ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話 作:NonaIn
と言っても多分年内に終わるかどうか。ごめんなさい許してください何でも書きますから!(すぐ書くとは言ってない)
N.D.75.9.16
MID-CHILDA ;Task Force 6 Office
状況が変わった。
ナナはたった一人の子供のためにほぼ全員が雁首揃えて頭を捻っている機動六課のメインメンバーの前で、そう言い放った。なおTENNO二人はどこかへ出かけている。
そもそも何故彼女らが頭を捻っているかと言えば、ヴィヴィオを連れてゆかれた状況も連れて行った人員も、全て恐ろしいほどに状況が出来上がっているせいで裏を勘ぐらざるを得なかったからでもある。――
――余談だが、地上本部公開意見陳述会などと言うモノは何の問題も無く済んでしまっており、だからこそ余裕ができてこんな事で悩んでいるのである。
「……何が変わったんや? どうせロクでもない事やろ」
流石にあの場面で回れ右したのは見殺しにしたと思われているのか、じっとりした視線がナナに突き刺さり、そして誰も何も言わないので仕方なしにはやてが返事をした。
「大真面目にロクでもない……全世界壊滅の危機。多分、オリジン太陽系宇宙まで含む」
「大しておもんない冗談やな」
「今まで言った事もないし、今も言ってないし、これからも言わないから面白い訳が無い。データを送る、例の保護した少女が深くかかわっている可能性が高いと判明した。……レイ、秘匿ファイル874を六課各位に転送」
『了解ですパイロット。……転送完了しました』
情報と言うのはとても扱いが繊細なモノだ。――それが常識を覆すような代物であるならば特に。
それを証明するかのように、多少なりとも頭の回る面子は一目見ただけで驚愕に顔を染めた。
記されていたのは――
更には
極め付けは伝承として知られている
『プロトコル2、極秘任務217。我々の任務は危険な遺物と思われる物体、即ち地上本部にあるなにがしか、あるいはそのものを調査し、起動あるいはその直前であればこれを
「……現状、我々は地上本部をカーディナルシャフトの亜種、その一部であると断定し、
「つまり……現状の長期依頼を放棄して、そっちに専念する、と?」
どうにも今回の一連の出来事に関して、彼女達のフットワークは軽いのに的外れだと思っていた。
しかしはやては優秀だ、とナナは思う。可能性を幾つか考えてその中で最もありうる可能性を指摘してきた。
だからこそ、YESともNOとも答えない。
「そちらの動き如何による。こちらは既にヴァンガード級を中核とした
お前がそれを言うか、と言うような視線があちこちから突き刺さる。それは殆どが政治的側面を考えずに済む数名からだったが、強く政治的側面に影響を受けるはやては腕組みをして考え込んでいた。
きっとこう考えているのだろう。
資料を信じたくはないが、信憑性はあると思わなければいけない。ミリシアの公式
そしてその資料の信憑性を認めてしまえば、管理局最高評議会と言う存在そのものが
何より、ヴァンガード級による大隊規模の戦力と言うモノは、外に持ち出すのであれば明らかに局地陸戦では過剰戦力、決戦戦力の類と言っても良い。
しかもそれを含め、機動六課にだけ開示を許可されたと言う。
「――裏切れ、っちゅーんか」
「違う」
「えっ違うん?」
即答であった。そしてそれによって重く張りつめた空気がある種のギャグ的雰囲気を含んでしまう。
「……あなた方に期待するのは、折れたシャフトの片割れを探す事。別動隊……グレイヴヤードから2名、斑鳩から1名によってなる情報収集兼早期対処班の調べによれば――せい、せいこうのさかりば……?」
『"聖王のゆりかご"です、パイロット。再生による記憶障害ですか?』
何とも空気がおかしくなり始めた。ほのかにラベンダーの香りがする系の。
はやて以外の面々がだんだんと刺々しくするのが馬鹿らしくなってきているのが目に見えるようだ。
「皮肉を検知。 ……そっちでは古代の質量兵器とか言われてる代物だったと思うけど、なけなしの資料を集めた限り『それ』が最も片割れの可能性が高い」
「いや、アレは場所も解らんしそもそも起動には"聖王"が必要でやな」
情報自体は色々集まっているらしく、言い訳を重ねるはやて。ここで管理局をガワだけとはいえ見捨てるのは嫌、と言う事なのだろうか。それとも単に信じたくないだけなのだろうか。
が、どちらにせよ。
「場所はグレイヴヤードが特定した。聖王も同等の特性の人造体が一人、……違う
「――ッッ、そう、か、そう言う事、か。 ……連隊が来るまでの猶予はどんなモンなん?」
そう。もし少しでも管理局に義理立てするならば、既に協力する以外の手は無い状況に追い込まれてしまっているのだ。
否。ミリシアにとっても協力する以外に無い状況とも言える。
ある意味で
もっとも、一傭兵であり一個人であるナナにとってそんなことはどうでもよかった。ただ、生き延びるために渦中へ飛び込む
それでも、生き伸びたくはあるのだ。
「不動明王剣による長距離跳躍を最大活用して、
「いや、協力するで。
「「はやて(ちゃん)!?」」
今まで一言も発せず事の成り行きを見守っていたなのはとフェイトが、はやての正気を疑うかのような声を上げた。彼女らは確かに賢いが、頑固で、それ故に資料を読んでも理解しきれなかったのかもしれない。
――フォワードメンバーの中では、スバルは話さえ聞いてしまえばアッサリとナナの側に立ってしまっており、ティアナも理屈が通ると解れば反論はせず、そしてエリオとキャロはどちらにせよ『仕事』が出来たのだとだけ理解していたようだ。
「一つ確認や。 カバーシナリオの展開が済んで、その『シャフト』さえ『封印』、いや『破壊』できれば、他は
「それ
「それさえナナ、あんたから聞ければええ。現状そっちの上には話が付けれんから、それでええ。 ――つまり。ヴィヴィオを助ける機会があるっちゅうこっちゃで、なのはちゃん、フェイトちゃん」
「あ……」
「……なるほど」
どうやったらそうなるのか、とナナは内心頭を抱えた。
総ての人類よりも、目の前の子供一人を優先する。それは公務員としての心構えではない。個人としての心構えだ。
それでも、モチベーションになるのだから口には出さなかったが。
「よっしゃ。方針も決まった事やし、ちゃちゃっと『ゆりかご』を抑えてハッピーエンドに――」
そう言ってはやてが気合いを入れようとした瞬間。
けたたましく
曰く――高エネルギー反応、地上本部直上2000kmに
こうして、
足りず、後が無く、失敗は許されず、成功の足掛かりも見えない。
そんなのは――いつもの事だろう?