残念すぎる天才ボーカル   作:初羅 柊羽

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6話 【残念すぎる天才は悪魔だったようで】

 

 

_____________「ほほぅ。これはまた……」

 

 

「………ふんっ。でしょうね」

 

 

 

奏と絵里の目の前には誰もいない講堂の光景。

奏は目を細めながら、この光景を見ていた。

 

 

 

「さぁて、これを見てあの子達はどうするのかな~♪」

 

 

「……………貴方って時々悪魔よね」

 

 

 

どこかワクワクしたような様子を見せる奏。

そんな奏の様子に引きながら、絵里は奏に視線を向ける。

 

 

そのような絵里の冷たい視線と引いている態度を受けても、奏はいつものように飄々としていた。

 

 

 

「あはは~。嫌だなぁ~、悪魔なんて。

 寧ろイケメンでしょ~☆」

 

 

「それはない」

 

 

 

おちゃらけて言う奏にズバッときっぱり否定する絵里。

 

 

 

「そんなにきっぱり否定するっ!!?」

 

 

「だって事実だもの」

 

 

「え~り~ちゃ~ん~っ!

 あのときの可愛い絵里ちゃんに戻ってよ~。

 あっ!もちろん今も可愛いけどねっ☆」

 

 

 

すがるように絵里を呼んだあと、すぐにけろっと態度を変えて、今の絵里も可愛いという奏。

絵里の返事はもちろん…………

 

 

 

「バカ」

 

 

「辛辣な一言っ!!?」

 

 

 

この一言に限る。

 

 

 

「うぅ~。絵里ちゃんがいじめてくる~」

 

 

「勝手に言ってなさい。(ばかなで)

 

 

 

泣き真似をしてる馬鹿()と安定の返しをする絵里一行は、講堂から一旦出ることにした。

 

 

 

「おっ!そうだっ!絵里ちゃんっ!」

 

 

「何よ?」

 

 

 

そういえばっと言わんばかりの声をあげる奏。

それを訝しげに見る絵里。

 

 

 

()()()()()()()()()()()、映像ほしくない?」

 

 

「?え、えぇ。ま、まぁ、欲しいと言えば欲しいけど」

 

 

 

奏の言葉に少し違和感を感じる絵里だったが、

まぁ確かにライブの映像は欲しいと思っていた。

 

 

あとで見返したり、インターネットにアップしてみたりして、周りの反応がどういうものかチェックするのに必要だからである。

 

 

それに周りの反応が悪ければ、

穂乃果達に現実を見せることができる。

 

 

そうすればスクールアイドルなんてやめるはずだ。

 

 

思い付きなんかでやったって、

悪影響になる確率が高いだけで

寧ろ逆効果になることだってある。

 

 

そうなればもう廃校阻止どころではなくなってしまう。

 

 

だから穂乃果たちのような不安定で不確定なものは、できるだけ無くしたい。

 

 

絵里はそう考えていた。

 

 

 

「んふふ~。そ~んな絵里ちゃんの考えは全てお見通しさっ☆さぁさぁ、講堂の音響室に行ってみよーっ!」

 

 

「は、はぁっ!?ま、また急にっ!」

 

 

 

奏はまた先程のように絵里の手を握り、

グイッと引っ張って走り出した。

 

 

 

「ほらほら、レッツゴーーっ!!」

 

 

「ちょっ!!ばかっ!急すぎよーっ!!」

 

 

 

またもや奏の勢いに流されて、

絵里は再び走り出すことになった。

 

 

ちなみにライブまでの時間はまだ少し余裕がある。

 

 

余裕がありながらも走り出す奏は

絶対に確実に馬鹿であろう。

 

 

そんな奏に対してそろそろぶちギレてやろうかと

少しイラッときた絵里であった。

 

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