_____________「ほほぅ。これはまた……」
「………ふんっ。でしょうね」
奏と絵里の目の前には誰もいない講堂の光景。
奏は目を細めながら、この光景を見ていた。
「さぁて、これを見てあの子達はどうするのかな~♪」
「……………貴方って時々悪魔よね」
どこかワクワクしたような様子を見せる奏。
そんな奏の様子に引きながら、絵里は奏に視線を向ける。
そのような絵里の冷たい視線と引いている態度を受けても、奏はいつものように飄々としていた。
「あはは~。嫌だなぁ~、悪魔なんて。
寧ろイケメンでしょ~☆」
「それはない」
おちゃらけて言う奏にズバッときっぱり否定する絵里。
「そんなにきっぱり否定するっ!!?」
「だって事実だもの」
「え~り~ちゃ~ん~っ!
あのときの可愛い絵里ちゃんに戻ってよ~。
あっ!もちろん今も可愛いけどねっ☆」
すがるように絵里を呼んだあと、すぐにけろっと態度を変えて、今の絵里も可愛いという奏。
絵里の返事はもちろん…………
「バカ」
「辛辣な一言っ!!?」
この一言に限る。
「うぅ~。絵里ちゃんがいじめてくる~」
「勝手に言ってなさい。
泣き真似をしてる
「おっ!そうだっ!絵里ちゃんっ!」
「何よ?」
そういえばっと言わんばかりの声をあげる奏。
それを訝しげに見る絵里。
「
「?え、えぇ。ま、まぁ、欲しいと言えば欲しいけど」
奏の言葉に少し違和感を感じる絵里だったが、
まぁ確かにライブの映像は欲しいと思っていた。
あとで見返したり、インターネットにアップしてみたりして、周りの反応がどういうものかチェックするのに必要だからである。
それに周りの反応が悪ければ、
穂乃果達に現実を見せることができる。
そうすればスクールアイドルなんてやめるはずだ。
思い付きなんかでやったって、
悪影響になる確率が高いだけで
寧ろ逆効果になることだってある。
そうなればもう廃校阻止どころではなくなってしまう。
だから穂乃果たちのような不安定で不確定なものは、できるだけ無くしたい。
絵里はそう考えていた。
「んふふ~。そ~んな絵里ちゃんの考えは全てお見通しさっ☆さぁさぁ、講堂の音響室に行ってみよーっ!」
「は、はぁっ!?ま、また急にっ!」
奏はまた先程のように絵里の手を握り、
グイッと引っ張って走り出した。
「ほらほら、レッツゴーーっ!!」
「ちょっ!!ばかっ!急すぎよーっ!!」
またもや奏の勢いに流されて、
絵里は再び走り出すことになった。
ちなみにライブまでの時間はまだ少し余裕がある。
余裕がありながらも走り出す奏は
絶対に確実に馬鹿であろう。
そんな奏に対してそろそろぶちギレてやろうかと
少しイラッときた絵里であった。