少女は救済の為にその人生の全てを捧げた。
だが、少女の心は最後まで救われる事は無かった。
これは、全てを救わんとした〝栄光なき聖女〟saint without gloryと正義の味方を目指す少年の物語である。
まぁ短編を書いてみました。
とある少女の話をしよう。
少女はその生前を己が信条の為にすべてを捧げた。
〝救える者は皆救う〟それが少女の掲げた信条であり目標だった。
そして少女は多くの人々を救った。
傷を負ったものや病に苦しむものには手当てと癒しを。
貧しきものには資金の援助を。
そして、生きる事が救いとならないものには死の救済を与えた。
死にゆくものも救われたものも皆、少女を賞賛し讃えた。
だが、少女は⋯⋯少女だけは救われる事は無かった。
少女はの心は常に悲しみ続けた。
どんなに救っても、彼女の手が届かない場所では常に多くの人々が苦しんでいる。
そして、それらを救えない自分を少女は無力な存在だと豪語した。
だからこそ少女は常に多くの人々を救わんが為に努力した。
その身がボロボロになろうとも、精神が摩耗し擦り切れようとも、ただ〝救える者は皆救う〟と、少女は常に高みを目指し救い続けた。
どんなに多くの賞賛や感謝を受けようとも、少女の心は救われなかった。
そして、その無茶が祟り、少女はついにその生涯を終えるのだった。
そしてとある魔法陣より少女は現れる。
少女の目の前では今にも槍で刺されそうな少年、少女はすぐ様その手に持つ十字槍で応戦する。
「問いますあなたが私のマスターですか?」
少女は床に倒れ込む少年に問いかける。
だが少年は目の前の状況が飲み込め無いのか少女を無言で見つめる。
「⋯⋯沈黙は肯定と見なします。これより私はあなたの剣であり盾です」
少女はそう言い残すと槍兵に立ち向かう。
金属がぶつかり会う音と共に火花が飛び散る。
「は! 一つの聖杯戦争で、同じクラスが出現する何て聞いた事がないぜ! テメェ何処の英雄だ!」
「そんな事誰が言いますか⋯⋯それに槍を持っているからランサーだとは限りませんよ? ひょっとしたらライダーかも知れませんし、アサシンかも知れません⋯⋯はたまた狂化が薄いだけでバーサーカーかも知れませんしキャスターだって可能性もありますよ?」
「は! 抜かしやがれ!」
そして、再びお互いの槍がぶつかり会う。
「悪いな、どうやら俺のマスターが及びの様だ!」
やがてある程度勝負が終わると、槍兵はそう言ってすぐ様飛び去った。
その後、気づくと先程助けた少年が自分に駆け寄る。
「あ、ありがとうなえっと⋯⋯」
「ローズ⋯⋯」
「え?」
「偽名⋯⋯本名は今は名乗れないから⋯⋯」
「そ、そうか⋯⋯」
そして、少女はとある気配を察知し、すぐ様に気配の元へ駆け抜ける。
「ぬ!」
そして気配の方にいた赤い双剣の兵士を見つけすぐ様、槍を突き付ける。
男は双剣ですぐ様、防ぎ少女から距離を取った。
「待ってくれ」
少年はそう少女に言うと少女は警戒したまま、少年に向き合う。
「⋯⋯マスター?」
こうして、全てを救おうとした少女と正義の味方を目指す少年の