ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話   作:NonaIn

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今回はツナギ回なので短いのデェス。

毎回ツナギって言われたら何とも言えない今日この頃


Chaptar.7 Certain Ephemeral Dream.

N.D.75.6

MID-CHILDA ;Task Force 6 Office

 

 

 ホテルアグスタの襲撃の直後、六課のオフィスには何とも言えない空気が流れ――もせず、澱むようにたまっていた。その中心に居るのは3名。功を焦り誤射の危険を顧みず銃撃を行ったティアナ、そして2名……いや2体の『ウォーフレーム』である。

 味方だと思っている相手が思ったより追い詰められていて、更にそこに敵だとほんのり思っていた相手が味方としてやってくると言う状況に若干混乱をきたしつつ、どう接するべきかと困惑していたのだ。

 

 そして当のウォーフレーム2体のうち片方、【エクスカリバー】は管制室の片隅でじっと立って見ているばかり。そしてもう片方、【ロキ】はあちこちをうろついていた。

 彼等はホテルでのロストロギアのオークションの裏で流通しそうになっていた密売ロストロギアの存在に誰よりも先に気づいており、それが奪われる事を防いでいた上に密売人も捕らえていたのだ。そしてそれらを手土産に『協力したい』と申し出て来た事により、ある種の司法取引でここに協力者として存在している。

 

 特に警戒しているのは、フェイト執務官と高町教導官、そしてナナだ。司令官として八神も警戒はしているようだが、そもそも書類業務で忙殺されて出てこれないのでどうしようもない。

 珍しくナナの方から執務官に話し掛けると言う光景も、この辺りから出て来た事であろう。なお話し掛けられた方は二重に驚いてしまったらしく、少々挙動不審であった。

 

 その事そのものを、話す内にナナは違和感として感じ取ってしまった。フェイトの事を、良くも悪くもマイペースであり多少の事では動じ過ぎる事は無い、と思っていたためだ。

 

「武器は預かってる。それでも警戒しなければならないのは、魔導師相手でも同じ。……そこまで緊張する理由は、あるの?」

 

「え、あー、その……なくも無い、んだけど……」

 

 歯切れが悪く、目が泳ぐ。視線の先、壁に背を預け腕組みをして立っていた【ロキ】が小さく肩を上下させた。笑った、のだろうか。

 

「情報の開示を要請する」

 

「開示する必要はありません、その、個人的な事情なので」

 

「……VOIDの向こうの相手に、個人的な事情? 信じがたい、余計に知る必要がある」

 

「ええと、その……あはは……私からは、ごめんなさい、言いたくない」

 

 笑ってごまかそうとする姿は、更に違和感を助長するだけであった。そうなれば警戒しつつも(もっとも、ナナは自分以外のだいたい全員を警戒する癖があるが)【ロキ】本人にたずねるしかあるまい。

 隠す事ではあると感じ、話を聞き取られ辛いよう物陰に呼び込む。話せない事は無い、と言うのは知っていたので特に問題は無いと感じていた。

 

「【ロキ】、フェイト執務官と何か因縁が?」

 

 その質問に対し、口のあるべき辺りで人差し指を立てて、シーッ、と言うジェスチャーを取る【ロキ】。ナナは何となく言いたい事を察した、秘密にしてくれ、と言う意味だろうと。頷いて同意を示す。

 それに満足げに頷くと、【ロキ】は腕組みを解いた。

 

「ある。 と言うより、ありすぎる、かな」

 

「その、声。 ……レイ、声紋解析、フェイト執務官と比較」

 

「ありゃ、一瞬でバレたか」

 

 参ったなあ、と頭をかく【ロキ】。それは放っておいて、本体は格納庫に居るままのレイが持前の演算速度で以てあっという間に声紋解析を終える。

 

『一致率、95%以上です、パイロット。環境や経験などによる誤差を考えれば同一人物ですが、現実的には何らかの形で生き別れた一卵性双生児などを考えるべきでしょう』

 

「あるいはわざと似せたか」

 

「そこまでする理由は無いなぁ。 んー、でももうちょっとこれについてのネタバレは待ってね。フェイトが受け入れる心構えを作るまでは。その時に、きちんと話すから……ね?」

 

「……了承。他の事柄についての情報は共有を?」

 

「ああうん、するよ? レリックとか、コーパスとか、オロキン……アルハザードとか。その辺りは"私達"の専門分野だし」

 

「なら、いい」

 

 一先ずは情報を出すと言う事で、信用はできるとナナは判断した。先送りであっても、口約束であっても、しないと言うよりはよっぽどだ。

 

 そうなれば残りは誤射を嫌厭するようにさんざん叩き込んだのに誤射紛いをしでかした、ティアナの方を気にかけなければならないだろう。

 それにそもそも、オーバーワークとオーバーリジェネによって超人の如き肉体を得る事を旨としたパイロット訓練をしているのに、その上で人目を避けて追加の自己鍛錬をしているとしか思えない肉体の痛み方をしているのだ。

 とは言えその辺りは、基本的には頼れる(ただし魔法が絡むと少々過激な)教導官に任せてしまっていい。万が一を考えてシムポッドの使用キーを同封し、懸念だけショートメッセージで飛ばしておくことにする。

 

 一通り今すぐやらなければならない事を終えたら、次は装備の手入れにかからなければならない。個人武装レベルの装備は使用後すぐに手入れができるものの、タイタン本体の手入れとなると時間がかかる。

 スバルにその辺りのやりくりも教えなければなるまいと、ナナはオフィスを後にした。――背中に【ロキ】の隠しているつもりの視線を受けながら。

 

 しかし。と、移動中にもナナはヘルメットに顔が隠されているのを良い事に、考え込む。

 戦場において止まる事、考えない事は死を呼び込む行為だ。それはもはやナナという存在の存続に関わる程に染みついたプロセスであり、同時に周囲に注意を払ってはいるので誰も気づきはしないが。

 

 ――なぜ、誰も最高評議会がPRAYERである事に、悪しくとも人間を超えた時間を存在している事に気づかないのか。軽く調べた限りでもその存在は無い訳では無く、それでいて代替わりしたと言う情報も無い。

 魔導文明、いや管理局文明の意図した欠陥なのだろうか。そもそも表舞台に立つ事自体が、ある時期からパッタリと存在しなくなり――同時に他惑星、いや他世界への干渉も徐々に目立つようになっているのにだ。

 仮に最高評議会の構成員が斃れたならば、次の構成員をどこかから補填しているに違いないにも関わらず、そう言った情報もまず無い。

 

 ただ『管理局を構築した存在がそこに所属していた』と言う事実と『現在もそういう機関がある』と言う情報のみが存在していて、それでいて構成しているメンバーの情報は全くない。

 海と陸が相反する主義主張を持ちながら管理局という枠に収まっているのは、まぎれも無く彼等の創った"管理局"という枠の実効力が存在しているからに他ならず――つまりちょっとした意図外の動きでもすぐに感知できる程度の場所に評議会が物理的に存在していると言う証拠にもなる。

 

 ――だと言うのに、不気味なほどに誰もその存在に触れようとしない。

 

 つまりうっかりや偶然でも人目に触れる可能性の無い場所で、それは恐らく。

 

「レイ。昔やっていた建築作業時の構造物構築素材の反響データと、トーン・ロードアウトの準備を」

 

『了解、パイロット。準備したデータはヘルメットに転送しますか?』

 

「しない。こっちから反響データだけをそっちに転送するのが良いと思う。けど、FS-1041と"銀鶏"への算出データの転送準備だけはしておいて」

 

『わかりました。……サブロードアウトはスコーチに設定』






ちょっとやる気が減って来てしまったので、そろそろ端々を端折ってダイジェスト進行しようかなと。
無理矢理書いてどっちも面白くないモノ読むよりは、書きたい事だけ書く方が効率もいいし、気分もいいですからね。
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