二人は部屋を出て長い廊下を歩く。

何故こうなったのだろうか。今二人が歩いている廊下は調度博麗神社の真下なのだ。

そしてここには戦術機のハンガーがあり、河童と月の民の研究所があり、司令室がある。

長い通路を歩いていると霊夢の前に一人の少年が歩いてきた。

「あの、霊夢さん」

少年に声をかけられ霊夢は立ち止まる。

「誰?」

「俺さっき助けてもらったF-4(ファントム)の兵士の城金といいます」

よく聞いてみれば確かにさっきの声のように聞こえる。

「さっきは本当にありがとうごさいました」

「次からはあんな無茶しちゃだめよ。いい?」

申し訳なさそうに城金はは頭を下げた。

「まぁ気にすんなって。次頑張ればいいぜ」

と魔理沙は城金の肩を叩いて長い通路を再び歩きはじめ、霊夢もそれについて歩みを再開させた。

そして去り際に霊夢も一瞥して軽く手をガッツポーズにして見せてみた。

 

 

 

 

 神社の裏に出た。改造され尽くした地下からのいくつもある出口の一つからここに出る。逆に入る時もここから入るのだ。

「まったく迷惑な話よ。人様の家の地下にあんなものを作って」

「そんなこと言わないでくれのぜ。今は私の家はあそこにあるんだから」

今、魔法の森は化け物に占領されている。他にも化け物の被害は出ていて、住みかを失った人々がここに住んでいる。

「私の家の地下なんだから家賃とるわよ?」

「それはやめてくれると嬉しいぜ」

 二人が他愛もない会話をしながら神社の正面に回って来るとそこには先客がいた。

緑の長い髪を風になびかせ腕を組んでこちらを見据える幻想郷もう一人の巫女。東風谷早苗の姿がそこにあった。

「霊夢さんズルいですよ!」

開口一番の言葉がそれで二人は一瞬思考停止を引き起こした。何故ならそれは別に羨ましがられるような事をした覚えが無いからだ。

「ズルいってなにがよ?」

「戦術機ですよ!せ、ん、じゅ、つ、き!」

それを聞いた二人は呆れ顔で硬直した。こっちは真面目にやっていたというのに。

「まったく呆れたわよ。死人が出てるっていうのに」

「だってあれはロマンの塊ですよ!」

「ロマンってなによ……」

本当に呆れた。それなら紫あたりに頼んで来ればいい。

「早苗はF-4(ファントム)にどんなロマンを感じるのぜ?」

「えっあれF-4っていうんですか!?」

魔理沙がよくわからないところで早苗が驚き、自身も何故か驚いてしまった。

F-4(ファントム)ってもしかして外の世界にあるのか?」

「いえ、あんなにでっかいのは無いです。ただ同名の兵器があったので」

「へぇそれは偶然ねぇ」

 幻想郷と外の世界とでの不思議な共通点に思わず霊夢は興味を持ってしまい話に入ってしまった。

「あぁそれでさっきのF-4(ファントム)のロマンってあの重装甲ですよね」

「でもその装甲でもその無惨な死に方をしたのもいたわね」

「次にあの重装甲の巨体を浮かす跳躍ユニットですよ。あれ凄いですよね。河童から聞きましたけどあれロケットて一気に機体を浮かせて後からジェットで飛ぶから速いんですよね」

「ごめんなさい。何を言ってるかわからないわ」

「そしてそして!突撃砲の4門同時射撃!前面だけに一斉に放たれる弾幕、それに105mmのパワー、惚れ惚れします」

「早苗もわかるのか、あの弾幕のパワー!」

「足音もいいですよね!」

それからというものの二人は早苗のF-4(ファントム)のロマンを何時間も立ったまま聞かされた。

 二人は疲れ果て早苗が最後の一文字を言い終えた途端にその場に座り込んでしまった。

「いやぁいいですよね巨大ロボット」

「そんなに好きなら紫あたりに頼んで来なさいよ。ほら、神社の裏から行けるわよ」

「本当ですか!?」

早苗は目を輝かせながら裏手へと走っていった。

 

 

 

 

 長い迷路のような通路を早苗が走っていると、にとりと出会った。

にとりは何やらいくつかの紙の束を持っていた。それを見た早苗はもしや戦術機関係のものじゃないのかと思い

「にとりさん!それを見せてください!」

と言った。するとにとりはそれを快く見せてくれた。

それは突撃砲の改修プランと新戦術機の設計案だった。

「魔理沙にパワーが足りないって言われちゃってさ。突撃砲の口径を20mmから36mm、105mmから120mmにしてみたんだ」

「じゃあこっちの戦術機は?」

「あぁそれはね雷電って仮で呼んでるけど、F-4(ファントム)の基本フレームを流用して近接密集戦闘で力を発揮する戦術機ってよりも攻撃機って機体なのさ」

「見た感じ凄いロマンを感じますが武装はなんですか!?」

「わかるかいこのロマン!武装はあらたに改修したWS-16BにGAU-8 Avenger、36mmのガトリングモーターキャノンだね」

「おぉ!ガトリング!」

早苗の目が輝き、それを見て嬉しくなったにとりの口調に熱が入る。

「しかもこいつは今日の戦闘で得られたデータから機体に取り付いて来る小型種対策の爆圧スパイク機構ジャベリンを採用したんだ!それに頭部周辺に装備される弾倉と増槽を兼ねた装甲コンテナなんてのもあるよ」

「歩く火薬庫じゃないですか!とってもいいです!」

「だけど兵装担架が機体と干渉するから兵装担架をつけられないんだけどね………」

にとりが最後それを小声でそう言うが、それを掻き消すように興奮した大きな声で言った。 

「私を、私をそれのパイロットにしてください!」




鉄いくのほうもかけたらいいなと思いつつ、久しぶりに長編をやってみます。
前に齟齬する心で戦術機での戦闘描写を練習したつもりですがなんだかそんなに関係無かった気がします。
さて少しこの世界、この話での戦闘について少し解説したいと思います。
今回F-4が使用していた突撃砲は米軍のWS-16Aとなっているため砲の口径が小さいです、それと作中ではまだBETAの名称は決まっておらず化け物とだけ言われてます。また3機のF-4が飛ばずに突撃級に真っ向から立ち向かったのはBETAに対する知識がないという描写です。彼らは幻想郷の対BETA戦術の礎となりました。
また霊夢の中隊が飛行しても光線級に撃たれなかったのはこれが初の接触だからです。
ちなみに今回の敵の光線は突撃級が50、要撃級が60、戦車級が200、闘士級が100です。すっげぇ少ないな!
霊夢の戦術機中隊以外にも妖精や妖怪の弾幕担当の歩兵部隊が大勢いました。
彼らは戦車級や闘士級の餌になるシーンを入れようと思ったんですが、5000文字程度に押さえるために泣く泣くカットしました。
ちなみに今回このネタを思いついたのは東方とマブラヴで第一次月面戦争が被ったからです。どうでもいいですね。
では今回はこのへんにして次回もよろしくお願いします。
質問などあれば感想にお願いします。答えられる範囲で答えますので。
ではまたノシ
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