フリーザ軍の犬に成り果てて早6年の月日が流れた。エイジ749年、つまり私が16歳になるこの年は『ドラゴンボール』の原作がスタートする年である。
そんな中私は地球に行かず、ある星へと足を運ぶわけだが……。
フリーザ「おや、何処に行かれるのですかベルさん?」
ばいき……ゲフンゲフン!フリーザに捕まってしまった。まぁ隠す必要もないし、正直に言っておくかな。後で面倒にならないように……。
ベル「はい、惑星オーガへ行こうと思いまして……」
フリーザ「惑星オーガですか……。あの星に立ち寄ったが最後で生きては帰れないと噂がありましたね」
えっ?そんな噂流れてるの?確かに彼処の人達全員フリーザよりは強いけど……。
ベル「心配には及びません。あの星には私の友人がいますので」
まぁ嘘ではないけど、この2周目では惑星オーガに行くのは初めてでその友人であるレムとも初対面(向こうは1周目の記憶があるから一応覚えているはず)なんだよね……。
フリーザ「貴女にはまだまだ働いてもらわなければなりませんので、本来なら止めるべきなのですが……。ベルさんならその必要もないでしょう」
ベル「ありがとうございます」ニコッ
フリーザ「ほっほっほっ、この私がここまで言うのは貴女だけだということを覚えておきなさい」
このフリーザなんなの?ツンデレとかこの世界線マジでどうなってるの?
とりあえず私はフリーザから離れて惑星オーガへと向かった。
フリーザside
ベルさんが惑星オーガへと向かった直後にザーボンさんが此方へ帰って来た。
ザーボン「フリーザ様、何故ベルを惑星オーガ等と危険な星に行かせたのですか?」
フリーザ「おや、ザーボンさんはベルさんが惑星オーガに行かれることに何か不満でもあるのですか?」
ザーボン「惑星オーガはその……言いにくいのですが、フリーザ様やコルド大王様をも凌駕する化物の集まりだと聞いております」
やはりザーボンさんも惑星オーガの話を耳にしていましたか。数年前にパパが惑星オーガで瀕死の重症を負ったと聞いてからあの星が私達の大きな障害になると睨んでいました。
そこにベルさんが行くのですから、ザーボンさんが反対意見を出すのも無理もありません。
フリーザ「……そうですね。ですが、私は特に心配してませんよ」
ザーボン「な、何故です!?」
フリーザ「ベルさんがもしもそこで死んでしまったらそれまでの話です。ベルさんもサイヤ人の1人……。もしかしたら大きな反乱分子になるのですから、死んでしまった方が私としても都合がいいです」
フリーザ(尤も彼女がそんなヘマをするとは思えませんがね……)
私はそう思いながらベルさんが出ていった方角を見つめた。
フリーザsideout
さて、私が惑星オーガに行くのは理由が2つある。
まずはレムに会いに行くこと。レムは1周目の記憶があるため、この2周目で起こっている出来事を説明する必要があるのだ。
もう1つ。レムの双子の姉であるラムについてだ。
レムから聞いた話だと姉が鬼族としてとても優秀な存在ではあるが、身体が弱いのと、力が暴走しやすい体質でよく力を漏らしていたのだとか。
そしてこの年に力の暴走により鬼になってしまい、その姉の命日が来てしまうので、可能ならば助けたいという私のエゴなのだ。
ベル(さて、レムの気は……っと)
1周目の能力が使えるということは瞬間移動が使えるわけだが、それをするのではなく、レムの気と姉であるラムの気を探っている最中だ。
ベル(レムの気は見つけた。惑星オーガ内でも現時点で1番大きい気だからすぐにわかったよ。その近くで大きくなったり、小さくなったりしているのが恐らく姉のラムの気かな?)
だとすると急ぐ必要があるね。
~そして~
見えた。鬼の顔の形した星こと惑星オーガが!早く着陸しなきゃ!!
着いた先に2人の子供が此方に近付く。
レム「ようこそ、惑星オーガへ」
片方は水色の髪をしており、1周目の記憶を引き継いでいるリゼロのレムに瓜二つで見た目少女な少年のレム。後でレムとも話をしておこうかな。
ラム「申し訳ございません。只今大人の方達は席をはずされておりまして、私達2人がお客様のご案内をしております」コホッ
もう片方の桃色の髪をしている少女はレムの双子の姉であるラム。此方もリゼロのラムと瓜二つである。咳き込んでいるのは身体が弱いからかな?
しかし12歳の子供2人にお客の案内をさせるとは……。それほどこの2人がしっかりしているということなんだろうか。
というか惑星オーガって観光地なの?1周目では修行の観光地みたいにはなってたけど……。
レム「姉様、お客様のご案内は此方でやっておきますので、休んでいてください」
レムはラムのことを姉様と呼んでいるようだ。ここもリゼロ再現なんだね。
ラム「……そうさせてもらうわ。ごめんなさい」コホッ
レム「ではお客様、『客の間』へとご案内致します」
『客の間』って1周目では聞かなかった名称だな……。
確かコルド大王はこの星でボコボコにされたってフリーザが言ってたね。
そういえばレムが惑星オーガの住人は敵意を感じ取ることを得意としているという話をしていたような……。もしかして敵意を感じないお客にはそこへと案内するのかな?
私はレムの案内に従いついていくことにした。
~そして~
レム「ベルさん、会えてとても嬉しいです!」
ベル「うん、私も会えて嬉しいよ」
『客の間』に着いたと同時にレムは1周目の記憶があることを私にわかるように伝えた。この会えて嬉しい発言が証拠ね。
レム「少し前にセ……ラース君が此処に来ました」
ベル「そうなの?」
ラースのことは改名含めてレムには伝わっているようだ。あの蝉擬きは一体何をしているのだろうか……。まぁいいや。
ラースが話したことに付け加えて私はロータスのことも話しておいた。
レム「そうですか……。ロータスにも会いたかったので、とても残念です」
ベル「……でもロータスの気は感じるし、あの子はきっと元気でやっている。私達にできるのはロータスを信じることだけだよ」
レム「そう……ですね」
早いとこレムとロータスを会わせて安心させたいところである。
ベル「それで私は1周目でレムから姉の話を聞いて今日はこの星に来たわけだけど……」
レム「それなら丁度良かったです。……姉様に宿ってる鬼の力が暴走が酷くなっています。そう遠くない内に鬼となってしまうでしょう。今デモン様達が出払っているのはその鬼と化した姉様を討伐するための準備をするためなんです」
ベル「……思った以上に不味い状況みたいだね」
レム「はい。……お願いします。姉様を……助けてください!」
ベル「……私にできることは全部やるよ。必ず君の姉を助けるのに力を貸すさ」ナデナデ
泣きそうになっているレムの頭を撫で、忍野節を呟きながら私は決意する。
2度と仲間の悲しい顔を見たくないからね。
2話目終了だぜ!
新たに星10の評価をつけてくださったアシュトさん、ありがとうございます!
ではまた次回でお会いしましょう!