ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話 作:NonaIn
「アッハイ何でしょうか」
「今回の文章にジュートクなニンジャ・ミームが検出された。一体どういう事かキサマにインタビューする」
「ま、待ってくれ。ニンジャ・ミームだって? 気のせいだろう! 決して、決してそんな……」
「そうか。解った」
「ほっ……」
「ハイクを詠め、カイシャクしてやる」
「アイエェェェェ!?」
◆実際忍殺語注意な!◆
N.D.75.6
MID-CHILDA ;Task Force 6 Training Area
ナナがタイタンや武器の調整のためのパーツの調達で居ないある日の事。
エリオとキャロの二人がホロターゲット相手に自主訓練しているのを、珍しく一同に会したヴォリケンリッターの四人が見守りながら話をしていた。
話題は、始めは訓練を行っている二人の動きについての評であった。しかし誰かがふと溢したこの一言から危険な領域へと加速することとなる。
「あの動き、あのメット傭兵のと似てるんじゃねえか?」
と。
言われてみれば、と他三人も注目する。
確かに地面に接している際、前傾姿勢で突撃する場合と、逆に後傾姿勢で滑って移動する場合の二通りがあった。そして後傾姿勢の時は魔法による射撃戦で牽制を行う事が多い。
その動きは確かに、赤毛の少女騎士が『メット傭兵』と呼んだナナとよく似ているのである。
それだけでなく、キャロもまた動きではなくとも魔法のバリエーションにおいてそれを補佐するような面が多少なりとも見受けられた。摩擦係数を減らすと思われる魔法をエリオにかけたまま維持し、それだけでなく錬成捕縛魔法であるはずのアルケミックチェーンをマイナーチェンジさせたものを意味も無く――彼女らには無いように見える位置に張り巡らせている。
しかし無意味に見えて、そうではない。なるほどヴォルケンリッターの四人であればなんの意味も価値も見いだせないのだろうが、エリオはスチールワイヤーとでも命名すべきそれを片手で掴み、微弱な魔力を電気変換した事で発生する電磁力によって滑ってゆく。それによって高所を一時的に取ったり、射線から素早く移動したりと縦横無尽に機動しているのだ。
「見事なものだ。我らの教えをモノにした上で、組み込んでいる」
「そうねえ、ちょっと応用に行くには早いって思ってたけれど、無茶は無い程度の無理をしているだけだし……」
「それが気に食わねえんだよ。ガキに無理させんなってーの」
素直に称賛するザフィーラとシャマル、それに反発するヴィータ。
「しかし無理は通せば道理になるとも言う。己の信念を貫き通すのは騎士の誉れだろう?」
「まあ、確かにそりゃあ、そうだけどよ」
シグナムに諭されて、ヴィータは不満げに黙ってしまった。
「とは言えベルカの騎士からすれば、彼女の戦いは肩を並べたいとは思わんな」
「そうだな。だがそう言った面を含めて"強い"と言うのは否定できない。正面からの戦闘もそれなりにはこなすと言うのだから猶更な」
聊か否定的な意見を発したのはザフィーラ、そして否定的でありつつも認めているのはシグナムだ。
なおシグナムは以前隙を見て一戦だけ模擬戦を行い、ブーストのホロパイロット・ノヴァ(ホログラムによる軽い実体を持った分身)に見事に騙されたと言う経緯もある――非魔法によるものと言うのもあって見分けが付かなかったのだ。
それ以来、非魔法的な心眼を得ようと躍起になっているようだが、果たしてそれは出来る日がくるのかどうか。
閑話休題。
概ね強さを認めつつも、しかしその与え方求め方、そして戦い方に対しては騎士として大人として否定したい。
そう言った認識がここに居る四人の共通したものであるようだ。人格についてはそれぞれがそこまで接していないせいもあって、言える事は少ない――と言うよりも人格について言える程接しようとしてこないと言う点のみが共通していた。
だから人となりを知るために接しよう、とシャマルが纏めた所で訓練エリアを統括する装置が一瞬だけビープ音を発した。しかし不幸なるかな、一瞬過ぎたため、誰もその事に気づかない。
そしてビープ音を発生させた原因は既に訓練中の二名にメッセージを発していた。いきなり本物以上に動きのよくなったホロターゲットと、目の前に小さく表示される『訓練相手になってやる エクスカリバー』の一文。
管理局の最新鋭のコンピュータとてTENNOのヤバイ級フラッシュ・ハッキング・システムであるサイファーにかかれば実際チャメシ・インシデント。
単調な動きしかしないよう設定されていたシステムを再設定し、ホロ・ターゲットは実際ワザマエな動きと連携でエリオ=サンとキャロ=サンを囲んで棒で叩こうとしている。
しかしそこは仮にもエース・オブ・エースの教えを受けた存在であるのか、魔法によって常人の二倍の跳躍力でバック宙による回避、回避、回避。コトダマ構築仮想空間の地形を用いて見事に危機を脱して見せる。
それこそが狙いであった。地形の影から無数のスリケンがキャロ=サンに襲い掛かる! ナムサン!
だがごあんしんください。元からコロスつもりの無いその刃は、少女の服のみを狙って放たれたモノ。故に訳も解らずそのまま地面に縫い付けられ、しかしその一瞬で反射的に錬成魔法による鎖の一条をキャロ=サンは放っていた。
鉄と鉄が擦れる独特の音と火花が影に散り、ぼうと幽鬼めいた白くのっぺりと頭全てを覆うメンポが浮かび上がる。
「エクスカリバー=サン!? ナンデ!?」
悲鳴めいて放たれた声に、彼は悠然と光の当たる場所まで出て来る。ウォーフレームのエントリーだ。
そしてただ本来口のあるべき場所の前で人差し指を立てて、シーッ、とキャロ=サンに静かにするよう示す。これが本気のニンジャ殺意を纏っているならばモージョーの一つも言う前に二人はネギトロめいて転がっていただろう。
そうはならずに予告と不殺を行い、さらには纏っている雰囲気もただ稽古を付けてやろうと言う、ある意味慣れた物である。彼に戦闘不能の判定を下されたキャロ=サンは致し方なく黙った。
「ドーモ、エクスカリバー=サン。エリオです。ご指導アリガトゴザイマス」
別に本当に片言になってしまった訳ではない、エクスカリバ=サンから溢れるニンジャ力によって奇妙な変換が成されてしまっているだけだ。
二人とも一旦武器を収め、両掌を体の前で合わせつつ腰を折ってオジギをしアイサツを交わす。実際アイサツは大事、テンノ・コデックスにもそう書いてある。(※実際のゲム内では書いて無い。欺瞞!)
オジギをして顔を上げた僅か0.3秒後、エリオ=サンは既にラディアルジャベリン・ジツの発動を完了したエクスカリバー=サンを見る事ができたのみであった。
「アバーッ!?」
「アイエエエエエ!?」
そして実際手を抜いたのか気絶するのみにとどまった。そのあまりにも無慈悲な(しかし手加減はしていた)光景を見てキャロ=サンはしめやかに失禁!
やれやれ、と肩をすくめると背を向けてエクスカリバー=サンは何かの有線LANケーブルをエリオ=サンのデバイスに接続。『データ転送完了ドスエ』電子マイコ音声アナウンスによって何かのデータが送り込まれた事が告げられる。
そのまま音も無くログアウト。スリケンも塵となって分解されていた。
年頃の少女の失態を見逃すだけの情けが、テンノには存在していた。
そして全てが終わってやっと、保護者役を任されていた騎士四名は事態に気づく。
これは後に解る事だが、デバイスに転送されていたのは幾つかの改装案――しかも2,3日で完了できるもの。エリオは少し悩んだ後、強くなれるなら、と改装を頼む事にしたのであった。
思ったより書けてない。ドリンクをキメるしかないのだろうか……
単に興味が逸れただけ。アッハイその通りです。完結を急がないといけませんねクォレハ……