ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話   作:NonaIn

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お待たせしましたスゴくない奴、二連投稿の1つめ。

ええ、今回は解説回って言う側面もあるので大いに番外編です。
あとルビ振り機能を使ってみようと言う試み。だいぶ無理なルビや傍点などあるかもしれません。

あとくどいけど独自設定炸裂注意ナ!


Outer Tips.2 訣別の霊廟

N.D.75.7

MID-CHILDA ;Task Force 6 Yagami's Officeroom

 

 

 フォワードの年少二人に休暇を与えた、ある日の事だ。

 

 機動六課の司令用個人オフィスルームに、6つの影があった。

 2つはこのオフィスの主であり籠りっきりになりがちな八神はやて、リィンフォースツヴァイ両名。

 残る3つは高町なのは、フェイト・T・ハラオウン。そして傭兵ナナと――【ロキ】。なお【エクスカリバー】は居ない、おそらくオービターで次に向けて装備を整えているのだろう。

 

 【ロキ】は新参故にそうとは限らないのだが、この面子が集まる時は概ね、比較的重要度の高い様々な情報をやり取りする事になっている。そして雑談は可能な限り交わさない――ナナがそう言った物を避けて頃を見て入ってくるからだ。今回もそうだ。

 

「失礼、遅くなった」

 

「お、やっとやな。そしたら始めよか、誰からにする?」

 

 と問いかけるのは、形式的なモノに過ぎない。これまた概ね、ナナが共有したい情報がある、と言うから集まるのであるのだから。

 

「私から。 ……今回は三点、先ずパイロット・スバル個人に"支援者"が付く事になる」

 

「支援者? スポンサーとか、そんなんか? 見返りは……支援した事そのもの、と」

 

「その通り。我々パイロットはミリシアではたった一人のために艦隊砲撃や航空爆撃などによる支援すら惜しまない程の貴重な人材で、その一方でコストがかかる。そのため一人、専属に近い形で支援者が付く」

 

「断る事はできへんか?」

 

 やはりそう来るか、と言う程度の認識しか無いようにナナは即座にヘルメット頭を横に振る。

 

「断っても付く。パイロットの考え方次第では面識も持てるかも」

 

「……了解や」

 

 ナナとて、はやての懸念も理解できない所ではない。管理局から離れてゆく事に対しての危惧だろうが、それは無いと思う。

 

 フロンティアは――スバルには少し過酷だ。

 

 いや、パイロットであれリンカーコアを持つ存在は記憶転写復活措置(リスポーン)ができない都合上、まだ方々に硝煙と鉄による死が転がっているフロンティアには来るべきではない。と言うべきだろう。

 しかしそれを口にすればややこしく面倒くさい事になることは避けられないので、ナナは決して口には出さない事にした。

 

「次。実働データと仮想データの両面からメディベル(中衛)級タイタンの設計がブラッシュアップできた。近く虎大からゲンドゥル(魔力者)級、と言う形でライセンスが譲渡されるはず」

 

「具体的にはどういう感じになりそうなんや?」

 

「……魔術行使に特化した装備が設計されたので、それを持つ事になる。トリガーコア、主武装マナアークキャノン、攻撃装備MTMS、オプション装備AMディスチャージャー、防御装備ヴァーチャルシールド」

 

 それだけを言って、どやぁ、と言わんばかりに見つめるものだからはやてはもちろん、他の魔導師達も反応に困るしか無かった。何せ彼女らは質量兵器に対する知識が、良くて地球の日本相応なのだから名前も聞いた事が無いモノばかりだったからして。

 

「全然わからないの……」

 

 思わず苦笑いしながら言ったなのはを、えっ、と言いたげなタメを持って見返すナナが非常に滑稽にすら思えてくる。他の二人も、解らないと解ると、ナナは声色に出る程むっすりしながら解説を始めた。

 

「まず主武装。アークキャノン、と言うチャージ式の放電砲を魔力で再現するもの。有射程だけど、それ以外は概ね悪くない。……ちょっと型落ちした武装だから、実質在庫処分」

 

「魔力で、って事は非殺傷もできるんだ」

 

「全部できる。 AMディスチャージャーは、AMFと同じ発想を物理的に行う。魔力炉内壁の魔力反射材を粉末状にしたモノを周辺に散布して、誘導系や結界系、あと魔力収束なんかも阻害し、直進砲撃でも著しく減衰させる煙幕を張る」

 

「目に見えて対魔導師用って感じなの……」

 

 まるで魔導師は何も悪い事をしない、と言外に信じていそうななのはの言葉に淡々とした口調でナナは、閑話だけど、と言葉を紡ぐ。

 

「非魔力資質者と、魔力資質者の"再犯率"は、魔力資質者の方が20倍以上高い。 ……特に非魔力資質者への暴力的魔法行使が多い、ティアナの自主パトロールでもかなりの検挙数が――」

 

「まってまって、それ初耳だよ!?」

 

「連絡してるとばかり……本人にそこは聞いて。 続ける」

 

「続けないで!?」

 

 フェイトのツッコミを暖簾に腕押しとばかりに扱い、ナナは話を続ける。

 

「ヴァーチャルシールドは、半球状のシールド魔法を展開する。……半透明な一方通行の半球膜を目の前に発生・追従させる。私達の感覚だと、反射機能がない代わりにパーティクルウォールのように一定時間維持するヴォーテックスシールド」

 

「……さっぱりわからん。ま、まあええ、ほんで?」

 

「トリガーコアは……起動直後の攻撃を一発だけ大幅に強化する。以上」

 

「あ、そこはカートリッジシステムと似た感じなんやな」

 

 少しホッとした様子の魔導師3人である。

 しかし、続く報告にキョトンとした顔になり、そして険しい表情になった。

 

「……3点目。 フロンティア全土で特定指名手配された組織が密出国し、ミッドチルダに正式入国した」

 

「それはおかしい。基本、その辺は共有されとるはずや」

 

「"クーベン・ブリスク"率いる傭兵集団"エイペックス・プレデターズ"。罪状は民間人や捕虜の拷問虐殺、死体損壊、違法薬物の取引、略奪、強姦、誘拐……が、主なモノ」

 

 流石にこれだけの情報でも、皆が真顔になる。顔の見えないナナも、そして顔が表情を作れない【ロキ】すらもだ。

 しかし続く言葉が更に問題であった。

 

「けれど、管理局は彼等を()()()()()()()()()。なぜなら、10年前の戦いの折に、ミリシアを手ひどく裏切り、管理局に()()()()大きな貢献をしたから」

 

「……司法取引か?」

 

「違う。ただの()()()()。彼等の性質は何ら変わっていない、金だけで雇われる相手を選び、契約に無い事は何一つ縛られず……構成員は揃って残虐で、冷酷、冷徹」

 

「しかも違法出国で、かつ正当入国て事は……厄介やな」

 

 通常、入出国と言うモノは出国と入国がセットでなければ受理されないものだ。それを受理させたと言う事は、つまり。

 

 ナナは重く一つうなずき、続ける。

 

「敵対とは行かずとも対立する可能性は高い。そして彼らは一度雇われたら、完遂するまで幾ら金を出しても裏切る事はない」

 

「もしも対立した場合の対策は……?」

 

 万が一年少組が遭遇してしまったら、とでも考えているのか不安げなフェイトに対し、たった一言でナナは返す。

 

「生き伸びるためには、諦めて逃げる。無理なら、勝つ。戦場では常識」

 

「アッハイ、そうだね」

 

 そんな事も知らないのか。と言いたげな声色に、フェイトは思わずニンジャアトモスフィアを醸す返事をしてしまった。

 それに気づいたのか、【ロキ】がくすくすと小さく笑い声をたてた。

 

「他細かい点はデータを送る。私からは以上」

 

「うい、ご苦労さんやで。概ね把握したと思う。……で、えーと、そっちのロッキーも何や用事って言って無かった?」

 

「あ、そうだった。うん、そんな大した事じゃないんだけど、数点。まず先日の稽古の件。ちょっとやりすぎたからMODDINGして威力調整するって、彼は言ってたから」

 

 もでんぐ? と首を傾げる五人をそっちのけに【ロキ】は話を続ける。

 なお懸命な読者諸兄に簡単に言うならば、MODDINGとは所謂『改造』であり、テンノは全ての装備をカードと言う形で管理している改造用資材を使用する事で、ある程度性能を変化向上させることが可能なのである。

 

「その時に渡したデータがスピアガン『FERROX』と幾つかのPRIME武器を複合した……一言で言えば『ストラーダ・プライム』の設計図、かな」

 

「設計図だけとはいえ勝手に改良できてたんはちょっとビックリやな。ウチらのデバイスもできるん?」

 

「しないだろうけど、できると思うよ。デバイスもタイタンも、どっちも元を辿ればオロキンの技術から()()()()したモノだし」

 

「待って待ってそれ初耳やで」

 

 困惑する魔導師(+デバイス)に、え、言ってなかったっけ。と言う雰囲気をありありと出してしまう【ロキ】とナナ。暫く互いに顔を見つめ合った後、軽く肩をすくめて【ロキ】が語りだす。

 

「えっと……まず虚数空間(VOID)の事は皆知ってるよね」

 

「……まあ、存在は知ってるで」

 

「ん。中に何があるかも、ある程度は」

 

 既に知識に差があった。

 なので、仕方なしに【ロキ】は、そこについても語りだす。

 

「まずVOIDと言うのは、私達人類種が知覚可能な次元構成を持つ()()()()()()()()らしいんだよね。だから次元構成がゆがむと、繋がりができる」

「それと同時に、そこには()()()()()()()()()。常に変化してるとか、極めて不安定とかじゃなくて()()()

「だからVOIDに接続できている次元には、色々と()()()()()()()があるらしいよ。魔力素とか、テンノ・パワーとか……あとタイタンのバッテリーとか」

「でもVOIDには()()()()()()だけだから、直接そういうエネルギーを汲み出す事はできても、利用できない。でも()()()()()()()()()()()()()()()事を利用して、潜りこむ事はできる」

「それをしたのが古代文明アルハザード(オロキン)。今でもその遺跡は残ってるよ」

「そしてそこから零れ落ちて次元世界に広まった技術や存在が『魔導』『魔素』や『タイタン』、それに『飛鉄塊』『微かな存在』『WARFRAME』……って事」

 

 誰も納得はできなかったが、あまりにも淡々と語られた内容に何も言えなかった。だから【ロキ】は納得したという事にして、次に話を進める事にしたようだ。

 

「次は私たち、って言うかロータスの方針ね。今の所は協力するけど、テンノやオリジン太陽系に大きな影響を与える存在は回収または破壊する、って事みたい」

 

「…………あ、うん。えっと、こっちで封印しとるロストロギアとかも対象なん?」

 

「らしいよ? 渡さないって言ったら隠密ミッションになるだけかな、ならないに越したことは無いけど……」

 

 敵対してまで実行されるよりはマシなのか、そうでないのか。

 それは誰にも分らなかった。まあ、ここはもっと上が判断する事だろうと流石のはやても思考を放り投げる事にしたようだったが。

 

「それから最後に。もう一人の"彼"は名前を忘れてるからジョンとでも呼んでくれればいいよ」

 

「……あなたは?」

 

「あれ、もう言わなかったっけ?」

 

「聞いて無い」

 

 魔導師達の思考がフリーズしかかっているのを良い事に、部外者二人がトントンと話を進めてしまう。本筋ではない上に、どうでも良い事だと判断したからだろうか。

 

「アリシア・T・テンノだよ。よろしくね?」

 

 ――声の一つもあげず、フェイトが硬直しながら気を失った。

 

 




フェイトそんはそんな役回り。
これまでも、これからもな!

なおプレシアは生死不明の模様。
やったねフェイトちゃん、気苦労が増えるよ!
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