ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話   作:NonaIn

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Chaptar.15 Still alive. Day after Day.

 それからの話をしよう。

 

 ミリシア所属斑鳩艦隊群はミッドチルダの双月軌道交差点に於いて、"石"の本体を発見した。輝きの失われた欠片とその欠けが完全に一致した事からそうと解っただけだ。

 発見された時、既にそのエネルギーは観測不能領域にて不活性化しており、所謂『休眠状態』に在ると判断されたのである。

 

 しかしそれを、ミリシアは管理局伝えない事にした。

 

 ミッドチルダの地上は、石の欠片の力の余波によって地上本部を中心としたかなりの広範囲が完全に()()と化していたからであり、その復興に際して人的リソースの多くを割く必要があり、それゆえに"石"などと言う超抜級のロストロギアを管理するだけの能力が無いと判断せざるを得なかったからだ。そうでなくともトップが失われた以上、意思決定に少なからぬ問題が発生するのは明らかだった。

 

 その上でミリシアはしれっと復興に協力した。

 タイタンは元々、汎作業用重機である。開拓に近い土木工事はお手の物だ。魔法よりも長く、多く、力強く、そう言った面においては役に立つ。

 

 それに何より、緑地と化した被爆半径内に於いては、人間や動物が無傷で取り残されていたからだ。

 

 動物たちはまだ良い。むしろ緑化した土地では活き活きとすらしていた。

 しかし人間はそうも行かない。

 

 通常の作業用重機ではエンジンの音で声などが聞き取り辛く、魔導師は先行探索が出来るにしても長時間移動し続けるには体力に問題があり、そう言った面でタイタンとパイロットという組み合わせは非常に有用だったのである。

 

 管理局、そしてミッドチルダの人々は、ごく一部を除いて一体何が起きたのかを理解できぬまま、この"災害"に力強く対応していった。

 その中にあって、タイタンパイロットであるスバルは非常に心強い存在として、そしてそれに負けずとも劣らぬ存在として機動六課は認識されて行く事になった。

 

 

 だがティアナの姿は、そこには無かった。

 

 蓑亀をはじめとしたミリシアからの出向者に連れられて、フロンティアに向かう事になってしまっていたのである。

 

 と言うのも、不完全な"人でなし"は不安定な存在だ。

 人のように肉体という『入れ物』がやや有利な存在ではなく、精神という『入れ物の無い水』が有利な存在であると言えば解るだろうか。

 

 それを解決するべく、どさくさに紛れて連れてゆく事になったのだ。

 

 そして二週間程という驚異的な時間で以て、彼女は"人でなし"――否、"遺言執行者(EXECUTOR)"として六課の面々の前に再び現れたのであった。

 彼女の隣には宿リ木(ミステルトゥ)が付き従っていた事だけは、一応記しておこう。

 

 

 エイペックス・プレデターズは相変わらず阿漕な商売をしている。

 

 彼等は傭兵だ。金さえあれば、戦う。戦う以外も金次第ではやらなくもない。

 だから、管理局(恐らく本局の方)に吹っかけて、復興に協力していたようだ。

 

 詳しい事は解らない。何しろ、一番忙しい時期だけ手伝って、また行方をくらましたのだから。

 

 

 斑鳩部隊は戦後処理を終えると、そっとミッドチルダから旅立った。

 

 元々彼等は部外者であり、他国人であり、長く留まる事は良くないからだ。挨拶すらもそこそこに、逃げ出すように居なくなったのだ。

 

 管理局は彼等を名目上、一瞬だけ罪人とし、そのまま特に逮捕に動く事も無くすぐに罪状を取り消した。

 地上本部の災難、そしてその後を見た上では、"陸"とは犬猿の仲である"海"も大概な扱いはできなかったのである。

 

 なお復興に際して必要なモノだからと特殊なタイタンを調達し、悲願が叶ったと咽び泣く陸の人も一部居たそうだ。

 

 

 そして、ナナ――つまり『私』は。

 

 

N.D.75.10

FRONTEAR; Somewhere planet.

 

 

 巨大樹木と絡み合った遺跡と化した箱状のコンクリート建造物の隙間に、一機のトーン級タイタンが佇んでいた。

 頭部メインセンサーをはじめとしたセンサー類は仄明るく光っており、彼女が未だ稼働している事を示している。

 

 タイタンの肩に止まった手術済みワタリガラス(オーグメント・レイヴン)は、既に老齢の域にあるにも関わらず忙しなく嘴で毛づくろいにいそしんでいる。しかし逆側に止まったハシブトガラスは――その数倍もの大きさがあった。

 遠近法などではない。この惑星の野生生物は全て、体格が二回り以上大きいのである。

 

 ぱき、と何者かが枝を踏む音がして、ハシブトガラスはその大翼を羽ばたかせてどこかに飛んで行ってしまった。

 トーンのメインセンサーが動き、音源の方を向く。現れたのは、一人のパイロットだった。

 

「ただいま、レイ。 ……捜索対象は発見できなかった」

 

『おかえりなさい、パイロット。 対象は余程"かくれんぼが上手"なのでしょう。休息を推奨』

 

 ナナは石を組んで作り上げた簡易のたき火かまどに焚き木を放り込んで着火剤で火をつけ、地面に置いてあるトラッカーキャノンの銃身に腰かける。

 

 ここはフロンティアの端、辺境の地。その更に果てにある、VOID(虚数空間)の揺らぎによって様々な宇宙がその一端を映し出す宙域。

 戦いから少し離れたいナナは開拓の先行調査依頼を請け、この星にやってきていたのだ。しかしそれも一筋縄では行きそうにない。

 

「未知の動力で動く"機械生命体"と"人間に酷似した機械"、って言うからすぐに見つかると思ったんだけど……」

 

『このエリアは概ね探索を終了しました。翌朝まで休息し、後に移動を推奨』

 

「りょうか――」

 

 ここに来てからごくありふれてしまった話をしようとした瞬間。がさり、と何者かが動く音がした。

 咄嗟にそちらを見れば確かにナニカが居て――

 

 

 

 

 

 ――The Game has been Over――

 

 ――But yet, They are still alive――

 

 ――With their dignity――






くぅ疲。

だいぶ迷走しつつ、プロットをガン無視して進んでしまったり、あるいは思いつきで要素がふらふらしたりと処女作っぽい仕上がりになったと思います。
ですがこれが私の今お出しできる代物であり、これ以下はあっても多分これ以上は難しいでしょう。

できることはやったつもりで、読んでみて面白いと思って頂ければ何より。そうでなければそっとじでいいんじゃよ。
書き直しとかしない限りは、こういう考えで居るしかないのかもしれません。いや、多分書き直してもそうでしょう。

ともあれあまり長々と語る事も無い事ですし、これにて一旦筆を置く事にします。
またいずれ、どこかでお会いする日まで。
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