残念すぎる天才ボーカル   作:初羅 柊羽

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初投稿、初作品です。

初心者故に知識が不足してるかもしれませんが、
どうぞよろしくお願いします。

アニメに沿って話は進んでいく予定です。

遅くなりましたが、閲覧のほどありがとうございます。




本編
1話 【生徒会長と残念な天才】


_____________屋上の爽やかな風が頬に触れ、

その風に綺麗な髪を靡かせる。

暖かい風が体を包み心地のよい眠気に誘われた。

 

桜の花びらが散っていくのを見ながら、

一人の少女が演奏をしていた。

屋上の最も高い位置で、

綺麗で力強い演奏と歌声を響かせる。

 

惹き付けられる音楽を紡いでいたのは、

神崎(かんざき) (かなで)という少女だ。

奏から発せられる音楽はオリジナル曲で

若干17歳にしてプロを越える技術を持っていた。

 

そんな音楽は彼女にとって宝物であり、

心の叫び……………(ソウル)でもあった。

そんな奏の曲も終わりを迎える。

すると、小さな拍手が屋上に響き渡った。

 

 

 

「さすが奏ね。とても素晴らしい曲だったわ。

でも残念。今は授業中よ?

出来るなら授業外で聞きたかったわ」

 

 

 

そう言って、呆れたようにため息をついたのは

生徒会長こと絢瀬 絵里。

 

 

 

「おっ!絵里ちゃんじゃん!

 なになに?私に会いに来たの?」

 

 

 

ふわっとサラサラとした髪を靡かせながら、

奏はへらへらと笑った。

 

 

 

「一応その通りだけど詳しく言うと、

授業をサボる生徒を生徒会長として

注意しに来ただけよ」

 

 

 

絵里はまた大きくため息をついた。

日頃の苦労具合がうかがえる。

 

 

 

「そうは言ってもさ~、

絵里ちゃんも結局サボってんじゃ~ん」

 

 

「私はいいのよ。先生に許可をもらったから」

 

 

「うっわ~。何それズルい。職権濫用だぞ~」

 

 

 

ぶーぶーっと文句を言う奏。

 

 

 

「まぁ、授業をサボりまくってる貴方より

まだまだ全然ましだと思うけど?」

 

 

「うぐっ!」

 

 

 

絵里はそんな奏をピシャッと正論で黙らせた。

これには奏も言い返すことはできなかったようだ。

 

 

 

「貴方の歌は私も好きだけど、

せめてもう少し時と場合を考えなさい」

 

 

 

まったくと絵里は呆れている。

 

 

 

「む~。絵里ちゃんが今度デートしてくれたら、

 考えないでもないかな~?」

 

 

 

呆れている絵里に対してならばと、

デートに行くことを要求した。

 

 

 

「あー、はいはい。私にそんな暇はないの。

 私なんかじゃなくて、もっと他の人を誘いなさい」

 

 

 

当然のようにあしらわれて終わった。

 

 

 

「えぇ~。絵里ちゃんが良い~」

 

 

「勝手に言ってなさい」

 

 

 

奏のねばりも虚しく敗れた。

 

 

 

「ぶーぶー。絵里ちゃんってば、お堅いんだから。

それに最近は特にそうみたいだし」

 

 

「?最近?」

 

 

 

絵里は首をキョトンと傾げた。

 

 

 

「そーそー。廃校問題のせいかな~?

 まだ私には柔らかいから良いけど、

 他の人には少し冷たいみたいだし。

 まぁ私はそんな絵里ちゃんも可愛いくて良いと

思うけどねっ」

 

 

 

「……………そうかしら?

 私ってそんなに冷たくしてた?」

 

 

 

どうやら、あまり自覚はなかったらしい。

 

 

 

「うんうん。してるしてる~。

 もっと笑ってこーぜー?えーりちゃんっ」

 

 

「……………まったく」

 

 

 

奏が言っていた通り奏以外には固かった表情筋も

奏の前では確実に柔らかくなってる。

恐らく、奏の呑気な変わらない態度に

自然と心が落ち着いているのだろう。

 

 

 

「ほーらっ。たまにはサボっちゃおーよ。

 息抜きしないとね、生徒会長も」

 

「えっ?って!あっ!!ちょっ!」

 

 

 

良いともダメとも言う前に、絵里の腕を引っ張って

その勢いのまま絵里を自分の胸に抱き止める。

 

 

そして見事引き込まれた絵里は

奏が寝っ転がっていたこともあり、

所謂、奏の抱き枕状態にあった。

 

 

 

「ちょっ!!奏っ!?私、この後授業に戻らないとっ!」

 

 

「言い訳なんていくらでも出来るでしょ?

 だから今は私と一緒にサボって息抜きしよっ!

 特別に特等席まで用意したんだからさっ!」

 

 

「と、特等席って……」

 

 

 

にししっと笑う奏に苦笑い状態の絵里。

奏の言う特等席とはこの抱き枕状態のことであろうか?

 

 

 

「この私の抱き枕なんて、

 周りに嫉妬されちゃうぐらいだよ~?」

 

 

「……………バカね」

 

 

「バカっ!?絵里ちゃん、ひどいっ!!」

 

 

「あー、はいはい」

 

 

「扱い雑っ!?」

 

 

 

っという会話をしながらも、

絵里は何だかんだで抜け出そうとせず身を任せていた。

 

 

奏は内心それに気づきながら、

とうとうやって来た眠気に誘われていた。

 

 

 

「?奏?眠いの?」

 

 

「ん~。まぁ~、眠い、かな~……」

 

 

「…………そっ」

 

 

 

そこから絵里は極力動かなかった。

眠そうにしてる奏を気遣ってだろう。

そんなこともあり、奏は眠りについた。

 

 

 

「………………ありがと、気が楽になったわ」

 

 

 

ボソッと絵里が寝ている奏に何かを囁くと、

絵里は耳を赤くさせながら瞳を閉じた。

絵里もどうやら寝るらしい。

 

しばらくすると絵里から安定した寝息が聞こえ、

二人揃って仲良く眠っている姿は、

冷たい生徒会長をしていた絵里からは想像しづらく、

大変信じがたい光景であった。

 

しかし、これを見た者は誰もが思うだろう。

____________『微笑ましい』っと。

まぁ、でも今は授業中。

この姿を見る者は誰一人として居ないのである。

 

 

 

 




ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

これからも愛読してくださると嬉しいです。

以後ともよろしくお願いします。
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