私はかなり前に東方を見たのが最後で、大分知識が薄れてます。
なので公式設定とかなりの差異があると思われますのでそういうのが無理な人は読むことをオススメしません。
今回は私の別作品の短編小説「齟齬する心」を先に読むことをオススメします。
それと駄文も注意です。
『ルート!ハマーコプフが一匹そっちにいった!』
ルートが一匹の未確認種を相手にしているともう一匹の未確認種が後ろから襲い掛かかってきた。
「しまった!」
ルートが気づいた時にはもう
視界が暗転し気が付けば見知らぬ風景を眼前に落下していた。跳躍ユニットを噴射し機体の姿勢を立て直し回りを見ればアーデルハイトとジークリットの
「えぇとみんな大丈夫?」
『あージークリット無事です。機体も以上無し』
『こちらアーデルハイト。無事です。機体にも特に問題は無いです』
ルートはほぅと一息ついてよかったと胸を撫で下ろした。そして困惑しながらも状況を確認するために周囲を見渡せば山の中腹に基地のような物が見え、戦術機の姿もちらと見えた。
「みんな、ここがどこかわからないけどあの山に前線基地があるみたい」
そう言ってルートは機体で基地を指差した。
『そうね、何か情報が手に入るかもしれないわ』
『アーデルハイトの言ったとおりだと思うし行きましょ』
「じゃあ我々コルチカムは情報を手に入れるために一旦あの山の基地へ向かう。でいいよね?」
二人とも肯定の意思を表す言葉を返した。
ルートを隊長としたコルチカムの
霊夢、魔理沙、早苗がにとりに戦術機ハンガーに呼び出された。
「で、用ってなによ?」
「フッフッフ、これを見ろ!」
にとりが両手を広げて自慢げに声高に言うと他の河童達が背後でかかっている幕を引き、中から赤い霊夢の
「これがこの前見せてくれた雷電ですか!?」
するとにとりはチッチッチと指を振りにやりと笑った。
「こいつはそんな名前じゃないよ。実はあの後に設計を見直してね。装甲の軽量化、アビオニクスの刷新、OBW化をしたのさ。つまりこいつは
「へぇ何だかよくわかんねぇけど凄いらしいな」
「にとりさん!この肩が緑色の
「そうともさ」
「黄色い肩のほうがじゃあ私のだな」
おうおうとにとりは頷いている。
「実はもう一つあってね。今あの機が持ってる突撃級ねWS-16Bっていって機関砲の口径が36mm、滑腔砲の口径を120mmにした高火力モデルさ」
「そいつは凄いわね」
突然、ハンガー中が騒がしくなった。
「おい、戦術機は1機も出てねぇだろ!」
「とりあえず3機分受け入れ用意しろ!」
何事かと外へ目を向けてみると見たことの無い戦術機が3機こちらへ向かってきている。
黒い装甲色にオレンジ色のセンサーが輝く。その3機は手慣れたようにすっと基地へ着陸した。
「ちょっとにとり、あれ何よ」
霊夢が小突くとにとりは慌てているようでひゅいと小さな悲鳴を上げた。早苗はというと間近で戦術機の着陸を見て興奮している。
『ねぁルート、もしかして私達アフリカに来たんじゃないの?』
『それは無いはずよ。外の風景はそんな風じゃなかったもの』
『それにしてもここには旧式しかないのね。
『まぁとりあえず降りましょう』
そう言ってルートは
「私は東欧州社会主義同盟所属のコルチカム小隊隊長、ルート・ブルーム大尉です。そしてこちらの二人がアーデルハイト・ノイマイスター同志中尉とジークリット・リュンガー同志中尉です」
周囲がざわつき始めたところでルート達の前の空間に切れ目が入り開いた。その中からは八雲紫が表れた。身構えた3人に対して紫がまるで雌狐のような表情でにやりと笑った後に話を始めた。
「あら、よく来たわね、ようこそ幻想郷へ。早速本題に入るけどあなたたちにはうちの兵士達の教官になってほしいのよ。いいかしら?」
有無を言わさない紫の態度にルート達は押され気味になっているところに魔理沙が割って入った。
「それなら霊夢とか私がやればいいんじゃないのか?自慢じゃないが私は腕に自信があるぜ?」
「あんたは引っ込んでなさい。彼女達は今幻想郷にいるあらゆる生き物の中で戦術機の操縦が一番上手いんだから」
「納得いかないぜ。変わった戦術機に乗ってるからって強いわけじゃないだろ?」
「それならあんた達3人でコルチカムを倒してみなさい」
紫は軽く言ったようだが霊夢は直感的にかなり無茶なことを言われたと確信した。
「貴女達もいいでしょう?」
目を細めて笑顔のまま紫は言った。ルート達もどうやら拒否権は無いようだと直感した。
紫とにとり、それに他のメカニックや中隊の兵士達がカタパルトの上に集まった。
「いやぁでも驚いたよ。まさか外の世界にも戦術機があったし、突撃砲はこの前作ったばかりのB型と口径は同じだしさ」
「私も苦労したのよ?戦術機を持ってる世界を探すのにね。それに彼女達の世界にも化け物がいたわ」
「ならやっぱり戦術機は化け物相手の武器だったのか」
紫はそうねと呟いて空を見上げる赤い戦術機と黒い戦術機がぶつかり合っているが黒い戦術機の方が優勢のようだ。
「__ッ単純なパワーが違うし一撃が重い……!」
霊夢の
「パワーアップしてるっていうのにこんなに差があるの!?」
霊夢は一か八か盾を前面に押し出して
空中で盾がぶつかり合い
そして相手の
それに追い撃ちを掛けるように
魔理沙と早苗の
「こいつら何なんだよ!」
『凄い……これがエースの動き!』
アーデルハイトとジークリットの
突然、
「しまった!」
そう思った時にはもう遅い。魔理沙と早苗の
「くっそぉ負けたぜ……」
敗北した霊夢はルートの
「こーど……991?」
するとルートから通信が入った。
『コード991よ。ここは私達がBETAの進行を食い止めるから基地に戻って突撃砲を持ってきなさい』
聞き慣れない単語に困惑したがルートに急かされ霊夢、魔理沙、早苗の3人は基地へ戻った。
「にとり、早く突撃砲を頂戴!」
「城金の
そう言われ3人は基地中へ入り突撃砲を人数分とコルチカムの分を受け取り、もう一度戦場へ向かう。
カタパルトから出撃した霊夢が最初に見たのは前回人里を襲った化け物よりもはるかに多い群れとレーザー警報の文字だった。その文字を認識した途端に
「今のは何?弾幕!?」
今の攻撃は他の兵士達にも見えていたらしく混乱し空中に留まった
コルチカムの下へ戻るとそこにはもう既に緑の殻やタコ助の合わせて100以上の死骸が転がっている。
『霊夢、何であんなに高く飛んでる
そう言っている間にも
「中隊各機、聞こえる?飛んじゃ駄目。地に足つけて戦いなさい。命令よ!」
そう言われちらほらと
そして基地で受け取った突撃砲を手渡した。
『総員傾注、我々コルチカムはこれより
『_ッ了解!』
「ルートエレメントって何?
『あぁとりあえずあの光線を撃ってる奴を潰しにいくの。だから私に着いてきて』
ルートはそういうと霊夢の方へ向いていた機体を反転させ化け物の群れの奥へと飛んで行き、それに他の隊員も着いて行ったので霊夢も着いていくことにした。
「魔理沙、ここの指揮は任せるわ」
『おう、まかせとけ!』
『我々に牙を剥くBETAのクズ共に裁きを下してやれ!』
彼女達の操縦スキルはやはり凄まじいものだった。化け物の群れの中を道を作りながら縫うように匍匐飛行で進んで行ったのだ。そして化け物の群れの一番奥にそれはいた。つぶらな瞳の緑のそれは今も光線を撃っている。
『霊夢、あれが
ぱっと見たところ
『霊夢、
「何それ?」
『ピンポイントで攻撃するんじゃなくて「面」たいして攻撃することよ。そういうのができる設備はあるの?』
「にとりに聞いてみるわ」
ルートの説明を受けて霊夢は基地にいるにとりへ通信した。
『そういうものはあるにはあるけどちゃんと使える保障は無いよ?』
「それでもいいからお願い」
『わかった。それじゃあ1分後に砲撃開始するから死にたくなかったらさっさと離脱しな』
「そうね、そうするわ」
と軽く言って通信を切った。
「ルート、後1分後に面制圧が開始するわ、早く離脱しましょう」
『わかったわ。ありがとう霊夢。総員傾注、まもなく面制圧が開始される。コルチカムは速やかに戦線を離脱するわ』
『_ッ了解!』
そしてコルチカムは来た道を戻り戦線を離脱、他の戦術機も離脱してちょうど1分後に基地の方から砲弾の嵐が飛んできた。
「一体あんなものがどこにあったんだか」
そう言って霊夢達は生き残った化け物を狩りにもう一度戦場へと向かった。
さて今回は私の短編小説「齟齬する心」からコルチカム小隊の皆さんに幻想入りしていただきました。いやはや長編は勢いですよ。勢いがあるうちに書かないと失速して次が書きにくくなる。
えとじゃあここで解説を入れますと、まず最初に彼女達が戦っていた未確認種ですがあれストフロの打撃級です。それと霊夢とルートの一騎打ちで霊夢のF-4Jにはぶっちゃけると凄いあのOSが入ってるんですけどわかってました?まぁでルートのMig-27には入ってないんですよ。それが入ってる戦術機を相手にあそこまで圧倒できるというのが彼女の対人戦能力と純粋な力量の差というシーンです。
他には霊夢のF-4Jはコード991があってレーザー警報があってと、他のF-4は何もなくレーザーで撃墜されているあれは管制ユニットを作ったのがマブラヴ世界の人間か幻想郷かの違いの描写です。
これくらいかな。
最後に今回のBETAの数は突撃級が1500、要撃級が1000、戦車級が測定不能、光線級が30となっています。
では今回はこのへんにして次回もよろしくお願いします。
質問などあれば感想にお願いします。答えられる範囲で答えますので。
ではまたノシ