ぼくのかんがえたわるいかんりきょくをヘイトする話   作:NonaIn

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Epilogue

N.D.0067 Spring

MID-CHILDA ;Administration bureau

 

 管理局の全リソースの大半を割き、その軍事力によって"フロンティア"へと侵攻する計画は頓挫。"フロンティア"を自治区として認めるも、個人護身用質量兵器に関しては交渉。

 

 この日の新聞の一面記事は、概ね――その視点の置き方も含めて――こう言った内容となっていた。

 

 内部情報においては、管理局、"レジスタンス"改め"ミリシア"両陣営の情報のより信頼性の高いモノを統合すると、こうなる。

 

・"ミリシア"損耗率、5%。捕縛、22%

・内訳、タイタン損失9、パイロット捕縛7、ライフルマン捕縛、多数

・巡洋艦損失2、空母損失1

 

・管理局武装隊損耗率、37%。捕縛、1%

・内訳、AAランク以上捕縛3、死亡5。AAランク未満捕縛20、死亡多数

・巡洋艦損失3、空母損失2

 

 一般的に損耗率が40%に達すると、機能停止に陥ると定義されている中でのこの被害は無視が出来ないと言う事だろう。

 

 それゆえ管理局は、テロであるという認識を撤回し、不正な要求を行っていた事を認め、『自らの非を認め侵略をやめた』と言うある種の美談としてその傷を隠す事にしたのだ。

 それそのものもまた別の方向性で治安を悪化させる要因とはなったものの、ただちに影響はない、というやつである。

 

 "フロンティア"は管理局に金銭及び物資を含む戦争賠償金を支払う事を既に公共の場、特にマスメディアに於いて宣言している。形式上は痛み分け、と言う事にしておかないとならないからであり、紛争に質量兵器を用いた――用いるしか無かった――事に対しての声明なども出している。

 

 しかしそれらは民衆に対し、意図的に遮断されていた。

 

 その代りに民衆に対して与えられた情報は、殺害された高位の魔導士について。特にその遺族についてである。

 見え透いた感情操作、世論操作はこれから先、様々な論争を生み出す事だろう。そして各々の思想、理念、そして尊厳を。それらのぶつかり合いを。

 

 しかしその中でもおかしな、と言ってしまえばそれこそおかしいが、そう言った流れに囚われない存在も居た。

 

 白い魔導士。高町なのは。

 

 彼女はあの後、必死の思いで展開したプロテクションにより、魔力欠乏によって戦闘不能になったもののほぼタイタン1機を全快状態から削りきる"ニュークリアイジェクト"の爆発から無事生還していた。

 

 ――それでも撃墜判定は喰らったため一時的に捕虜となり、その過程で様々な"真実"を目の当たりにしたわけだが。

 

 そして彼女は、両陣営の撃破・撃墜、あるいは生還者のリストを精査していたのである。

 リストには知らない名前があり、知っている名前があり、しかし探している名前は無かった。

 

 ナナ、という名前はどちらの名簿にも存在しなかったのである。そしてタイタンはそもそも名簿に載る事すらない。

 

 なのはは何度目になるかもわからないような資料の精査、そのついでの解析を終え、ぐっと背伸びをする。

 

「……ねえ、レイジングハート。 あの時も、レイさんと話をしてたよね。何を話してたの?」

 

 何か、ヒントがあるかもしれない。そう思って、訊ねてみるものの。

 

『It's secret.』

 

 そっか。とだけ相棒の答えに呟く。

 そして生きているかどうかも解らない、まだマトモに話す事すらできていない『友達』の無事を祈るのであった。

 

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